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収録は実に順調に終わった。
リハーサルの演奏すら凄くて感動しそうになったのに、本番は更に熱量が増し、スタジオが震えるほどに感じた。
しかし何度聞いても、やはりKyoyaさんの歌声が一番耳に残る。ボーカルに一番注目すること自体は珍しくもないことだと思うが、そういうことではなくて、他のたくさんのアーティストの声を聞いた後でも、Kyoyaさんの歌が一番心に残っているのだ。
やっぱり好きだなぁと思いながら、帰り道、疲れてみんなが寝てしまっている車の中で、翔は小さく歌を口ずさんでいた。
歌ってみて初めて知ったが、異常なほど音域が広い。翔では高音も低音も出せず、どうしたらあんなに伸びやかに歌えるのかと感心した。
するといつの間にか、そこに綺麗なコーラスが重なってくる。
ミラーを確認すれば、Koheiさんが合わせてコーラスを歌っていた。
「こ!……Koheiさん……。起きてたんですか?」
咄嗟に叫びそうになって、しかし皆さんを起こすまいと声を潜める。
Koheiさんは何も言わずに微笑んだ。
「すみません、もしかして起こしました?」
「いえ。腹減って起きちゃっただけです」
確かに、あれだけすごい熱量で演奏したのだ。お腹も空くだろう。
Koheiさんはキーボードだけでなく、コーラスも歌っているから尚更だ。
「Kyoyaの歌のこと、泣いてるみたいって言ってましたよね」
唐突に、Koheiさんはそう聞いてきた。
「う……。すみません。否定するつもりではなかったんです」
「素直にそう思ったんでしょう?言いたいことはわかります」
てっきり怒られるかからかわれるかすると思ったのだが、Koheiさんは意外にも、翔の意見に賛同してくれた。
「わかりますか……?誰に聞いても気のせいだって言われるんですけど」
「俺もそう感じることはありますから。本当に微かに、ですけど」
Koheiさんも感じていて、Kyoyaさんも自覚があると言っていた。やはり、翔の気のせいではない。
あの寂しさの理由を、Koheiさんは知っているのだろうか。
「どうしてそう聞こえるんでしょう……。わざとではないんですよね?」
「ええ。むしろKyoyaはそれを嫌っています。無くしたいと思っているし、多分Kyoyaは、その原因に心当たりがあるんだと思います」
「え……。そうなんですか?」
Kyoyaさんほど器用に歌える人なら、原因がわかっていれば解決できそうな気がするのだが、できないのだろうか。
一体、何が原因なのだろう。わかっていても、どうにもできないことなのだろうか。
Koheiさんは静かに言葉を続ける。
「昔はそんなことはなかったんです。でもその頃のKyoyaの歌は、心に響かせるにはどこか少し足りなくて、今ほどの奥行きは出せませんでした。去年の冬ごろからそれを克服し始めて、今年の春にテレビ番組に出た時には、今の歌い方になっていました。
その時歌ったのは失恋の曲だったので、当然そこには寂しさが乗ります。だからその時はそんなに気にしていなかったし、弱点を克服できたんだと思っていました」
今年の春といえば、丁度翔がMusic Sparkで聞いた頃だ。
あれはとても心に響く歌だったし、寂しさが上手く噛み合っていた気がする。
「しかし、事務所に入った頃からでしょうか。その寂しさが顕著に出始めたんです。余程聞き慣れていないと違いはわからないかもしれませんが、前以上に届けたい意志を強く感じられます。
そもそも、俺たちは事務所への所属には消極的でした。事務所に入って行動が制限されるよりは、フリーで自由にやっていたいと、メンバーみんなで話し合って決めて、どんな大手に誘われても、Kyoyaは俺たちにいちいち相談せず断ってきました。ですが、ファミーユミュージックに誘われた時だけ、"Kyoyaは考えさせてください"って言ったんです。
条件が悪くなかったのはあるでしょう。方向性は自由なまま、事務所に所属していないと入ってこない仕事が増えて、スケジュール管理も向こうがやってくれるようになる。おいしい話だったと思います。だけどそれ以上に、Kyoyaがこの事務所に拘る理由があるように感じました」
「拘る、理由……?」
翔が見る限りは、ファミーユミュージックはそこまで特別他の事務所より条件がいいわけではないと思う。
こう言っては悪いが、規模もそんなに大きくはない。設立して二十五年くらいだが、ざっと調べた限り、二回ほど不況にも陥っている。
社長の人柄はいいが、決して安定している会社とは言えない。
一体Kyoyaさんは、この事務所の何に拘ったのだろうか。
「Kyoyaが入りたい理由は察しがついたので、社長に詳しく話を聞いた上で、所属することに決めました。実際、今のところいいことしかありません。でも条件がいいから入りたかったわけではなくて、Kyoyaも相当迷っていたというか、怖がっているようにも感じました」
事務所に入れば、良くも悪くも環境が変わる。怖いと感じること自体は不思議ではない。
しかし、怖いと感じるくらいならば入らなければいいのではと思ってしまうが、それでも入りたい何かがあったのだろうか。
「どういうことでしょう……」
「真実は俺にもわかりませんが、俺はKyoyaが生きてきた環境をある程度知っていますから、大体の想像はできます。でもそれが原因で歌に寂しさが乗ってしまうのなら、克服できるかはKyoya次第です。俺にはどうすることもできません」
「そう、ですか……」
一体、Kyoyaさんは何を抱えているのだろう。一体何が、あの人を寂しがらせているのだろう。
その寂しさを埋める手伝い程度でも、翔にできることはないのだろうか。
赤信号で止まった時、ちらりと助手席のKyoyaさんの横顔を見る。眠っているその顔はいつも通り美しくて、眺めているだけでは寂しさの理由など感じられるはずもない。
その寂しい歌声に惹かれた翔としては、克服してその全てが失われてしまうのは悲しいことだ。
だが、その寂しさを埋めたいと思ったのも事実だ。
それを自在に表現に組み込み、本当の意味での魅力にできたら、どんなに素晴らしいだろう。
いつかそんな日が来たならば。自分の歌を嫌いだと言ったKyoyaさんが、心から笑って歌える日が来たならば。
それがただの願いで終わらないことを、翔は澄んだ快晴の空に祈った。
リハーサルの演奏すら凄くて感動しそうになったのに、本番は更に熱量が増し、スタジオが震えるほどに感じた。
しかし何度聞いても、やはりKyoyaさんの歌声が一番耳に残る。ボーカルに一番注目すること自体は珍しくもないことだと思うが、そういうことではなくて、他のたくさんのアーティストの声を聞いた後でも、Kyoyaさんの歌が一番心に残っているのだ。
やっぱり好きだなぁと思いながら、帰り道、疲れてみんなが寝てしまっている車の中で、翔は小さく歌を口ずさんでいた。
歌ってみて初めて知ったが、異常なほど音域が広い。翔では高音も低音も出せず、どうしたらあんなに伸びやかに歌えるのかと感心した。
するといつの間にか、そこに綺麗なコーラスが重なってくる。
ミラーを確認すれば、Koheiさんが合わせてコーラスを歌っていた。
「こ!……Koheiさん……。起きてたんですか?」
咄嗟に叫びそうになって、しかし皆さんを起こすまいと声を潜める。
Koheiさんは何も言わずに微笑んだ。
「すみません、もしかして起こしました?」
「いえ。腹減って起きちゃっただけです」
確かに、あれだけすごい熱量で演奏したのだ。お腹も空くだろう。
Koheiさんはキーボードだけでなく、コーラスも歌っているから尚更だ。
「Kyoyaの歌のこと、泣いてるみたいって言ってましたよね」
唐突に、Koheiさんはそう聞いてきた。
「う……。すみません。否定するつもりではなかったんです」
「素直にそう思ったんでしょう?言いたいことはわかります」
てっきり怒られるかからかわれるかすると思ったのだが、Koheiさんは意外にも、翔の意見に賛同してくれた。
「わかりますか……?誰に聞いても気のせいだって言われるんですけど」
「俺もそう感じることはありますから。本当に微かに、ですけど」
Koheiさんも感じていて、Kyoyaさんも自覚があると言っていた。やはり、翔の気のせいではない。
あの寂しさの理由を、Koheiさんは知っているのだろうか。
「どうしてそう聞こえるんでしょう……。わざとではないんですよね?」
「ええ。むしろKyoyaはそれを嫌っています。無くしたいと思っているし、多分Kyoyaは、その原因に心当たりがあるんだと思います」
「え……。そうなんですか?」
Kyoyaさんほど器用に歌える人なら、原因がわかっていれば解決できそうな気がするのだが、できないのだろうか。
一体、何が原因なのだろう。わかっていても、どうにもできないことなのだろうか。
Koheiさんは静かに言葉を続ける。
「昔はそんなことはなかったんです。でもその頃のKyoyaの歌は、心に響かせるにはどこか少し足りなくて、今ほどの奥行きは出せませんでした。去年の冬ごろからそれを克服し始めて、今年の春にテレビ番組に出た時には、今の歌い方になっていました。
その時歌ったのは失恋の曲だったので、当然そこには寂しさが乗ります。だからその時はそんなに気にしていなかったし、弱点を克服できたんだと思っていました」
今年の春といえば、丁度翔がMusic Sparkで聞いた頃だ。
あれはとても心に響く歌だったし、寂しさが上手く噛み合っていた気がする。
「しかし、事務所に入った頃からでしょうか。その寂しさが顕著に出始めたんです。余程聞き慣れていないと違いはわからないかもしれませんが、前以上に届けたい意志を強く感じられます。
そもそも、俺たちは事務所への所属には消極的でした。事務所に入って行動が制限されるよりは、フリーで自由にやっていたいと、メンバーみんなで話し合って決めて、どんな大手に誘われても、Kyoyaは俺たちにいちいち相談せず断ってきました。ですが、ファミーユミュージックに誘われた時だけ、"Kyoyaは考えさせてください"って言ったんです。
条件が悪くなかったのはあるでしょう。方向性は自由なまま、事務所に所属していないと入ってこない仕事が増えて、スケジュール管理も向こうがやってくれるようになる。おいしい話だったと思います。だけどそれ以上に、Kyoyaがこの事務所に拘る理由があるように感じました」
「拘る、理由……?」
翔が見る限りは、ファミーユミュージックはそこまで特別他の事務所より条件がいいわけではないと思う。
こう言っては悪いが、規模もそんなに大きくはない。設立して二十五年くらいだが、ざっと調べた限り、二回ほど不況にも陥っている。
社長の人柄はいいが、決して安定している会社とは言えない。
一体Kyoyaさんは、この事務所の何に拘ったのだろうか。
「Kyoyaが入りたい理由は察しがついたので、社長に詳しく話を聞いた上で、所属することに決めました。実際、今のところいいことしかありません。でも条件がいいから入りたかったわけではなくて、Kyoyaも相当迷っていたというか、怖がっているようにも感じました」
事務所に入れば、良くも悪くも環境が変わる。怖いと感じること自体は不思議ではない。
しかし、怖いと感じるくらいならば入らなければいいのではと思ってしまうが、それでも入りたい何かがあったのだろうか。
「どういうことでしょう……」
「真実は俺にもわかりませんが、俺はKyoyaが生きてきた環境をある程度知っていますから、大体の想像はできます。でもそれが原因で歌に寂しさが乗ってしまうのなら、克服できるかはKyoya次第です。俺にはどうすることもできません」
「そう、ですか……」
一体、Kyoyaさんは何を抱えているのだろう。一体何が、あの人を寂しがらせているのだろう。
その寂しさを埋める手伝い程度でも、翔にできることはないのだろうか。
赤信号で止まった時、ちらりと助手席のKyoyaさんの横顔を見る。眠っているその顔はいつも通り美しくて、眺めているだけでは寂しさの理由など感じられるはずもない。
その寂しい歌声に惹かれた翔としては、克服してその全てが失われてしまうのは悲しいことだ。
だが、その寂しさを埋めたいと思ったのも事実だ。
それを自在に表現に組み込み、本当の意味での魅力にできたら、どんなに素晴らしいだろう。
いつかそんな日が来たならば。自分の歌を嫌いだと言ったKyoyaさんが、心から笑って歌える日が来たならば。
それがただの願いで終わらないことを、翔は澄んだ快晴の空に祈った。
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