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一方、王族と宰相とデュランズは応接室にいた。
「デュランズ殿はどう見る?」
「まだ分からないとは申しておきます。否定から始めるのは良くありませんから」
デュランズも眉唾だと思っていたが、ヨルレアンからどうやって行うのか、解読が出来るということをその場で証明することの難しさと問われて、興味を持った。
「そうか、それでどのくらい時間を与えるべきだ?」
「そうですね。ヨルちゃんが言うには、瞬時に分かるような能力がなければ」
「瞬時に分かる能力?」
「はい。もし彼女が例えば神様からギフトを与えられた天才で、そのような力を持っているとしたらと、仮定したのです」
コーランド王国も、ルエルフ王国も、神託がある、神が降臨するようなことはないが、きっと世を見守っている神様はいると信じられている。
「あの様子だと、ないということだな?」
「おそらくなかったのでしょう。ですので、2、3時間くらいで、きっと集中力が切れるはずだから、見切りをつけてはいかがでしょうかと申しておりました」
全く十分ではない時間ではあるが、集中力が切れて、だらだらと王族を待たせるよりも、見切りをつけてしまった方がいいという判断である。
「瞬時にとはいかなくとも、そのような能力がなければ、答えはおそらく説明が出来ると申しております」
「ヨルレアン嬢が?」
「はい、回答を見てからとは言っておりましたが」
「既に何か感じていたのだな」
その後、宰相やデュランズは何度かアリナの様子を見に行き、宰相はルスデン王国側、グルダイヤ侯爵にも昼過ぎには声を掛けることになっている、食事をして来てはどうかと話した。
不安を抱えながらも、交代で食事に行ったようで、昼を過ぎて、デュランズがアリナに声を掛けた。
「もう終わりでいいですか?進んでいないようで、これ以上、王家の方を待たせるわけにはいきませんよ」
「ですが、まだ」
「どのくらいで出来る予定だったのですか?」
「1時間の予定でした」
その言葉にデュランズは溜息をつきそうだったが、何とか堪えた。
「ではもう3時間も経っております。終わりとしましょう」
「でも、全然、あの難しくて、それで」
カーテシーを行った時とは同一人物だとは思えないほど、アリナは汗をかき、しどろもどろになっていた。
「解読が出来ているところがあれば、きちんと評価はします」
「あ、はい…」
「では、これにて終わりとして、王家の方をお呼びしてから採点を行います。この回答はこのまま、すり替えられたなどということがないように、机に置いたままにします。筆記用具は閉まってください」
「はい…」
ダズベルト、オーバン、ローレル、エルドール、メイランが戻り、始めと同じ場所に皆が着いた。
「では、採点を行います。解答用紙を預かりますね」
「はい」
デュランズは答えを見ながら、採点を行い、終わると立ち上がり、ダズベルトが声を掛けた。
「結果はどうだったのだ?」
「残念ながら、何一つ正解はしておりませんでした」
「そんな!」
アリナは思わず立ち上がって、叫んだ。
何も書いていないわけではないので、何かは合っていると思っていた。それで習っていないからと、言い訳をしようと思っていた。
ラリオ王太子殿下も外交大臣も、グルダイヤ侯爵も茫然とした。
観覧席からも『嘘だったのか』『デタラメだったのか』『何が聖女なのか』という声がしており、陛下が静粛にとまるで裁判のように黙らせることになった。
「解読が出来るとは認められないということだな?」
「はい」
「でも、今日は駄目でしたけど、出来たんです!本当なんです」
「そうです!我が国では、出来ておりました」
ラリオもアリナの様子に不味いのではないかと感じてはいたが、今日は難しかっただけで、ルスデン王国では出来ていた実績があるのだと、立ち上がった。
「デュランズ殿はどう見る?」
「まだ分からないとは申しておきます。否定から始めるのは良くありませんから」
デュランズも眉唾だと思っていたが、ヨルレアンからどうやって行うのか、解読が出来るということをその場で証明することの難しさと問われて、興味を持った。
「そうか、それでどのくらい時間を与えるべきだ?」
「そうですね。ヨルちゃんが言うには、瞬時に分かるような能力がなければ」
「瞬時に分かる能力?」
「はい。もし彼女が例えば神様からギフトを与えられた天才で、そのような力を持っているとしたらと、仮定したのです」
コーランド王国も、ルエルフ王国も、神託がある、神が降臨するようなことはないが、きっと世を見守っている神様はいると信じられている。
「あの様子だと、ないということだな?」
「おそらくなかったのでしょう。ですので、2、3時間くらいで、きっと集中力が切れるはずだから、見切りをつけてはいかがでしょうかと申しておりました」
全く十分ではない時間ではあるが、集中力が切れて、だらだらと王族を待たせるよりも、見切りをつけてしまった方がいいという判断である。
「瞬時にとはいかなくとも、そのような能力がなければ、答えはおそらく説明が出来ると申しております」
「ヨルレアン嬢が?」
「はい、回答を見てからとは言っておりましたが」
「既に何か感じていたのだな」
その後、宰相やデュランズは何度かアリナの様子を見に行き、宰相はルスデン王国側、グルダイヤ侯爵にも昼過ぎには声を掛けることになっている、食事をして来てはどうかと話した。
不安を抱えながらも、交代で食事に行ったようで、昼を過ぎて、デュランズがアリナに声を掛けた。
「もう終わりでいいですか?進んでいないようで、これ以上、王家の方を待たせるわけにはいきませんよ」
「ですが、まだ」
「どのくらいで出来る予定だったのですか?」
「1時間の予定でした」
その言葉にデュランズは溜息をつきそうだったが、何とか堪えた。
「ではもう3時間も経っております。終わりとしましょう」
「でも、全然、あの難しくて、それで」
カーテシーを行った時とは同一人物だとは思えないほど、アリナは汗をかき、しどろもどろになっていた。
「解読が出来ているところがあれば、きちんと評価はします」
「あ、はい…」
「では、これにて終わりとして、王家の方をお呼びしてから採点を行います。この回答はこのまま、すり替えられたなどということがないように、机に置いたままにします。筆記用具は閉まってください」
「はい…」
ダズベルト、オーバン、ローレル、エルドール、メイランが戻り、始めと同じ場所に皆が着いた。
「では、採点を行います。解答用紙を預かりますね」
「はい」
デュランズは答えを見ながら、採点を行い、終わると立ち上がり、ダズベルトが声を掛けた。
「結果はどうだったのだ?」
「残念ながら、何一つ正解はしておりませんでした」
「そんな!」
アリナは思わず立ち上がって、叫んだ。
何も書いていないわけではないので、何かは合っていると思っていた。それで習っていないからと、言い訳をしようと思っていた。
ラリオ王太子殿下も外交大臣も、グルダイヤ侯爵も茫然とした。
観覧席からも『嘘だったのか』『デタラメだったのか』『何が聖女なのか』という声がしており、陛下が静粛にとまるで裁判のように黙らせることになった。
「解読が出来るとは認められないということだな?」
「はい」
「でも、今日は駄目でしたけど、出来たんです!本当なんです」
「そうです!我が国では、出来ておりました」
ラリオもアリナの様子に不味いのではないかと感じてはいたが、今日は難しかっただけで、ルスデン王国では出来ていた実績があるのだと、立ち上がった。
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