【第2章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで?

山咲莉亜

文字の大きさ
183 / 290
第2章 亜麻色の光

109 抑え気味の

しおりを挟む
「随分と用意周到なんだねぇ……」
「一応ね!」
「どうする? せっかくだし、何かしたいことある?」
「うーん……何でも良い?」
「うん」

 内容にもよるけどそんな無茶なことを言ってきたりはしないでしょ。しない……よね? いや、アリスだから何を言ってくるか分からない。全く予想が付かない。常識的かと思いきや、たまに突拍子もないこと言い出すからね。早くも数秒前の自分の言葉に後悔……まあいっか。大丈夫でしょ。

「それじゃあたくさんお話しよ? それと甘やかしてほしいな」
「予想以上に可愛いお願いだった」
「良い?」
「俺もアリスを愛でたいからもちろん良いよー。今日は甘々デーになるのかな」

 朝から晩まで一緒にいるし、トラブルはあったものの一応解決した。ただ、俺は無防備すぎるアリスにもちょっと怒ってるから後でお仕置きはするつもり。どろどろに甘やかして愛でればお仕置きになりそう……ふふ。

「な、なに? 顔が怪しいんだけど……腹黒ナギサが出ちゃってるよ」
「そう思うならなんでそれを俺に言うのかな。俺に何かされるとは思わないわけ?」
「思う! だからやめてね!」

 やめてって言われたらやりたくなっちゃうんだけど……俺人間じゃないけど心は人間だから。あ、でも精霊は楽しいことが好きだから、精霊の特性でもあるかもしれない。九割は俺の元の性格だろうけどー。

「悪い顔っ! 誰か助けてください!」
「誰かって?」
「つ、捕まえないで! ……あの、ナギサさん。えっと……お友達が来てますよ……?」
「すっごい棒読みじゃん。大人しく捕まってなよ。というか、今日俺から逃げすぎじゃない?」
「ナギサの本気は甘すぎて心臓が元気になるから少し抑え気味でお願いしたいです」

 真剣すぎて面白いね。抑え気味の甘々をご所望なのかもしれないけど普通に甘やかしてからかいたくなる。

「ならお話ししよ。ずっと気になっていたんだけど、雅ってエルサちゃんに前世のことを話してるの?」
「話してたね。お母さん、あんな感じだからそうなんだ~って言ってたよ。お父さんもナギサのことがあるから『そうですか』だって。我が家は全員ナギサのこと大好きだからみんなで語り合ってたよ?」
「最近はシルフも家族といることが多いのかな。良いことだねー」

 やっぱり俺が仕事を引き受けているからだろうね。それだけ今までは忙しかったということにもなるんだけど、シルフは大精霊の中でもリーダー感があるんだよね。それがさらに忙しくさせている理由なのかも。語り合っていたことについてはノーコメントで。
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

「元」面倒くさがりの異世界無双

空里
ファンタジー
死んでもっと努力すればと後悔していた俺は妖精みたいなやつに転生させられた。話しているうちに名前を忘れてしまったことに気付き、その妖精みたいなやつに名付けられた。 「カイ=マールス」と。 よく分からないまま取りあえず強くなれとのことで訓練を始めるのだった。

神様の人選ミスで死んじゃった!? 異世界で授けられた万能ボックスでいざスローライフ冒険!

さかき原枝都は
ファンタジー
光と影が交錯する世界で、希望と調和を求めて進む冒険者たちの物語 会社員として平凡な日々を送っていた七樹陽介は、神様のミスによって突然の死を迎える。そして異世界で新たな人生を送ることを提案された彼は、万能アイテムボックスという特別な力を手に冒険を始める。 平穏な村で新たな絆を築きながら、自分の居場所を見つける陽介。しかし、彼の前には隠された力や使命、そして未知なる冒険が待ち受ける! 「万能ボックス」の謎と仲間たちとの絆が交差するこの物語は、笑いあり、感動ありの異世界スローライフファンタジー。陽介が紡ぐ第二の人生、その行く先には何が待っているのか——?

異世界魔物大図鑑 転生したら魔物使いとかいう職業になった俺は、とりあえず魔物を育てながら図鑑的なモノを作る事にしました

おーるぼん
ファンタジー
主人公は俺、43歳独身久保田トシオだ。 人生に疲れて自ら命を絶とうとしていた所、それに失敗(というか妨害された)して異世界に辿り着いた。 最初は夢かと思っていたこの世界だが、どうやらそうではなかったらしい、しかも俺は魔物使いとか言う就いた覚えもない職業になっていた。 おまけにそれが判明したと同時に雑魚魔物使いだと罵倒される始末……随分とふざけた世界である。 だが……ここは現実の世界なんかよりもずっと面白い。 俺はこの世界で仲間たちと共に生きていこうと思う。 これは、そんなしがない中年である俺が四苦八苦しながらもセカンドライフを楽しんでいるだけの物語である。 ……分かっている、『図鑑要素が全くないじゃないか!』と言いたいんだろう? そこは勘弁してほしい、だってこれから俺が作り始めるんだから。 ※他サイト様にも同時掲載しています。

神の手違い転生。悪と理不尽と運命を無双します!

yoshikazu
ファンタジー
橘 涼太。高校1年生。突然の交通事故で命を落としてしまう。 しかしそれは神のミスによるものだった。 神は橘 涼太の魂を神界に呼び謝罪する。その時、神は橘 涼太を気に入ってしまう。 そして橘 涼太に提案をする。 『魔法と剣の世界に転生してみないか?』と。 橘 涼太は快く承諾して記憶を消されて転生先へと旅立ちミハエルとなる。 しかし神は転生先のステータスの平均設定を勘違いして気付いた時には100倍の設定になっていた。 さらにミハエルは〈光の加護〉を受けておりステータスが合わせて1000倍になりスキルも数と質がパワーアップしていたのだ。 これは神の手違いでミハエルがとてつもないステータスとスキルを提げて世の中の悪と理不尽と運命に立ち向かう物語である。

転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて

ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記  大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。 それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。  生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、 まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。  しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。 無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。 これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?  依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、 いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。 誰かこの悪循環、何とかして! まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて

ただいま御褒美転生中!〜元召喚勇者は救った世界で、自作の自立型魔法創作物と共に自由を求める〜

いくしろ仄
ファンタジー
女神に頼まれ魔王を討ち倒したご褒美に、当人の希望通りの人生に転生させてもらった主人公。 赤ん坊から転生スタートします。 コメディ要素あり、ほのぼの系のお話です。 参考図書 復刻版鶴の折り紙・ブティック社

町工場の専務が異世界に転生しました。辺境伯の嫡男として生きて行きます!

トリガー
ファンタジー
町工場の専務が女神の力で異世界に転生します。剣や魔法を使い成長していく異世界ファンタジー

転生魔竜~異世界ライフを謳歌してたら世界最強最悪の覇者となってた?~

アズドラ
ファンタジー
主人公タカトはテンプレ通り事故で死亡、運よく異世界転生できることになり神様にドラゴンになりたいとお願いした。 夢にまで見た異世界生活をドラゴンパワーと現代地球の知識で全力満喫! 仲間を増やして夢を叶える王道、テンプレ、モリモリファンタジー。

処理中です...