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レオーラも分かった上で、信じてもらえないかもしれないと、これから起こる些細なことや、自分がどんな風に生きて来たかを真剣に聞かせた。
生きて来たかは知りようがないが、レオーラの言った些細なことが一回、二回、三回と、知り得ることのないことを聞かされて、さすがに信じざる得なかった。
同時にどうして自分だったのかと思ったが、知る限りではあるが婚約者がいなかったことから、傷付く人がいないこと。そして、冷静に判断できる人だから、助けて欲しいと言われて、味方になる覚悟した。
婚約もレオーラはレルス王太子殿下と婚約はしないと決めていたことから、根回しをして婚約を結んだ。元より情のある存在だったが、危なっかしくて、他に任せるわけにはいかなかった。
流行り病のことも、まだ足音すらしていない。
それでも、無視はできない。
ジーアは薬や検査薬などを作る研究所に勤めており、立場的にも予防をしなければならない。だが、レオーラは知ってはいるが、詳しいことまでは分からない。
始めに具合が悪くなったとされたのは、他国から戻って来た外交官だったそうだ。
その後も船乗りや旅行者などが、どんどんパークスラ王国に蔓延していったということだった。
薬も今の段階では開発はできず、流行ってからになってしまう。レオーラも二回目と三回目もジーアは治療薬を作っていたと聞いていた。
重症化したと思われるレオーラが亡くなったように、重症化しないために治癒術が使える魔術師を派遣してもらうということは、正しい対処法だろう。
二回目と三回目はレオーラがレルス王太子殿下と婚約していたことから、優先的に助けてもらったという。
今回も要請することにはなるだろうが、すぐには難しいかもしれない。
モリーが同じように戻っているということには半信半疑だったが、接触することはジーアも賛成であった。
当然だが、どんな人間なのか調べたが、誰かが隠しているのかと思うほど、情報はほとんど得られなかった。
「しかも、横取りされて」
「ん?横取り?」
「あっ」
横取りのことはジーアには話しておらず、これは話すべきか、考え込んだ。だが、ジーアはどこかモリーに対して、情けない、ガッカリしたというような雰囲気が読み取れてしまった。
そのような不名誉なことは、レオーラは許せなかった。
「聞いてならないことなら、私は聞かないよ」
「いえ、モリー様を馬鹿にされたくないから、聞いてもらっておいた方が良いわ!モリー様はこれまで功績を横取りをされていたの。だから、今回は奪われないように持たないことにしたの」
誰に奪われたかまでは、今回は何も奪われていないと言っていたことから、伝えないことにした。
「奪うものがないようにすればいいということか?」
「そうなの」
「ある意味、自衛ということか。確かに頭が悪そうには見えなかった」
ジーアも少し話したことと、レオーラから聞く話からも、きちんとした方で良かったと思ったくらいであった。どこか危なっかしいレオーラよりも、冷静に対処できるのではないかと期待もしていた。
だが、以前は横取りをされたということは、みすみす奪われたとも考えられる。用心することに越したことはないだろう。
「賢い方よ、私が保証するわ」
「分かった。ならば呼び寄せて、万が一の時はこちらに残って貰うためには、遊びに来て欲しいでは何週間も滞在は難しいだろうな」
「そうなの、一日で済む話なら私が我儘を言ったという形にすればいいのだけど、それでは駄目でしょう?」
「ああ、レオーラの我儘も限界があるだろう。モリー様は流行り病については知らないのだよな?」
モリーが僅かでも情報を得ていれば、それを元に予防も薬なども用意ができる。
生きて来たかは知りようがないが、レオーラの言った些細なことが一回、二回、三回と、知り得ることのないことを聞かされて、さすがに信じざる得なかった。
同時にどうして自分だったのかと思ったが、知る限りではあるが婚約者がいなかったことから、傷付く人がいないこと。そして、冷静に判断できる人だから、助けて欲しいと言われて、味方になる覚悟した。
婚約もレオーラはレルス王太子殿下と婚約はしないと決めていたことから、根回しをして婚約を結んだ。元より情のある存在だったが、危なっかしくて、他に任せるわけにはいかなかった。
流行り病のことも、まだ足音すらしていない。
それでも、無視はできない。
ジーアは薬や検査薬などを作る研究所に勤めており、立場的にも予防をしなければならない。だが、レオーラは知ってはいるが、詳しいことまでは分からない。
始めに具合が悪くなったとされたのは、他国から戻って来た外交官だったそうだ。
その後も船乗りや旅行者などが、どんどんパークスラ王国に蔓延していったということだった。
薬も今の段階では開発はできず、流行ってからになってしまう。レオーラも二回目と三回目もジーアは治療薬を作っていたと聞いていた。
重症化したと思われるレオーラが亡くなったように、重症化しないために治癒術が使える魔術師を派遣してもらうということは、正しい対処法だろう。
二回目と三回目はレオーラがレルス王太子殿下と婚約していたことから、優先的に助けてもらったという。
今回も要請することにはなるだろうが、すぐには難しいかもしれない。
モリーが同じように戻っているということには半信半疑だったが、接触することはジーアも賛成であった。
当然だが、どんな人間なのか調べたが、誰かが隠しているのかと思うほど、情報はほとんど得られなかった。
「しかも、横取りされて」
「ん?横取り?」
「あっ」
横取りのことはジーアには話しておらず、これは話すべきか、考え込んだ。だが、ジーアはどこかモリーに対して、情けない、ガッカリしたというような雰囲気が読み取れてしまった。
そのような不名誉なことは、レオーラは許せなかった。
「聞いてならないことなら、私は聞かないよ」
「いえ、モリー様を馬鹿にされたくないから、聞いてもらっておいた方が良いわ!モリー様はこれまで功績を横取りをされていたの。だから、今回は奪われないように持たないことにしたの」
誰に奪われたかまでは、今回は何も奪われていないと言っていたことから、伝えないことにした。
「奪うものがないようにすればいいということか?」
「そうなの」
「ある意味、自衛ということか。確かに頭が悪そうには見えなかった」
ジーアも少し話したことと、レオーラから聞く話からも、きちんとした方で良かったと思ったくらいであった。どこか危なっかしいレオーラよりも、冷静に対処できるのではないかと期待もしていた。
だが、以前は横取りをされたということは、みすみす奪われたとも考えられる。用心することに越したことはないだろう。
「賢い方よ、私が保証するわ」
「分かった。ならば呼び寄せて、万が一の時はこちらに残って貰うためには、遊びに来て欲しいでは何週間も滞在は難しいだろうな」
「そうなの、一日で済む話なら私が我儘を言ったという形にすればいいのだけど、それでは駄目でしょう?」
「ああ、レオーラの我儘も限界があるだろう。モリー様は流行り病については知らないのだよな?」
モリーが僅かでも情報を得ていれば、それを元に予防も薬なども用意ができる。
2,017
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