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悠久の始まりの物語
エピローグ
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「ん~!やっぱりここのケーキはどれも美味しいね、このティラミスとかもうほんと…最っ高」
いつもの食卓で いつもとは違う、少し豪勢な夕食を終えた玖一と律悠。
2人はゆったりとしたソファに並んで座りながら、今度は律悠が買ってきていたケーキを堪能している。
あの小さなウェディングケーキを作製したパティシエの店のケーキだ。
可愛らしい小動物と店名のロゴが茶色であしらわれている白い箱の中には律悠が選んだいくつかのケーキが隙間なくきっちりとパズルかのように納められていて、選び取るのにも迷ってしまうほどである。
ティラミスにチーズケーキ
チョコケーキにフルーツタルトにショートケーキ…
そしてプリンまで
どれも味が最高であるのは間違いなく、とりあえず玖一はティラミスを、律悠はフルーツタルトを選択してそれぞれ味わうことにした。(とはいえ、結局それぞれ半分ずつ分け合っているのだが)
「あっそうだ、このケーキ屋さんの店長さんが教えてくれたんだけどさ、来月から『ケーキ特集』っていうのを始めるんだって。来月はチーズケーキがメインになるらしいよ」
「ケーキ特集?」
「そう。ほら、チーズケーキって一口に言っても色んな種類があるでしょ?バスクチーズケーキとかスフレチーズケーキとか、レアチーズケーキとか。だから月ごとにメインのケーキを決めてそのケーキの色んな種類を限定販売するんだって」
「へぇ…!?」
「チーズケーキでいうと、いつもお店で売ってるのはこのスフレチーズケーキだけなんだけど…来月はそれこそバスクチーズケーキとかレアチーズケーキとかも販売されるみたい。案内板の写真も撮ってきたよ、このマーブル模様になってるのとかすごく気にならない?」
携帯端末で写真を見せる律悠。
写っている店内の案内板には来月販売予定の各種チーズケーキが数種類 書かれているのだが、どれも甘味欲をそそるビジュアルをしていて堪らない。
玖一は写真を拡大して小さく添えられた紹介文を読みながら「え~っ!すごく美味しそうじゃん…!」と目を丸くする。
「絶対どれも美味しいって…来月から始まるの?」
「そうみたいだよ、この先もこういうのをやるみたい。プリンがメインのときはミルクプリンとかそういうのも、あとショートケーキがメインのときはイチゴ以外のショートケーキを何種類か出したりする予定だって」
「そうなんだ!?じゃあ…俺達のウェディングケーキのときみたいな桃のショートケーキも出るかな?」
瞳を輝かせる玖一。
律悠が「もしかしたら出るかもね。季節によっては難しいかもしれないけど」と切り分けたタルトを一口頬張ると、玖一は「そっか、あのケーキを作ってもらったときはちょうど桃の季節だったっけ…」と少ししょんぼりする。
「実はいつかまたあのショートケーキを食べたいなって思ってたんだ、すごく美味しかったから。クリームが普通のとは違ってちょっとミルキーな感じのやつ…りんごみたいにシャクシャクしてるのにすごく甘い桃が上に乗ってたやつ…」
友人達に祝われながら味わったケーキのことを思い出しつつ「お店でも売ってくれたらいいのに」とティラミスをひと掬いする玖一。
その様子はなんだかとても寂しそうで『本当に美味しかったよね、僕も好きだったなぁ』と気軽に返すのには少し気が引ける感じだ。
律悠は「じゃあ、今度特注で作ってもらおうか?」と提案した。
「注文すればどんなケーキも作ってくれるって言ってたよ、あの店長さん。っていうかパティシエのお兄さん」
「ほんと!?」
「うん、前もって言っておけば材料を揃えて作ってくれるって。1度頼んでみようか」
「え、そうしようよ!」
「じゃあ今度また作ってもらえるかどうか訊いてみよう」
玖一はよほどあの桃のショートケーキでできたウェディングケーキを気に入っていたのだろう。
また味わうことができるかもしれないということで、玖一はすっかり嬉しそうにしながらティラミスを口に運ぶ。律悠も一口食べた途端に気に入ってしまったあの味を思い出しながら、玖一との大切な思い出がきちんと積み重ねられているのだということに改めて思いを馳せた。
「なんか…付き合い始めてからここまで すごくあっという間だった気がする。玖との思い出が沢山あるのに付き合い始めたのがついこの間のことみたいだっていうのも変な感じだけどね」
「…もちろん付き合い始めた当時から僕は玖のことがすごくすごく好きだったけど、でもまさかこんな風に2人のウェディングケーキの思い出話をするようになるとは思いもしてなかったから…あの時の僕が聞いたらびっくりするだろうな」
ふと見れば目に入る左手薬指の指輪。
それは自身の性的指向が異性に向いていないのだということを自覚したときから縁のないものに思われていた『愛の証』だ。
いくら憧れたとしても簡単には手に入らないものである。
金額などでは測れない尊いものが込められた指輪…それを互いに贈り合いたいと思えるような相手に出逢えたということ自体が奇跡的で、何物にも代えがたい幸運だろう。
見つめるたびにふくふくとした気持ちが込み上げてくるその指輪に笑みを向ける律悠。
玖一は律悠の左手を大事そうに包み込みながら「…ありがとう、悠」と静かに言った。
「あの時…うじうじしてた俺に付き合おうって言ってくれて」
「それからずっと、今もこうやって一緒にいてくれて」
玖一の想いがこもった言葉はテレビも点いていない静かなリビングに溶け込んでいくかのようだ。
玖一はそっと律悠の頬に口づけた。
律悠もお返しとばかりに玖一の頬に口づける。
目が合って、微笑み合って…そして今度は唇へ。
たとえ特別なところへ出かけなかったとしても2人にはそれで充分だ。
美味しいものを食べて『美味しい』と笑みを交わし合い、共に辿ってきたこれまでの軌跡を思い返しながら過ごす記念日。
それはこれからも彼らのさらなる思い出となって月日に重なり合ってゆく。
手を取り合いながら…ずっと先まで。
「玖、このタルトの最後の一口食べる?」
「いいの?じゃあティラミスの最後の一口も悠にあげるね」
「ふふっ、ありがとう」
互いの最後の一口を譲り合ってそれぞれケーキを綺麗に平らげた玖一と律悠。
だが玖一は「ねぇ、次はどれ食べる?」と保冷材付きのケーキの小箱を開けた。
「もう1個食べるの?もう夜なのにそんなに食べるのは…ちょっとさすがに罪悪感があるよ、玖はそんなの気にしなくても今のかっこいいのを維持できるけどさ」
今日は記念日だということもあり、ただでさえ食事は時間のことなども気にせず食べ、ケーキもすでに堪能してしまったのだ。
律悠は(玖一の方がそういうの気にするだろうと思ってたのに)と思いながら「体型管理のことも考えないと」と目を細める。
しかし玖一はいたずらっぽく笑って言ったのだった。
「う~ん?でも食べたらその分ちゃんと動いて運動すればいいんじゃない?」
もちろんそれは『これから外へジョギングでもしに行けばいい』という意味ではないだろう。
暗に“寝室で行う有酸素運動”のことを指しているに違いない。
…まったく妙なことだが、記念日というのはいつもとは違って平気で甘ったるい言葉を口にしたり、大胆なことをしてしまったりするものだ。
自分にとって相手がいかに大切で離れがたい存在であるのかというのを再認識するからかもしれない。
そして、言った後から我に返って恥ずかしく思ったりするのだ。
玖一がさりげなく“この後”の話を持ち出したことにスッと目を細めていると、律悠はなんと玖一の耳元がみるみるうちに桜色から濃く色付きつつあることに気づく。
箱の中をのぞいて熱心に迷っているように見せかけているが、その耳は正直だ。
「…自分で言っておいて恥ずかしくなってるの?」
律悠が訊ねると、玖一は肩をすくめて言いづらそうにしながら「…うん」と白状する。
「なんか、こんなこと言うのって…なんかちょっとアレだね。言ってからすごく恥ずかしくなってくるっていうか…うん…」
いよいよ頬の辺りまで薄紅に染めながら「聞かなかったことにしておいてよ」と苦笑いを浮かべる玖一。
彼のそういった姿というのはそこそこの長い付き合いとなった今ではあまり見る機会がない 貴重とも言えるものだ。
律悠は玖一が使っていたティラミスのスプーンを取ると「じゃあ、あとプリンだけ食べようよ。2人で半分こし合ってさ」とケーキの小箱の中を指した。
「このプリン食べて、それでお風呂入ろう」
「…後で運動するんでしょ」
心なしか嬉しそうな様子が窺える律悠のその声には特別な力でも宿っているのだろう。聞いた者を一瞬にして舞い上がらせてしまう『なにか』だ。
玖一は いそいそとプリンを取り出した。
一匙ごとに味わうほろ苦いカラメルと優しい甘さでできた甘味。
それは想いを告げ合って共に歩み始めた、あの日の2人のようだった。
いつもの食卓で いつもとは違う、少し豪勢な夕食を終えた玖一と律悠。
2人はゆったりとしたソファに並んで座りながら、今度は律悠が買ってきていたケーキを堪能している。
あの小さなウェディングケーキを作製したパティシエの店のケーキだ。
可愛らしい小動物と店名のロゴが茶色であしらわれている白い箱の中には律悠が選んだいくつかのケーキが隙間なくきっちりとパズルかのように納められていて、選び取るのにも迷ってしまうほどである。
ティラミスにチーズケーキ
チョコケーキにフルーツタルトにショートケーキ…
そしてプリンまで
どれも味が最高であるのは間違いなく、とりあえず玖一はティラミスを、律悠はフルーツタルトを選択してそれぞれ味わうことにした。(とはいえ、結局それぞれ半分ずつ分け合っているのだが)
「あっそうだ、このケーキ屋さんの店長さんが教えてくれたんだけどさ、来月から『ケーキ特集』っていうのを始めるんだって。来月はチーズケーキがメインになるらしいよ」
「ケーキ特集?」
「そう。ほら、チーズケーキって一口に言っても色んな種類があるでしょ?バスクチーズケーキとかスフレチーズケーキとか、レアチーズケーキとか。だから月ごとにメインのケーキを決めてそのケーキの色んな種類を限定販売するんだって」
「へぇ…!?」
「チーズケーキでいうと、いつもお店で売ってるのはこのスフレチーズケーキだけなんだけど…来月はそれこそバスクチーズケーキとかレアチーズケーキとかも販売されるみたい。案内板の写真も撮ってきたよ、このマーブル模様になってるのとかすごく気にならない?」
携帯端末で写真を見せる律悠。
写っている店内の案内板には来月販売予定の各種チーズケーキが数種類 書かれているのだが、どれも甘味欲をそそるビジュアルをしていて堪らない。
玖一は写真を拡大して小さく添えられた紹介文を読みながら「え~っ!すごく美味しそうじゃん…!」と目を丸くする。
「絶対どれも美味しいって…来月から始まるの?」
「そうみたいだよ、この先もこういうのをやるみたい。プリンがメインのときはミルクプリンとかそういうのも、あとショートケーキがメインのときはイチゴ以外のショートケーキを何種類か出したりする予定だって」
「そうなんだ!?じゃあ…俺達のウェディングケーキのときみたいな桃のショートケーキも出るかな?」
瞳を輝かせる玖一。
律悠が「もしかしたら出るかもね。季節によっては難しいかもしれないけど」と切り分けたタルトを一口頬張ると、玖一は「そっか、あのケーキを作ってもらったときはちょうど桃の季節だったっけ…」と少ししょんぼりする。
「実はいつかまたあのショートケーキを食べたいなって思ってたんだ、すごく美味しかったから。クリームが普通のとは違ってちょっとミルキーな感じのやつ…りんごみたいにシャクシャクしてるのにすごく甘い桃が上に乗ってたやつ…」
友人達に祝われながら味わったケーキのことを思い出しつつ「お店でも売ってくれたらいいのに」とティラミスをひと掬いする玖一。
その様子はなんだかとても寂しそうで『本当に美味しかったよね、僕も好きだったなぁ』と気軽に返すのには少し気が引ける感じだ。
律悠は「じゃあ、今度特注で作ってもらおうか?」と提案した。
「注文すればどんなケーキも作ってくれるって言ってたよ、あの店長さん。っていうかパティシエのお兄さん」
「ほんと!?」
「うん、前もって言っておけば材料を揃えて作ってくれるって。1度頼んでみようか」
「え、そうしようよ!」
「じゃあ今度また作ってもらえるかどうか訊いてみよう」
玖一はよほどあの桃のショートケーキでできたウェディングケーキを気に入っていたのだろう。
また味わうことができるかもしれないということで、玖一はすっかり嬉しそうにしながらティラミスを口に運ぶ。律悠も一口食べた途端に気に入ってしまったあの味を思い出しながら、玖一との大切な思い出がきちんと積み重ねられているのだということに改めて思いを馳せた。
「なんか…付き合い始めてからここまで すごくあっという間だった気がする。玖との思い出が沢山あるのに付き合い始めたのがついこの間のことみたいだっていうのも変な感じだけどね」
「…もちろん付き合い始めた当時から僕は玖のことがすごくすごく好きだったけど、でもまさかこんな風に2人のウェディングケーキの思い出話をするようになるとは思いもしてなかったから…あの時の僕が聞いたらびっくりするだろうな」
ふと見れば目に入る左手薬指の指輪。
それは自身の性的指向が異性に向いていないのだということを自覚したときから縁のないものに思われていた『愛の証』だ。
いくら憧れたとしても簡単には手に入らないものである。
金額などでは測れない尊いものが込められた指輪…それを互いに贈り合いたいと思えるような相手に出逢えたということ自体が奇跡的で、何物にも代えがたい幸運だろう。
見つめるたびにふくふくとした気持ちが込み上げてくるその指輪に笑みを向ける律悠。
玖一は律悠の左手を大事そうに包み込みながら「…ありがとう、悠」と静かに言った。
「あの時…うじうじしてた俺に付き合おうって言ってくれて」
「それからずっと、今もこうやって一緒にいてくれて」
玖一の想いがこもった言葉はテレビも点いていない静かなリビングに溶け込んでいくかのようだ。
玖一はそっと律悠の頬に口づけた。
律悠もお返しとばかりに玖一の頬に口づける。
目が合って、微笑み合って…そして今度は唇へ。
たとえ特別なところへ出かけなかったとしても2人にはそれで充分だ。
美味しいものを食べて『美味しい』と笑みを交わし合い、共に辿ってきたこれまでの軌跡を思い返しながら過ごす記念日。
それはこれからも彼らのさらなる思い出となって月日に重なり合ってゆく。
手を取り合いながら…ずっと先まで。
「玖、このタルトの最後の一口食べる?」
「いいの?じゃあティラミスの最後の一口も悠にあげるね」
「ふふっ、ありがとう」
互いの最後の一口を譲り合ってそれぞれケーキを綺麗に平らげた玖一と律悠。
だが玖一は「ねぇ、次はどれ食べる?」と保冷材付きのケーキの小箱を開けた。
「もう1個食べるの?もう夜なのにそんなに食べるのは…ちょっとさすがに罪悪感があるよ、玖はそんなの気にしなくても今のかっこいいのを維持できるけどさ」
今日は記念日だということもあり、ただでさえ食事は時間のことなども気にせず食べ、ケーキもすでに堪能してしまったのだ。
律悠は(玖一の方がそういうの気にするだろうと思ってたのに)と思いながら「体型管理のことも考えないと」と目を細める。
しかし玖一はいたずらっぽく笑って言ったのだった。
「う~ん?でも食べたらその分ちゃんと動いて運動すればいいんじゃない?」
もちろんそれは『これから外へジョギングでもしに行けばいい』という意味ではないだろう。
暗に“寝室で行う有酸素運動”のことを指しているに違いない。
…まったく妙なことだが、記念日というのはいつもとは違って平気で甘ったるい言葉を口にしたり、大胆なことをしてしまったりするものだ。
自分にとって相手がいかに大切で離れがたい存在であるのかというのを再認識するからかもしれない。
そして、言った後から我に返って恥ずかしく思ったりするのだ。
玖一がさりげなく“この後”の話を持ち出したことにスッと目を細めていると、律悠はなんと玖一の耳元がみるみるうちに桜色から濃く色付きつつあることに気づく。
箱の中をのぞいて熱心に迷っているように見せかけているが、その耳は正直だ。
「…自分で言っておいて恥ずかしくなってるの?」
律悠が訊ねると、玖一は肩をすくめて言いづらそうにしながら「…うん」と白状する。
「なんか、こんなこと言うのって…なんかちょっとアレだね。言ってからすごく恥ずかしくなってくるっていうか…うん…」
いよいよ頬の辺りまで薄紅に染めながら「聞かなかったことにしておいてよ」と苦笑いを浮かべる玖一。
彼のそういった姿というのはそこそこの長い付き合いとなった今ではあまり見る機会がない 貴重とも言えるものだ。
律悠は玖一が使っていたティラミスのスプーンを取ると「じゃあ、あとプリンだけ食べようよ。2人で半分こし合ってさ」とケーキの小箱の中を指した。
「このプリン食べて、それでお風呂入ろう」
「…後で運動するんでしょ」
心なしか嬉しそうな様子が窺える律悠のその声には特別な力でも宿っているのだろう。聞いた者を一瞬にして舞い上がらせてしまう『なにか』だ。
玖一は いそいそとプリンを取り出した。
一匙ごとに味わうほろ苦いカラメルと優しい甘さでできた甘味。
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