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お断り
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ブレフォスは、お茶会に行っていいかという相談かと受け取っていた。ただ、初めてのことだったので、行きたいのなら参加すればいいと言おうと思っていた。
「ミチリーア嬢の姉、サリリーナ・カジルス伯爵令嬢は、候補者に入っている方です。しかも、マレア・ゼアンラーク侯爵令嬢の遠縁に当たります」
「っそれは……」
ブレフォスもそこまではすぐに思い出せず、頭を働かせると、確かに過去に姉妹が嫁いだ関係性があることを思い出した。
「王妃陛下の言われていたことではないかと思うのです」
「行くと言ったのか?」
「いいえ、お父様を利用しました」
「え?」
突然の言葉に、ブレフォスは間抜けな声を出してしまった。
「お父様に渡しておきますと伝えました」
「そうか、ならば娘は忙しいので、お断りすると返事をしてもいいのか?」
「ええ、ですが、そうなるとお父様が過保護な父親のように、私を管理している父親ように映る可能性がありますが、よろしいのですか?」
面倒なので、ブレフォスに任せようとは思っていたが、よくよく考えてみると、いいのだろうかと思い始めていた。
「管理はあまり良くないが、私は問題ない。モリーはいいか?」
「私は探り合いのような場所に行くより、そちらの方がいいです」
いくら訊ねられても、『そういった噂があるようですが、私がお話しできることはありません』と言っても、お茶会という逃げられない場では、些細なことでも、何を言われるか分からない。
認めていなくても、認めたと言われる可能性がある。
ならば、行かない方が最善だと分かる。
正直、ゼアンラーク侯爵令嬢とは全く関係がなかったのかもしれないが、探られることも面白いものではなく、候補者は候補者同士で、勝手にやって欲しい。
「そうか、ならば私が断っておく」
「では、お言葉に甘えて、よろしくお願いいたします」
「ああ、任せて置きなさい。王妃陛下にも一応、知らせておく」
「はい。しばらくしてから、カジルス伯爵令嬢に謝っておきます」
「ああ、明日には出して置くから、明後日以降にしなさい」
「はい」
その後はブレフォスに任せることになり、モリーは数日してからミチリーア・カジルス伯爵令嬢に、謝罪をしておいた。
「折角、お誘いいただいたのに申し訳ございませんでした」
「っあ、いえ」
モリーは大変申し訳ないという顔をして、何も言えなくした。
これで誘って来ることはないだろうと、モリーはスッキリという気持ちだった。
最悪、忙しいことは何だと問われたら、成績が悪いので、勉強で忙しいと話すつもりであった。だが、オブレオサジュール公爵から断られて、伯爵令嬢に誘う勇気はもうないだろう。
もちろん、侯爵令嬢にも不可能だろう。
使えるものは使っておくべきだなと、モリーは学んだ。
モリーに変化はなかったが、クラスメイトから聞こえて来たのは、ゼアンラーク侯爵令嬢がお茶会にマキュレアリリージュをお茶会に誘ったというものであった。
侯爵令嬢が、平民を誘うなどあり得ないことである。
モリーもいつもなら、耳に入った人様の話を聞こうと思わないが、このことを父は知っているのだろうか。王妃陛下にも言われているために、聞いてみたいと思ってしまった。
「あの、その話は本当なのですか?」
「っあ、聞こえてしまいましたか?」
アリーラ・リジス子爵令嬢は、本当に不味いと自分の口を押えた。すっかりモリーとマキュレアリリージュの関係を、アリーラは忘れていた。
「ええ」
「モリー様は、あの、妹さんとはあまり会わないのですよね?」
クラスメイトとは芸術祭のドレスの件もあって、親しいわけではないが、毎日挨拶を交わし、名前を呼び合う関係くらいにはなっていた。
「ええ、最近は姿も見ていないの」
「ミチリーア嬢の姉、サリリーナ・カジルス伯爵令嬢は、候補者に入っている方です。しかも、マレア・ゼアンラーク侯爵令嬢の遠縁に当たります」
「っそれは……」
ブレフォスもそこまではすぐに思い出せず、頭を働かせると、確かに過去に姉妹が嫁いだ関係性があることを思い出した。
「王妃陛下の言われていたことではないかと思うのです」
「行くと言ったのか?」
「いいえ、お父様を利用しました」
「え?」
突然の言葉に、ブレフォスは間抜けな声を出してしまった。
「お父様に渡しておきますと伝えました」
「そうか、ならば娘は忙しいので、お断りすると返事をしてもいいのか?」
「ええ、ですが、そうなるとお父様が過保護な父親のように、私を管理している父親ように映る可能性がありますが、よろしいのですか?」
面倒なので、ブレフォスに任せようとは思っていたが、よくよく考えてみると、いいのだろうかと思い始めていた。
「管理はあまり良くないが、私は問題ない。モリーはいいか?」
「私は探り合いのような場所に行くより、そちらの方がいいです」
いくら訊ねられても、『そういった噂があるようですが、私がお話しできることはありません』と言っても、お茶会という逃げられない場では、些細なことでも、何を言われるか分からない。
認めていなくても、認めたと言われる可能性がある。
ならば、行かない方が最善だと分かる。
正直、ゼアンラーク侯爵令嬢とは全く関係がなかったのかもしれないが、探られることも面白いものではなく、候補者は候補者同士で、勝手にやって欲しい。
「そうか、ならば私が断っておく」
「では、お言葉に甘えて、よろしくお願いいたします」
「ああ、任せて置きなさい。王妃陛下にも一応、知らせておく」
「はい。しばらくしてから、カジルス伯爵令嬢に謝っておきます」
「ああ、明日には出して置くから、明後日以降にしなさい」
「はい」
その後はブレフォスに任せることになり、モリーは数日してからミチリーア・カジルス伯爵令嬢に、謝罪をしておいた。
「折角、お誘いいただいたのに申し訳ございませんでした」
「っあ、いえ」
モリーは大変申し訳ないという顔をして、何も言えなくした。
これで誘って来ることはないだろうと、モリーはスッキリという気持ちだった。
最悪、忙しいことは何だと問われたら、成績が悪いので、勉強で忙しいと話すつもりであった。だが、オブレオサジュール公爵から断られて、伯爵令嬢に誘う勇気はもうないだろう。
もちろん、侯爵令嬢にも不可能だろう。
使えるものは使っておくべきだなと、モリーは学んだ。
モリーに変化はなかったが、クラスメイトから聞こえて来たのは、ゼアンラーク侯爵令嬢がお茶会にマキュレアリリージュをお茶会に誘ったというものであった。
侯爵令嬢が、平民を誘うなどあり得ないことである。
モリーもいつもなら、耳に入った人様の話を聞こうと思わないが、このことを父は知っているのだろうか。王妃陛下にも言われているために、聞いてみたいと思ってしまった。
「あの、その話は本当なのですか?」
「っあ、聞こえてしまいましたか?」
アリーラ・リジス子爵令嬢は、本当に不味いと自分の口を押えた。すっかりモリーとマキュレアリリージュの関係を、アリーラは忘れていた。
「ええ」
「モリー様は、あの、妹さんとはあまり会わないのですよね?」
クラスメイトとは芸術祭のドレスの件もあって、親しいわけではないが、毎日挨拶を交わし、名前を呼び合う関係くらいにはなっていた。
「ええ、最近は姿も見ていないの」
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