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◆イタズラしてみました
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食べ足りないと不満なマサオは放置して、卵の話の続きをしようとカーネルさん達を見るとスプーンを口に咥えたまま、既に空になったプリンが入っていた器をジッと見ている。
「こっちもなのかよ……」
俺のそんな呟きに三人が反応する。
「なあ、まだあるんだろ?」
「もう一つとか……」
「ちゃんと味を覚えたいから……」
『なら、俺もだ!』
「……」
カーネルさん達は冷蔵庫の中に入っているプリンを出せと言うが、アレは俺が持って帰るつもりだから出す気はない。そう言うと、「なら、話はここまでだ」と腕を組み話す気はないとばかりに顔を背ける。
「え~そんな大人気ないことするの? ヨサックさん、どうなの」
「悪いな。俺もカーネルさんと同じ気持ちだ。スマン」
「ヨサックさんまで……もしかしてサマンサさんもなの?」
「ん~カーネルと同じってのはイヤだけど、ここはカーネルに賛成かな」
「え~どうしてそんなことになるのさ。とりあえず話をして卵が増産出来れば、食べられるでしょ」
「ケイン君、そうじゃないんだよ」
「若いな」
「あの甘味は今までになかったものだからね」
ヨサックさん、カーネルさん、サマンサさんが俺を諭す様に言うが、「若いな」ってのは何? ヨサックさんの言いたいことも分からないけど、単にプリンのお代わりが欲しいと言うのを難癖付けているだけなんだよね。
もう、色々面倒になった俺は椅子から下りて冷蔵庫をインベントリに収納する。そしてマサオに「さようなら」とだけ言って家から出ようとしたところでヨサックさんに引き留められる。
「ま、待ってよケイン君。どうしたのさ?」
「どうしたって、話が出来ないのなら帰るだけです。あ、ついでにマサオも置いていくので好きにして下さい」
「「「『え?』」」」
俺が帰ると言ったら、引き留めたヨサックさんもだけど、カーネルさんも驚き椅子から立ち上がる。そして置いていくと言われたマサオもショックだったのか口が開きっぱなしだ。
「ちょって待て! 小僧……いや、ケインよ。卵の話はいいのか?」
「話って、カーネルさんが聞かないんじゃ話しようがないでしょ」
「だから、それは……」
「じゃあ、卵はもういらないの?」
「別に鶏舎はここだけじゃないし、見付からないなら自分で飼えばいいし」
「あ~」
カーネルさんは話さなくてもいいのかと言って来たが、その話をしないと言った本人が言うかなと思っていたら、サマンサさんが卵はどうするのかと聞いて来たので、他を当たるか自分でなんとかすると答えればなんか納得したみたいだ。
なら話はこれで終わりともう一度部屋の中を見渡すと俺に見放されたと思っているマサオと目が合う。
「マサオ……元気でね」
『ケイン、本気なのか?』
「うん、今までありがとうね。じゃ」
『待て! 待ってくれ! もうワガママ言わない! プリンもよこせとか言わない! ダイエットも頑張るから! だから、頼む。置いていかないでくれ!』
「それ、本気で言っているの?」
『ああ、本気だ。なんなら、朝昼晩の食事前にランニングもするし、ちゃんと風呂にも入る!』
「じゃあ、もう俺にオヤツを強要するようなことはしない?」
『ああ、絶対にそんなことはしない! だから、頼むよ!』
「……」
少しだけ意地悪な気持ちでマサオを揶揄ってやろうと思っただけなんだけど、意外と本気に受け止められてしまったみたいで、ここまでマサオに反省されると心が痛む。でも、折角なので手を緩めることなくもう少し悪ノリしてみようと思ったが、器用に両前足を顔の前で合わせている姿を見て、さすがにやり過ぎたかなと思ってしまう。
「マサオ、分かったよ。一緒に帰ろう」
『ケイン、いいのか?』
「いいよ。俺達は唯一の相棒だろ」
『ケイン……』
「マサオ!」
揶揄っていたつもりが俺まで気分が高揚してしまいマサオと抱き合ってしまった。しばらくして正気に戻ると「エヘン」と軽く咳払いをしてから、ヨサックさん達に向き合う。
「そういうことなので、今日は話に付き合っていただきありがとうございました。それではこれ「ちょっと待て!」……まだ、何か?」
「悪かった。この通りだ」
「私も少し調子に乗りすぎたみたいね。ごめんなさい」
「俺もだ。すまない」
「えっと……」
ヨサックさん達に挨拶してから家を出ようとしたところでカーネルさんに頭を下げられ、サマンサさんもその隣で頭を下げ、ヨサックさんまで俺に謝っている。
「頭を上げてもらえませんか?」
「子供相手に大人気ないことをした。すまない」
「「ごめんなさい」」
「だから、顔を上げてくださいよ」
「「「……」」」
俺の再度のお願いにやっと顔を上げた三人だが互いにバツが悪そうな顔をしている。
「あ~その……なんだ。今更だが、もう一度卵の増産計画について話を聞かせてもらえないだろうか」
「「お願いします」」
カーネルさんが少し悪びれながらもう一度話をしたいと言ってくれたので俺は了承してテーブルの方へと戻る。
『ケイン、さっき本気で置いていく気だっただろ?』
「……」
『ケイン、嘘だよな?』
「……」
『ケイン、泣くぞ?』
「……少しだけね。一晩くらい他所の家で預かって貰えたらと思っただけだから」
『……悪かったよ』
「こっちもなのかよ……」
俺のそんな呟きに三人が反応する。
「なあ、まだあるんだろ?」
「もう一つとか……」
「ちゃんと味を覚えたいから……」
『なら、俺もだ!』
「……」
カーネルさん達は冷蔵庫の中に入っているプリンを出せと言うが、アレは俺が持って帰るつもりだから出す気はない。そう言うと、「なら、話はここまでだ」と腕を組み話す気はないとばかりに顔を背ける。
「え~そんな大人気ないことするの? ヨサックさん、どうなの」
「悪いな。俺もカーネルさんと同じ気持ちだ。スマン」
「ヨサックさんまで……もしかしてサマンサさんもなの?」
「ん~カーネルと同じってのはイヤだけど、ここはカーネルに賛成かな」
「え~どうしてそんなことになるのさ。とりあえず話をして卵が増産出来れば、食べられるでしょ」
「ケイン君、そうじゃないんだよ」
「若いな」
「あの甘味は今までになかったものだからね」
ヨサックさん、カーネルさん、サマンサさんが俺を諭す様に言うが、「若いな」ってのは何? ヨサックさんの言いたいことも分からないけど、単にプリンのお代わりが欲しいと言うのを難癖付けているだけなんだよね。
もう、色々面倒になった俺は椅子から下りて冷蔵庫をインベントリに収納する。そしてマサオに「さようなら」とだけ言って家から出ようとしたところでヨサックさんに引き留められる。
「ま、待ってよケイン君。どうしたのさ?」
「どうしたって、話が出来ないのなら帰るだけです。あ、ついでにマサオも置いていくので好きにして下さい」
「「「『え?』」」」
俺が帰ると言ったら、引き留めたヨサックさんもだけど、カーネルさんも驚き椅子から立ち上がる。そして置いていくと言われたマサオもショックだったのか口が開きっぱなしだ。
「ちょって待て! 小僧……いや、ケインよ。卵の話はいいのか?」
「話って、カーネルさんが聞かないんじゃ話しようがないでしょ」
「だから、それは……」
「じゃあ、卵はもういらないの?」
「別に鶏舎はここだけじゃないし、見付からないなら自分で飼えばいいし」
「あ~」
カーネルさんは話さなくてもいいのかと言って来たが、その話をしないと言った本人が言うかなと思っていたら、サマンサさんが卵はどうするのかと聞いて来たので、他を当たるか自分でなんとかすると答えればなんか納得したみたいだ。
なら話はこれで終わりともう一度部屋の中を見渡すと俺に見放されたと思っているマサオと目が合う。
「マサオ……元気でね」
『ケイン、本気なのか?』
「うん、今までありがとうね。じゃ」
『待て! 待ってくれ! もうワガママ言わない! プリンもよこせとか言わない! ダイエットも頑張るから! だから、頼む。置いていかないでくれ!』
「それ、本気で言っているの?」
『ああ、本気だ。なんなら、朝昼晩の食事前にランニングもするし、ちゃんと風呂にも入る!』
「じゃあ、もう俺にオヤツを強要するようなことはしない?」
『ああ、絶対にそんなことはしない! だから、頼むよ!』
「……」
少しだけ意地悪な気持ちでマサオを揶揄ってやろうと思っただけなんだけど、意外と本気に受け止められてしまったみたいで、ここまでマサオに反省されると心が痛む。でも、折角なので手を緩めることなくもう少し悪ノリしてみようと思ったが、器用に両前足を顔の前で合わせている姿を見て、さすがにやり過ぎたかなと思ってしまう。
「マサオ、分かったよ。一緒に帰ろう」
『ケイン、いいのか?』
「いいよ。俺達は唯一の相棒だろ」
『ケイン……』
「マサオ!」
揶揄っていたつもりが俺まで気分が高揚してしまいマサオと抱き合ってしまった。しばらくして正気に戻ると「エヘン」と軽く咳払いをしてから、ヨサックさん達に向き合う。
「そういうことなので、今日は話に付き合っていただきありがとうございました。それではこれ「ちょっと待て!」……まだ、何か?」
「悪かった。この通りだ」
「私も少し調子に乗りすぎたみたいね。ごめんなさい」
「俺もだ。すまない」
「えっと……」
ヨサックさん達に挨拶してから家を出ようとしたところでカーネルさんに頭を下げられ、サマンサさんもその隣で頭を下げ、ヨサックさんまで俺に謝っている。
「頭を上げてもらえませんか?」
「子供相手に大人気ないことをした。すまない」
「「ごめんなさい」」
「だから、顔を上げてくださいよ」
「「「……」」」
俺の再度のお願いにやっと顔を上げた三人だが互いにバツが悪そうな顔をしている。
「あ~その……なんだ。今更だが、もう一度卵の増産計画について話を聞かせてもらえないだろうか」
「「お願いします」」
カーネルさんが少し悪びれながらもう一度話をしたいと言ってくれたので俺は了承してテーブルの方へと戻る。
『ケイン、さっき本気で置いていく気だっただろ?』
「……」
『ケイン、嘘だよな?』
「……」
『ケイン、泣くぞ?』
「……少しだけね。一晩くらい他所の家で預かって貰えたらと思っただけだから」
『……悪かったよ』
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