陰キャで変態の僕が異世界転生して真の勇者になりました

ヤミイ

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10 旅立ち前の試練①

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 ド直球の魔王討伐随行の依頼に、僕は絶句した。
「は?」
 ここが異世界であることは、もう間違いない。
 サーシャが詐欺師で、僕を引っ掛けようとしているという可能性もゼロではないが、そんなの何の意味もない。
 僕は御覧の通り、全裸の変質者だ。
 だましたところで、一文の得にもならないことは明らかである。
 しかもそんなことにこんな大がかりな密林のセットやらを使ったとしたら、それこそ逆に大損だろう。
 じゃあ、ここが異世界であることを認めるとして、その後どうするかということだがー。
 考え込まずにはいられなかった。
 正直、元の世界に未練はない。
 もちろん、インターネットやら快適な居住環境やら、21世紀の進歩した文明、科学技術の恩恵を失うのは痛い。
 しかし、僕にとって、あそこでの人間関係は、地獄以外の何ものでもなかった。
 前近代的な考え方の父親の強権に支配された、針のむしろのような家の中。
 僕を無視するか、笑いものにするかしか能がない、周りの陽キャたちの集団。
 ストレス解消のために外で全裸になって露出すれば警官に追われ、射精の自由もない。
 むろん公園の蛇口にアナルを擦りつけて使い物にならなくしたのは申し訳なく思うけど、僕だって快楽は欲しい。
 けれど、サーシャの言葉が本当なら、この世界では、僕はのけ者どころか、役に立つってことになる。
 しかも、上手くいけば、世界を救う英雄に。
「い、いいですけど、本当に僕なんかでお役に立てるのでしょうか?」
 おそるおそる不安を口にすると、
「そうだな。魔王討伐となると一般庶民にとってはかなりの重責には違いあるまいから、今一度、おまえの精液の威力を検証してみようと思う。ほら、シロに舐められて、いい感じに勃ってきただろう」
「は、はい…」
 耳までカッと熱くなる。
 サーシャの指摘通りだった。
 隅から隅までシロの分厚くざらついた舌に舐め回されて、僕はいつのまにやらエレクトしてしまっていた。
 あれほど出したばかりだというのに、股間の肉ミサイルは、天も衝かんばかりに急角度で屹立している始末。
「ウリオ、おまえ、ヒョロガリのくせに、ここだけ超人的に凛々しいな」
 剥けかけた包皮の下から覗く赤っぽい先端に露を宿した僕の生殖器官を眺めて、感心したようにサーシャが言う。
「私はいまだこれの恩恵を受けたことはないのだが、交合の時は本当にこんな狂暴なモノが体内に挿入されるのか。聖処女の私には、想像することすら不可能なのだが」
「さあ、どうなんでしょう」
 僕は曖昧に笑い返すしかない。
 そんなの、童貞に答えられる質問じゃないからだ。


 
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