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二度目の定期試験
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そして、4ヶ月が経ち、定期試験が行われることになった。ヨルレアンはいつも通り、前日に終えている。
今回はアリナも受けることになっており、前回同様に自信がないと言っていたが、ファミラは前回のような点数を取りたくないと強く思っていた。
アリナは通常試験に加え、ビリズ語とパレート語の試験も受けることになった。
試験が終わると、アリナの結果が気になるところであった。だが、通常の試験は正直、教師たちも期待はしていなかった。
「これは…うん、まあ、そうだろうなと思ってはいた」
学園長はアリナのAクラスの担任・カルルから、採点結果を広げられても、驚くことはなかった。
通常科目は、Sクラスではないのにも関わらず、30~50点という結果であった。勿論、平均点は超えていない。
おそらくSクラスであれば、もっと低かっただろう。
「ビリズ語とパレート語は?」
「それが…」
言葉を濁しながら、二枚の結果を渡した。
「これもか…」
ビリズ語が30点、パレート語が65点という結果であった。
「パレート語は良い方か?」
「半年で65点は普通だということです。これが前回の試験の結果であったなら、とても良い出来だっただろうとのことでした」
パレート語を選択している生徒で、Sクラスでも、ABクラスでも、アリナよりも良い点を取っている者は多くいる。
身に付いていないとも言えないが、素晴らしいとも言い難い、何とも中途半端な点数であった。
「そうか…ビリズ語はこれでは、嘘だったのか?」
「ただ、嘘だと自覚があるのなら、受けなければ良かったはずです」
「そうだな、受けることは了承したんだったな」
「はい、本人は出来ていると思っているのではないかというのが、ビリズ語の教師の答えでした。もしくは、出来ると思っているので、勉強などは改めてしなかったから、この程度ということなのかと」
「なるほど…」
可能性はあるかもしれないとは思ったが、それでも価値観はひとそれぞれだが、聖女などと特別な名称で呼ばれる様なことなのかと、再び首を傾げた。
「ファミラ嬢の方は?」
「そちらはSクラスでなくなったこともありますが、平均点よりやや下くらいになっております」
ファミラは50~60点という結果で、前回はSクラスであるために、比べることが出来ないが、良くなったとは言えるだろう。
「試験が全てではないが、これが現実というわけだな」
「そういうことになるでしょう。あと、オマリー・トドックが二人に勉強を教えていたようです」
「トドックが?」
「はい、ですが悪いことではありませんから」
「何だか、嫌な組み合わせということか」
勉強を教えることは何も悪いことではない、二人が特に問題を起こしたわけでもない。だが、妙に胸騒ぎのする組み合わせというだけである。
「はい、その通りです」
「まあ、あれで一応は二度目でもSクラスではあるからな…勉強を教えることは出来るか」
「はい…殿下たちにも流石に近付いてはいないようですので、単なる厚意だと良いのですがというところです」
「そうだな」
学園長からアリナの試験結果が、ダズベルト陛下にも伝えられ、疑惑はますます深まることになった。
「予想通りと言えば、予想通りだな」
試験の結果を前に、ダズベルトも眉間に皺を寄せながら唸った。
「はい…通常科目は期待しておりませんでしたが、外国語もこの有様というべきか、疑問を抱いております」
「ああ、これは写しだな?」
「はい、そのように言われましたので、お持ちいたしました」
学園長は結果が出たら、写しをこちらに貰いたいと言われていた。
「ヨルレアンが見たがっておってな」
「え?試験の際は何もおっしゃっておりませんでしたが、まさか気にしてらっしゃるのでしょうか?」
今回も学園長は、ヨルレアンの試験の監督をいつも通りに務めている。
だが、そのようなことは一言も言っていなかった。
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17時もお読みいただきありがとうございます。
同時刻に新作「愛しくない、あなた」という新作を投稿しています。
今のところ恋愛強めで書くつもりでおります。
よろしければ、どうぞよろしくお願いいたします。
今回はアリナも受けることになっており、前回同様に自信がないと言っていたが、ファミラは前回のような点数を取りたくないと強く思っていた。
アリナは通常試験に加え、ビリズ語とパレート語の試験も受けることになった。
試験が終わると、アリナの結果が気になるところであった。だが、通常の試験は正直、教師たちも期待はしていなかった。
「これは…うん、まあ、そうだろうなと思ってはいた」
学園長はアリナのAクラスの担任・カルルから、採点結果を広げられても、驚くことはなかった。
通常科目は、Sクラスではないのにも関わらず、30~50点という結果であった。勿論、平均点は超えていない。
おそらくSクラスであれば、もっと低かっただろう。
「ビリズ語とパレート語は?」
「それが…」
言葉を濁しながら、二枚の結果を渡した。
「これもか…」
ビリズ語が30点、パレート語が65点という結果であった。
「パレート語は良い方か?」
「半年で65点は普通だということです。これが前回の試験の結果であったなら、とても良い出来だっただろうとのことでした」
パレート語を選択している生徒で、Sクラスでも、ABクラスでも、アリナよりも良い点を取っている者は多くいる。
身に付いていないとも言えないが、素晴らしいとも言い難い、何とも中途半端な点数であった。
「そうか…ビリズ語はこれでは、嘘だったのか?」
「ただ、嘘だと自覚があるのなら、受けなければ良かったはずです」
「そうだな、受けることは了承したんだったな」
「はい、本人は出来ていると思っているのではないかというのが、ビリズ語の教師の答えでした。もしくは、出来ると思っているので、勉強などは改めてしなかったから、この程度ということなのかと」
「なるほど…」
可能性はあるかもしれないとは思ったが、それでも価値観はひとそれぞれだが、聖女などと特別な名称で呼ばれる様なことなのかと、再び首を傾げた。
「ファミラ嬢の方は?」
「そちらはSクラスでなくなったこともありますが、平均点よりやや下くらいになっております」
ファミラは50~60点という結果で、前回はSクラスであるために、比べることが出来ないが、良くなったとは言えるだろう。
「試験が全てではないが、これが現実というわけだな」
「そういうことになるでしょう。あと、オマリー・トドックが二人に勉強を教えていたようです」
「トドックが?」
「はい、ですが悪いことではありませんから」
「何だか、嫌な組み合わせということか」
勉強を教えることは何も悪いことではない、二人が特に問題を起こしたわけでもない。だが、妙に胸騒ぎのする組み合わせというだけである。
「はい、その通りです」
「まあ、あれで一応は二度目でもSクラスではあるからな…勉強を教えることは出来るか」
「はい…殿下たちにも流石に近付いてはいないようですので、単なる厚意だと良いのですがというところです」
「そうだな」
学園長からアリナの試験結果が、ダズベルト陛下にも伝えられ、疑惑はますます深まることになった。
「予想通りと言えば、予想通りだな」
試験の結果を前に、ダズベルトも眉間に皺を寄せながら唸った。
「はい…通常科目は期待しておりませんでしたが、外国語もこの有様というべきか、疑問を抱いております」
「ああ、これは写しだな?」
「はい、そのように言われましたので、お持ちいたしました」
学園長は結果が出たら、写しをこちらに貰いたいと言われていた。
「ヨルレアンが見たがっておってな」
「え?試験の際は何もおっしゃっておりませんでしたが、まさか気にしてらっしゃるのでしょうか?」
今回も学園長は、ヨルレアンの試験の監督をいつも通りに務めている。
だが、そのようなことは一言も言っていなかった。
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よろしければ、どうぞよろしくお願いいたします。
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