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2食目 ほろりと崩れる金目鯛の煮つけ(1)
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長いトンネルを抜けると、列車の窓から見える景色が鮮やかな青に変わった。
目指していた駅名が車内アナウンスで流れ、列車はスピードを落としていく。
潮風が吹く駅のホームに降り立ち、梨花は白い息を吐き出した。
古びた木造の小さな駅舎。夕暮れの光に照らされた瓦屋根。
聞こえてくるのは観光地の喧騒ではなく、かすかな風の音と海鳥の鳴き声だけだった。
都会では、どこにいても誰かの歌声が耳に入った。
商店街に流れる流行りの曲、カフェやショッピングセンターのBGM、街角のストリートライブ。
そのどれもが、いまの梨花にとっては胸を突き刺す凶器に思えた。
もう、ここにはいたくない――。
そう思って、すべてをあの街に捨ててきたのだ。
仕事も住まいも、思い出も。
そして小さなボストンバッグひとつで列車に飛び乗り、この駅に降り立った。
最後にどうしても見てみたかったから。
梨花の恋人だった彼――河西悠真の生まれ育った海辺の町を。
駅からゆるい坂道を下っていくと、小さな港のそばに、予約していた『民宿陣内』があった。二階建てのこぢんまりとした宿だ。
玄関脇では黒と白の毛色のハチワレ猫が、のんびりと毛づくろいをしていた。
梨花は引き戸を開き、「すみません」と声をかけてみる。
すると奥からひとりの男が出てきた。
二十五歳の梨花と同い年くらい……いや、少し年上かもしれない。
乱れた黒髪に上下ジャージ姿、顔には無精髭が生えていて、梨花の顔を睨むような目つきで見た。
この宿の人だろうか……。怒っているように思えるのは気のせい?
ごくんと唾を飲み込んだ梨花の耳に、低い男の声が聞こえる。
「吾妻梨花さん?」
「えっ」
「予約してた吾妻梨花さん? 東京の」
「は、はい……」
今日はもちろん、仕事を辞めてからほとんど人と会話していなかったせいか、声がかすれる。
男は面倒くさそうにスリッパを用意すると、「こちらへどうぞ」と言って背中を向けた。
「あ、はい」
やはり機嫌が悪そうだが、迷惑をかけた覚えはない。予約日は間違えていないし、到着時間だって予定通りだ。
梨花は慌てて靴を脱ぎ、スリッパに履き替える。その間にも男はすたすたと廊下を歩きはじめていた。
案内された二階の部屋は、畳の匂いが心地よい六畳間だった。
建物は古いがしっかり清掃されているようで、どこも埃ひとつ見当たらない。
窓の向こうには、夕暮れの海が広がっていた。静かで、寂しくて、でもどこか懐かしく感じる景色。
「予約は六泊でしたよね?」
男がぶっきらぼうに聞いてきた。
「はい。そうです。日曜日までお世話になります」
小さく頭を下げた梨花のことを、やっぱり男は睨むように見ている。
髭を剃って髪を整えれば、わりとイケメンだと思うのに……嫌な感じの人だ。
この宿を選んだのは間違いだったかもしれない。とはいえ、この町に宿はここ一軒しかなかったので、一週間も予約してしまった。
早くも後悔しはじめた梨花に男が言う。
「夕食は六時に一階の広間に用意します。風呂も下にあるんで、いつでも勝手にどうぞ。客はおたくだけなんで。では」
言いたいことを言い終えると、男は背中を向け、さっさと階段を降りていった。
梨花はしばらくその場に立ち尽くしたあと、小さくため息をついて荷物を置く。そして窓を少し開き、ぼんやりと外を眺めた。
空が赤く染まり、海も同じ色に染まっている。都会の乾いた風とは違い、吹いてくる潮風は心地よい。
「ここが……悠真の生まれた町」
声に出したら、胸がぐっと苦しくなった。
今日は電車で移動しただけなのに、ものすごく疲れてしまった。風呂に入ってぼうっとしている間に夕食の時間になる。
「吾妻さま、ご挨拶が遅れて申し訳ありません。この宿の女将です。本日はお疲れさまでした。なにもない町ですが、ゆっくりなさっていってくださいませ」
食事を運んでくれたのは、ハリのある声で話す五十代くらいの女性だった。明るい色のショートヘアで、愛想がよい。先ほどの男とは大違いだ。
「お世話になります」
梨花がお辞儀をすると、「さあさあ、どうぞ召し上がって」と食事を勧めてくれた。
和室にある座卓の上には、新鮮そうなお刺身や金目鯛の煮つけなど、港町らしい魚料理が並んでいる。他にも天ぷらや煮物、いくつかの小鉢など、手ごろな宿泊料のわりにとても豪華だ。
「いただきます」
そう言ったものの、なかなか箸が動かない。絶対おいしいだろうと思うのに、体が食べることを拒否しているのだ。いや、生きることを拒否しているのかもしれない。
そんな梨花の様子をちらりと見た女将は、にっこり微笑んで言った。
「寂れた町ですけど、お魚はとってもおいしいんですよ。その煮つけ、柔らかく煮込んであるので、よかったら食べてみてくださいね」
「……はい」
女将が出ていくと、広い座敷には梨花だけがぽつんと残された。さっき男が言っていたように、今日の客は梨花だけらしい。
静かだった。テレビの音も人の話し声も聞こえない。
代わりに窓の向こうから、かすかな波音が聞こえてくる。
そうだ。梨花はこんな場所に来たかったのだ。音楽も歌声も聞こえることのない、ただ風の音や波の音だけが響いているような場所に。
女将が薦めてくれた金目鯛の煮つけを見下ろす。表面には綺麗な照りが出ていて、甘辛い醤油の香りが鼻先をくすぐる。
箸を持った手をゆっくりと動かした。魚の煮つけを割り、ほんの少し口に入れる。
身はふんわりと柔らかく、舌の上でほろりと崩れた。一瞬心の中がほっこりと温まる。
だけどやっぱり味がしないのだ。悠真がいなくなってからずっと、なにを食べても味がしない。
梨花の頭に、アパートの狭い部屋の光景が浮かんでくる。
ふたりで囲んで笑い合った食卓。テレビから流れてくる流行りの曲。窓から吹き込む柔らかい風。
残りごはんで作ったお茶漬けだって、コンビニのおにぎりやカップ麺だって、ふたりで食べるごはんはなんでもおいしく感じた。
「うっ……」
吐き気がこみ上げてきて、口元を押さえる。
せっかく作ってもらったのに。食べなきゃだめなのに。そう思えば思うほど、気持ちが悪くなってくる。
梨花は箸を置いて深呼吸をした。心を無にして何度かチャレンジしてみたけれど、煮つけと白いごはんをほんの少ししか食べることができなかった。
「ごめんなさい。せっかく作っていただいたのに、こんなに残してしまって」
女将の前で頭を下げると、優しい声が返ってきた。
「いいんですよ。小食の方もよくいらっしゃいますから、お気になさらず」
「あの……お料理はどなたが作ってくださったんですか?」
「私です。以前は調理担当の者が他にいたんですけど、いまは私が作らせていただいてます」
やはり。思った通りだ。
「あのお魚、すごく柔らかくて、口の中でほろっと崩れて……心が温まる感じがしました。きっと優しい方が作ってくださったんだろうな、と。それなのに全部食べられなくて、本当に申し訳ありません」
もう一度頭を下げた梨花の肩を、女将がとんとんと優しく叩いた。
「そんなに頑張らなくていいんですよ。お気づかいは嬉しいですが、お客さまにはお客さまのペースがありますから。ご自分を一番大事にしてあげてください」
自分を一番大事に……。
顔を上げると穏やかに微笑む女将の顔が見えた。
「よろしければ、明日からは量を少なめにいたしますね」
「はい。ありがとうございます」
「では、ごゆっくり」
去っていく女将の背中を見送ると、梨花はひとり階段を上がり、自分の部屋へ戻った。
部屋の中は静かだった。持ってきた小さなボストンバッグがぽつんと置いてあるだけ。
窓を開けると冷たい風が吹き込み、穏やかな波の音がした。宿の周りは店もなく、街灯の明かりが点々と寂しげに灯っているだけだ。
そういえば駅の周辺も、小さな商店が何軒かあるだけだった。この宿に来るまでの道で、コンビニを見かけたこともない。
『俺のいた町、すっげー田舎でさ』
どこかから、悠真の声が聞こえてくる。
『でも梨花と一緒に行きたいんだ。俺の生まれ育った町だから』
それから彼はこう言ったのだ。
『梨花に見てほしい景色もあるしね』
「悠真……」
胸のあたりをセーターの上からつかみ、ぎゅっと唇を噛む。
どうして? どうして悠真がここにいないの?
悠真が言ったんじゃない。私と一緒に行きたいって。
それなのにどうして私をひとりぼっちにするの?
心臓の鼓動が速くなる。息が詰まって、呼吸が乱れる。
居ても立ってもいられなくなった梨花は、コートを羽織ると、狭い部屋を飛び出した。
目指していた駅名が車内アナウンスで流れ、列車はスピードを落としていく。
潮風が吹く駅のホームに降り立ち、梨花は白い息を吐き出した。
古びた木造の小さな駅舎。夕暮れの光に照らされた瓦屋根。
聞こえてくるのは観光地の喧騒ではなく、かすかな風の音と海鳥の鳴き声だけだった。
都会では、どこにいても誰かの歌声が耳に入った。
商店街に流れる流行りの曲、カフェやショッピングセンターのBGM、街角のストリートライブ。
そのどれもが、いまの梨花にとっては胸を突き刺す凶器に思えた。
もう、ここにはいたくない――。
そう思って、すべてをあの街に捨ててきたのだ。
仕事も住まいも、思い出も。
そして小さなボストンバッグひとつで列車に飛び乗り、この駅に降り立った。
最後にどうしても見てみたかったから。
梨花の恋人だった彼――河西悠真の生まれ育った海辺の町を。
駅からゆるい坂道を下っていくと、小さな港のそばに、予約していた『民宿陣内』があった。二階建てのこぢんまりとした宿だ。
玄関脇では黒と白の毛色のハチワレ猫が、のんびりと毛づくろいをしていた。
梨花は引き戸を開き、「すみません」と声をかけてみる。
すると奥からひとりの男が出てきた。
二十五歳の梨花と同い年くらい……いや、少し年上かもしれない。
乱れた黒髪に上下ジャージ姿、顔には無精髭が生えていて、梨花の顔を睨むような目つきで見た。
この宿の人だろうか……。怒っているように思えるのは気のせい?
ごくんと唾を飲み込んだ梨花の耳に、低い男の声が聞こえる。
「吾妻梨花さん?」
「えっ」
「予約してた吾妻梨花さん? 東京の」
「は、はい……」
今日はもちろん、仕事を辞めてからほとんど人と会話していなかったせいか、声がかすれる。
男は面倒くさそうにスリッパを用意すると、「こちらへどうぞ」と言って背中を向けた。
「あ、はい」
やはり機嫌が悪そうだが、迷惑をかけた覚えはない。予約日は間違えていないし、到着時間だって予定通りだ。
梨花は慌てて靴を脱ぎ、スリッパに履き替える。その間にも男はすたすたと廊下を歩きはじめていた。
案内された二階の部屋は、畳の匂いが心地よい六畳間だった。
建物は古いがしっかり清掃されているようで、どこも埃ひとつ見当たらない。
窓の向こうには、夕暮れの海が広がっていた。静かで、寂しくて、でもどこか懐かしく感じる景色。
「予約は六泊でしたよね?」
男がぶっきらぼうに聞いてきた。
「はい。そうです。日曜日までお世話になります」
小さく頭を下げた梨花のことを、やっぱり男は睨むように見ている。
髭を剃って髪を整えれば、わりとイケメンだと思うのに……嫌な感じの人だ。
この宿を選んだのは間違いだったかもしれない。とはいえ、この町に宿はここ一軒しかなかったので、一週間も予約してしまった。
早くも後悔しはじめた梨花に男が言う。
「夕食は六時に一階の広間に用意します。風呂も下にあるんで、いつでも勝手にどうぞ。客はおたくだけなんで。では」
言いたいことを言い終えると、男は背中を向け、さっさと階段を降りていった。
梨花はしばらくその場に立ち尽くしたあと、小さくため息をついて荷物を置く。そして窓を少し開き、ぼんやりと外を眺めた。
空が赤く染まり、海も同じ色に染まっている。都会の乾いた風とは違い、吹いてくる潮風は心地よい。
「ここが……悠真の生まれた町」
声に出したら、胸がぐっと苦しくなった。
今日は電車で移動しただけなのに、ものすごく疲れてしまった。風呂に入ってぼうっとしている間に夕食の時間になる。
「吾妻さま、ご挨拶が遅れて申し訳ありません。この宿の女将です。本日はお疲れさまでした。なにもない町ですが、ゆっくりなさっていってくださいませ」
食事を運んでくれたのは、ハリのある声で話す五十代くらいの女性だった。明るい色のショートヘアで、愛想がよい。先ほどの男とは大違いだ。
「お世話になります」
梨花がお辞儀をすると、「さあさあ、どうぞ召し上がって」と食事を勧めてくれた。
和室にある座卓の上には、新鮮そうなお刺身や金目鯛の煮つけなど、港町らしい魚料理が並んでいる。他にも天ぷらや煮物、いくつかの小鉢など、手ごろな宿泊料のわりにとても豪華だ。
「いただきます」
そう言ったものの、なかなか箸が動かない。絶対おいしいだろうと思うのに、体が食べることを拒否しているのだ。いや、生きることを拒否しているのかもしれない。
そんな梨花の様子をちらりと見た女将は、にっこり微笑んで言った。
「寂れた町ですけど、お魚はとってもおいしいんですよ。その煮つけ、柔らかく煮込んであるので、よかったら食べてみてくださいね」
「……はい」
女将が出ていくと、広い座敷には梨花だけがぽつんと残された。さっき男が言っていたように、今日の客は梨花だけらしい。
静かだった。テレビの音も人の話し声も聞こえない。
代わりに窓の向こうから、かすかな波音が聞こえてくる。
そうだ。梨花はこんな場所に来たかったのだ。音楽も歌声も聞こえることのない、ただ風の音や波の音だけが響いているような場所に。
女将が薦めてくれた金目鯛の煮つけを見下ろす。表面には綺麗な照りが出ていて、甘辛い醤油の香りが鼻先をくすぐる。
箸を持った手をゆっくりと動かした。魚の煮つけを割り、ほんの少し口に入れる。
身はふんわりと柔らかく、舌の上でほろりと崩れた。一瞬心の中がほっこりと温まる。
だけどやっぱり味がしないのだ。悠真がいなくなってからずっと、なにを食べても味がしない。
梨花の頭に、アパートの狭い部屋の光景が浮かんでくる。
ふたりで囲んで笑い合った食卓。テレビから流れてくる流行りの曲。窓から吹き込む柔らかい風。
残りごはんで作ったお茶漬けだって、コンビニのおにぎりやカップ麺だって、ふたりで食べるごはんはなんでもおいしく感じた。
「うっ……」
吐き気がこみ上げてきて、口元を押さえる。
せっかく作ってもらったのに。食べなきゃだめなのに。そう思えば思うほど、気持ちが悪くなってくる。
梨花は箸を置いて深呼吸をした。心を無にして何度かチャレンジしてみたけれど、煮つけと白いごはんをほんの少ししか食べることができなかった。
「ごめんなさい。せっかく作っていただいたのに、こんなに残してしまって」
女将の前で頭を下げると、優しい声が返ってきた。
「いいんですよ。小食の方もよくいらっしゃいますから、お気になさらず」
「あの……お料理はどなたが作ってくださったんですか?」
「私です。以前は調理担当の者が他にいたんですけど、いまは私が作らせていただいてます」
やはり。思った通りだ。
「あのお魚、すごく柔らかくて、口の中でほろっと崩れて……心が温まる感じがしました。きっと優しい方が作ってくださったんだろうな、と。それなのに全部食べられなくて、本当に申し訳ありません」
もう一度頭を下げた梨花の肩を、女将がとんとんと優しく叩いた。
「そんなに頑張らなくていいんですよ。お気づかいは嬉しいですが、お客さまにはお客さまのペースがありますから。ご自分を一番大事にしてあげてください」
自分を一番大事に……。
顔を上げると穏やかに微笑む女将の顔が見えた。
「よろしければ、明日からは量を少なめにいたしますね」
「はい。ありがとうございます」
「では、ごゆっくり」
去っていく女将の背中を見送ると、梨花はひとり階段を上がり、自分の部屋へ戻った。
部屋の中は静かだった。持ってきた小さなボストンバッグがぽつんと置いてあるだけ。
窓を開けると冷たい風が吹き込み、穏やかな波の音がした。宿の周りは店もなく、街灯の明かりが点々と寂しげに灯っているだけだ。
そういえば駅の周辺も、小さな商店が何軒かあるだけだった。この宿に来るまでの道で、コンビニを見かけたこともない。
『俺のいた町、すっげー田舎でさ』
どこかから、悠真の声が聞こえてくる。
『でも梨花と一緒に行きたいんだ。俺の生まれ育った町だから』
それから彼はこう言ったのだ。
『梨花に見てほしい景色もあるしね』
「悠真……」
胸のあたりをセーターの上からつかみ、ぎゅっと唇を噛む。
どうして? どうして悠真がここにいないの?
悠真が言ったんじゃない。私と一緒に行きたいって。
それなのにどうして私をひとりぼっちにするの?
心臓の鼓動が速くなる。息が詰まって、呼吸が乱れる。
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