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恭哉さんの口調は終始穏やかだった。まるで、息子のことを語った時の社長のように。
翔はただ悲しくて、聞いているのが苦しくなった。
本当は、息子さんに会ったら叱ってやろうと思っていた。お父さんはずっと息子さんのことを思っていたのに、どうして黙って出て行ったんだと。
けれど、それはあくまで社長の主観で見た話だった。
互いに相手を思って取った行動が、ことごとく裏目に出ている。
涙が止まらなくなった。あまりにも悲しいすれ違いだった。
どうして。素直になれば全部解決することなのに。大切な家族なんだと、大好きなんだと、そう伝えれば済む話なのに。
歌から漏れ聞こえた悲しみは、翔の予想を遥かに超えるほどの苦しみだった。
すすり泣く翔に、恭哉さんがタオルを差し出した。
「どうして高木さんが泣くんですか」
翔はタオルを受け取り、目を覆って首を横に振った。
「違うんです……。忘れてなんてないです。息子さんだって、恭哉さんだってわかって楽屋に行ったって言ってました。本当にただ、虐待に気づいていなかっただけなんだって。大学を卒業して、帰って来ないことを心配して探し回って、警察に相談するか迷ったところで、初めて娘さんから事情を聞いて、声が枯れるほど泣いたって……」
「……無理して慰めなくていいですよ」
恭哉さんの立場からしたら信じられないかもしれない。だけど、社長が嘘を言っているとは到底思えなかった。
「違います!」
ほとんど衝動で叫んだ。
社長の思いを知ってほしかった。恭哉さんに、愛されることを諦めないでほしかった。すれ違ってしまったけど、今からだってやり直せるんだと思ってほしかった。
「社長は本当に恭哉さんを大切に思っているんです!二度目の離婚だって、恭哉さんとの繋がりを守るためだったんです!会社が傾いて収入が減って、奥さんは家を売ろうって言ったけど、社長は、もしかしたら息子が帰ってくるかもしれないから売りたくないって、家だけが、息子と自分を繋ぐ最後の希望だからって、それで……」
「……は?」
恭哉さんは、あからさまに顔色を変えた。
驚いていうような、疑っているような、憤怒にも似た表情だった。
「……それはあまりにも笑えない冗談ですね」
動揺を抑えるように、怒りにも似た声で、恭哉さんはそう言った。
最初に翔に見せたものと似たすごみ。強い迫力に押されそうになったが、翔は負けるわけにはいかなかった。
「冗談じゃないんです!冗談でこんなことを言う度胸オレにはないです!確かに恭哉さんの行動を都合よく解釈してしまって、幸せな家庭だと信じてしまったり、誕生日にメールを送るのを忘れてしまったり、社長にもめちゃくちゃ落ち度はあります。でも、本当に恭哉さんを大切に思っているんです!恭哉さんの写真、オレが来た時から玄関に飾ってありました!部屋だって毎週掃除してます!いつでも帰って来れるようにって、ベッドも部屋に置いてます!ちゃんと恭哉さんの身長に合わせた大きなベッドで、布団はちゃんと干してるしシーツも洗ってます!本当にそれくらい恭哉さんを思ってるんだって、毎日のように伝わってきます!絶対に作り話なんかじゃない!」
ただ伝われと、それだけを思って、翔は叫ぶように言った。
「オレの言うことを信じろとは言いません。でも、ちゃんと思い返してください。社長が恭哉さんを嫌うような発言をしたことがありましたか?社長のこと、ちゃんと見てましたか?社長は、もっとちゃんと見ていればよかったって言ってました。恭哉さんもそうなんじゃないですか?本当に愛されていなかったら怖いから、目を背けていたんじゃないですか?」
これは翔の想像でしかない。けれど、確信めいたものがあった。
恭哉さんは、基本的には勘のいい人だと思う。ファンやクライアントが求めるものを的確に返すし、翔が失恋に泣いた時も、ぴったりの曲を歌ってくれた。
そんな恭哉さんが、社長の愛情に気づかないわけがない。社長は確かに恭哉さんとすれ違いの生活を送っていたかもしれない。けれど、恭哉さんをないがしろにするような発言は絶対していないはずだ。
社長と楽屋で再会した時だって、社長は感極まって何も言えなかったんだと、冷静な恭哉さんなら察せたはずなのに。
見るのが怖かったのだと思う。正面から向き合って、本当に嫌われていたら、忘れられていたら、立ち上がれなくなってしまうから。
だから先に自分から蓋をした。諦めてしまえば、これ以上傷つかなくて済む。
翔のしていることは、残酷なことなのかもしれない。けれど、向き合った先に、恭哉さんと社長が望んだ未来が確実に待っている。
恭哉さんが言わなかった、「今度こそ」の続き。
それが絶対に叶うと翔は確信しているから、今は傷つけることになったとしても、たとえ嫌われることになったとしても、引き下がることはできなかった。
輝かしい未来があるんだと、諦めなくていいんだと、希望を持ってもらいたかった。
恭哉さんは、思考が止まったように呆然としていた。
「き、恭哉さん……?」
目を開いたまま瞬きもしない様子に、翔は狼狽えた。
言い過ぎてしまっただろうか。大きな声を出して驚かせてしまっただろうか。もしくは滑舌が悪くて何を言っているかわからなかっただろうか。
あまりに動かないものだから心配になり、恭哉さんに向かって手を伸ばした。
その途端、恭哉さんの乾いた瞳から涙が零れた。
「きょ……」
「どうして」
恭哉さんはようやく瞬きをして、自嘲気味に笑った。
「どうして、気付いてほしくないことばかり気付くんですか、あなたは」
そう言って、恭哉さんは表情を隠すように俯いた。
「そうですよ。見ていませんでした。怖かったから。本当に忘れられていたら、本当に愛されていなかったら、もう、生きていけないから」
消えてしまいそうな、死んでしまいそうな声だった。目を離したら窓から飛び降りて、そのままいなくなってしまいそうだった。
翔は中途半端に伸ばしたままだった手を引っ込めようとして、けれどもう一度伸ばして、恭哉さんを抱きしめた。
温かいシャワーを浴びたはずの体は、冷え切っていた。
「……ごめんなさい」
「……どうして、高木さんが謝るんですか」
「社長と恭哉さんに報われてほしいって必死で、恭哉さんの心の痛みをわかってませんでした。ごめんなさい。また傷つけてしまって」
「いいんですよ。そうやって正面から言ってくれる人が、きっと必要だったんだと思います」
恭哉さんが、弱い力で翔を抱き返す。肩に感じる濡れた感触で、泣いているのだとわかった。翔もつられて涙が零れた。
声もなく、身動き一つせず、ただ時計の針の音だけが部屋に響いた。
どれくらいそうしていたのだろう。気付けば話し始めた時から一時間が経過している。
少し落ち着いたようで、恭哉さんはゆっくりと腕をほどいた。
明日は仕事はないが、朝食の時間を考えるともう寝なければならない。
下を向いたままの恭哉さんに何と言葉をかけたらいいか分からなくて、今はそっとしておくべきかと思い、翔は自分のベッドに上がろうと背を向けた。
しかし袖を引っ張られるような感覚がして振り返れば、恭哉さんが翔の服の袖を摘まんでいた。
「……一緒に、寝てくれませんか。狭いけど」
翔は理由を聞かず、「はい」とだけ答えた。
恭哉さんが自分のベッドに入り、翔もその隣に潜り込む。
シングルベッドに男二人は狭いし、耐荷重が何キロか分からない以上やめた方がいいのかもしれない。
けれど、今の恭哉さんを一人にはできなかった。
これ以上、些細な悲しみでも背負ってほしくなかった。
傷ついてほしくない。できることなら、その痛みを分けてほしい。
温もりを求めるように、恭哉さんが翔を抱き寄せる。翔はされるがまま、その胸に体を預けた。
「……なあ」
恭哉さんの少し甘えたような声に視線を上げる。その顔は少し不安そうだった。
「翔って、呼んでいいか?俺にも敬語使わなくていいから」
「オレは年下ですし、そういうわけにも……」
「二人の時だけでもいいから。駄目か……?」
悲しそうに、捨てられた子犬のような顔でそんなことを言う。
とても断る気になれなくて、翔はうなずいた。
恭哉さんはほっとしたように微笑んで、翔の頭を抱いた。
翔の耳元が、ちょうど恭哉さんの胸に当たる。トクントクンと、穏やかな心音が響く。
たったそれだけのことに安心して、翔は目を閉じた。
少しは、恭哉さんの寂しさが埋まればいいと祈りながら。
翔はただ悲しくて、聞いているのが苦しくなった。
本当は、息子さんに会ったら叱ってやろうと思っていた。お父さんはずっと息子さんのことを思っていたのに、どうして黙って出て行ったんだと。
けれど、それはあくまで社長の主観で見た話だった。
互いに相手を思って取った行動が、ことごとく裏目に出ている。
涙が止まらなくなった。あまりにも悲しいすれ違いだった。
どうして。素直になれば全部解決することなのに。大切な家族なんだと、大好きなんだと、そう伝えれば済む話なのに。
歌から漏れ聞こえた悲しみは、翔の予想を遥かに超えるほどの苦しみだった。
すすり泣く翔に、恭哉さんがタオルを差し出した。
「どうして高木さんが泣くんですか」
翔はタオルを受け取り、目を覆って首を横に振った。
「違うんです……。忘れてなんてないです。息子さんだって、恭哉さんだってわかって楽屋に行ったって言ってました。本当にただ、虐待に気づいていなかっただけなんだって。大学を卒業して、帰って来ないことを心配して探し回って、警察に相談するか迷ったところで、初めて娘さんから事情を聞いて、声が枯れるほど泣いたって……」
「……無理して慰めなくていいですよ」
恭哉さんの立場からしたら信じられないかもしれない。だけど、社長が嘘を言っているとは到底思えなかった。
「違います!」
ほとんど衝動で叫んだ。
社長の思いを知ってほしかった。恭哉さんに、愛されることを諦めないでほしかった。すれ違ってしまったけど、今からだってやり直せるんだと思ってほしかった。
「社長は本当に恭哉さんを大切に思っているんです!二度目の離婚だって、恭哉さんとの繋がりを守るためだったんです!会社が傾いて収入が減って、奥さんは家を売ろうって言ったけど、社長は、もしかしたら息子が帰ってくるかもしれないから売りたくないって、家だけが、息子と自分を繋ぐ最後の希望だからって、それで……」
「……は?」
恭哉さんは、あからさまに顔色を変えた。
驚いていうような、疑っているような、憤怒にも似た表情だった。
「……それはあまりにも笑えない冗談ですね」
動揺を抑えるように、怒りにも似た声で、恭哉さんはそう言った。
最初に翔に見せたものと似たすごみ。強い迫力に押されそうになったが、翔は負けるわけにはいかなかった。
「冗談じゃないんです!冗談でこんなことを言う度胸オレにはないです!確かに恭哉さんの行動を都合よく解釈してしまって、幸せな家庭だと信じてしまったり、誕生日にメールを送るのを忘れてしまったり、社長にもめちゃくちゃ落ち度はあります。でも、本当に恭哉さんを大切に思っているんです!恭哉さんの写真、オレが来た時から玄関に飾ってありました!部屋だって毎週掃除してます!いつでも帰って来れるようにって、ベッドも部屋に置いてます!ちゃんと恭哉さんの身長に合わせた大きなベッドで、布団はちゃんと干してるしシーツも洗ってます!本当にそれくらい恭哉さんを思ってるんだって、毎日のように伝わってきます!絶対に作り話なんかじゃない!」
ただ伝われと、それだけを思って、翔は叫ぶように言った。
「オレの言うことを信じろとは言いません。でも、ちゃんと思い返してください。社長が恭哉さんを嫌うような発言をしたことがありましたか?社長のこと、ちゃんと見てましたか?社長は、もっとちゃんと見ていればよかったって言ってました。恭哉さんもそうなんじゃないですか?本当に愛されていなかったら怖いから、目を背けていたんじゃないですか?」
これは翔の想像でしかない。けれど、確信めいたものがあった。
恭哉さんは、基本的には勘のいい人だと思う。ファンやクライアントが求めるものを的確に返すし、翔が失恋に泣いた時も、ぴったりの曲を歌ってくれた。
そんな恭哉さんが、社長の愛情に気づかないわけがない。社長は確かに恭哉さんとすれ違いの生活を送っていたかもしれない。けれど、恭哉さんをないがしろにするような発言は絶対していないはずだ。
社長と楽屋で再会した時だって、社長は感極まって何も言えなかったんだと、冷静な恭哉さんなら察せたはずなのに。
見るのが怖かったのだと思う。正面から向き合って、本当に嫌われていたら、忘れられていたら、立ち上がれなくなってしまうから。
だから先に自分から蓋をした。諦めてしまえば、これ以上傷つかなくて済む。
翔のしていることは、残酷なことなのかもしれない。けれど、向き合った先に、恭哉さんと社長が望んだ未来が確実に待っている。
恭哉さんが言わなかった、「今度こそ」の続き。
それが絶対に叶うと翔は確信しているから、今は傷つけることになったとしても、たとえ嫌われることになったとしても、引き下がることはできなかった。
輝かしい未来があるんだと、諦めなくていいんだと、希望を持ってもらいたかった。
恭哉さんは、思考が止まったように呆然としていた。
「き、恭哉さん……?」
目を開いたまま瞬きもしない様子に、翔は狼狽えた。
言い過ぎてしまっただろうか。大きな声を出して驚かせてしまっただろうか。もしくは滑舌が悪くて何を言っているかわからなかっただろうか。
あまりに動かないものだから心配になり、恭哉さんに向かって手を伸ばした。
その途端、恭哉さんの乾いた瞳から涙が零れた。
「きょ……」
「どうして」
恭哉さんはようやく瞬きをして、自嘲気味に笑った。
「どうして、気付いてほしくないことばかり気付くんですか、あなたは」
そう言って、恭哉さんは表情を隠すように俯いた。
「そうですよ。見ていませんでした。怖かったから。本当に忘れられていたら、本当に愛されていなかったら、もう、生きていけないから」
消えてしまいそうな、死んでしまいそうな声だった。目を離したら窓から飛び降りて、そのままいなくなってしまいそうだった。
翔は中途半端に伸ばしたままだった手を引っ込めようとして、けれどもう一度伸ばして、恭哉さんを抱きしめた。
温かいシャワーを浴びたはずの体は、冷え切っていた。
「……ごめんなさい」
「……どうして、高木さんが謝るんですか」
「社長と恭哉さんに報われてほしいって必死で、恭哉さんの心の痛みをわかってませんでした。ごめんなさい。また傷つけてしまって」
「いいんですよ。そうやって正面から言ってくれる人が、きっと必要だったんだと思います」
恭哉さんが、弱い力で翔を抱き返す。肩に感じる濡れた感触で、泣いているのだとわかった。翔もつられて涙が零れた。
声もなく、身動き一つせず、ただ時計の針の音だけが部屋に響いた。
どれくらいそうしていたのだろう。気付けば話し始めた時から一時間が経過している。
少し落ち着いたようで、恭哉さんはゆっくりと腕をほどいた。
明日は仕事はないが、朝食の時間を考えるともう寝なければならない。
下を向いたままの恭哉さんに何と言葉をかけたらいいか分からなくて、今はそっとしておくべきかと思い、翔は自分のベッドに上がろうと背を向けた。
しかし袖を引っ張られるような感覚がして振り返れば、恭哉さんが翔の服の袖を摘まんでいた。
「……一緒に、寝てくれませんか。狭いけど」
翔は理由を聞かず、「はい」とだけ答えた。
恭哉さんが自分のベッドに入り、翔もその隣に潜り込む。
シングルベッドに男二人は狭いし、耐荷重が何キロか分からない以上やめた方がいいのかもしれない。
けれど、今の恭哉さんを一人にはできなかった。
これ以上、些細な悲しみでも背負ってほしくなかった。
傷ついてほしくない。できることなら、その痛みを分けてほしい。
温もりを求めるように、恭哉さんが翔を抱き寄せる。翔はされるがまま、その胸に体を預けた。
「……なあ」
恭哉さんの少し甘えたような声に視線を上げる。その顔は少し不安そうだった。
「翔って、呼んでいいか?俺にも敬語使わなくていいから」
「オレは年下ですし、そういうわけにも……」
「二人の時だけでもいいから。駄目か……?」
悲しそうに、捨てられた子犬のような顔でそんなことを言う。
とても断る気になれなくて、翔はうなずいた。
恭哉さんはほっとしたように微笑んで、翔の頭を抱いた。
翔の耳元が、ちょうど恭哉さんの胸に当たる。トクントクンと、穏やかな心音が響く。
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