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第3章 動き出す思惑
1 調査開始
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冬のまだ日が昇る前の寒い朝。俺はルーと二人で黒幕調査のために各地を巡ることになった。情報を得られそうな場所の目途はついている。調べはしたけど俺の調べたことすべてが当たっているとは思えないから時間がかかりそうなんだよねぇ。
「なんで早速不機嫌そうなのですか、ナギサ様は」
「そんな顔しないでくれる? 今回の調査が終わるまでの間、忙しくて寝る時間も好きなことをする時間もなさそうだからさー」
仕方ないじゃん、と言うとやっぱり溜め息を吐かれた。ルーって俺に対して呆れすぎじゃない? そんなに呆れられるようなことをしているつもりも、言っているつもりも俺にはないんだけどねぇ。性格かな。苦労性ってやつ?
「精霊は眠る必要がないでしょう」
「俺は寝たいの。そもそもなんで精霊王はこんなに仕事が多いのか疑問なんだけど」
「僕達も遊んで暮らしているわけではありませんからね。世間では精霊は働かないと思われているようですが」
そうだね。本当は他の種族よりも忙しいこともあるくらいだけど。俺だって仕事してるし、ここ一年ちょっとくらいは常に誰かを追ってる。
「これが終わって帰ったら今度は会合があるし、学園でも何か行事があるらしいし。行事はまあ参加しなくても良いんだけど。じゃなくて、早く動かないと」
こんな呑気に話してる時間は本当にない。ランにお願いしてクレアちゃんに時間を作ってもらってるからまずはシーラン家に行かないと。夜中に申し訳ないけど、今回ばかりは仕方ないと思ってほしい。
クレアちゃんは王宮魔法師団副師団長だからね、聞きたいことがあるんだよ。団長の王弟殿下でも良かったんだけどあの人には別の用事を頼んでる。
「彼女に聞きたいことというのは、ご自分では調べられなかったことなのですか? ナギサ様が調べた方が断然早いと思いますが」
「さらっと調べたけど、自分で調べるのはちょっと面倒なくらい頑張って隠されてるんだよ。黒幕については手掛かりになれば良いなってくらいなんだけど、他にも聞きたいことがあるからついでにねー」
「ナギサ様でも面倒……? そんなに苦労するほど重要なのでしょうか?」
「知らないよ。質問ばかりしないで働こうよ。黒幕なんて曖昧な存在、さっさと暴いて倒すに限るんだからこの調査も早く終わるに越したことはないでしょ」
「……今後スムーズに動けるかと思って聞いたのですが?」
「それはお願い。だけど俺もまだ分かってないことが多いから答えられないこともあるんだよ」
「なんで早速不機嫌そうなのですか、ナギサ様は」
「そんな顔しないでくれる? 今回の調査が終わるまでの間、忙しくて寝る時間も好きなことをする時間もなさそうだからさー」
仕方ないじゃん、と言うとやっぱり溜め息を吐かれた。ルーって俺に対して呆れすぎじゃない? そんなに呆れられるようなことをしているつもりも、言っているつもりも俺にはないんだけどねぇ。性格かな。苦労性ってやつ?
「精霊は眠る必要がないでしょう」
「俺は寝たいの。そもそもなんで精霊王はこんなに仕事が多いのか疑問なんだけど」
「僕達も遊んで暮らしているわけではありませんからね。世間では精霊は働かないと思われているようですが」
そうだね。本当は他の種族よりも忙しいこともあるくらいだけど。俺だって仕事してるし、ここ一年ちょっとくらいは常に誰かを追ってる。
「これが終わって帰ったら今度は会合があるし、学園でも何か行事があるらしいし。行事はまあ参加しなくても良いんだけど。じゃなくて、早く動かないと」
こんな呑気に話してる時間は本当にない。ランにお願いしてクレアちゃんに時間を作ってもらってるからまずはシーラン家に行かないと。夜中に申し訳ないけど、今回ばかりは仕方ないと思ってほしい。
クレアちゃんは王宮魔法師団副師団長だからね、聞きたいことがあるんだよ。団長の王弟殿下でも良かったんだけどあの人には別の用事を頼んでる。
「彼女に聞きたいことというのは、ご自分では調べられなかったことなのですか? ナギサ様が調べた方が断然早いと思いますが」
「さらっと調べたけど、自分で調べるのはちょっと面倒なくらい頑張って隠されてるんだよ。黒幕については手掛かりになれば良いなってくらいなんだけど、他にも聞きたいことがあるからついでにねー」
「ナギサ様でも面倒……? そんなに苦労するほど重要なのでしょうか?」
「知らないよ。質問ばかりしないで働こうよ。黒幕なんて曖昧な存在、さっさと暴いて倒すに限るんだからこの調査も早く終わるに越したことはないでしょ」
「……今後スムーズに動けるかと思って聞いたのですが?」
「それはお願い。だけど俺もまだ分かってないことが多いから答えられないこともあるんだよ」
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