29 / 33
たった一つの解
しおりを挟む
「おい、ローラン。お前のその石頭を解きほぐすアイテムを持ってきたぞ」
ウルドは背中に隠し持っていたものをローランの前に差し出した。それは複雑に絡み合った二つの金属の輪。優美な曲線を描きながらも、決して分かれることはないという強い意志を感じさせる造形。表面には微細な装飾が施されており、おそらくはどこかの国の職人が丹精込めて作り上げた芸術品なのだろう。
「これは…知恵の輪でございますか」
ローランはウルドの手の中にあるそれを興味深く眺めた。眉間に刻まれたシワは彼の知的好奇心と警戒心がせめぎ合っている証拠。ウルドはその生真面目な表情が崩れる瞬間を想像して口の端を吊り上げた。
「いかにも。巷では『恋人たちの試練』なんて呼ばれてるらしい。二つの輪が離れがたく結びついている様を、男女の仲になぞらえているのさ。これを解けた者たちは永遠の愛で結ばれる…だそうだ。馬鹿馬鹿しいだろ?」
ウルドは手の中の知恵の輪をカチャリと鳴らした。冷たい金属音が執務室に響く。
「永遠の愛ねぇ…。俺には互いを縛り付ける呪いの道具にしか見えないがな」
「そうでしょうか」ローランは静かに反論した。
「力ずくでは決して解けず、互いの構造を理解し正しい道筋を見出した者だけが解放される。それは呪いではなく、むしろ深い理解と信頼の象徴と捉えることもできます」
ほら来たとウルドは内心で快哉を叫んだ。ローランのこういう教科書通りの模範解答はウルドの歪んだ心を程よく刺激する。
「信頼か。面白い。じゃあ試してみようじゃないか、ローラン君」
ウルドはそう言ってローランに知恵の輪の片方を握らせた。ひんやりとした金属の感触がローランの指先から伝わる。
「お前が片方、俺が片方だ。俺たちの『深い理解』とやらでこの陳腐な愛の呪いを解くぞ」
「…御意」
ローランは頷き、ソファに腰を下ろしたウルドの隣に少しだけ距離を置いて座った。
「よし、始め」ウルドの号令で摩訶不思議な共同作業が始まった。
カチャ、カチャカチャ。
静かな執務室に無機質な金属音だけが響き続ける。
ローランはまず知恵の輪の構造を冷静に分析しようと試みた。目を凝らし金属がどのように絡み合い、どこに隙間があるのかをじっくりと観察する。
「こちらの輪をまず右に四十五度ほど回転させ、次に下へ…」
ローランが論理的な手順を口にしながら、慎重に自分の持ち分を動かそうとする。…がその動きは即座にウルドによって妨害された。
「ええい、面倒くさい!こうやってガチャガチャやってりゃそのうち外れるだろ!」
ウルドはローランの分析などお構いなしに力任せに金属を動かし始めた。ガチャンガチャン、と無遠慮な音が響き、ローランの繊細な操作は台無しになる。
「殿下!そのような乱暴な動かし方をされては解けるものも解けません!この輪のどこかにもう片方の輪が通り抜けられる唯一の『解』があるはずです!」
「ガタガタ言うな。お前のやり方じゃ日が暮れるどころか季節が変わっちまう。そもそも、こんなものは直感で解くもんだ」
「直感と無謀は違います!」
二人の息はまったく合わなかった。ローランが隙間を見つけて輪を通そうとすればウルドが逆方向に引っ張る。ウルドが強引に捻じ曲げようとすれば、ローランが構造が崩れるのを防ごうとする。知恵の輪は二人の間でがんじがらめになり、まるで解ける気配を見せなかった。
「ちっ、埒が明かないな…」
しばらく格闘した後、ウルドは苛立ちを隠さずに舌打ちした。
解けない。
この金属の輪も。そしてこの堅物な男の心も。
苛立ちが頂点に達したとき、ウルドの中で何かがぷつりと切れた。
「…ローラン」
突然、ウルドは静かな声で名を呼んだ。その声には先程までの刺々しさは消え、代わりにねっとりとした何かが含まれている。ローランが訝しげにウルドの方へ顔を向けた瞬間、知恵の輪を握っていない方のウルドの手が伸びてきた。
行き場を失ったローランの視界の隅で、ウルドの指がゆっくりと自分の髪をかき分け、耳に触れるのを捉えた。
「で、殿下…?何を…」
冷たい金属とは対照的な生温かい指先が耳の輪郭をそっとなぞる。ローランの身体がびくりと硬直した。予想だにしない接触に彼の思考は完全に停止する。
ウルドはローランの動揺を楽し気に眺めながら、答えずに愛撫を続けた。指の腹で耳たぶを優しく揉み、爪先で耳の裏の窪みをくすぐるように掻く。ぞわりとした悪寒にも似た快感が背筋を駆け上り、ローランは思わず息を呑んだ。
「や、おやめください…っ」
絞り出した拒絶の声は自分でも情けないほどにかすれていた。ウルドの手から逃れようと身じろぎするが、知恵の輪を握った手は繋がれたままで思うように動けない。ウルドはそんなローランの抵抗をせせら笑うかのように、吐息が耳にかかるほど顔を近づけた。
「なんだ、お前の『信頼』とやらはこの程度か?俺を信じて身を委ねてみろよ」
囁きと共に熱く湿った呼気が耳を濡らす。次の瞬間、ざらりとしたものが耳朶を舐め上げた。それがウルドの舌だと認識した時、ローランの肩が大きく跳ねた。
「おひょ…!?」
悲鳴にならない声が喉から漏れる。ウルドは構わず、柔らかい耳たぶを唇の間に食んだ。ぬるりと舌が絡みつき、形を確かめるように転がされる。くちゅりと生々しい音を立てて優しく吸い上げた。
思考が熱い液体にでもなったかのようにどろどろに溶けていく。冷静な分析も論理的な思考も、耳に注ぎ込まれる官能の前に掻き消えていく。
「ん…ぅ、あ…」
ウルドはさらに大胆になった。耳の縁を丁寧に舐め、時折、歯を軽く立てて甘噛みする。痛みとも快感ともつかない痺れるような刺激が全身を貫き、ローランの指先から力が抜けていく。ウルドはそれを見逃さなかった。もっとだとでも言うように、舌先で耳の穴を悪質にこね回す。
もう駄目だ。抵抗などできない。
ローランの強張っていた身体から完全に力が抜け落ち、頭がぐらりとウルドの肩にもたれかかった。知恵の輪を握っていたはずの指はだらりと緩み、ただ金属の重みを感じるだけになっていた。
その瞬間だった。
カラン。
乾いた軽い音がして、二人の手を繋ぎとめていた重みがふっと消えた。ローランの手の中に残されたのはただの一つの金属の輪。もう片方はウルドの手を経て、カーペットの上に転がり落ちていた。
愛撫の最中に身体から力が抜け、知恵の輪を握る指が緩んだのだろう。その偶然が唯一の正解の角度と位置を奇跡的に生み出したらしい。
あっけなく解けた知恵の輪と自分の耳を蹂躙し終え、名残惜しそうに唇を離すウルドの顔をローランは焦点の合わない目で見つめた。ウルドの唇は濡れて艶めき、そこから伸びる一本の糸がローランの耳へと繋がっている。
「ほらな、解けた」
ウルドは満足げに囁くと、その糸を乱暴に指で拭った。勝ち誇ったその笑みはもはや知恵の輪に向けられてはいなかった。熱に浮かされたローランの瞳をハンターのように射抜いている。
「あれほど力を尽くしても解けなかったものがこうもあっさりと…」
「だから言っただろう。力を抜けと。難しく考えすぎるから解けないんだ。物事の本質はもっと単純なところにある。お前みたいな理論バカはこうやって一度、頭を空っぽにしてやらないとダメなんだ」
その言葉は先程の舌の感触よりもずっと猥褻にローランの心を掻き乱した。ウルドが解いたのはこの金属の輪だけではない。自分自身が彼の掌の上でいとも容易く「解かれて」しまったのだ。
「この輪もお前自身も解き方は同じだったというわけだ。互いの構造を理解し、正しい道筋を見出す…言っただろう?どうやら、お前の言う『深い理解』とやらは俺の方がよっぽど上だったようだな」
唇を噛むも否定の言葉は出てこない。熱く濡れた耳が、全身を駆け巡った甘い痺れがウルドの勝利を雄弁に物語っていた。ローランは完敗を悟り、ただ乱れた呼吸を整えることしかできなかった。
ウルドは手の中の金属片を捨てるでもなく、ローランに返すでもなく、自分の上着のポケットに無造作にしまい込んだ。もう片方のローランが持つ金属片もひょいと取り上げる。
「これも俺が貰っておく。お前にやってもどうせ書類の重石にするくらいだろうからな」
「殿下…」
ローランはウルドを見つめた。脳裏に蘇るのはウルドが最初に発した知恵の輪にまつわるジンクス―――『これを解けた者たちは永遠の愛で結ばれる』。
「では、我々は…その…巷で言うところの…」
言い淀むローランを見て、ウルドは不敵な笑みを浮かべた。
「ああ、その通りだ。『恋人たちの試練』とやらは俺たちの勝ちだ。つまり、お前と俺は永遠に結ばれたことになる」
ウルドはポケットから取り出した二つの輪を戦利品のようにカチャリと鳴らした。
「これはその証拠として俺が預かっておく。いいな?」
解けてしまった輪はもう二度と離れることのない、より強固な鎖となって二人を繋ぐ。ローランはただ静かに頷いた。彼の眉間に刻まれていたシワはいつの間にか和らぎ、代わりに微かな熱を帯びた表情が浮かんでいた。
ウルドは背中に隠し持っていたものをローランの前に差し出した。それは複雑に絡み合った二つの金属の輪。優美な曲線を描きながらも、決して分かれることはないという強い意志を感じさせる造形。表面には微細な装飾が施されており、おそらくはどこかの国の職人が丹精込めて作り上げた芸術品なのだろう。
「これは…知恵の輪でございますか」
ローランはウルドの手の中にあるそれを興味深く眺めた。眉間に刻まれたシワは彼の知的好奇心と警戒心がせめぎ合っている証拠。ウルドはその生真面目な表情が崩れる瞬間を想像して口の端を吊り上げた。
「いかにも。巷では『恋人たちの試練』なんて呼ばれてるらしい。二つの輪が離れがたく結びついている様を、男女の仲になぞらえているのさ。これを解けた者たちは永遠の愛で結ばれる…だそうだ。馬鹿馬鹿しいだろ?」
ウルドは手の中の知恵の輪をカチャリと鳴らした。冷たい金属音が執務室に響く。
「永遠の愛ねぇ…。俺には互いを縛り付ける呪いの道具にしか見えないがな」
「そうでしょうか」ローランは静かに反論した。
「力ずくでは決して解けず、互いの構造を理解し正しい道筋を見出した者だけが解放される。それは呪いではなく、むしろ深い理解と信頼の象徴と捉えることもできます」
ほら来たとウルドは内心で快哉を叫んだ。ローランのこういう教科書通りの模範解答はウルドの歪んだ心を程よく刺激する。
「信頼か。面白い。じゃあ試してみようじゃないか、ローラン君」
ウルドはそう言ってローランに知恵の輪の片方を握らせた。ひんやりとした金属の感触がローランの指先から伝わる。
「お前が片方、俺が片方だ。俺たちの『深い理解』とやらでこの陳腐な愛の呪いを解くぞ」
「…御意」
ローランは頷き、ソファに腰を下ろしたウルドの隣に少しだけ距離を置いて座った。
「よし、始め」ウルドの号令で摩訶不思議な共同作業が始まった。
カチャ、カチャカチャ。
静かな執務室に無機質な金属音だけが響き続ける。
ローランはまず知恵の輪の構造を冷静に分析しようと試みた。目を凝らし金属がどのように絡み合い、どこに隙間があるのかをじっくりと観察する。
「こちらの輪をまず右に四十五度ほど回転させ、次に下へ…」
ローランが論理的な手順を口にしながら、慎重に自分の持ち分を動かそうとする。…がその動きは即座にウルドによって妨害された。
「ええい、面倒くさい!こうやってガチャガチャやってりゃそのうち外れるだろ!」
ウルドはローランの分析などお構いなしに力任せに金属を動かし始めた。ガチャンガチャン、と無遠慮な音が響き、ローランの繊細な操作は台無しになる。
「殿下!そのような乱暴な動かし方をされては解けるものも解けません!この輪のどこかにもう片方の輪が通り抜けられる唯一の『解』があるはずです!」
「ガタガタ言うな。お前のやり方じゃ日が暮れるどころか季節が変わっちまう。そもそも、こんなものは直感で解くもんだ」
「直感と無謀は違います!」
二人の息はまったく合わなかった。ローランが隙間を見つけて輪を通そうとすればウルドが逆方向に引っ張る。ウルドが強引に捻じ曲げようとすれば、ローランが構造が崩れるのを防ごうとする。知恵の輪は二人の間でがんじがらめになり、まるで解ける気配を見せなかった。
「ちっ、埒が明かないな…」
しばらく格闘した後、ウルドは苛立ちを隠さずに舌打ちした。
解けない。
この金属の輪も。そしてこの堅物な男の心も。
苛立ちが頂点に達したとき、ウルドの中で何かがぷつりと切れた。
「…ローラン」
突然、ウルドは静かな声で名を呼んだ。その声には先程までの刺々しさは消え、代わりにねっとりとした何かが含まれている。ローランが訝しげにウルドの方へ顔を向けた瞬間、知恵の輪を握っていない方のウルドの手が伸びてきた。
行き場を失ったローランの視界の隅で、ウルドの指がゆっくりと自分の髪をかき分け、耳に触れるのを捉えた。
「で、殿下…?何を…」
冷たい金属とは対照的な生温かい指先が耳の輪郭をそっとなぞる。ローランの身体がびくりと硬直した。予想だにしない接触に彼の思考は完全に停止する。
ウルドはローランの動揺を楽し気に眺めながら、答えずに愛撫を続けた。指の腹で耳たぶを優しく揉み、爪先で耳の裏の窪みをくすぐるように掻く。ぞわりとした悪寒にも似た快感が背筋を駆け上り、ローランは思わず息を呑んだ。
「や、おやめください…っ」
絞り出した拒絶の声は自分でも情けないほどにかすれていた。ウルドの手から逃れようと身じろぎするが、知恵の輪を握った手は繋がれたままで思うように動けない。ウルドはそんなローランの抵抗をせせら笑うかのように、吐息が耳にかかるほど顔を近づけた。
「なんだ、お前の『信頼』とやらはこの程度か?俺を信じて身を委ねてみろよ」
囁きと共に熱く湿った呼気が耳を濡らす。次の瞬間、ざらりとしたものが耳朶を舐め上げた。それがウルドの舌だと認識した時、ローランの肩が大きく跳ねた。
「おひょ…!?」
悲鳴にならない声が喉から漏れる。ウルドは構わず、柔らかい耳たぶを唇の間に食んだ。ぬるりと舌が絡みつき、形を確かめるように転がされる。くちゅりと生々しい音を立てて優しく吸い上げた。
思考が熱い液体にでもなったかのようにどろどろに溶けていく。冷静な分析も論理的な思考も、耳に注ぎ込まれる官能の前に掻き消えていく。
「ん…ぅ、あ…」
ウルドはさらに大胆になった。耳の縁を丁寧に舐め、時折、歯を軽く立てて甘噛みする。痛みとも快感ともつかない痺れるような刺激が全身を貫き、ローランの指先から力が抜けていく。ウルドはそれを見逃さなかった。もっとだとでも言うように、舌先で耳の穴を悪質にこね回す。
もう駄目だ。抵抗などできない。
ローランの強張っていた身体から完全に力が抜け落ち、頭がぐらりとウルドの肩にもたれかかった。知恵の輪を握っていたはずの指はだらりと緩み、ただ金属の重みを感じるだけになっていた。
その瞬間だった。
カラン。
乾いた軽い音がして、二人の手を繋ぎとめていた重みがふっと消えた。ローランの手の中に残されたのはただの一つの金属の輪。もう片方はウルドの手を経て、カーペットの上に転がり落ちていた。
愛撫の最中に身体から力が抜け、知恵の輪を握る指が緩んだのだろう。その偶然が唯一の正解の角度と位置を奇跡的に生み出したらしい。
あっけなく解けた知恵の輪と自分の耳を蹂躙し終え、名残惜しそうに唇を離すウルドの顔をローランは焦点の合わない目で見つめた。ウルドの唇は濡れて艶めき、そこから伸びる一本の糸がローランの耳へと繋がっている。
「ほらな、解けた」
ウルドは満足げに囁くと、その糸を乱暴に指で拭った。勝ち誇ったその笑みはもはや知恵の輪に向けられてはいなかった。熱に浮かされたローランの瞳をハンターのように射抜いている。
「あれほど力を尽くしても解けなかったものがこうもあっさりと…」
「だから言っただろう。力を抜けと。難しく考えすぎるから解けないんだ。物事の本質はもっと単純なところにある。お前みたいな理論バカはこうやって一度、頭を空っぽにしてやらないとダメなんだ」
その言葉は先程の舌の感触よりもずっと猥褻にローランの心を掻き乱した。ウルドが解いたのはこの金属の輪だけではない。自分自身が彼の掌の上でいとも容易く「解かれて」しまったのだ。
「この輪もお前自身も解き方は同じだったというわけだ。互いの構造を理解し、正しい道筋を見出す…言っただろう?どうやら、お前の言う『深い理解』とやらは俺の方がよっぽど上だったようだな」
唇を噛むも否定の言葉は出てこない。熱く濡れた耳が、全身を駆け巡った甘い痺れがウルドの勝利を雄弁に物語っていた。ローランは完敗を悟り、ただ乱れた呼吸を整えることしかできなかった。
ウルドは手の中の金属片を捨てるでもなく、ローランに返すでもなく、自分の上着のポケットに無造作にしまい込んだ。もう片方のローランが持つ金属片もひょいと取り上げる。
「これも俺が貰っておく。お前にやってもどうせ書類の重石にするくらいだろうからな」
「殿下…」
ローランはウルドを見つめた。脳裏に蘇るのはウルドが最初に発した知恵の輪にまつわるジンクス―――『これを解けた者たちは永遠の愛で結ばれる』。
「では、我々は…その…巷で言うところの…」
言い淀むローランを見て、ウルドは不敵な笑みを浮かべた。
「ああ、その通りだ。『恋人たちの試練』とやらは俺たちの勝ちだ。つまり、お前と俺は永遠に結ばれたことになる」
ウルドはポケットから取り出した二つの輪を戦利品のようにカチャリと鳴らした。
「これはその証拠として俺が預かっておく。いいな?」
解けてしまった輪はもう二度と離れることのない、より強固な鎖となって二人を繋ぐ。ローランはただ静かに頷いた。彼の眉間に刻まれていたシワはいつの間にか和らぎ、代わりに微かな熱を帯びた表情が浮かんでいた。
0
あなたにおすすめの小説
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる