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女王降臨4
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「元々、ヨルにさせる気は誰もないわよね」
「あれ以上、働かせられませんからな」
ヨルレアンに領地経営もと言えば、当たり前に習得するだろうが、そこまでしてしまうと、本当にエルドールの必要性がなくなってしまうために、王子妃教育から領地経営は敢えて外していた。
「では、そのつもりでいてくださる?」
「はい」
「結婚はどうしますかな?」
「そうね、第一王女と結婚にするより、マレリーア公爵令嬢にして、婿入りの方がヨルは納得すると思うわ。目立つことはあまり好きではないから」
エルドール王子殿下と結婚、ヨルレアン王女殿下と結婚となれば、大規模な結婚式が行われることになる。
公爵家でも大規模にはなるが、まだ控えめとなることだろう。
「そうですね、ではそのように動きましょう。エルドールもいいな?」
「はい」
エルドールは、両親にも覚悟をして置くように言われており、結婚が出来ることに、頬の筋肉は上がりっぱなしであった。
「絶対に、ヨルレアン嬢を悲しませることはしません」
「ええ、そうしてくださいね」
「誓います!」
今も馬鹿息子を返上とまではいかないが、ヨルレアンに配慮の出来ないと言っていたことを、実践するかのように、配慮する力を見せている。
「エルドールは、戻りなさい」
「はい」
確認を取ったエルドールは戻されて、また大人四人の話し合いに戻った。
「結婚式の準備はこちらでも、させて貰ってもよろしいでしょうか?」
「よろしくお願いいたします。子どもたちは、私の事情に巻き込んでしまっただけなの。だから、せめてこれからの人生が希望のものであるようにと思っているの」
「どうしたんだい?」
ダリーツは、珍しく憂うようなことを言うルアサーラに驚いた。
「結婚するんだなって思ったら、感慨深いなと思ってね」
「そうだな」
「ええ、そうですな」
ルアサーラは女王になりたいと思ったこともなかった。だが、王女として生まれた以上、責任を果たすためにこの道を選んだ。
女王になったことを後悔をしたことはないが、家族のことは後悔ばかりである。
「私はヨルレアンに、一番罪悪感があるの。あの子が4歳の時に、サリージュが、5歳の時にミオリックを産んで、それまでも忙しくあまり構っていなかったのに、さらに構えなくなって…お義父様とお義母様に懐くのも、当たり前よ。サリージュが生まれるまでに、たっぷり構おって置けば良かったと後悔しているの」
「ああ…」
ダリーツがヨルレアンに寄り添えば良かったのに、していなかった。
「しかも、運命の古代語に出会って…気付いた時にはすっかり私も、ダリーツも見向きもされなくなって」
「あ、ああ…」
ダリーツも気付いた時には、何に誘おうにも、古代語には勝てず、『お父様、うるさくてよ?』と言われたことは数知れない。
「それから離れて暮らすようになってしまって。でもね、ヨルに古代語があって良かったと言われたの。お母様とサリージュがいないことも、家族がバラバラでも、私にはお祖父さまの導いてくれた、真っすぐな道があるんだもの。これが運命だったのよと言われて…随分、心が軽くなったわ」
「ヨルレアン嬢が、立派だからですよ」
ダズベルトは自身の子どもたちを厳しく育てて、心配ないと思っていたが、エルドールの一件でその安心はなくなった。
「そう言って貰えるといいけど、あの子も周りが見えなくなることもあるから、エルドール殿下にフォローして貰わないとね」
「ええ、今のエルドールを信じていただければと思います」
「そう願いたいですわね」
ダズベルトはエルドールとヨルレアンがルエルフ王国に行くとして、ルアサーラは退位したら、コーランド王国に戻るのだと思っていた。
そうなると、ヨルレアンとの時間はまた取れなくなるのではないかと思った。
「あれ以上、働かせられませんからな」
ヨルレアンに領地経営もと言えば、当たり前に習得するだろうが、そこまでしてしまうと、本当にエルドールの必要性がなくなってしまうために、王子妃教育から領地経営は敢えて外していた。
「では、そのつもりでいてくださる?」
「はい」
「結婚はどうしますかな?」
「そうね、第一王女と結婚にするより、マレリーア公爵令嬢にして、婿入りの方がヨルは納得すると思うわ。目立つことはあまり好きではないから」
エルドール王子殿下と結婚、ヨルレアン王女殿下と結婚となれば、大規模な結婚式が行われることになる。
公爵家でも大規模にはなるが、まだ控えめとなることだろう。
「そうですね、ではそのように動きましょう。エルドールもいいな?」
「はい」
エルドールは、両親にも覚悟をして置くように言われており、結婚が出来ることに、頬の筋肉は上がりっぱなしであった。
「絶対に、ヨルレアン嬢を悲しませることはしません」
「ええ、そうしてくださいね」
「誓います!」
今も馬鹿息子を返上とまではいかないが、ヨルレアンに配慮の出来ないと言っていたことを、実践するかのように、配慮する力を見せている。
「エルドールは、戻りなさい」
「はい」
確認を取ったエルドールは戻されて、また大人四人の話し合いに戻った。
「結婚式の準備はこちらでも、させて貰ってもよろしいでしょうか?」
「よろしくお願いいたします。子どもたちは、私の事情に巻き込んでしまっただけなの。だから、せめてこれからの人生が希望のものであるようにと思っているの」
「どうしたんだい?」
ダリーツは、珍しく憂うようなことを言うルアサーラに驚いた。
「結婚するんだなって思ったら、感慨深いなと思ってね」
「そうだな」
「ええ、そうですな」
ルアサーラは女王になりたいと思ったこともなかった。だが、王女として生まれた以上、責任を果たすためにこの道を選んだ。
女王になったことを後悔をしたことはないが、家族のことは後悔ばかりである。
「私はヨルレアンに、一番罪悪感があるの。あの子が4歳の時に、サリージュが、5歳の時にミオリックを産んで、それまでも忙しくあまり構っていなかったのに、さらに構えなくなって…お義父様とお義母様に懐くのも、当たり前よ。サリージュが生まれるまでに、たっぷり構おって置けば良かったと後悔しているの」
「ああ…」
ダリーツがヨルレアンに寄り添えば良かったのに、していなかった。
「しかも、運命の古代語に出会って…気付いた時にはすっかり私も、ダリーツも見向きもされなくなって」
「あ、ああ…」
ダリーツも気付いた時には、何に誘おうにも、古代語には勝てず、『お父様、うるさくてよ?』と言われたことは数知れない。
「それから離れて暮らすようになってしまって。でもね、ヨルに古代語があって良かったと言われたの。お母様とサリージュがいないことも、家族がバラバラでも、私にはお祖父さまの導いてくれた、真っすぐな道があるんだもの。これが運命だったのよと言われて…随分、心が軽くなったわ」
「ヨルレアン嬢が、立派だからですよ」
ダズベルトは自身の子どもたちを厳しく育てて、心配ないと思っていたが、エルドールの一件でその安心はなくなった。
「そう言って貰えるといいけど、あの子も周りが見えなくなることもあるから、エルドール殿下にフォローして貰わないとね」
「ええ、今のエルドールを信じていただければと思います」
「そう願いたいですわね」
ダズベルトはエルドールとヨルレアンがルエルフ王国に行くとして、ルアサーラは退位したら、コーランド王国に戻るのだと思っていた。
そうなると、ヨルレアンとの時間はまた取れなくなるのではないかと思った。
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