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【4】エキサイトメント・シーカー
66 見ないで*
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「あ────……」
まるで面白がるように、勃ちあがった僕のものを撫でさする。
爪の先を先端にあてて、ぬるぬるした蜜ごと引っ掻いた。
高い声を上げているのが恥ずかしくて止めたいのに、どうしても抑えられない。
僕は涙を弾けさせながら、愛しい人の名前を呼ぶ。
「文哉さんっ、も、出る……、文哉さん……っ」
「……く」
文哉さんが、奥歯同士を噛み合わせたような、余裕のない表情をして僕を見る。
僕が顎を少し上に向かせると、すぐに食らいついてくれた。
荒々しくて呼吸が苦しくなる。
口の中をめちゃくちゃに犯されて唾液が漏れても、キスを止めようとはしない。
じゅっ、と、一際強く中心をこすられた瞬間、限界を迎えた。
熱を放っている間、頭が真っ白になる。
「んんっ、ん────……」
唇を奪われているから、喉が鳴るだけで声にはならない。
何度かびくびくと腰をはね上げて、すべての欲望を出し切った。
くたりと弛緩した体。
程よい気だるさに心地よくなっていると、ようやく唇が離れていった。
「イッてるおまえの姿、本当に可愛いし、切羽詰まった声で名前を呼ばれて、たまらなくなった」
濡れた唇の表面を、指で拭ってくれる。
はぁはぁと小さく呼吸を繰り返す僕に跨ったまま、文哉さんは自分の着ているパジャマのボタンを外して脱いだ。
肩幅が広く、厚い胸板。
見蕩れているひまもなく、また唇が降ってたので受け止めた。
文哉さんの肌質をより感じて、達したばかりのそれがまた昂りを取り戻していく。
裸で抱き合うのって、気持ちがいい。
たとえ薄い布1枚だったとしても、僕らを隔てていたのだと思い知る。
ぐっしょりと濡れた下着を脱がされてそこを晒した。
何度か見られているとはいえ、改まってじっと見られると結構恥ずかしい。
意図せずピクリと勝手にそれが跳ねて、先端からトロリとした蜜が漏れ出たのを見られてしまい、これ以上ない羞恥心が僕を襲う。
「や、あんま、見ないで……」
「見ないと、出来ないだろ」
くすりと笑った文哉さんは、急に僕の膝裏に手を入れて、片脚をぐいと持ち上げた。
今度見られているのは、中心よりも少し下の、狭間のところ。
そこを親指で押して、奥の方をより深く見られていると気付いた瞬間、頭が沸騰した。
大きく開かされた足を閉じようとジタバタしても、ビクともしない。
困惑して眉根を寄せても、文哉さんはまるで怪我の状態を見るお医者さんみたいな姿勢を崩さないから、はっ倒してやりたくなる。
奥の蕾を指先で撫でられ、は、と熱い吐息が漏れる。
ぬるぬるとした感覚があるのは、きっと自分が漏らしたものがそこに伝ったからだろう。
滑るようにそこを指で上下されると、ぞわ、と肌が粟立ち、ぞくぞくと背筋に痺れを感じた。
男同士はそこを使うということは、もちろん知っている。
これも元々覚えていたのか、忘れていたのか定かでは無く、いつの間にか知識として僕の中にあった。
文哉さんと繋がりたいという気持ちが、いつからか芽生えていたのだ。
「あ、あ……っ」
表面をなぞるだけだった指先は、何の前触れもなく中に侵入してきた。
指1本だけだけど、長い指が深いところまで届き、そのまま中をかき混ぜられる。
「苦しいか」
ふるふると首を横に振る。
ゆっくりと指の抜き差しをされて、水をかき混ぜるみたいな卑猥な音と、僕の甘い声が部屋いっぱいに響く。
中の指をきゅうきゅうと締め付けていると、押し出されるみたいに先端から蜜が漏れてしまう。
「あ、も、だめっ、またイク……っ」
いやいやと涙ながらに訴えていた時、場にそぐわない無機質な電子音が鳴った。
目を向けると、ベッド脇に置いてある天然木のスツールの上で、文哉さんのスマートフォンが着信しているみたいだった。
鳴り止まないそれに、盛り上がっていた気持ちが少しだけ冷静さを取り戻す。
文哉さんは上半身を起こし、なんと僕の奥に指は入れたまま、手を伸ばしてスマホを取り上げた。
まるで面白がるように、勃ちあがった僕のものを撫でさする。
爪の先を先端にあてて、ぬるぬるした蜜ごと引っ掻いた。
高い声を上げているのが恥ずかしくて止めたいのに、どうしても抑えられない。
僕は涙を弾けさせながら、愛しい人の名前を呼ぶ。
「文哉さんっ、も、出る……、文哉さん……っ」
「……く」
文哉さんが、奥歯同士を噛み合わせたような、余裕のない表情をして僕を見る。
僕が顎を少し上に向かせると、すぐに食らいついてくれた。
荒々しくて呼吸が苦しくなる。
口の中をめちゃくちゃに犯されて唾液が漏れても、キスを止めようとはしない。
じゅっ、と、一際強く中心をこすられた瞬間、限界を迎えた。
熱を放っている間、頭が真っ白になる。
「んんっ、ん────……」
唇を奪われているから、喉が鳴るだけで声にはならない。
何度かびくびくと腰をはね上げて、すべての欲望を出し切った。
くたりと弛緩した体。
程よい気だるさに心地よくなっていると、ようやく唇が離れていった。
「イッてるおまえの姿、本当に可愛いし、切羽詰まった声で名前を呼ばれて、たまらなくなった」
濡れた唇の表面を、指で拭ってくれる。
はぁはぁと小さく呼吸を繰り返す僕に跨ったまま、文哉さんは自分の着ているパジャマのボタンを外して脱いだ。
肩幅が広く、厚い胸板。
見蕩れているひまもなく、また唇が降ってたので受け止めた。
文哉さんの肌質をより感じて、達したばかりのそれがまた昂りを取り戻していく。
裸で抱き合うのって、気持ちがいい。
たとえ薄い布1枚だったとしても、僕らを隔てていたのだと思い知る。
ぐっしょりと濡れた下着を脱がされてそこを晒した。
何度か見られているとはいえ、改まってじっと見られると結構恥ずかしい。
意図せずピクリと勝手にそれが跳ねて、先端からトロリとした蜜が漏れ出たのを見られてしまい、これ以上ない羞恥心が僕を襲う。
「や、あんま、見ないで……」
「見ないと、出来ないだろ」
くすりと笑った文哉さんは、急に僕の膝裏に手を入れて、片脚をぐいと持ち上げた。
今度見られているのは、中心よりも少し下の、狭間のところ。
そこを親指で押して、奥の方をより深く見られていると気付いた瞬間、頭が沸騰した。
大きく開かされた足を閉じようとジタバタしても、ビクともしない。
困惑して眉根を寄せても、文哉さんはまるで怪我の状態を見るお医者さんみたいな姿勢を崩さないから、はっ倒してやりたくなる。
奥の蕾を指先で撫でられ、は、と熱い吐息が漏れる。
ぬるぬるとした感覚があるのは、きっと自分が漏らしたものがそこに伝ったからだろう。
滑るようにそこを指で上下されると、ぞわ、と肌が粟立ち、ぞくぞくと背筋に痺れを感じた。
男同士はそこを使うということは、もちろん知っている。
これも元々覚えていたのか、忘れていたのか定かでは無く、いつの間にか知識として僕の中にあった。
文哉さんと繋がりたいという気持ちが、いつからか芽生えていたのだ。
「あ、あ……っ」
表面をなぞるだけだった指先は、何の前触れもなく中に侵入してきた。
指1本だけだけど、長い指が深いところまで届き、そのまま中をかき混ぜられる。
「苦しいか」
ふるふると首を横に振る。
ゆっくりと指の抜き差しをされて、水をかき混ぜるみたいな卑猥な音と、僕の甘い声が部屋いっぱいに響く。
中の指をきゅうきゅうと締め付けていると、押し出されるみたいに先端から蜜が漏れてしまう。
「あ、も、だめっ、またイク……っ」
いやいやと涙ながらに訴えていた時、場にそぐわない無機質な電子音が鳴った。
目を向けると、ベッド脇に置いてある天然木のスツールの上で、文哉さんのスマートフォンが着信しているみたいだった。
鳴り止まないそれに、盛り上がっていた気持ちが少しだけ冷静さを取り戻す。
文哉さんは上半身を起こし、なんと僕の奥に指は入れたまま、手を伸ばしてスマホを取り上げた。
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