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2巻
2-1
しおりを挟むプロローグ 元・感情のない器
人は生まれながらに、様々な恩恵を受けている。
たとえば呼吸。生きていくために必要な空気を体内に取り込むのだってその一つだ。
それだけじゃない。鼻で匂いをかぎ分け、口を介して食べ物を体内に取り込んだり、言葉を発したりできる。二つの瞳は景色を見渡し、色を識別する。
また、このように五感によって感じた情報を処理し、記憶する脳も備えているのだ。
あの人は何を考えているのか。何を思っているのか。
そんなことを考えられるのも、脳あってこそだ。その脳を介して感じる喜怒哀楽――感情は、人を動かす原動力になる。
しかし、それらは大したことではない。この世界の人々にとって最も大きな恩恵は、魔力を宿していることだ。
魔力があるから魔法が使える。
魔法は様々な現象を再現し、時になんでもできると錯覚するほどの万能感を与える。
人々の生活に魔力は欠かせない。
それは人として生を享けたのなら、誰もが持っている当たり前の認識だろう。
――否。
それが当たり前じゃないことを、俺――アスク・マスタローグはとっくに知っている。
優秀な魔法使いを多く輩出している名門貴族、マスタローグ家の次男として生まれた俺には、魔力が全く宿っていなかった。
少ないのではなく、完全なゼロ。そんなことは、長い歴史の中でも初めてのことだったらしい。
不本意な形で特別な存在になった俺を、当然の如く両親は非難した。
どうして魔力を持っていないのか、と。
魔力がなければ魔法を行使できないのだから、それは至極当たり前のこと。
会うたびに、お父様はこんなこともできないのかと俺を叱った。
けれど、俺にはどうしてお父様が怒っているのかわからなかったんだ。
より正確に表現するなら、『怒り』という感情が理解できなかった。
そう、俺はもう一つ、人として大切な要素が欠落していた。
俺には、感情もなかったのだ。
口から発する言葉には、何の心も宿っていない。
向けられた悪意や敵意、憐れみの気持ちさえ、俺には理解しがたいものだった。けれど、人々を観察することで感情を理解し、真似ることはできる。
怒られている時は落ち込んだ顔をし、時には涙を流せばいい。一つ上の兄を見て学習したことだ。
それでも、お父様は不気味に感じていたらしい。
今から思えば当然だろう。感情などないのに、感情のあるフリをしていたのだから。
まるで人形が、頑張って人間の真似をしているように見えたのだ。きっと。
滑稽で、不気味に違いない。でも、俺にはそれしかできなかった。
だが、努力はしていたのだ。マスタローグ家の人間としてお父様の期待に応えなければならないとか、そういうことを表面上とはいえ、理解していたから。
もっともその努力が実を結ぶことはなく、俺は別邸へと追いやられたわけだが。
悔しさもない。悲しさもない。何かを成し遂げても、達成感を得られない。
そんな虚無に包まれた俺の人生を変えたのは、偉大な王様たちとの出会いだった。
「あなたが毎朝欠かさず身体を鍛えている理由がわかったわ」
「え?」
「生まれつき魔力がなかったから、代わりに身体を鍛えたのね」
「ああ、そうだ。これしか思い浮かばなかったんだ」
庭でトレーニングをしていると、ついつい考え事をしてしまっていけない。
俺が訓練しているのを微笑みながら眺めているのは、大切な家族――妻になったルリアだった。
彼女の種族は、エルフ。この世界において差別の対象とされる亜人だ。彼女は同じ立場であるセイレーンのラフランや猫獣人のリズとパーティーを組んで、冒険者をしていた。
それは、共同生活をしている亜人たちの生活費を稼ぐためだった。しかし、この間俺が彼女たちのパーティーに加入し、一緒に大量に依頼を熟したことでさほど差し迫った問題でもなくなった。それに、これまで彼女たちは人目につかない場所を転々としていたらしいが、これまた依頼を熟した見返りとして大きな屋敷を貰ったことで解決したんだよな。
そうそう、彼女には俺の事情を伝えてある。俺が生まれつき魔力と感情を持っていなかったことや、そのせいでずっと家族に冷遇されてきたことを。ただ、俺がただの人間ではなく、地・水・火・風それぞれを支配する精霊王の契約者であることは、まだ伝えていない。もめ事に巻き込みたくないからな。
俺のことを見守ってくれているのは、彼女だけじゃない。俺と契約し、俺に力と感情を与えてくれた偉大な王様たちもだ。
彼らは、その強大な力に耐えうる強靭な肉体を持った人間――器を探していた。俺をその器として見出して以降、彼らはいつだって傍で見てくれている。
実体ではなく、俺にしか見えないし声も聞こえない霊体ではあるが、今だってすぐそこにいるのだ。
そういう存在ができたことが嬉しかった。
そして、嬉しいと感じられることが、とても嬉しい。
頑張る理由を得られたことは、人生において大きな一歩だ。そう、俺には叶えたい未来が、守りたい日常が生まれていた。王様たちの期待に応えたい、ルリアたちを守りたいという願いだ。
「あの頃はただ、がむしゃらに身体を鍛えていただけだった。でも今は違う。ちゃんと……やりたいことが見つかった」
「そう。よかったわ」
「ああ。ルリアとの出会いがあったからだ」
俺は恵まれている。こんなにも素敵な出会いを与えられたのだから。
そう思える自分を誇らしく感じながら、俺は訓練を続けるのだった。
第一章 強者が集う
世界は広く、不思議で溢れている。人間によって作られた街は、人間たちの常識によって運用される。そして彼らは、他種族を見下す。
多様性を否定し、人間以外は劣等種族だと決めつける。だが、俺は知っている。
人間と亜人種、どちらの種族にもそれぞれ長所があり、短所があることを。
人間にはエルフのように長い寿命はなく、獣人のように高い身体能力もない。水を操るセイレーンのように特殊な能力を有するわけでもない。
ただ数が多く、特別な力がないからこそ、人間は知恵と発想で文明を発展させてきた。
人間たちだって、種族ごとに長所があると気づいていないわけじゃない。認めたくないだけなのだ。多数派こそが優れた存在であり、常に正義だと思いたいだけである。
そんな下らない常識を、いつか覆してやりたい。
彼女たちとともに過ごすようになって、そう考えるようになった。
「ルリア! そっちに二匹逃げたぞ」
「わかってるわ」
森の中。逃げる魔物をルリアが追撃し、危なげなく退治する。
「今ので最後ね」
「ああ」
俺とルリアは鞘に剣をおさめる。静かに呼吸を整え、周りの状況を確認して一息つく。
そこへ、少し離れた場所で魔物と戦っていたパーティーメンバーのリズ、ラフラン、バーチェが駆け寄ってきた。
バーチェはかつて自身を魔王だと名乗っていた、小心者の悪魔の女の子。元々他の魔族から迫害されていたこともあり、俺らの仲間になったのだ。
この間、他の悪魔が街に攻め込んできた時には、自作の魔導具で街を護り、その功績によって冒険者の資格を得た。だから今こうして、俺らのパーティーにいるんだ。
「おつかれっす!」
「今回も無事に終わってよかったですね」
「オレ様にかかれば楽勝だったなぁ!」
「お前は最初ビビッてなかったか?」
俺がジト目で言うと、バーチェは途端に狼狽える。
「び、ビビッてねーし!」
三人に怪我はないようだ。Bランクの依頼なら、彼女たち三人だけでも余裕で熟せるようになってきたな。
パーティーメンバーのランクが異なる場合、パーティーのランクは一番人数が多いランクになり、そのランクまでの依頼が受注可能になる。しかし、Sランクが一人でもいれば事情が変わる。全てのランクの依頼を受けられるようになるのだ。
だからSランクの俺がいる時点で、本当はもっと高いランクの依頼が受けられるのだが、ここしばらくはあえてBランク以下の依頼しか受けていない。
バーチェを戦いや周辺の地形に慣れさせるためだ。
彼女は悪魔の癖に戦闘経験が少なすぎる。
自分より弱い相手にもビビるから、まずは自信をつけさせようと思ってのことだった。
バーチェの性格上、やりすぎると自信過剰になりかねないのが不安だが……
そんなことを考えていたら、ルリアが俺に尋ねてくる。
「ねぇ、もうそろそろいいんじゃないかしら」
「だな。次はAランクの依頼を受けよう」
Bランク以下の依頼ばかり受けていると、またアトムさんに小言を言われてしまう。
他の冒険者のために、低いランクの依頼も残しておいてくださいね、という具合に。
「バーチェも慣れてきただろうしな」
「はっ! どんな依頼でもオレなら余裕で熟せるぜ!」
「そうか。じゃあ次の依頼は一人で行ってもらおうか。ピンチになっても助けてやらないぞ」
「うっ……そ、それはちょっと、困るかな」
動揺で声が裏返った。調子のいい性格は相変わらずで、時折生意気なことを言っては裏目に出ている。そういう子供っぽさを愛らしく思えるほど、彼女が一緒にいることにも慣れてきた。
「大丈夫っすよ! お兄さんは優しいから、絶対見捨てないっすもん」
「ですね。なんだかんだと言いつつ助けてくれると思います」
「アスク、見抜かれているわよ」
「……どうかな」
ルリアに指摘された照れくささを隠すように、そっと目を逸らす。本当に、リズとラフランも俺のことをよくわかっている。
彼女たちと出会ってそろそろ三ヶ月。大きな出来事と言えば、悪魔が同時に三つの街を襲撃した事件か。もっともあの時は、バーチェが結界の魔導具を作ってくれたり、襲撃先を教えてくれたりしたことで、どの街でも被害は最小限に抑えられたらしいが……。
それ以降は特に目立った問題も起こらず、平和な日々を過ごしていた。
そんな時間の中で、俺たちは少しずつ互いのことを理解できてきたのだろう。
「もう帰りましょう。ギルドへの連絡は済ませてあるわ」
「ああ」
俺たちは街へ向かって歩き出す。
すると、すぐにぐーっという音が鳴った。リズが自分のお腹に手を当てて笑う。
「はー、お腹減ったっすね~」
「お昼、いっぱい食べていましたよね?」
ラフランは呆れた視線をリズに向けている。
「オレは肉が食いたい!」
「夕食の前にバーチェはお風呂に入るのよ」
ルリアがそう言うと、バーチェは嫌そうな顔をする。
「ぐ……」
相変わらずバーチェはお風呂が苦手らしい。今回もいつものようにルリアが無理やり入れることになりそうだ。
やれやれ、といった感じでルリアは小さくため息をこぼす。
俺はそんな微笑ましい光景を後ろから眺めていた。
「退屈そうだな、アスクよ」
唐突に、赤き竜の姿をした火の精霊王――サラマンダー先生が話しかけてきた。
「――! 先生」
思わず反応してしまうが、幸いルリアたちは気付いていないようだ。俺は歩くペースを落とし、声が届かないように彼女たちと距離を取って話を続ける。
「なんだか久しぶりですね、声を聞くの」
「近頃、お前が他の者とともにいる時間が増えたからな」
「気を遣わせてすみません」
「構わん。お前の幸福は、我々にも伝わってくる。幸福な感情は心地がよいものだ」
そう言って貰えると嬉しい。
俺と王様たちは、感情を共有している。
喜怒哀楽、それぞれの感情は王様たちに貰ったものだから、俺が見て、聞いて、感じたことは彼らにフィードバックされるのだ。
だからこそ、自分でも気づけない小さな感情さえ、彼らには筒抜けになってしまう。
「それにしてもやはり今、アスクは退屈なのだな」
「さっきもそう仰っていましたが……俺は今、退屈だと思っているんですか?」
「気付かぬか。僅かにではあるがな」
サラマンダー先生の言葉に戸惑う俺に、ノーム爺が言う。
「悪いことではないぞ? 刺激を求めるのは生きていれば当然だからのう」
地の精霊王であるノーム爺は、大地が人間を支えるように、俺をどっしり支えてくれる。俺が気付けないことにもすぐに気付き、いつもさりげなく諭してくれるんだよな。
「刺激……か。確かに少ないですね。この頃事件もないし」
「別に刺激は事件である必要はないわよ? たとえばほら、素敵な奥さんがいるでしょう? 結婚したんだから、もっと素敵なことをしたっていいじゃない」
「そうだヨ! チューくらいしてもいいよネ!」
「ぅ……そうですね」
水の精霊王であるウンディーネ姉さんと、風の精霊王であるシル。精霊に明確な性別は存在しないが、二人はどちらかというと女性寄りの感性を持っている。
そんな二人からすると、今の俺とルリアの関係は、中途半端なものに見えるようだ。
ウンディーネ姉さんとシルに言われて気付く。そういえば、俺とルリアはプラトニックな関係を続けている。キスだって出会った直後に事故でしてしまっただけで、結婚してからは一度もしていない。
というか、結婚したのに夫婦らしいことを何もしてないような……
「夫婦……か」
今のままでいいのだろうか。
考え始めると、漠然とした不安で胸が満たされていく。
帰宅すると、一緒に暮らしている亜人のみんなが、既に夕食の準備を済ませてくれていた。
依頼で疲れた俺たちは、すぐに夕食をとれるありがたみを感じながら、みんなでそろって食事をする。しかしそんな楽しい時間も束の間、その後にはちょっとした戦争が起こる。
お風呂に入りたくないバーチェと、絶対に入れたいルリアが対決するのだ。
とはいえ、軍配はいつもルリアに上がる。リズとラフランも彼女の味方をするから、初めから勝負になるはずがない。そして負けが確定しかけると必ず、バーチェは飼い猫みたいな目で俺に懇願してくる。
「お願いだよアスク! 助けてくれー、なんでもするからー」
「そうか。じゃあ諦めて風呂に入ってくれ」
「な! 裏切り者! お前だけはオレの味方だと思っていたのにぃー!!」
助けを求められたところで、男の俺が風呂場まで一緒に行けるわけもない。
俺がルリアに軽く目配せして、『いつも悪いな』と伝えると、微笑みが返ってきた。
きっとルリアにとっては、なんでもないことなのだろう。
「バーチェのことはルリアに任せれば安心だな」
俺は食器の片付けでも手伝おう。と、思ったらそれも亜人のみんながやっておいてくれていた。
……特にすることがなくなってしまった。お風呂は女性陣が使っていて、しばらく使えない。手持ちぶさたになった俺は一人、屋敷の庭に出る。
今夜は一段と月が綺麗だ。雲一つなく、周りに明かりが少ないから星々がいっそう輝いて見える。
「ふぅ……それにしても刺激、か」
確かに足りないのかもしれない。
平和な日常を満喫する中で何気ない幸せはしっかり感じているし、ルリアたちと一緒にいる生活にも満足はしている。けれどそういった日常だけでは、人は完全には満たされないようだ。
本来は非日常の枠に入る魔物との戦闘も、俺にとっては生活するための資金集めにすぎない。
手強い相手なんて滅多に現れないしな。改めて、この間街を攻めてきた悪魔はマシだったのだと思い知らされる。
そうは言っても、戦いに刺激を求め始めたらキリがない。強い敵を求め続けた挙句、一緒に暮らすルリアたちが傷つくなんて未来は、望んでいないわけだし。
帰り道でした会話を思い出す。
きっと今の俺に足りないのは、日常の中にある小さな刺激。
「夫婦らしいこと、夫婦らしいこと……思いつかない……」
世俗とさほど交わらずに生きてきたから、どういうことがそれに該当するのかだって、わからないのだ。
考え込んでいると、ふいに睡魔が襲ってきた。俺はそのまま中庭の芝生に寝転がる。
「――スク、アスク」
「ん? ……ルリアか」
ルリアの声で、眠りから目覚める。
彼女は芝生に寝転がっている俺の顔を覗き込んでいた。
ちょっとした休憩のつもりが、しっかり眠ってしまっていたみたいだ。
「こんな場所で寝ていたら、風邪をひくわよ」
「あーごめん。風呂は?」
「全員入ったわ。あとはあなただけよ」
「そうか。じゃあ入ってくる」
よっこいしょとゆっくり起き上がり、パンパンと身体についた草や土を払い落とす。
そして軽く伸びをして、歩き出そうとした俺の腕をルリアが掴んだ。彼女は心配そうな表情でこちらを見ていた。
「ルリア?」
「何か悩んでいるの?」
「――わかるのか?」
「あなたって意外と顔とか態度に出やすいのよ。依頼から戻ってきたあたりから、いつもより元気がなかったわ」
少し驚く。俺が悩み出したタイミングまで正確に当てられるとは。
俺はそこまで表情に出やすいのだろうか。それとも彼女が俺のことをよく見ている証拠なのか。いずれにせよ、ルリアが心配してくれていることに変わりはない。それに、どうせこのまま一人で考え込んでいてもどうにもならなそうだ。俺は彼女に相談してみることにした。
「悩みってほどじゃないんだけど……夫婦って、これでいいのかなって」
「……? どういう意味?」
「いや、俺たち夫婦になったのに、夫婦らしいことを何もしていない気がするんだよ。まぁ俺はそもそも夫婦らしいことが何かよくわかってないんだけどさ」
「……夫婦らしいこと、したいの?」
ルリアが不思議そうに、けれど少し照れたような顔で尋ねてきた。
俺は少しだけ考えて、正直に答える。
「わからない。俺は夫婦をよく知らないから、それらしいことが思い浮かばない。でも、だからこそ興味はある……ってところかな」
「そう……じゃあ、今日から一緒の部屋で寝ましょう」
「――一緒に? いいのか?」
「駄目なわけないじゃない。だって私たち……夫婦なんだし」
そう言いながらルリアはそっぽを向く。恥ずかしかったのだろう。
垂れた髪の間から覗く頬は赤らんでいる。まさか彼女のほうから提案してくれるなんて思わなかった。それがたまらなく嬉しかった。
「ほら、先にお風呂に入ってくれば?」
「そうだな。部屋で待っていてくれ」
「ええ、待ってる」
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しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。
バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて――
こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。
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