転生したら彼女と再会した

せにな

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もしかしたら前世の彼氏かもしれない

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 2年前、私は翔のことはもう忘れると誓った。
 でもカルくんと一緒に過ごしていく上で思ったことがある。

 ──カルくんがあまりにも翔に似すぎている。

 気遣いの仕方や性格、価値観とか喋り方。見た目以外は何から何まで似ている。

「こんな似てる人が近くにいたら忘れることなんてできないじゃん!」

 トイレの中で悶える私。幸いにも今はロイさんもナズさんもカルくんも外に出ている。
 ロイさんとナズさんは食料調達や薪割りなど、外で作業をしている。
 カルくんは草の上で寝ている。気持ちいいんだろなぁとは思ったけど、虫が出てきそうなので寝るのはやめとく。

 話を戻すけど、カルくんがあまりにも翔に似すぎている。
 もしかしたら翔も転生したのかもしれない。そしてその転生後の姿がカルくん。ということも考えれるけど……そんな奇跡あるのかしら……。
 私も転生して翔も転生している。2人同時に転生だなんて、そんな奇跡なこと……。

 このモヤモヤを晴らすために私はひとつの案を思いつく。

「カルくんに対して鎌をかければいいんだわ!もしかしたら決定的なことを言うかもしれない!」

 何を思ったのか、そんなことを思いついてしまったハイロ。
 だけどそんな事をしなくてももう証拠は集まっていることに彼女はまだ気づいていない。

 彼女は名案を思いついたと思ってドヤ顔をしながらトイレを出る。


「カルくーん」

 外で寝ているカルくんを呼びながら近づいていく。

「なに?」
「お話しよー」
「はいよ」

 カルくんは上半身を起こして手を後ろについて体を支える。
 私もカルくんの隣に座る。

「カルくんって彼女いたことあるのー?」
「いるわけないだろ。こんな山奥で住んでいて彼女ができるわけない」
「あ、それもそっか」

 た、確かにここに住んでたら出会いなんてないわよね……。すごい当たり前のことを聞いた気がする……。
 それにもし、カルくんが「彼女はいた事あるよ」って言ったとしても翔と何も結び付けれない。
 本当に無駄なこと聞いちゃった……。
 私は気を取り直してほかの質問をする。

「誕生日はいつなのー?」
「去年祝ってくれただろ……もう忘れたのか?」
「あ、いや、そんなことは無いけど……」
「8月24日な。ハイロと同じ誕生日だろ」
「そ、そうだっわね。あと三ヶ月で誕生日だね」
「そうだな」

 この世界の月日はどうやらあっちの世界と同じらしい。1年は12ヶ月で365日。ただクリスマスやお正月と言ったイベント事は何も無い。あるとするなら、さっき言った誕生日ぐらいだ。

 さっきも言われた通り私とカルくんは同じ誕生日。それに同じ年齢。
 8月24日というのは私と翔が前世で心中した日だ。
 これは偶然なのかな?偶然じゃなかったらカルくんはほぼ翔だと思う。名前も前世のカケルという名前に似てるし。

「さっきからどうした?頭おかしくなったのか?」
「いつも通りよ!」
「じゃあなんで変な事聞いてくるんだよ」
「気分よ気分」
「そんなもんなのか」
「そんなもんなのよ」

 「そんなもんなのか」「そんなもんなのよ」この会話も前世で翔とよく口にした言葉だ。

 ……あれ?ここまで翔に似てるのなら鎌をかける必要はなくない?
 鎌をかけるよりも直接言った方が早いし確実に確かめれるわよね。
 ていうかここまで似ておいて違うわけが無いよね。

 私は意を決してカルくんの手を握って立ち上がる。

「カルくん。ちょっと来てくれない?」
「お、おう」

 戸惑いながらも着いてきてくれるカルくん。私は少し早足でカルくんを寝室に連れていく。

 カルくんをベッドの上に座らして私は深呼吸をする。

「ど、どうした?俺を襲うのか?まだ12歳だぞ」
「うるさいわね!襲わないし、その気もないわよ!」

 私は少し声を潜めて言葉を発する。

「あなた、前世で私の彼氏でしたよね?」
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