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◆何もかも忘れていました
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自分の名前を知らないと言うか忘れてしまったドラゴンのお姉さんだけど、名前を思い出せないことに少しは焦っているんだろうかと思えば、全然そんな様子はなく「ねえ、他にはないの」とお菓子の要求をしてくる。それにさっき質問した「ナーガさんを知りませんか」という質問すら、されたことを忘れている様な気がする。
『ケイン、どうするんだ?』
「どうしたの?」
『いや、だからよ。このドラゴンはどうするんだって話だよ』
「ああ、そういうことか。どうすればいいと思う?」
『だから、それを聞いてんだろ』
「え~それを俺が決めるの?」
『さっさと帰るのなら今の内だと思うがな』
「でも、そんなに上手くいくかな。これは俺の勝手な憶測だけど、お菓子にハマったみたいだからどんな手を使ってでも俺達を探し出すと思うよ」
『マジか……』
「マジだよ」
「そうだな。多分、そうするだろうな」
「でしょう。ほら、こう言ってるじゃん……って」
「済まないが全部聞かせてもらったぞ」
「『え~』」
お姉さんの扱いをどうしたものかとマサオと話していたら、いつの間にか話に参加していたお姉さんに全部聞かれていたらしい。
「それで私はどうしたらいいと思う?」
「え? なんでそれを俺に聞くの?」
「え? だって私は名前も分からないんだけど? そんな女性をこんな所に一人置いて行くって言うの?」
「え? いやいやいや、だってお姉さんはド「だから、なに?」ラ……ズルいと思う」
「ドラゴンでも淋しいモノは淋しいの!」
「え? でも今まで一人だったんでしょ。それなのにそんなことを言われても」
「そうよ。あなた達が来るまではね。あなた達に会うまで一人だったことも忘れていたのに。だから、寂しさを思い出させたあなたには責任を取って貰わないとね」
「え? どうしてそんなことになるの」
「だから、あなたのせいで寂しさを思い出したんだからでしょ」
「え~その前に名前を思い出してよ」
「そんなことはいいの! それでどう責任取ってもらえるの?」
「……」
なぜか俺達のせいだからと責任を追及してくるドラゴンのお姉さんに対し、マサオとどうしたらいいんだろうかと互いに目を合わせて見るが、どうやらマサオもこの理不尽には対処しようがないと感じているらしい。でも、この場からマサオと一緒に逃げるのは一番の愚策だろう。ならば、一縷の望みに賭けるしかないのだろうか。
「よし、ちょっと気は進まないけどあの人に頼るしかないだろう」
『あの人って……アイツか!』
「そう。一応肉親みたいだしさ。押し付けるには最適じゃないのかな」
『いや、押し付けるって言ってんじゃん』
「だって、実際そうだし」
『まあな……でもよ、それで大人しくしてくれると思うか?』
「正直分からないけど、他に手もないでしょ」
『そうだな……ハァ~』
「決まったの?」
「ええ。一緒に来て貰えますか」
「いいわよ。それでどこに行けばいいの?」
「行き先は竜人の里です」
「そう。なんだか聞いたことあるような気がするわね」
「……もういいです。お姉さんの記憶力は今更だから」
「なによ。失礼ね」
「じゃあ、覚えているんですか?」
「覚えていないわよ!」
「ハァ~」
行き先が決まったので、お茶セットを片付け、乗って来た飛行機もインベントリに収納すると転移ゲートを竜人の里に繋ぐと俺を先頭にマサオ、お姉さんの順に転移ゲートを潜って久しぶりの竜人の里へと向かう。
『ケイン、どうするんだ?』
「どうしたの?」
『いや、だからよ。このドラゴンはどうするんだって話だよ』
「ああ、そういうことか。どうすればいいと思う?」
『だから、それを聞いてんだろ』
「え~それを俺が決めるの?」
『さっさと帰るのなら今の内だと思うがな』
「でも、そんなに上手くいくかな。これは俺の勝手な憶測だけど、お菓子にハマったみたいだからどんな手を使ってでも俺達を探し出すと思うよ」
『マジか……』
「マジだよ」
「そうだな。多分、そうするだろうな」
「でしょう。ほら、こう言ってるじゃん……って」
「済まないが全部聞かせてもらったぞ」
「『え~』」
お姉さんの扱いをどうしたものかとマサオと話していたら、いつの間にか話に参加していたお姉さんに全部聞かれていたらしい。
「それで私はどうしたらいいと思う?」
「え? なんでそれを俺に聞くの?」
「え? だって私は名前も分からないんだけど? そんな女性をこんな所に一人置いて行くって言うの?」
「え? いやいやいや、だってお姉さんはド「だから、なに?」ラ……ズルいと思う」
「ドラゴンでも淋しいモノは淋しいの!」
「え? でも今まで一人だったんでしょ。それなのにそんなことを言われても」
「そうよ。あなた達が来るまではね。あなた達に会うまで一人だったことも忘れていたのに。だから、寂しさを思い出させたあなたには責任を取って貰わないとね」
「え? どうしてそんなことになるの」
「だから、あなたのせいで寂しさを思い出したんだからでしょ」
「え~その前に名前を思い出してよ」
「そんなことはいいの! それでどう責任取ってもらえるの?」
「……」
なぜか俺達のせいだからと責任を追及してくるドラゴンのお姉さんに対し、マサオとどうしたらいいんだろうかと互いに目を合わせて見るが、どうやらマサオもこの理不尽には対処しようがないと感じているらしい。でも、この場からマサオと一緒に逃げるのは一番の愚策だろう。ならば、一縷の望みに賭けるしかないのだろうか。
「よし、ちょっと気は進まないけどあの人に頼るしかないだろう」
『あの人って……アイツか!』
「そう。一応肉親みたいだしさ。押し付けるには最適じゃないのかな」
『いや、押し付けるって言ってんじゃん』
「だって、実際そうだし」
『まあな……でもよ、それで大人しくしてくれると思うか?』
「正直分からないけど、他に手もないでしょ」
『そうだな……ハァ~』
「決まったの?」
「ええ。一緒に来て貰えますか」
「いいわよ。それでどこに行けばいいの?」
「行き先は竜人の里です」
「そう。なんだか聞いたことあるような気がするわね」
「……もういいです。お姉さんの記憶力は今更だから」
「なによ。失礼ね」
「じゃあ、覚えているんですか?」
「覚えていないわよ!」
「ハァ~」
行き先が決まったので、お茶セットを片付け、乗って来た飛行機もインベントリに収納すると転移ゲートを竜人の里に繋ぐと俺を先頭にマサオ、お姉さんの順に転移ゲートを潜って久しぶりの竜人の里へと向かう。
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