【第2章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで?

山咲莉亜

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第2章 亜麻色の光

13 とある勘の正体は

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「……ナギサ様」
「ん? どうしたの、ルー」
「恋人はいらっしゃらないのでは、なかったのですか?」
「この世界には、いなかったよー。アリスがいたのに他に恋人を作るなんて俺には無理。アリスが他に好きな人ができたなら俺は身を引くかもしれないけど、俺が自分からアリスを手放すことはないからねぇ」

 やっぱり俺がアリスを幸せにしたい……というより、一緒に幸せになりたいって思うよ? でもね、アリスが俺を望まないなら執着するつもりはない。フラれたとしても俺がアリスを好きなのは変わらないし、少なくとも自分から嫌われるようなことはしたくないよ。アリスは大切で大好きな女の子で、俺の光そのものだから。
 ただの可愛い幼馴染から『好きな人』、『愛おしい人』に変わったのはいつだったか……結構早かった気がする。覚えていないけど今の俺にはアリスが必要。俺が死んでアリスに会えなくなったことを理解した時、家族に会えないのも辛かったけど、それ以上にアリスに会えないことの方が耐えられなかった。誰かに言われずとも愛が重い自覚はある。

 それでも好きだから。言葉では言い表せないくらいに、俺はアリスが好きだからね。

「それは私のセリフだよ。ナギサがいなくなってどれだけ辛い思いをしたと思ってるの? ナギサって自分に向けられる好意には疎いよね。今世こそはナギサと結婚したいな」
「……と、いうことだよルー。アリスがいないなら結婚なんて以ての外、恋人だって作るつもりはなかったけどアリスがいるなら話は別だから。前に言ったでしょ、俺はこれでも一途なんだよ」
「ナギサ様ってあまり一途そうには見えないですよね。もちろん、本当に一途なのは見ていれば分かりますけど」
「でしょ」
「まあナギサは私が初恋らしいし? 初恋の相手と婚約までしてるんだから。ね、ナギサは私のこと大好きだもんね?」
「……あのさ、アリス。皆の前で言わないでよ」

 恥ずかしくはないんだけど、このメンバーの前で言われるとなんとなく気まずい。というか、それ普通自分で言うかなー? なにも間違ってないし、これくらい愛が伝わっている方が嬉しいけど……

「あれ? 初恋って言ってた気がするんだけどな? それと、大好きじゃないの?」

 あぁ……完全に遊ばれてるー……心なしか皆の視線も生暖かい気がするしさぁ……

「ナギサ?」
「……そうだよ。俺の初恋はアリスだし、昔からずっと大好きだよ。これで良い?」
「ふふ」
「どうしたの?」
「少し珍しい表情だから可愛いな、と」

 ……ふぅん? 俺がいつまでもやられっぱなしでいると思ってるのかな? いつまでもアリスに主導権を握らせたりしないよ。俺は優しくないからねぇ。

「アリス」
「な、なんでしょう……」
「どうしたの、急にそんなに顔赤くしてさ。俺のこと、可愛いって言ってたんじゃなかったの? アリスの方が可愛いじゃん」
「あ、え、えっ……と」
「なんかスイッチ入ったな。おもしれぇ」

 アリスの方にグイッと顔を寄せて目を合わせるとあからさまに目が泳ぎだす。君はさ、俺の幼馴染だよね? 十年以上の付き合いなんだからさ、俺のことを一番知っているのはアリスだと思うんだよ。俺を煽り過ぎたら全部自分に返って来るって、アリスなら知っているはずだよね?
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