3 / 42
3 妖樹の森
しおりを挟む
僕は悲鳴が聞こえたほうを振り返り、あることに気づいた。
遠目にも、その一画だけ、明らかに樹木の様子が変だとわかる。
そこだけ靄がかかったように陽光が翳り、しかも、そのあたりの森全体が一つの何か巨大な生き物でもあるかのようにザワザワと動いているのだ。
助けなきゃ。
マジで、そう思った。
ここがどこかはわからない。
それに加えて、僕は全裸のままだ。
でも、これは只事じゃない。
確かに僕は変態だが、困っている人を見過ごすほど人非人ではない。
僕などにできることがあるかどうかははなはだ心もとないけど、何もしないでおいて後で後悔するのは嫌だった。
股間にたわわに実った”モノ”を揺らしながら、走った。
濡れた先端が太腿に当たるたびに、棒状の”器官”を快感が突き抜けた。
包皮が後退して、先っちょから敏感な中身が露出しているためだ。
森に近づくにつれ、なんだかひどく嫌な感じに襲われて、僕はつい歩調を緩めずにはいられなかった。
目の前に誘うように開けた場所があった。
そこだけまるで異界への入り口のように、樹木と樹木の間がぽっかり空いているのだ。
薄暗いその中に一歩足を踏み入れた僕は、あっと叫んで棒立ちになった。
小道が途絶えた先に、周囲を圧するばかりの巨木が立っている。
巨木の周囲は地面から伸び出た枝だか根っこだかわからないものに守られているのだが、その触手状の”腕”がうねうねと動いているのだ。
そしてー。
悲鳴の主は、その触手たちによって、巨木の幹に磔にされていた。
半裸の、若い女性である。
均整の取れた肢体と、息を呑むほどの美貌の持ち主だった。
黒いスポーツブラとビキニパンテイだけを身に着けたその金髪の美少女が、怪物じみた樹に今しも犯されようとしているー。
少なくとも、その時の僕にはそう見えたのだがー。
それはあながち間違いではなかったらしい。
なぜなら、次の一瞬、僕の足元がひとしきりざわついたかと思うと、立ち上がった触手状の根たちが一斉に、全裸で立ちすくむ僕に向かって襲い掛かってきたからである…。
遠目にも、その一画だけ、明らかに樹木の様子が変だとわかる。
そこだけ靄がかかったように陽光が翳り、しかも、そのあたりの森全体が一つの何か巨大な生き物でもあるかのようにザワザワと動いているのだ。
助けなきゃ。
マジで、そう思った。
ここがどこかはわからない。
それに加えて、僕は全裸のままだ。
でも、これは只事じゃない。
確かに僕は変態だが、困っている人を見過ごすほど人非人ではない。
僕などにできることがあるかどうかははなはだ心もとないけど、何もしないでおいて後で後悔するのは嫌だった。
股間にたわわに実った”モノ”を揺らしながら、走った。
濡れた先端が太腿に当たるたびに、棒状の”器官”を快感が突き抜けた。
包皮が後退して、先っちょから敏感な中身が露出しているためだ。
森に近づくにつれ、なんだかひどく嫌な感じに襲われて、僕はつい歩調を緩めずにはいられなかった。
目の前に誘うように開けた場所があった。
そこだけまるで異界への入り口のように、樹木と樹木の間がぽっかり空いているのだ。
薄暗いその中に一歩足を踏み入れた僕は、あっと叫んで棒立ちになった。
小道が途絶えた先に、周囲を圧するばかりの巨木が立っている。
巨木の周囲は地面から伸び出た枝だか根っこだかわからないものに守られているのだが、その触手状の”腕”がうねうねと動いているのだ。
そしてー。
悲鳴の主は、その触手たちによって、巨木の幹に磔にされていた。
半裸の、若い女性である。
均整の取れた肢体と、息を呑むほどの美貌の持ち主だった。
黒いスポーツブラとビキニパンテイだけを身に着けたその金髪の美少女が、怪物じみた樹に今しも犯されようとしているー。
少なくとも、その時の僕にはそう見えたのだがー。
それはあながち間違いではなかったらしい。
なぜなら、次の一瞬、僕の足元がひとしきりざわついたかと思うと、立ち上がった触手状の根たちが一斉に、全裸で立ちすくむ僕に向かって襲い掛かってきたからである…。
20
あなたにおすすめの小説
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
Re:Monster(リモンスター)――怪物転生鬼――
金斬 児狐
ファンタジー
ある日、優秀だけど肝心な所が抜けている主人公は同僚と飲みに行った。酔っぱらった同僚を仕方無く家に運び、自分は飲みたらない酒を買い求めに行ったその帰り道、街灯の下に静かに佇む妹的存在兼ストーカーな少女と出逢い、そして、満月の夜に主人公は殺される事となった。どうしようもないバッド・エンドだ。
しかしこの話はそこから始まりを告げる。殺された主人公がなんと、ゴブリンに転生してしまったのだ。普通ならパニックになる所だろうがしかし切り替えが非常に早い主人公はそれでも生きていく事を決意。そして何故か持ち越してしまった能力と知識を駆使し、弱肉強食な世界で力強く生きていくのであった。
しかし彼はまだ知らない。全てはとある存在によって監視されているという事を……。
◆ ◆ ◆
今回は召喚から転生モノに挑戦。普通とはちょっと違った物語を目指します。主人公の能力は基本チート性能ですが、前作程では無いと思われます。
あと日記帳風? で気楽に書かせてもらうので、説明不足な所も多々あるでしょうが納得して下さい。
不定期更新、更新遅進です。
話数は少ないですが、その割には文量が多いので暇なら読んでやって下さい。
※ダイジェ禁止に伴いなろうでは本編を削除し、外伝を掲載しています。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…
アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。
そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
私が美女??美醜逆転世界に転移した私
鍋
恋愛
私の名前は如月美夕。
27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。
私は都内で独り暮らし。
風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。
転移した世界は美醜逆転??
こんな地味な丸顔が絶世の美女。
私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。
このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。
※ゆるゆるな設定です
※ご都合主義
※感想欄はほとんど公開してます。
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる