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御呼び
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エリーは公爵令嬢なのに、どうして会ったことがないのかと不思議に思った。リークレアではなく、ドレスを作れる公爵令嬢に会ってみたかったと思った。
「ええ……」
ケリーは呼び出すことは可能だが、オブレオサジュール公爵家は複雑であり、本来ならレルスやオルトの婚約者に名前が挙がってもおかしくない家だったが、避けられることになった。
モリーが、どのような令嬢なのかも分からない。
だからこそ、どのような令嬢なのか、会ってみるいい機会かもしれないと、ケリーも考えた。
芸術祭が終わり、何も知らないモリーの元へは今年も当日会わなかったクラスメイトから、お褒めの言葉をもらっていた。
そして、数日後。モリーはブレフォスに呼び出されることになった。
会話らしい会話をすること自体が、久し振りである。
「ケリー王妃陛下とエリー王女殿下から、モリーに会いたいと連絡があった」
「えっ?」
そんな展開はこれまでなかった。ケリーからは何度か呼びだされたが、正直、最初からあちらもだろうが、お互いに良い印象はない。だが、エリー王女殿下は違う。一度も関わることのなかった相手である。
可愛らしい王女だったが、どのような方なのか分からない。我儘などと聞いたこともあったが、それはリークレアが言っていたもので、信用するには頼りない。
それよりも、わざわざ王妃陛下には会いたくない。厳しい方と言えば、王妃であるのだからいいが、人を色眼鏡で見るような人である。
こういった人間だと、決めつけるところがある。
「芸術祭のドレスを気に入ってくださったそうだ」
「それがどうして……」
「話をしてみたいということだが、どうする?」
「断れるのですか?」
「いや……断るのも角が立つだろうな」
カリーナはブレフォスへの当てつけで、社交を一切しておらず、王家からの誘いはないが、家庭のことで具合が悪いと招待も断っている。
今回は相手は王妃陛下で、これでモリーも断れば、さすがに角が立つ。
「では、行かなくてはならないということではありませんか」
それなのに、どうする?などと、聞く時間の無駄ではないか。
「ドレスの話を聞きたいだけだそうだから、気負わずに行って来るといい」
「分かりました……」
憂鬱でしかないモリーは、王妃陛下と王女殿下の茶会に呼ばれることになった。
ペイリーにもついて来てもらうことになり、ドレスの話とあったので、去年のドレスを着用してもらうことにした。侍女に合わせるのもおかしいが、モリーも王宮ということで、なるべく華美ではないがブルーの上質なドレスを着用した。
一度目も二度目も、ケリーには何度も会っていたが、今回は初めてで緊張していたが、名誉なことですからとソワソワしていた。
王宮に着くと、溜息が出そうになったが、何とか我慢した。
案内されて、待っていると、ケリーとエリーがやって来た。
モリーは素早く立ち上がり、頭を下げて、ペイリーも同様に頭を下げた。ケリーから声が掛かるまで、そのまま待った。
「顔を上げて。急にお呼び出しして申し訳なかったわね、私もだけど、エリーが話を聞きたいと言ってね。今日はゆっくりしていって頂戴」
「お招きありがとうございます」
ケリーにどこで揚げ足を取られるか分からないので、余計なことを言わないように、言葉を選びながら話をしなければならないと、心に決めていた。
「エリー、あなたもご挨拶しなさい」
「はい!エリーです。お会いできて光栄です」
「恐れ入ります。王女殿下にお会いできて光栄でございます」
近くで初めて見たエリーは、12歳だが、それよりも見た目は幼い印象だったが、芯の強さを感じた。
「座って頂戴、お菓子も用意したの」
「私が選びましたの。お口に合うと良いのですけど」
「楽しみでございます」
「はい!これ、とても美味しいのです。食べてみてください!」
「ええ……」
ケリーは呼び出すことは可能だが、オブレオサジュール公爵家は複雑であり、本来ならレルスやオルトの婚約者に名前が挙がってもおかしくない家だったが、避けられることになった。
モリーが、どのような令嬢なのかも分からない。
だからこそ、どのような令嬢なのか、会ってみるいい機会かもしれないと、ケリーも考えた。
芸術祭が終わり、何も知らないモリーの元へは今年も当日会わなかったクラスメイトから、お褒めの言葉をもらっていた。
そして、数日後。モリーはブレフォスに呼び出されることになった。
会話らしい会話をすること自体が、久し振りである。
「ケリー王妃陛下とエリー王女殿下から、モリーに会いたいと連絡があった」
「えっ?」
そんな展開はこれまでなかった。ケリーからは何度か呼びだされたが、正直、最初からあちらもだろうが、お互いに良い印象はない。だが、エリー王女殿下は違う。一度も関わることのなかった相手である。
可愛らしい王女だったが、どのような方なのか分からない。我儘などと聞いたこともあったが、それはリークレアが言っていたもので、信用するには頼りない。
それよりも、わざわざ王妃陛下には会いたくない。厳しい方と言えば、王妃であるのだからいいが、人を色眼鏡で見るような人である。
こういった人間だと、決めつけるところがある。
「芸術祭のドレスを気に入ってくださったそうだ」
「それがどうして……」
「話をしてみたいということだが、どうする?」
「断れるのですか?」
「いや……断るのも角が立つだろうな」
カリーナはブレフォスへの当てつけで、社交を一切しておらず、王家からの誘いはないが、家庭のことで具合が悪いと招待も断っている。
今回は相手は王妃陛下で、これでモリーも断れば、さすがに角が立つ。
「では、行かなくてはならないということではありませんか」
それなのに、どうする?などと、聞く時間の無駄ではないか。
「ドレスの話を聞きたいだけだそうだから、気負わずに行って来るといい」
「分かりました……」
憂鬱でしかないモリーは、王妃陛下と王女殿下の茶会に呼ばれることになった。
ペイリーにもついて来てもらうことになり、ドレスの話とあったので、去年のドレスを着用してもらうことにした。侍女に合わせるのもおかしいが、モリーも王宮ということで、なるべく華美ではないがブルーの上質なドレスを着用した。
一度目も二度目も、ケリーには何度も会っていたが、今回は初めてで緊張していたが、名誉なことですからとソワソワしていた。
王宮に着くと、溜息が出そうになったが、何とか我慢した。
案内されて、待っていると、ケリーとエリーがやって来た。
モリーは素早く立ち上がり、頭を下げて、ペイリーも同様に頭を下げた。ケリーから声が掛かるまで、そのまま待った。
「顔を上げて。急にお呼び出しして申し訳なかったわね、私もだけど、エリーが話を聞きたいと言ってね。今日はゆっくりしていって頂戴」
「お招きありがとうございます」
ケリーにどこで揚げ足を取られるか分からないので、余計なことを言わないように、言葉を選びながら話をしなければならないと、心に決めていた。
「エリー、あなたもご挨拶しなさい」
「はい!エリーです。お会いできて光栄です」
「恐れ入ります。王女殿下にお会いできて光栄でございます」
近くで初めて見たエリーは、12歳だが、それよりも見た目は幼い印象だったが、芯の強さを感じた。
「座って頂戴、お菓子も用意したの」
「私が選びましたの。お口に合うと良いのですけど」
「楽しみでございます」
「はい!これ、とても美味しいのです。食べてみてください!」
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