勇者パーティーの賢者、女奴隷を買って無人島でスローライフする

黒須

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一章

第7話 奴隷商会会長と元A級冒険者

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 色々聞いてくる店員の精霊眼に関する質問だけ無視して奴隷購入を続けた。そして全部で10人奴隷を買った。

 追加で買ったのは兎族、猫族、犬族、赤髪の人族、青髪の人族3人である。

 全員10歳前後の子供だ。
 ここではっきりさせておく、俺はロリコンではない。
 だから俺の前にいる10人の奴隷を見ても性的な興奮は全くしない。容姿が美しいとかそいう美的評価はしているが、性的な魅力はゼロだ。

 だが、それでいい。
 買った奴隷で速攻性を発散するつもりはないからだ。そもそもそういう目的なら娼館に行けばよい。シワシワのお婆さんになって人生を全うするまで面倒を見ないといけないかもしれない奴隷をわざわざ買う必要はないのだ。


 さて、そろそろ店側からリアクションがあると思っていたが、……来たな。

 仕立ての良い服を着た60歳前後の男が、数人のお供を連れてこちらに歩み寄り俺の前で足を止めた。

「わたくしはマデンラ商会会長、ハルベリック・マデンラと申します。本日は当店のご利用まことにありがとうございます」

「こちらも良い買い物をさせてもらいました。感謝致します」

 俺の言葉に会長はニヤリと笑う。
 会長のお出ましか。ふっ、都合が良い。俺も笑みを漏らす。

 しかし、囲まれているな。物陰に隠れているが相手は手練れが10人。かなりの実力者だ。
 常に微弱に張り巡らせている俺の探知魔法で殺意までまる分かり。

 他の客を事前に遠ざけ人払いしている。どうやら交渉の余地はないようだ。

 このパターンも想定していたが、できれば交渉で目的を達成したい。外の檻にいるヴァンパイア少女を無料で頂くという目的を。

「これはご丁寧なお言葉痛み入ります。ところで大変恐縮なのですが、そちらの魔族の少女の件で当店に不手際がございまして、適正価格で販売されておりませんでした。よって、返品して頂くか、適正価格で再度購入して頂きたいのです。ふふん」

「適正価格?」

「ええ、精霊眼の能力によって定めますが、最低30億グランです」

「バカバカしい。契約は既に成立しています。応じる積もりはない」

 俺の言葉で会長は笑みを浮かべ右手を挙げた。

「もう良いでしょう。出てきてくだい」

 その合図で物陰に隠れていた手練れ共が姿を現し俺を囲った。
 リーダー格と思われるおっさんの顔半分にはスズメバチの様な刺青が入っている。他のメンバーも首や腕に同様の刺青を入れている。そしてリーダー格の顔刺青男がヘラヘラ笑いながら俺に言う。

「俺たちは元Aランク冒険者パーティー、キラービー傭兵団だ。お前たちにコイツを張る。うっかり殺しちまうから暴れるなよ」

 そう言って見せてきたのはスマホサイズの木板。奴隷紋のスクロールだ。
 それが11枚ある。

「お前が買った奴隷も上書きさせてもらうぜ」

 買った奴隷は10人、俺を入れて11人分奴隷紋スクロールを用意したってわけか。

「一国に10組いないAランク冒険者パーティーが何故こんなところにいるんですか?」

「あ゛?んなもん、俺らはモンスターを殺るより人を殺る方が好きだからに決まってるだろうが?」

「「「「ギャッハハハハハハッ!」」」」

 他のメンバーが一斉に笑った。

「リーダー、心の声漏れてるぜ。女も食い放題だしな」
「テメーが買った奴隷も後で俺らが好きにしていいそうだ。お前の代わりにたっぷりいたぶってやるから安心しろよ」
「俺はガキもいけるからよ。楽しみだぜ」
「お前はすぐぶっ壊して廃棄処分にするだろうが。昨日の奴隷も一日でダメにしやがって」

 ちっ、とんでもないクズ共だな。
 騙し盗み奪い犯し殺す。この世界にはそんな奴らがうじゃうじゃといる。そのせいで弱い者は全てを奪われる。

 俺は会長を冷めた目で見て言う。

「会長さん、俺や俺の奴隷に危害を加えないならこいつ等は殺さず生かしてやりますよ。それと、この奴隷商会にいる体の悪い奴隷を全員治療してやるので、対価として外にいるヴァンパイア少女を無償で譲ってくれませんか?」

「「「「ギャーッハハハハハハッ!!!」」」」

「こいつバカか?」
「お前なんて簡単に殺せるんだぜ?」
「なぁハルベリックさん、こいつ先に半殺しにしてから奴隷紋張ろうや」

 会長は余裕の笑みを浮かべキラービーのメンバーに答える。

「ふふん、構いませんが殺さないでくださいよ」
 それから俺に向かって。
「安心してください。貴方はどうやら高位の回復魔法師のようですので、奴隷にして一生ここで扱き使ってあげますよ」

「そういう事だ、兄ちゃん。んじゃ俺はやること無さそうだから先にこいつと楽しませてもらうぜ」

「ちょ、やっ、やだ!こわい!離してッ!」

 キラービーメンバーの大男がさっき両腕を再生させたエルフ少女の腰に、彼女の胴体と同じくらい太い腕を回し軽々と担ぎ上げた。

 はぁー、善意で警告してやったのに。

「やるしかないか」

 俺は呟いた。


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