【第2章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで?

山咲莉亜

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第3章 動き出す思惑

28 できるよ

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 これは一国の王へ、精霊王としての交渉。どの種族も自分達の問題に他の種族を巻き込むのはあまりよろしくないとされている。それでもやむを得ない状況ならこうして交渉するしかない。ここに種族間の権力差は関係ないと思ってる。相手がどう思うのかは別の話だけどねー。

「その約束が破られた場合は?」
「俺は一度した約束を破ったことはないよ。もちろん、相手に非があればその限りではないけどねぇ。それでも破ってしまった場合は俺が責任を取って死ぬよ」

 命を絶てば責任を取ったことになるとは思ってないけど、これが一番分かりやすいからね。王の命が最も重く、最も軽いのはどの種族でも同じ。普段は守られる立場であっても責任を取るためには王が命を絶つのが一番手っ取り早い。これは矛盾でも何でもないでしょ。

「精霊王が命を懸けて約束するほどの相手なのですか?」
「そうだって何度も言ってるでしょ。そうじゃなきゃ、とっくに大精霊にでも頼んで排除してる」

 俺がこうして話している間にも呪いを少しでも軽減させようと必死になっているシルフとウンディーネ。彼らを横目で見つつ答えると、ジェソンさんも納得したように頷いた。
 俺の臣下は、今代の大精霊は本当に強いからね。だって俺の子達だし。

 それなのに俺が直々に対応しているということは、大精霊が全員で掛かっても勝算はかなり低いということ。普通に考えて大精霊全員で相手をしても勝算が低い敵とか化け物だからね? そんな気がする、というだけならどんなに良かったか。
 俺達がこんな風に苦労しているのも、絶対世界が関係している。あの人の管理する世界だからこればっかりは仕方ないのかもしれないけどさぁ……

「そうですね……私もナギサ様にたくさんの借りがありますし、ナギサ様のことは信頼していますので……この件については全面的に協力致しましょう。アルフォンスが被害に合っている時点で私達も無関係ではありませんし、私達の協力で少しでも勝算が上がるのでしたら」
「ありがとう。それとね、俺の命を懸けて約束するって言ったけど普通に戦闘中に死んじゃう可能性もあるから、そこは覚えておいて」

 とにかく、まずは勝利すること。当然だけどこれが絶対条件。自分で言うのも何だけど俺がここまで言うって相当だからねー? 俺史上一番厄介な相手だと思う。黒幕のお兄さんも俺の方が優勢に見えただけで、お互いに力を抑えていたから本当の実力は拮抗しているんだろうなぁ、と思ってる。
 本当に面倒で、厄介かつ大変な相手だけど───最後は必ずこちら側が勝利して見せよう。精霊王である俺ならできるよ。
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