壮麗なる賽と矛

蓬屋 月餅

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第3章

15「別れ」

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 陸国の人間達をくっつけているという、愛の女神ではない”誰か”。

 その存在を見つけ出すことはけっして容易ではないだろうと踏んでいた賭けの神だが、実際その通りで、彼は数日が経ってもその”誰か”を見つけることができずにいた。
 高い神力の持ち主である上天界の神をもってしても気配を感じ取ることすらできないのだ。
 そもそも、これまでそのような存在がいることにも気がつかなかったほどなのである。
 きっと貞操の神からの報告がなければこの先もずっと気付くことがなかっただろうとすら思えるほどだ。
 しかしそれは賭けの神の落ち度というわけではない。
 通常、神などの天界に住んでいる者が他の事物に手を加えると必ず神力の痕跡が残るため、それらを頼りにすれば必ず大元である存在に辿り着くことができるというのに、その“誰か”はそういった痕跡を1つ残らず消しながら出没しているので正体を見つけ出すための手段や要領がなかなか得られないのだ。
 それは明らかに意図的に施された細工だった。
 当初は『ただの化身や精霊などによるちょっとしたいたずらという可能性もなくはないなのではないか』と僅かながらに思っていた賭けの神も、この『意図的に痕跡を消している』という用意周到さに当然ながら不信感と疑念を深めていった。

 1日、2日、3日…と時が過ぎていくにつれて気配を辿ろうとすることへの真剣さも増し、いつもよく連れ立って歩くなどしていた争いの神にも『ちょっと探し物があるから』と言ってなるべく単独行動をとるようにしながら陸国の様子に目を光らせるようになった賭けの神。
 すると、たしかに彼自身も陸国でのを実際に目にするようになったのだった。
 貞操の神から聞かされたのは『愛の女神以外に人間達の仲を取り持つ者がいる』ということだったが、なんと賭けの神がよく見物に行っていた食堂などでの賭けの場でもこれまでにはいなかったような悪質な賭けやイカサマをする人間の姿がちらほらと現れるようになったのである。
 賭けの神にはすぐに分かった。これが“今探している者”の仕業であるということが。
 
(なるほど…きちんとした理由も目的もなくそんなことをしている者なのではないかと思っていたが、これではっきりした。理由も目的もない。ただの娯楽だ。この“誰か”はただ陸国をめちゃくちゃに引っ掻き回したいだけだ、そして混乱するそのさまを楽しみに見物している。見物するためだけにこんなことをしているんだ。愛の女神も貞操の神も関わらない恋人達を作ったりするのだって後々不仲になっていくのを眺めるためだろう)

(まったく…こんなことをされては困る)

 賭けの神は自らの姿を隠したまま悪質なイカサマをしていた人間の後を付いていき、人気のないところまで行くと、その足元をじっと見つめた。
 いちいち袖を振ったり指で何かを指し示したりする必要はないのだ。
 彼がじっと見つめただけでその男は突然蹴躓けつまずいて転ぶ。

「うわっ」

 何の変哲もない小石に突拍子もなく蹴躓けつまずいただけでも驚きだろう。
 だが、なんとその男は足首をひねって捻挫をしただけではなく衣の上からでも分かるほど激しく膝を擦りむいていた。
 唐突なその怪我のあまりの痛みに足を抱えてうずくまる男。
 周りには誰もいないのでその男に手を差し伸べる者もいない。
 ……
 しばらくの間 賭けの神はその男をすぐそばで見下みおろしていたが、男が苦痛に耐えようとした拍子にドンと建物の壁に背を打ち付けたところで曲がり角から“偶然現れた青年風の人間”を装って駆け寄っていく。

「わっ、大丈夫ですか?こんなところにうずくまって…」

 そして壁に立てかけてあった木材などが男の上に倒れかかりそうだったのを止めて大袈裟に驚いた声をあげた。

「その怪我…!一体どうしたんですか」

 倒れかけていた木材を端に寄せながら気遣う言葉をかけると、男は『転んで怪我をしたのだが、助けを呼びにいくこともできずにいた』という今起きた一連の事の次第を告げる。
 男の膝や足のけがの程度を確かめるように見た賭けの神は「これは…随分な怪我ですね」と眉をひそめた。

「ただ転んだにしては酷いくらいだ、こんな風にはならないでしょう」

「偶然私が通りがかって本当によかったです。きっと“良いことも悪いことも誰かがいつも見ている”…ということなのかもしれませんね」

「足元には気をつけて歩かなければいけませんよ。とにかく今人を呼んできますから安心してください、そこを曲がった表通りのところには医者も居ましたからすぐに手当をしてもらえるはずです」

 再び念入りに傷口の様子を確かめた賭けの神は「では呼んできますね」と声をかけると曲がり角を曲がったところで姿を消し、人間の医者に“予感”を与えて男の元へと差し向けたのだった。
 人間というのは えてして『唆されるとついそれに従ってしまう』という弱さのある存在である。
 中にはごく稀にみるほどの屈強な精神力でそういったそそのかしに堪えることができる者もいるかもしれないが、しかし完全に逆らって抗うことができる者というのは一握りだろう。
 いつもはしないようなこともしてしまう“唆し”。
 悪質な賭けをしていたこの男もそのに唆された影響でこういったことをしてしまったのだということは賭けの神もよく理解していた。

(とにかく、これでもうこの男はどんなに唆されたとしてもあんなことはするまい)

(それにしても…私の領域である“賭けの場”でこんなことをさせるとは。どんなやつだか知らないが随分と大胆なことをするものだな。たいした度胸だ)

 医者によって手当をされる男を見守りながら賭けの神は小さくため息をつく。
『このまま放っておけばより大事おおごとになっていくだろう』
 そんな懸念がより一層強くなった賭けの神。
 彼のその懸念は正しかった。
 賭けの神が男を転ばせてから数日後のある日に、それは起こったのだった。


ーーーーーーー


 よく晴れていた天界。
 その草地の上を歩いていた賭けの神の足を止めさせたのはただならぬ様子の呼び声だった。

《賭けの神様、賭けの神様…っ!!》

《賭けの神様、急ぎ我らの主の元へ…貞操の神様の元へ……!!》

 遠くの方から大きな声を張り上げつつ全力で懸命に走ってきたその小さな影は貞操の神と愛の女神の側仕えであるつがいのうさぎ達で、賭けの神は報せの詳細を聞く前にすでに駆け出していた。
 いつも大人しく楚々として脇に控えながらそう多く話すこともないその側仕え達が、脇目も振らずに全力で懸命に走って賭けの神の元へとやってきたのである。
 いかに重大なことが起こったかというのはもはや聞くまでもなかった。
 天界の澄んだ空気の中から微かに感じる神力の痕跡を辿って行った先でようやく見つけた貞操の神は、何かを抱くようにして膝をついていた。

「貞操の神!」

 何があったのか。一体どうしたのか。
 それを訊ねるべく声をかけた賭けの神。
 しかし貞操の神が体を起こしたことで彼はすべて理解したのだった。
 まさかと思いつつ、賭けの神も貞操の神が胸に抱いていた影のそばへと近寄っていく。
 貞操の神に抱えられていたのは…花の化身であるダンだった。
 
「ダン……!!」

 賭けの神が手を取って声をかけるも、目を閉じたままのダンはピクリとも反応しない。
 憔悴しているような貞操の神は声を震わせながら言った。

「私が見つけた時には、もうすでにこうして倒れていたんです。ついさきほどのことです。天界に戻ってきてすぐにここに倒れているのを見て…声をかけても反応がなく、ぐったりとして……」

「この子の神力が…私にはどうすることも……」
 
 ダンの手を取っていた賭けの神にはダンがどんな状態なのかがすぐに分かっていた。
 ダンのはくにはひびが入っていたのである。
 よほどのことがない限り魄にひびが入るなどということはありえないが、しかし本当にダンの小さなはくには大きなひびが入っていた。そして、そこから神力が少しずつ流れ出してもいた。
 神力は姿を形作るのに必要なだけではなく、天界に住む者が“存在”する上でもなくてはならないものであり、その神力を巡らせたり身に留めておくはくというのはまさに本体ともいえる重要なものだ。
 それにひびが入り神力が流れ出しているということは、つまり命に関わる状態であるということだった。
 元々神ではない花の化身であるダンのはくはとても小さく、少し傷がついただけでも致命的になりうるほどだというのに、ダンのそのはくは大きくひび割れてすでに神力が流れ出してしまっている。
 いくら呼び掛けてもダンが反応しないのは神力が失われつつあって衰弱しているからだった。
 ひびの入ったはくを元通りに補修することはほとんど不可能に近いことであり、賭けの神にもどうすることもできない。
 
このまま何もせずにいればすぐに彼の神力は尽きてしまうだろう。
流れだした神力はどこへとなく散り、漂って、いずれは跡形もなく霧散し後には何も残らない。
 
 ダンの髪を撫でた賭けの神は静かに言った。

「…このままでは、いけないね」

 凛々しさもありながら、愛らしく、孤高の雰囲気を漂わせているというのによく懐いていたダン。
 まるで弟のようだったダン。
 横たわっているダンの表情はとても穏やかで、肩まである茶色のきっちりと結い上げられている髪も、金に縁取られた緑の葉や大輪の花が目を惹く衣も、まったくいつも通りどこにも乱れたところはなく、眠っているだけのように見える。
 だが、自ら『ダン』という愛称をつけたほど愛着がある彼のこのような姿を見るのは賭けの神にとって本当に辛いことだ。
 賭けの神は一呼吸おいてからダンにそっと近づくと、前髪の隙間からのぞく小さな額へと口づけた。
 するとその体を支えていた貞操の神の手のひらに一粒の丸いぎょくだけを残し、ダンの姿はたちまち消えてしまう。
 その玉はよく見ると二重になっていた。
 大きなひび割れが目立つ玉と、その玉を守るように覆っている透明な層の二重構造だ。…ひび割れている玉の中央にはあの美しい緋色の花が一輪閉じ込められているかのように咲いている。

「これ…これは……」

 目を潤ませている貞操の神からその玉を受け取った賭けの神。

「そう、これはダンのはくだよ。…割れているのが見えるだろう。このままでは神力が流れ出して霧散してしまうから、それを防ぐために彼のはくを抜き出して私自身の神力で覆ったんだ」

「純で美しい魄だね。緋色の花が一輪あって…まさに彼そのものだ」

 魄を抜き出すなどということは普通どの神にも出来ることではなく、貞操の神も驚くが、彼は「私は上天界の神だからね」とだけ答えてぎょくを手にしたまま歩き始める。
 彼が貞操の神を伴って向かったのはあの【転生の泉】だった。

「転生の泉…ということはいずれはダンも戻ってくるのですか?」

 もしやという希望をのぞかせて訊ねる貞操の神だが、賭けの神は「いいや、それは分からない」と首を横に振る。

「この泉は『中に入った者のはくを作り変えることができる』という泉なんだ。そうして作り変えることで側仕え達は神としての魄を新しく手に入れているんだよ。だけどこの傷ついた魄を泉に託したからといってまったく同じようになるかというのは…私にも分からないんだ。しかし1つ言えるのは」

「このまま玉に閉じ込めておいてじわじわと神力が失われるのを待つよりは、こうして泉に後を託す方がずっといいだろうということだよ」

 もはや成す術はない。
 貞操の神からの別れも済んだところで、賭けの神はダンのはくをそっと転生の泉の浅瀬に置いた。
 丸い魄は勢いをつけずとも自然と転がり、やがて水底へと姿を消してしまう。
 波紋の1つさえ立たないほどの静かすぎる別れはあっけなく済んだ。

 賭けの神はそばに控えているつがいのうさぎ達の頭を優しく撫でる。

「君達が懸命に走って知らせに来てくれたおかげで私もダンの魄が完全に散ってしまう前に駆けつけることができた。ありがとうね」

「貞操の神、この子達は本当に良い子達だよ。どうかたくさん労ってあげて欲しい」

 体を伏せながら目を細めるうさぎ達。
 貞操の神も「あなた様に報せるようにと言ったらすぐに走り出したんです。よく務めを果たしてくれましたね」と拭いきれない悲しみと共に微笑みを浮かべて側仕え達を撫でた。
 その時、ふいに賭けの神は思い出した。
 かつて『ダンは大人の姿になることができるか』という問いを自らにした時の答えを。

『大人の姿になることはない』

 何度そう問うても『なることができない』という答えが返ってきていた理由。
 それはつまり、大人の姿になる前にこうして消滅する運命にあるということを指していたのだ。
 賭けの神はついに理解した。

(それにしても…こんなことになるなんて)

 泉の畔は言い表しようのない悲しみに包まれていた。


ーーーーーー


「お、おい!なぁ庭が……」

 屋敷へと帰り着いた賭けの神を出迎えたのは争いの神による庭の異変を伝える声だった。
 賭けの神が屋敷の門を抜けて中央のあの広い庭へと向かうと、そこには庭から目を離すことが出来ずに立ち尽くしている争いの神の姿があって、賭けの神もかける言葉が見つからない。
 いつも緋色の美しい花が咲き誇っていた庭。
 だが、今はその庭は眩いばかりの光の粒でいっぱいになっている。
 光の粒の出どころは庭に咲き誇っていたあの緋色の花の花びらや緑の葉や枝や幹だった。

「さっき俺が屋敷に帰ってきたときにはもうこんなことになってたんだ」

「なぁ、なにがあったんだよ…こんな………」

 丹念に世話をされていたおかげでこれまで途切れることなくあちこちで咲き誇っていた花は、端の方から光の粒となってどんどんと消えていっている最中だった。
 花の化身であり、本体でもあるダンの魄を一縷の望みにかけて泉へと託したが、やはりそれではどうにもならなかったのだ。
 花びらの端から、葉の先端から、枝の先から。
 まるでさらさらと砂が零れ落ちていくかのように、光の粒となって跡形もなく消えていく花。
 その光の粒は明るく空へと昇って行っていて、一見するととても美しいようだが、しかしむなしく寂しいものでもある。
 葉の深い緑、そして枝や幹の茶が屋敷の白い壁や白木の廊下、黒の柱、欄干などと見事に調和していた庭は光の粒と共に失われてゆく。

「もしかして…ダンになにか……」

 あまりにも妙なその雰囲気に争いの神も状況を察したらしいが、賭けの神は多くを語ることはせずに頷いて応えると、中庭へと降り立った。
 もう花の姿は随分消えてしまっている。

「………」

 賭けの神はまだかろうじて残っている花びらに触れると、軽く握った自らの手にふっと息を吹きかけて、その手の中に真っ白な1匹の蝶を創り出した。
 賭けの神の神力によって創り出された蝶だ。
 賭けの神はその蝶を1枚の葉の上に止まらせる。

「…とても賑やかで良い日々だったね。彼はとても良い子だった、本当に」

 まさか失われることになろうとは思いもしていなかったあの楽しいひと時に思いを馳せながらそう呟いた賭けの神。
 すると、やがてその蝶も 止まっていた葉と共に光の粒となって空へと昇って行った。
 その様子を見ていた争いの神も庭へと降り立つと、袖からダンが愛用していた舞具の小さな刀を取り出して枝のところへと立てかけてやる。
 …その刀も、枝や幹と共に消えていった。

 あんなにもあちこちで咲き誇っていた花はすっかり消え失せ、葉も、どんなに小さな枝も、欠片の1本も残さずに消えてしまった。

 賭けの神と争いの神は揃って口を閉ざしたまま最後の光の粒が消えるまで、そして消えた後も中庭に立ち尽くしたのだった。
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