25 / 26
番外編 4
しおりを挟む
抱き締められ、深く口づけられる。
強く舌を吸われたかと思うと歯列を辿られ上あごを丹念に舌で撫でられる。ぴちゃり、と漏れる水音に、その度、背筋がぞくぞくして身悶えてしまう。
「──やっ、」
息苦しくなり横を向くと、今度は耳朶を甘咬みされた。「ラド、愛しています」「ラド、綺麗です」そんな言葉を合間に囁かれる。
「・・・っ、誤魔化されないんだからな」
と言いつつギヴの手管に、オレって何に腹を立ててたんだっけ、とわからなくなる。全身からどんどん力が抜けていった。
至近距離で見つめられ、もう一度ギヴからの口づけを待ってしまっていると、ギヴが唐突に上半身を起こし、羽織っていたバスローブを脱ぎ捨てた。
「・・・っ!ギヴ、」
ぎゃーーーーーっ!!なに、その胸筋。着痩せするタイプなのか?胸筋のふくらみと下に続く腹筋のごつごつ加減が絶妙なバランスで、ずっと見てられる、っていうか目が離せない。っていうか、オレを脱がすのはやめてー、でもバスローブだから腰紐を引っ張ればあっという間に真っ裸に。恥ずかしいから灯りを消して欲しい~。っていうか、っていうか!
頭の中のオレはジタバタ、ドタバタと大暴れだが、実際のオレはパキッと固まっていた。
「あ、・・・っ」
片方の膝をすくい上げられ開かれる。そうしてオレの脚と脚の間にギヴが入ってきてまた体を重ねられた。さっきよりもずっと、隙間もないほど密着し合ってる。前髪を優しく撫でられ、鼻先につつくだけの軽い口づけが降りてきて、その後、また深く口づけられた。
オレの股間とギヴの股間ももちろん密着していて、お互いのアレが、ナニが、ぐりぐりとされて、もう、熱くて、固くて、ゾクゾクして、──触られていないのに、イきそうになった。
「・・・ふっ、んっ、・・・あ、あっ、苦し、い、・・・ギヴ」
口を塞がれ、呼吸の苦しさも相まって涙が滲む。
離れたギヴの唇が首筋に降り、股間の熱と熱い吐息がそこにかかる感覚に、・・・それだけで、──軽く弾けた。
「・・・・・ううっ。ご、ごめん」
恥ずかしい。泣ける。
「謝らないで」
自己嫌悪で顔を一生懸命に背けていると、「ゴクリ」と生唾を飲み込む大きな音がした。
「──ラド、俺こそごめん。止まらないっ!」
「ギ、ギギギギギギヴ!?」
はっ、と振り向くと、荒い呼吸で自分のことを“俺”と呼び、ギラギラと欲望に塗れた瞳をしたギヴに文字通り襲いかかられた。
首の付け根をきつく吸われた後、オレの、さっきイッたばかりのペニスを、深く咥えられた。
「ウソッ!そこ、ダメだって!」
口に咥えられるという、まさかの行為に体を起こしかけ、未知の快感に再び沈んだ。
「んっ、んんっ、ダメッ、ダメッ!ギヴ、お願いっ!・・・やあああっっ!」
また、イッてしまった。しかも今回はギヴの口の中で。
「ごめん、ギヴ!口の中の、ペ、して!早く、ペって」
ベッドサイドに置かれたティッシュをギヴの口もとに持っていったが、なんと、ギヴはゴクンと口の中のオレのアレをそのまま飲み込んだ。
「ごちそうさまです」
「・・・・・」
ニヤリと嗤う悪魔みたいなギヴに腰が抜けた(寝っ転がってるけど)。
両方の裏腿をぐっと上げられ、枕を下にあてられて恥部を全てギヴの目に晒される。逃げ出したいのに、体は動かず、悪魔の生贄であるオレは大人しく従うしかない。
「ギヴぅ・・・」
「安心してラド。優しくしますから。痛くありませんよ」
「ひえっ・・」
それってフラグ・・・。
「貴方の蕾はぴったりと閉じていて、こんな小さなものすら入りそうにありませんね」
「──え、ギヴ、それって」
「テムからもらったんです。貴方を傷つけるなと」
ギヴが片手に持つ小指より一回り小さい物は、脱衣所のオレのズボンのポケットに入っているラヴグッズと紛うことなき同じモノだった。──いや、お前も貰ってたんかい。
オレのあの焦りは何だったのかと脱力してしまう。
そんなオレに構わず、ギヴはどこからか取り出した小瓶に入った香油を指に纏わせると、オレの後孔をゆっくりと揉みほぐしてきた。
初めての感覚に戸惑う。
「──入れます」
入ってきたのがアレなのかギヴの指なのか、わからなかったが内部に起こる異物感に冷や汗が出てきた。
「ラド・・・」
ギヴが体を倒し、宥めるように口づけてくる。そのタイミングで。
「・・・っ?あ、なんだか・・・はぁ、」
下半身があそこを中心にどんどん熱くなってきて、力が入らなくなった。よくわからないけど、・・・濡れている気がする。
「ラド、綺麗です」
「ギ、ギヴ、・・・ああっ!」
ギヴの指がオレの後孔で緩く抜き差しをしている。抜け出るときにぐるりと大きく解しながら出ていき、入るときには指が追加されるのか、少しの圧迫感を伴う。だが、今のオレはそこに嫌悪感はなく、それどころか、──なんていうか。
「あっ、あっ、ギヴ!そこ、ダメ、ってばぁ」
漏れ出る吐息が熱い。
“浄化と潤滑、ちょっぴり媚薬”。トールの声が頭に回る。トール、これは、“ちょっぴり”じゃないのでは?
ギヴの指に感じてびくびくと体をひくつかせる自分の体に青褪めた(心の中で)。
強く舌を吸われたかと思うと歯列を辿られ上あごを丹念に舌で撫でられる。ぴちゃり、と漏れる水音に、その度、背筋がぞくぞくして身悶えてしまう。
「──やっ、」
息苦しくなり横を向くと、今度は耳朶を甘咬みされた。「ラド、愛しています」「ラド、綺麗です」そんな言葉を合間に囁かれる。
「・・・っ、誤魔化されないんだからな」
と言いつつギヴの手管に、オレって何に腹を立ててたんだっけ、とわからなくなる。全身からどんどん力が抜けていった。
至近距離で見つめられ、もう一度ギヴからの口づけを待ってしまっていると、ギヴが唐突に上半身を起こし、羽織っていたバスローブを脱ぎ捨てた。
「・・・っ!ギヴ、」
ぎゃーーーーーっ!!なに、その胸筋。着痩せするタイプなのか?胸筋のふくらみと下に続く腹筋のごつごつ加減が絶妙なバランスで、ずっと見てられる、っていうか目が離せない。っていうか、オレを脱がすのはやめてー、でもバスローブだから腰紐を引っ張ればあっという間に真っ裸に。恥ずかしいから灯りを消して欲しい~。っていうか、っていうか!
頭の中のオレはジタバタ、ドタバタと大暴れだが、実際のオレはパキッと固まっていた。
「あ、・・・っ」
片方の膝をすくい上げられ開かれる。そうしてオレの脚と脚の間にギヴが入ってきてまた体を重ねられた。さっきよりもずっと、隙間もないほど密着し合ってる。前髪を優しく撫でられ、鼻先につつくだけの軽い口づけが降りてきて、その後、また深く口づけられた。
オレの股間とギヴの股間ももちろん密着していて、お互いのアレが、ナニが、ぐりぐりとされて、もう、熱くて、固くて、ゾクゾクして、──触られていないのに、イきそうになった。
「・・・ふっ、んっ、・・・あ、あっ、苦し、い、・・・ギヴ」
口を塞がれ、呼吸の苦しさも相まって涙が滲む。
離れたギヴの唇が首筋に降り、股間の熱と熱い吐息がそこにかかる感覚に、・・・それだけで、──軽く弾けた。
「・・・・・ううっ。ご、ごめん」
恥ずかしい。泣ける。
「謝らないで」
自己嫌悪で顔を一生懸命に背けていると、「ゴクリ」と生唾を飲み込む大きな音がした。
「──ラド、俺こそごめん。止まらないっ!」
「ギ、ギギギギギギヴ!?」
はっ、と振り向くと、荒い呼吸で自分のことを“俺”と呼び、ギラギラと欲望に塗れた瞳をしたギヴに文字通り襲いかかられた。
首の付け根をきつく吸われた後、オレの、さっきイッたばかりのペニスを、深く咥えられた。
「ウソッ!そこ、ダメだって!」
口に咥えられるという、まさかの行為に体を起こしかけ、未知の快感に再び沈んだ。
「んっ、んんっ、ダメッ、ダメッ!ギヴ、お願いっ!・・・やあああっっ!」
また、イッてしまった。しかも今回はギヴの口の中で。
「ごめん、ギヴ!口の中の、ペ、して!早く、ペって」
ベッドサイドに置かれたティッシュをギヴの口もとに持っていったが、なんと、ギヴはゴクンと口の中のオレのアレをそのまま飲み込んだ。
「ごちそうさまです」
「・・・・・」
ニヤリと嗤う悪魔みたいなギヴに腰が抜けた(寝っ転がってるけど)。
両方の裏腿をぐっと上げられ、枕を下にあてられて恥部を全てギヴの目に晒される。逃げ出したいのに、体は動かず、悪魔の生贄であるオレは大人しく従うしかない。
「ギヴぅ・・・」
「安心してラド。優しくしますから。痛くありませんよ」
「ひえっ・・」
それってフラグ・・・。
「貴方の蕾はぴったりと閉じていて、こんな小さなものすら入りそうにありませんね」
「──え、ギヴ、それって」
「テムからもらったんです。貴方を傷つけるなと」
ギヴが片手に持つ小指より一回り小さい物は、脱衣所のオレのズボンのポケットに入っているラヴグッズと紛うことなき同じモノだった。──いや、お前も貰ってたんかい。
オレのあの焦りは何だったのかと脱力してしまう。
そんなオレに構わず、ギヴはどこからか取り出した小瓶に入った香油を指に纏わせると、オレの後孔をゆっくりと揉みほぐしてきた。
初めての感覚に戸惑う。
「──入れます」
入ってきたのがアレなのかギヴの指なのか、わからなかったが内部に起こる異物感に冷や汗が出てきた。
「ラド・・・」
ギヴが体を倒し、宥めるように口づけてくる。そのタイミングで。
「・・・っ?あ、なんだか・・・はぁ、」
下半身があそこを中心にどんどん熱くなってきて、力が入らなくなった。よくわからないけど、・・・濡れている気がする。
「ラド、綺麗です」
「ギ、ギヴ、・・・ああっ!」
ギヴの指がオレの後孔で緩く抜き差しをしている。抜け出るときにぐるりと大きく解しながら出ていき、入るときには指が追加されるのか、少しの圧迫感を伴う。だが、今のオレはそこに嫌悪感はなく、それどころか、──なんていうか。
「あっ、あっ、ギヴ!そこ、ダメ、ってばぁ」
漏れ出る吐息が熱い。
“浄化と潤滑、ちょっぴり媚薬”。トールの声が頭に回る。トール、これは、“ちょっぴり”じゃないのでは?
ギヴの指に感じてびくびくと体をひくつかせる自分の体に青褪めた(心の中で)。
94
あなたにおすすめの小説
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結済】「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
本当に悪役なんですか?
メカラウロ子
BL
気づいたら乙女ゲームのモブに転生していた主人公は悪役の取り巻きとしてモブらしからぬ行動を取ってしまう。
状況が掴めないまま戸惑う主人公に、悪役令息のアルフレッドが意外な行動を取ってきて…
ムーンライトノベルズ にも掲載中です。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる