侯爵令息の数奇な運命

野咲

文字の大きさ
13 / 41
第一章

疑似ヒートとラット 3 ☆

しおりを挟む
「ああ! 我慢できねぇ! エドワード、口を開けろ」
 もう一人、アルファが近寄ってきて、僕の頭をがしっと掴んだ。僕が口を開けると、男は僕の口の中に無理やりペニスを押し込んできた。
「むぐぅっ! んぐっ、グチュッ」
 僕は一瞬息を詰まらせたが、すぐに喉を鳴らしてむしゃぶりついた。
「くっ、口の中が熱くて、からみついてくるっ! ああっ、いいぞエドワード……」
「んちゅっ、はむっ、んんぅ、……んぐぅ! ごっ!」
 亀頭のまわりに吸い付いたり、裏筋を舐めまわしたりして、アルファのペニスの味を楽しんでいると、男は僕の髪を掴んで、思いっきり喉奥までペニスを突き立てた。
「んごぉ! おっ、おぉんっ!」
 喉奥をこじ開けられて苦しいはずなのに、僕の身体はアルファの精液に反応して、喜びに震える。
「こら、俺のことを忘れるなよ!」
 ダニエルが後ろから僕の身体を揺さぶり、激しくペニスをピストンさせた。
「あう! ああぁ! あひゅっ!」
 前からも後ろからも突き刺され、僕は逃げ場がなく、ただ揺さぶられ続けた。こんなに激しく、両方からぐっぽり嵌められて痛くないはずがないのに、僕の身体はアルファのフェロモンに当てられてバカになったようで、ただひたすら快感だけを拾う。
「あっ、あふぅっ!」
「はぁっ、もう限界だ! 出すぞ!」
「くっ、俺もだっ!」
「ははっ、発情オメガに中出しできるなんて、最高だな! 」
 アルファ達は腰を振りたくって僕の身体を揺さぶると、僕の中に白濁を吐きだした。
「んうぅ! っふう!」
 ずるずるとアルファ達のペニスが出ていく。アルファの精を受けた僕の身体は、満足感を得て、急速に熱を失っていった。
「はぁ……」
 ため息をついた僕の尻を持ち上げて、また別のアルファが熱いペニスを突き付けてくる。
「あっ、待って。もう、身体が……」
 突然訪れたヒートと激しい性交に、体は凄まじい倦怠感を訴えている。体に力が入らなかった。しかし、男はぐったりした僕の体を無理やり引きずり起こし、そのままペニスをズズゥッと挿入した。
「んはぁああ!」
 ヒートの熱は引きかけているとは言え、めちゃくちゃにこね回されて敏感になった中はうれしそうにアルファのペニスにからみつく。
「ああっ、なんて熱くて、とろとろの穴なんだ」
「あっ、あんっ、いやっ」
「何がイヤなんだ。こんなとろとろの穴でアルファを誘っておいて! 反省しろ!」
 バチュッ! バチュッ!
 僕の発情でラットに陥った周りのアルファ達が僕に向かってフェロモンを放出してくる。たちまち僕の身体はまたオメガのフェロモンを放出しはじめ、それがまたアルファたちの興奮を高めるという、悪循環だった。
「あひぃ! ごめ、ごめんにゃさいいい! おチンポねだって、ごめんにゃさいぃ!」
「お前ごとき淫乱オメガに立派なアルファチンポをくれてやってるんだぞ! 感謝しろ!」
「あひゅっ! おチンポぉ、しゅごいぃ! 僕の淫乱まんこにアルファ様のおチンポ挿してくださって、ありがとうごじゃいましゅ! もっといっぱい突いて、お仕置きして欲しいのぉ!」
「いいだろう、いっぱい突いてやるからな! この後も全員力尽きるまでめいっぱい輪姦してやるから、覚悟しろ! オラァ!」
「んはぁ! ああう! い、いっゃ、んんっ!」
 嫌だと言ったらまた叱られると思って、僕はすんでのところで口をつぐんだ。でも怖い。僕は涙をだらだら流していたが、自分でも気持ち良くて泣いているのか、恐ろしくて泣いているのかよく分からなくなっていた。
 ドチュッ! ドチュッ!
「あっ! あっ!」
 男の腰振りにあわせて短い嬌声を上げながら、僕はただひたすら時が早く過ぎることを願っていた。早くこの地獄のような時間が終わりますように……。
 しかし、僕のその願いはむなしく、アルファ達の夜の宴は夜半過ぎまで続いたのだった。

しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

待っててくれと言われて10年待った恋人に嫁と子供がいた話

ナナメ
BL
 アルファ、ベータ、オメガ、という第2性が出現してから数百年。  かつては虐げられてきたオメガも抑制剤のおかげで社会進出が当たり前になってきた。  高校3年だったオメガである瓜生郁(うりゅう いく)は、幼馴染みで恋人でもあるアルファの平井裕也(ひらい ゆうや)と婚約していた。両家共にアルファ家系の中の唯一のオメガである郁と裕也の婚約は互いに会社を経営している両家にとって新たな事業の為に歓迎されるものだった。  郁にとって例え政略的な面があってもそれは幸せな物で、別の会社で修行を積んで戻った裕也との明るい未来を思い描いていた。  それから10年。約束は守られず、裕也はオメガである別の相手と生まれたばかりの子供と共に郁の前に現れた。  信じていた。裏切られた。嫉妬。悲しさ。ぐちゃぐちゃな感情のまま郁は川の真ん中に立ち尽くすーー。 ※表紙はAIです ※遅筆です

何故か男の僕が王子の閨係に選ばれました

まんまる
BL
貧乏男爵家の次男カナルは、ある日父親から呼ばれ、王太子の閨係に選ばれたと言われる。 どうして男の自分が?と戸惑いながらも、覚悟を決めて殿下の元へいく。 しかし、殿下は自分に触れることはなく、何か思いがあるようだった。 優しい二人の恋のお話です。

もう一度君に会えたなら、愛してると言わせてくれるだろうか

まんまる
BL
王太子であるテオバルトは、婚約者の公爵家三男のリアンを蔑ろにして、男爵令嬢のミランジュと常に行動を共にしている。 そんな時、ミランジュがリアンの差し金で酷い目にあったと泣きついて来た。 テオバルトはリアンの弁解も聞かず、一方的に責めてしまう。 そしてその日の夜、テオバルトの元に訃報が届く。 大人になりきれない王太子テオバルト×無口で一途な公爵家三男リアン ハッピーエンドかどうかは読んでからのお楽しみという事で。 テオバルドとリアンの息子の第一王子のお話を《もう一度君に会えたなら~2》として上げました。

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

【完結】初恋のアルファには番がいた—番までの距離—

水樹りと
BL
蛍は三度、運命を感じたことがある。 幼い日、高校、そして大学。 高校で再会した初恋の人は匂いのないアルファ――そのとき彼に番がいると知る。 運命に選ばれなかったオメガの俺は、それでも“自分で選ぶ恋”を始める。

子持ちオメガが運命の番と出会ったら

ゆう
BL
オメガバースのblです。

当たり前の幸せ

ヒイロ
BL
結婚4年目で別れを決意する。長い間愛があると思っていた結婚だったが嫌われてるとは気付かずいたから。すれ違いからのハッピーエンド。オメガバース。よくある話。 初投稿なので色々矛盾などご容赦を。 ゆっくり更新します。 すみません名前変えました。

運命じゃない人

万里
BL
旭は、7年間連れ添った相手から突然別れを告げられる。「運命の番に出会ったんだ」と語る彼の言葉は、旭の心を深く傷つけた。積み重ねた日々も未来の約束も、その一言で崩れ去り、番を解消される。残された部屋には彼の痕跡はなく、孤独と喪失感だけが残った。 理解しようと努めるも、涙は止まらず、食事も眠りもままならない。やがて「番に捨てられたΩは死ぬ」という言葉が頭を支配し、旭は絶望の中で自らの手首を切る。意識が遠のき、次に目覚めたのは病院のベッドの上だった。

処理中です...