陰キャで変態の僕が異世界転生して真の勇者になりました

ヤミイ

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3 妖樹の森

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 僕は悲鳴が聞こえたほうを振り返り、あることに気づいた。
 遠目にも、その一画だけ、明らかに樹木の様子が変だとわかる。
 そこだけ靄がかかったように陽光が翳り、しかも、そのあたりの森全体が一つの何か巨大な生き物でもあるかのようにザワザワと動いているのだ。
 助けなきゃ。
 マジで、そう思った。
 ここがどこかはわからない。
 それに加えて、僕は全裸のままだ。
 でも、これは只事じゃない。
 確かに僕は変態だが、困っている人を見過ごすほど人非人ではない。
 僕などにできることがあるかどうかははなはだ心もとないけど、何もしないでおいて後で後悔するのは嫌だった。
 股間にたわわに実った”モノ”を揺らしながら、走った。
 濡れた先端が太腿に当たるたびに、棒状の”器官”を快感が突き抜けた。
 包皮が後退して、先っちょから敏感な中身が露出しているためだ。
 森に近づくにつれ、なんだかひどく嫌な感じに襲われて、僕はつい歩調を緩めずにはいられなかった。
 目の前に誘うように開けた場所があった。
 そこだけまるで異界への入り口のように、樹木と樹木の間がぽっかり空いているのだ。
 薄暗いその中に一歩足を踏み入れた僕は、あっと叫んで棒立ちになった。
 小道が途絶えた先に、周囲を圧するばかりの巨木が立っている。
 巨木の周囲は地面から伸び出た枝だか根っこだかわからないものに守られているのだが、その触手状の”腕”がうねうねと動いているのだ。
 そしてー。
 悲鳴の主は、その触手たちによって、巨木の幹に磔にされていた。
 半裸の、若い女性である。
 均整の取れた肢体と、息を呑むほどの美貌の持ち主だった。
 黒いスポーツブラとビキニパンテイだけを身に着けたその金髪の美少女が、怪物じみた樹に今しも犯されようとしているー。
 少なくとも、その時の僕にはそう見えたのだがー。
 それはあながち間違いではなかったらしい。
 なぜなら、次の一瞬、僕の足元がひとしきりざわついたかと思うと、立ち上がった触手状の根たちが一斉に、全裸で立ちすくむ僕に向かって襲い掛かってきたからである…。 
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