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けたたましいアラームの音に驚き、翔ははじかれたように目を開いた。
慌てて頭の上に手を伸ばし、スマートフォンの画面をタップする。
時刻は午前八時を指していて、いつもならば既に出社して何かしらの収録をしているところだ。
遅刻してしまったと飛び起きるが、そこでいつもと景色が違うことに気づく。
がらんとした白い壁に、水色の爽やかなカーテン。柔らかい茶色の床に、自分のボストンバッグが転がっている。
そこでようやく、昨夜の出来事を思い出した。
そうだ。元伝説のアイドルで音楽プロダクションの社長、神澤正行に拾われたのだ。
ゆっくりと布団から這い出し、カーテンを開ける。冬の柔らかい日差しが気持ちいい。
ボストンバッグから着替えを取り出し、適当に着る。そういえばまともな服がないが、大丈夫なのだろうか。
ADをしていると、着る服がいつも黒になってしまう。他に用事もないので、だんだんと服を買うという習慣がなくなっていた。
彼女いない歴イコール年齢で、自分から友人を作りに行けないコミュ障で、上京してできた友人が一人もいない翔には、おしゃれをして出かけるような用事は全くなかった。
ちなみに以前同居していた友人は大学の同級生で、勉強ばかりしてサークルにすら入らず、一人で昼食を取っていた翔に、わざわざ話しかけてくれた人だった。
親友だと思っていたのに、あんなにあっさり追い出されてしまうなんて。今度はそういうことがないといいのだが。
着替えを終え、リビングに向かう。既に起床していた正行が、マグカップにウォーターサーバーでお湯を入れているところだった。カップの中の液体の色からして、インスタントコーヒーだろう。
正行をどう呼ぶか考えたが、これからお世話になる会社の社長なので、社長と呼ぶことにした。
翔の足音に気づいたのか、社長は振り向き、笑みを見せた。
「おはよう。よく眠れたかい?」
コーヒーを持っているだけなのに、映画の一場面のように絵になる。
さすが元伝説のアイドル。朝から笑顔がまぶしい。
イケメンは歳を取っても渋みが増すだけで不細工にはならないんだな、と思い知りながら、翔は「おはようございます」と返した。
昨日の夜、コンビニで朝食用にパンを買ってきておいたので、社長も翔も各々が選んだパンを手に取る。
今更ながらに、社長にコンビニ弁当なんて庶民的なものを食べさせて良かったのだろうかと考えるが、本当に今更すぎて我ながら呆れる。
翔はブルーベリーのジャムパンを袋から半分ほど出し、口に運ぶ。弾力のあるパンにうすーいジャムというのが、いかにも庶民の食べ物と言う感じがして結構好きだ。
社長はリンゴのパイを、上品に少しずつかじっている。
「たまには家で朝食を取るのも悪くないね。何より、一人じゃないのがいい」
「オレは急がなくてもいいのがありがたいですね。始発出社とかザラだったので……」
「それは大変だね。睡眠は取れていたのかい?」
「いえ、全然」
社長はとても話しやすい人で、気付けば色々なことを話してしまっていた。
実家のこと、テレビ局のこと、元同居人の愚痴。社長は全部親身に聞いてくれた。
あっという間に家を出る時間になり、社長の車に乗り事務所へ向かった。
都内の環状線沿い、北西のあたりに事務所はあった。
様々な会社が入る雑多ビルの、二階と地下が会社の持ち物らしく、二階にオフィス、地下にスタジオがある。
早速、二階のオフィスに上がる。エレベーターを出て、真ん中がすりガラスになっている扉を開ければ、手前にテーブルとソファが、パーティションを挟んで奥にはデスクが四つあり、既に三人の人影があった。
「おはよう。今日も早いね」
社長が声を掛ければ、三人は声を揃えておはようございますと言う。
長く真っ直ぐな黒髪をした冷たそうな女性、緩く巻いた茶色いショートボブの優しそうな女性、ガタイのいい色黒の男性。皆そこそこ若そうに見える。
デスクの一つが社長のものだとすると、もしや社員はこの三人だけなのだろうか。
三人が翔の存在に気づき、一斉に翔を見る。少々驚いて社長の後ろに隠れてしまいたくなったが、何とか踏ん張る。何事も最初が肝心だ。
「彼は今日から社員として働いてもらう、高木翔くんだよ。仲良くしてあげてね」
「たっ、高木翔です!よろしくお願いします!」
緊張しながらも挨拶をし、頭を下げる。ガタイのいい男性が「おう!」と声を上げた。
「オレは畑中 岳だ!社長に言いづらいことがあったらオレに言ってくれ!よろしくな!」
ショートボブの女性が、口元に手を当てて微笑む。
「若い子が入ってくれておばさん嬉しいわぁ。松木 碧よ。こっちは碓氷 美里ちゃん」
紹介されて、黒髪の女性が頭を下げる。
「彼らが、うちの事務員だ。他にも、タレント専属マネージャーが何人かいるよ」
「へぇ……」
どうやら、他にも人はいるらしい。しかし事務員はこの三人プラス社長で、主に関わりが出てくるのはこのメンバーになるだろうとのことだ。
松木さんが、ざっくりと事務員の役割分担を教えてくれる。
「社長と畑中さんで取引先とやりとりして、美里ちゃんが経理、私がその他よ」
「その他……ですか」
松木さんの言うその他に一体どんな仕事があるかわからないが、一通り挨拶が終わると、松木さんはすごい勢いでパソコンをカタカタと叩きはじめた。早すぎて人間とは思えない。
翔は社長と手前のソファに移動し、契約の説明を受け、必要書類を記入する。
その説明はとてもわかりやすくて、書いてあることを一つ一つ、端折らずに伝えてくれた。おかげで疑心暗鬼もなく、安心して契約出来る。
免許証の住所が以前のままになっているが、とりあえずはそれでいいと言ってくれた。後日直したものを持ってこなければいけない。
書類を全て記入し、社長がそれを松木さんに渡す。なるほど、その他とはそういうことか。
「あの、オレはどういう仕事をすればいいんですか?」
事務員はこのメンバーで上手く回っているように見える。では、翔をわざわざ雇った意味は何なのか。
背中を向ける社長に問えば、「ああ、それを話していなかったね」と振り返った。
「専属マネージャーをつけたいタレントが何組かいてね、そのうちの一つを担当してもらいたいと思っている」
「専属マネージャー……」
マネージャーの仕事の一端は、ADの頃に嫌というほど見てきた。
タレントを現場に送り届け、時には現場スタッフと戦い、時にはタレントの代わりに頭を下げる。きっと他にも、翔の知らない仕事があるだろう。
皆簡単そうにやっていたが、おそらく簡単な仕事ではない。
「オレにできますかね……」
あからさまに自信なさげな翔に、社長は「大丈夫だよ」と笑った。
「基本的には送り迎え程度だよ。困ったら私に連絡してくれればいいから」
緊張する翔の肩を、後ろから誰かがぽんと叩いた。
振り返れば、いい笑顔で立っている畑中さんがいる。
「大丈夫だぜ!オレ達もフォローするからな!」
奥のデスクで、松木さんもうなずいている。
その笑顔に、翔の緊張は少しほぐれた。
上手くできるかわからないが、この人たちとならやっていけるような気がする。
「では、次は所属アーティストに会いに行こうか」
そう言いながら社長はコートを羽織り、鞄を手に取る。
翔も筆記用具を仕舞い、社長について事務所を出た。
慌てて頭の上に手を伸ばし、スマートフォンの画面をタップする。
時刻は午前八時を指していて、いつもならば既に出社して何かしらの収録をしているところだ。
遅刻してしまったと飛び起きるが、そこでいつもと景色が違うことに気づく。
がらんとした白い壁に、水色の爽やかなカーテン。柔らかい茶色の床に、自分のボストンバッグが転がっている。
そこでようやく、昨夜の出来事を思い出した。
そうだ。元伝説のアイドルで音楽プロダクションの社長、神澤正行に拾われたのだ。
ゆっくりと布団から這い出し、カーテンを開ける。冬の柔らかい日差しが気持ちいい。
ボストンバッグから着替えを取り出し、適当に着る。そういえばまともな服がないが、大丈夫なのだろうか。
ADをしていると、着る服がいつも黒になってしまう。他に用事もないので、だんだんと服を買うという習慣がなくなっていた。
彼女いない歴イコール年齢で、自分から友人を作りに行けないコミュ障で、上京してできた友人が一人もいない翔には、おしゃれをして出かけるような用事は全くなかった。
ちなみに以前同居していた友人は大学の同級生で、勉強ばかりしてサークルにすら入らず、一人で昼食を取っていた翔に、わざわざ話しかけてくれた人だった。
親友だと思っていたのに、あんなにあっさり追い出されてしまうなんて。今度はそういうことがないといいのだが。
着替えを終え、リビングに向かう。既に起床していた正行が、マグカップにウォーターサーバーでお湯を入れているところだった。カップの中の液体の色からして、インスタントコーヒーだろう。
正行をどう呼ぶか考えたが、これからお世話になる会社の社長なので、社長と呼ぶことにした。
翔の足音に気づいたのか、社長は振り向き、笑みを見せた。
「おはよう。よく眠れたかい?」
コーヒーを持っているだけなのに、映画の一場面のように絵になる。
さすが元伝説のアイドル。朝から笑顔がまぶしい。
イケメンは歳を取っても渋みが増すだけで不細工にはならないんだな、と思い知りながら、翔は「おはようございます」と返した。
昨日の夜、コンビニで朝食用にパンを買ってきておいたので、社長も翔も各々が選んだパンを手に取る。
今更ながらに、社長にコンビニ弁当なんて庶民的なものを食べさせて良かったのだろうかと考えるが、本当に今更すぎて我ながら呆れる。
翔はブルーベリーのジャムパンを袋から半分ほど出し、口に運ぶ。弾力のあるパンにうすーいジャムというのが、いかにも庶民の食べ物と言う感じがして結構好きだ。
社長はリンゴのパイを、上品に少しずつかじっている。
「たまには家で朝食を取るのも悪くないね。何より、一人じゃないのがいい」
「オレは急がなくてもいいのがありがたいですね。始発出社とかザラだったので……」
「それは大変だね。睡眠は取れていたのかい?」
「いえ、全然」
社長はとても話しやすい人で、気付けば色々なことを話してしまっていた。
実家のこと、テレビ局のこと、元同居人の愚痴。社長は全部親身に聞いてくれた。
あっという間に家を出る時間になり、社長の車に乗り事務所へ向かった。
都内の環状線沿い、北西のあたりに事務所はあった。
様々な会社が入る雑多ビルの、二階と地下が会社の持ち物らしく、二階にオフィス、地下にスタジオがある。
早速、二階のオフィスに上がる。エレベーターを出て、真ん中がすりガラスになっている扉を開ければ、手前にテーブルとソファが、パーティションを挟んで奥にはデスクが四つあり、既に三人の人影があった。
「おはよう。今日も早いね」
社長が声を掛ければ、三人は声を揃えておはようございますと言う。
長く真っ直ぐな黒髪をした冷たそうな女性、緩く巻いた茶色いショートボブの優しそうな女性、ガタイのいい色黒の男性。皆そこそこ若そうに見える。
デスクの一つが社長のものだとすると、もしや社員はこの三人だけなのだろうか。
三人が翔の存在に気づき、一斉に翔を見る。少々驚いて社長の後ろに隠れてしまいたくなったが、何とか踏ん張る。何事も最初が肝心だ。
「彼は今日から社員として働いてもらう、高木翔くんだよ。仲良くしてあげてね」
「たっ、高木翔です!よろしくお願いします!」
緊張しながらも挨拶をし、頭を下げる。ガタイのいい男性が「おう!」と声を上げた。
「オレは畑中 岳だ!社長に言いづらいことがあったらオレに言ってくれ!よろしくな!」
ショートボブの女性が、口元に手を当てて微笑む。
「若い子が入ってくれておばさん嬉しいわぁ。松木 碧よ。こっちは碓氷 美里ちゃん」
紹介されて、黒髪の女性が頭を下げる。
「彼らが、うちの事務員だ。他にも、タレント専属マネージャーが何人かいるよ」
「へぇ……」
どうやら、他にも人はいるらしい。しかし事務員はこの三人プラス社長で、主に関わりが出てくるのはこのメンバーになるだろうとのことだ。
松木さんが、ざっくりと事務員の役割分担を教えてくれる。
「社長と畑中さんで取引先とやりとりして、美里ちゃんが経理、私がその他よ」
「その他……ですか」
松木さんの言うその他に一体どんな仕事があるかわからないが、一通り挨拶が終わると、松木さんはすごい勢いでパソコンをカタカタと叩きはじめた。早すぎて人間とは思えない。
翔は社長と手前のソファに移動し、契約の説明を受け、必要書類を記入する。
その説明はとてもわかりやすくて、書いてあることを一つ一つ、端折らずに伝えてくれた。おかげで疑心暗鬼もなく、安心して契約出来る。
免許証の住所が以前のままになっているが、とりあえずはそれでいいと言ってくれた。後日直したものを持ってこなければいけない。
書類を全て記入し、社長がそれを松木さんに渡す。なるほど、その他とはそういうことか。
「あの、オレはどういう仕事をすればいいんですか?」
事務員はこのメンバーで上手く回っているように見える。では、翔をわざわざ雇った意味は何なのか。
背中を向ける社長に問えば、「ああ、それを話していなかったね」と振り返った。
「専属マネージャーをつけたいタレントが何組かいてね、そのうちの一つを担当してもらいたいと思っている」
「専属マネージャー……」
マネージャーの仕事の一端は、ADの頃に嫌というほど見てきた。
タレントを現場に送り届け、時には現場スタッフと戦い、時にはタレントの代わりに頭を下げる。きっと他にも、翔の知らない仕事があるだろう。
皆簡単そうにやっていたが、おそらく簡単な仕事ではない。
「オレにできますかね……」
あからさまに自信なさげな翔に、社長は「大丈夫だよ」と笑った。
「基本的には送り迎え程度だよ。困ったら私に連絡してくれればいいから」
緊張する翔の肩を、後ろから誰かがぽんと叩いた。
振り返れば、いい笑顔で立っている畑中さんがいる。
「大丈夫だぜ!オレ達もフォローするからな!」
奥のデスクで、松木さんもうなずいている。
その笑顔に、翔の緊張は少しほぐれた。
上手くできるかわからないが、この人たちとならやっていけるような気がする。
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本当にありがたく思います。
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