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新たな候補者
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確かに多くの国があるのだから、王女は一人ではない。
レオーラが最有力候補だっただけで、他の王女がいる。
そうなれば、リークレアの出る幕はやはりない。もしかしたら、リークレアも周りもそのことを知ることになったのではないか。
王女の周りに同じような人間が、いるかもしれない。そのためにレオーラが、外れた可能性もある。
ペイリーが王宮に勤める友人が噂で聞いたという王女は、モリーにとって耳を疑う相手であった。
「エリュカ第二王女?」
「はい、私は存じ上げないのですが、モリー様はご存知ですか?」
「名前だけしか知らないわ」
「そうですよね」
ジファーソ王国のエリュカ第二王女殿下。
顔も知っているが、一度目も二度目も、名前だけはよく聞くことのあった人物であった。なぜかと言うと、評判が良くなかったからである。
前と同じなら、王家は難色を示していることだろう。
見た目しか知らないが、レオーラは気品あふれる美しい王女だったが、正反対と言ってもいい。まず顔のパーツが全て大きく、バランスが悪い顔立ちである。
背が低く、骨太な体形をしており、肉付きもいい。
一度目も二度目もマキュレアリリージュも、リークレアも、よく彼女の見た目への悪口を言っていた。
ジファーソ王国は温かい島国で、十分な水や食糧が得られず窮するようなことまではないが、産業の水準が低く、カカオとバナナの輸出に頼っている状態である。
プレメルラ王国は、断れない縁談ではない。
注目されるような国ではないために、まだエリュカ王女の姿は、あまり知られていない段階かもしれない。
「進みそうなの?」
「いえ、噂では名前が出ているという話なので、縁談を申し込まれたのかもしれないと言われているそうです」
「それはあるかもしれないわね」
「どのような方なのかは知りませんが、国として考えるなら、ジファーソ王国をこちらが援助するような形になるのではないかと、友人は言っていました」
「まあ、そうよね」
「しかも、現王妃の娘ですから」
ジファーソ王国は王妃が王子と王女を産んで、病で亡くなり、その後に嫁いだのが現在の王妃である。その現在の王妃が産んだのが、エリュカ王女であった。
現王妃は亡くなられた王妃のように、力のある家ではなく、よからぬ考えを持たぬ家から抜擢されている。
しかも、エリュカ王女は国王陛下にも、現王妃にも似ていない。王妃の父親に似ていると言われていたが、モリーは見たことがないので、分からない。
そのことで、本当に国王陛下の娘なのかという悪意半分と、疑惑半分という状態であった。
調べることが出来れば払拭することも出来ただろうが、血液型は問題なかったと聞いたことがある。
先進国であるジオリカ王国で、親子鑑定の出来る方法が開発されたと聞くが、まだ一般的ではない上に精度もまだ高いわけではないと聞く。
「そうね」
「しかも、どうやらあまり見た目のことを言いたくはありませんが、良くないと言われているそうです」
「顔を知らないのに?」
「知っている方がいたそうで」
「まあ」
「ここまで噂になっているということは、断ったのではないかとも言われているそうです」
「確かにそうね」
エリュカ王女はあまり好かれない見た目だけで、評判が悪かったわけではない。見た目以上に、性格に問題があった。
我儘で子どもっぽく、急に泣き出すこともしばしばあったという。聞いたのも一人だけではないので、事実なのだろうとモリーも思っている。
関わりたくない王女であることは確かだった。
それでも、遊学だとプレメルラ王国にも度々、やって来ていた。レルスやオルト、他の高位貴族の令息を追いかけ回していたと聞く。
だが、エリュカ王女がプレメルラ王国だけではなく、誰かと婚約したと聞くことは、一度目も二度目もなかった。
レオーラが最有力候補だっただけで、他の王女がいる。
そうなれば、リークレアの出る幕はやはりない。もしかしたら、リークレアも周りもそのことを知ることになったのではないか。
王女の周りに同じような人間が、いるかもしれない。そのためにレオーラが、外れた可能性もある。
ペイリーが王宮に勤める友人が噂で聞いたという王女は、モリーにとって耳を疑う相手であった。
「エリュカ第二王女?」
「はい、私は存じ上げないのですが、モリー様はご存知ですか?」
「名前だけしか知らないわ」
「そうですよね」
ジファーソ王国のエリュカ第二王女殿下。
顔も知っているが、一度目も二度目も、名前だけはよく聞くことのあった人物であった。なぜかと言うと、評判が良くなかったからである。
前と同じなら、王家は難色を示していることだろう。
見た目しか知らないが、レオーラは気品あふれる美しい王女だったが、正反対と言ってもいい。まず顔のパーツが全て大きく、バランスが悪い顔立ちである。
背が低く、骨太な体形をしており、肉付きもいい。
一度目も二度目もマキュレアリリージュも、リークレアも、よく彼女の見た目への悪口を言っていた。
ジファーソ王国は温かい島国で、十分な水や食糧が得られず窮するようなことまではないが、産業の水準が低く、カカオとバナナの輸出に頼っている状態である。
プレメルラ王国は、断れない縁談ではない。
注目されるような国ではないために、まだエリュカ王女の姿は、あまり知られていない段階かもしれない。
「進みそうなの?」
「いえ、噂では名前が出ているという話なので、縁談を申し込まれたのかもしれないと言われているそうです」
「それはあるかもしれないわね」
「どのような方なのかは知りませんが、国として考えるなら、ジファーソ王国をこちらが援助するような形になるのではないかと、友人は言っていました」
「まあ、そうよね」
「しかも、現王妃の娘ですから」
ジファーソ王国は王妃が王子と王女を産んで、病で亡くなり、その後に嫁いだのが現在の王妃である。その現在の王妃が産んだのが、エリュカ王女であった。
現王妃は亡くなられた王妃のように、力のある家ではなく、よからぬ考えを持たぬ家から抜擢されている。
しかも、エリュカ王女は国王陛下にも、現王妃にも似ていない。王妃の父親に似ていると言われていたが、モリーは見たことがないので、分からない。
そのことで、本当に国王陛下の娘なのかという悪意半分と、疑惑半分という状態であった。
調べることが出来れば払拭することも出来ただろうが、血液型は問題なかったと聞いたことがある。
先進国であるジオリカ王国で、親子鑑定の出来る方法が開発されたと聞くが、まだ一般的ではない上に精度もまだ高いわけではないと聞く。
「そうね」
「しかも、どうやらあまり見た目のことを言いたくはありませんが、良くないと言われているそうです」
「顔を知らないのに?」
「知っている方がいたそうで」
「まあ」
「ここまで噂になっているということは、断ったのではないかとも言われているそうです」
「確かにそうね」
エリュカ王女はあまり好かれない見た目だけで、評判が悪かったわけではない。見た目以上に、性格に問題があった。
我儘で子どもっぽく、急に泣き出すこともしばしばあったという。聞いたのも一人だけではないので、事実なのだろうとモリーも思っている。
関わりたくない王女であることは確かだった。
それでも、遊学だとプレメルラ王国にも度々、やって来ていた。レルスやオルト、他の高位貴族の令息を追いかけ回していたと聞く。
だが、エリュカ王女がプレメルラ王国だけではなく、誰かと婚約したと聞くことは、一度目も二度目もなかった。
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