元Sランククランの【荷物運び】最弱と言われた影魔法は実は世界最強の魔法でした。

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第一章 大迷宮クレバス

41話 アイリスへの説明

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「おはようアイリス」

「おはようございますファイクさん」

 こちらの声に気づいてホッと安堵した様子のアイリスが小走りで席までやってくる。

「お待たせしてしまい申し訳ありません」

「いや。俺も来たばかりだし気にしないで」

 時間ちょうどに到着したと言うのに律儀に頭を下げるアイリスにそう言って頭を上げてもらう。

 適当な飲み物を注文して向かいの席に着いてもらう。

 時刻はちょうど午前10時を回ったばかり。昨日の約束通り俺は探索者協会の中に併設してある酒場でアイリスと落ち合う。

 いつも時間関係なく忙しない探協も唯一この中途半端な時間帯はのんびりとした雰囲気だ。
 受付のカウンターには人は疎らで、この酒場も俺たち以外には片手で足りるほどの人間しか座っていない。

「……それで、お話と言うのは?」

 辺りの様子を確認しているとモジモジと落ち着かない様子のアイリスが話を切り出す。

 ふむ。
 とりあえずこの酒場で落ち合って、人のいない場所に移動して話をしようと思っていたが、この程度の人数ならば問題は無いか。

 念には念で支配領域で座っている席の周りの音を遮断すれば、遠くは疎か近くからでも盗聴は防げる。

 何よりアイリスの落ち着かない様子から察するに昨日からどんな話をされるのか気になっているみたいだし、焦らすのも申し訳ない。

「……そうだな。さっそく本題に入ろうか──」

 そそくさと注文した飲み物を持ってきた酒場の受付嬢が席から離れるのを確認して、支配領域を座っている席の半径2mに指定して広げる。

 身体に魔力を熾して準備は整う。どんな属性魔法でも使うことの出来る基礎魔法、簡易的な魔法結界は一瞬にして出来上がる。

 それにより俺たちの話し声は勿論、外の音をも遮断する。

 これは心像によって様々な効果を付与して指定した範囲を囲う魔法だ。主な用途は探知や索敵で使われる。

 普通はもっとしっかりとした心像が必要なのだが、俺の場合は影による支配領域の応用で簡単にこのようなことが出来る。
 これもリイヴから教えてもらった『知識』の一つだ。

 ……よし、これでゆっくりと話をしても問題ないな。

 しっかりと効果が機能していることを確認してから俺は話を続ける。

「──と、その前に確認して置くことがあるんだ。今から話すことはアイリスを死地へと、死線へと巻き込むことになる。俺の本心としてはアイリスには平和な、何も知らなくていい幸せな世界にい続けて欲しい。けれど俺には、一年間もずっと待ていてくれた君に話さなくちゃいけない義務がある。"だから確認だ。今言ったことを踏まえてそれでも話を聞く覚悟はあるか?"」

 声にアイリスでは到底耐えることは出来ない魔力を込めて、態と脅しをかける。アイリスならばノータイムで俺の話を聞くと言うだろう。それは駄目だ。覚悟が無いとは言わないが、俺の話だからと考え無しにこの話は聞いて欲しくない。
 だから勝手ながら試させてもらう。彼女がこの圧に耐えてでも聞きたいと言うのならば俺はこれ以上迷わない。
 この質問を最後に、俺は全ての事を話そう。これが昨日の夜から……今話すまでに考えた末の結論だ。

 『魔力耐性』が皆無な人間は勿論、アイリスも例に漏れず最後に放った言葉を聞けば一瞬で卒倒する魔力圧。

「ッ…………はい、あります。もう一人は嫌です。私はファイクさんと……あなたと永遠に一緒にいたいです。あなたが嫌だと言っても私は絶対に離れません」

 しかし、それでも彼女は歯を食いしばりこの質問に耐えてみせる。
 彼女の口端からは血が流れている。無意識に唇の端を噛んで痛みで正気を保ったのだろう。

 かなり荒業だが大したものだと感心せざるを得ない。単純な痛みなどでは耐えられないほどの魔力圧をかけたつもりだったがそれでもアイリスはこの質問に耐えた。それほどの覚悟が彼女の中にあるのだと確信に変わる。

「……うん。わかったじゃあ話そう。俺がこの一年間も含めて今まで何をしてきたのか───」

 そこから俺はアイリスに俺が今まで話してこなかったことも含めて全ての事を話した。

 影魔法、スカーとの出会いから始まり、俺とスカーの目的、50階層でのこと、転移魔法で深層51階層に飛ばされそこから地上に戻るまでの日々のこと、そこで沢山の死ぬ思いをしたことや、本当の最終階層である100階層で生命の賢者リイヴ・エルガルドと出会ったこと、大迷宮の本当の目的、失われた過去の歴史、継承者のこと等、なるべくアイリスの混乱を招かないようにと分かりやすく説明をした。

 最初は信じてもらえるか不安もあったがそれは杞憂だった。
 アイリスは終始俺の説明を静かに、決して疑うような表情ではなく真剣に説明を聞いてくれた。

「───とりあえずざっと今話したことが俺が今まで体験してきたことの全部だ。俺が最初に念を押して聞いた理由はそういう事なんだ。突拍子も無さすぎて混乱するだろうけど、多分それもこれから旅を続けていく中で無くなっていって、俺の言っていたことがわかるようになると思う」

「………」

 一体どれほどの時間話していたのだろうか。気がつけば喉はカラカラに乾いて、とっくの前に温くなってしまった飲み物で喉を潤す。

 アイリスは今の俺の説明を頭の中で整理しているのか、説明が終わっても一言も言葉を発っそうとはしない。

「多分……というか絶対に今の一回で全部理解するのは無理だから、気になったことがあったらいつでも質問してくれ。俺の答えられる範囲でなんでも答えるよ」

 こんな御伽噺よりもチンケな話を最初から何も疑わず信じてくれようとしているアイリスに感謝しつつも俺はアイリスに声をかける。

「それでは質問いいですか?」

 するとアイリスは今までの思案顔をやめると、こちらに視線を向けてくる。

「ああ。なんでもバッチコイだ」

「その、スカーと言う魔法使いは今ままでもファイクさんの影の中にいたんですよね? しかも一度私の前で声を発したこともあると……どうして私はその人の声を聞くことが出来ないのでしょうか?」

 そうしてアイリスの口から出たのはスカーについての質問だった。

 今現在、俺の影の中にいるスカーの気配を感じ取ることが出来ないアイリス。
 この話を信じる、信憑性を上げる一番手っ取り早い方法は実際にスカーの存在をアイリスに証明することだ。

 彼女なりに情報を整理した上でこの疑問に行く着くのは納得出来る。
 今話した内容の中で今すぐに証明出来ることはスカーの事しかないからな。

「理由は簡単だよ。今のアイリスにはスカーの魔力を感じ取るほどの『魔力感知』の能力が備わってないんだ」

「魔力感知……それはいったい?」

 聞き馴染みのない単語に首を傾げるアイリスに俺は説明を続ける。

 どうしてリイヴやカルミナティにはスカーの声や気配、影の姿を感じることが出来て、アイリスには出来ないのか。この理由は単純だ。

「言葉の通り魔力を感知する力の事だよ。俺の影の中に住んでいるスカーは元は普通の人間だけど、今は影の中に住んでいて、影そのもので、魔力の塊みたいなものなんだよ。アイリスは魔力を感じたことはある?」

「魔力を、ですか…………魔導具を使う時でしょうか?」

「うん、そうだね。現代人が魔力を一番感じる瞬間は魔導具を使う時だろうね。逆にそれ以外は魔力を感じる瞬間は皆無と言っていい」

 戸惑いながらも答えたアイリスの答えに首肯する。

「魔導具なんて存在しなかった昔の時代の魔法使い達は常に外や体内の魔力を感じ取っていたんだ。彼らにとって魔法を使うということは魔力を感じることから始まる。『魔力感知』というのはその外や体内の魔力を感じ取るセンサーの事だね。アイリスは……というか現代人はこのセンサーを使うことが無さすぎる所為か全く魔力を感知する力が欠如しているんだ」

 現代人に取って魔力とは感じるものではなく、吐き出し、流すものになっている。魔導具に魔力を流せば勝手に魔法は発動してしまう。自身の体内にある魔力は辛うじて感じることは出来ても、外や他人の魔力を感じ取る力は全く無い。

「じゃあその『魔力感知』が全く無い私は一生スカーさんの声を聞くことが出来ないのでしょうか?」

「いいや、そんなことないよ。この『魔力感知』は使い方を覚えて、使えば使うほど発達していくものなんだ。だから練習すればアイリスにもスカーの声は聞こえるようになるよ」

 この『魔力感知』は『魔力耐性』と同様、使えば使うほど身体はその感覚に慣れていって性能が上がっていく。
 スカーの気配を感じ取れるまでにはそれなりの鍛錬を必要とするが、アイリスに不可能なことでは無い。

 これもリイヴの『知識』の一つだ。

「……これは後で言おうと思ってたんだけど、アイリスにはそのうち本当の魔法の使い方を覚えてもらう」

「……本当の魔法」

「さっきも言ったけどこれからの旅はとても危険なものだ。俺がいつもアイリスを守ってあげられるとも限らない。アイリスには最低限自分で自分の身を守ってもらう必要がある。その上で魔導具に頼った魔法じゃなくて、旧代の……本来の魔法の習得は必要不可欠なんだ。だからそのつもりでお願いね」

 これはこの話をすると決めた時点で決めていたことだ。寧ろ、アイリスを連れて行く条件として本当の魔法を習得できることは絶対だ。

「……はい。分かりました」

 俺の提案に、魔導具以外の魔法を使うイメージが湧かないのかアイリスの返事は覇気がない。

 まあ、この反応は妥当といえば妥当だ。俺も最初は自分が本当に魔法を使えるなんて信じられなかったしな。

「まあちょっと話がズレちゃったけど、そういった理由で今のアイリスにはスカーの声は聞こえない。オーケーかな?」

「あっ、はい。ありがとうございます」

 未だ要領を得ていない様子のアイリスは何とか頷いて見せる。

 うん。こればかりは実際に色々と見て体験してみなきゃなんとも言えないよな。これは早急に鍛錬を開始しなければ。

 彼女の反応にそんなことを考えながら壁に立てかけられた時計に目をやると時刻は午前11時50分。もう12時を回ろうとしていた。

「えーと……他に今すぐ聞きたいこととかある?」

「いえ。今の話を聞いて実際に体験しなければ分からないことだらけだと分かったので特にはありません」

 アイリスは俺と同じことを思っていたようで被りを振る。

「まあそうだよね……それじゃあ真面目な話は一旦終わりにしてお昼にしようか。時間もちょうどいいしね。その後は受付で色々と手続きをしようと思ってたんだけどいいかな?」

 支配領域を解いて内と外の音の遮断を解除する。
 気がつけば先程までガラガラだった酒場の席は沢山の探索者達で埋め尽くされている。

「手続きですか?」

「うん。世間一般的にはまだ俺は死んだことになってるからそこら辺のね」

「あっ」

 アイリスは俺の言葉で色々と察してくれる。

「そゆこと……もし、何か用事があるなら全然無理しなくていいけど──」

「──いえ。絶対にご一緒します」

「そ、そっか。それじゃあ軽くここで昼は済ませて手続きしちゃおうか」

「はい」

 食い気味に答えたアイリスに苦笑しつつもそう言って、近くの酒場の受付嬢に声をかけて注文をする。

 まだ帰ってきて一日しか経っていないのだ、やる事はたくさんだ。たくさんだがまずは腹ごしらえが先だ。話つかれたのか異様に腹が空いている。

 新しく貰った水で喉を湿しながら、目の前に座る女の子を何となく見てみると先程までの難しそうな表情から一転、今は楽しそうに鼻歌を歌っている。

「楽しそうだね」

「はいっ。ファイクさんとまた一緒にこうして昼食を取れるのが夢のようで」

「……そっか」

「はいっ」

 花が咲いたように微笑むアイリス。
 何となく、ご機嫌な理由が気になって尋ねてみたが彼女の答えは何ともこちらの顔が熱くなるものだった。

 そうして本当に長い時間、アイリスを待たせてしまったのだと思う。
 こんななんてこのない事でも彼女はこの上なく嬉しそうなのだ。
 そう考えると随分と待たせてしまったものだ。

「……もうこんなことは無いのようにしないとな」

 周りの陽気な笑い声に掻き消された誓いは彼女の耳に届くことは無い。

 それでも彼女の目の前で誓いを立てる。

 酒場はいっそう賑わいを見せていた。
 陽気な笑い声が響く酒場の中で、二人でなんてことの無い会話をしながら注文した料理を楽しみに待つ。

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