元Sランククランの【荷物運び】最弱と言われた影魔法は実は世界最強の魔法でした。

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第二章 大迷宮バルキオン

11話 油断した時に奴らはやってくる

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 最近、この迷宮都市バルキオンに期待のルーキーが現れた。
 そのルーキーはバルキオンに来て約一ヶ月弱で大迷宮の32階層まで攻略して行った。

 恐ろしい速さだ。
 未だかつてここまで早く大迷宮を攻略した奴らは、バルキオンにはいなかった。

 その期待のルーキーのクラン名は、
『静謐なる影法師』と言うらしい。

 人数構成は、迷宮都市クレバスでは名の知れたSランクの女探索者、次いでランクの高いCランクの女探索者に、後はオマケ程度にFランクの男探索者が二人。
 なんともバランスの悪いランク構成だった。

 どう言った経緯でこんなチグハグなクランができたのか気になるところではあるが、それよりも目を引いたのは、SランクとCランクの女二人がとんでもない美人だったことだ。

 調べてみたところ、Sランクの女探索者はクレバスの方では『静剣』と呼ばれ、かなりの実力者。
 Cランクの女探索者は、全くと言っていいほど情報は出てこなかったが、見てくれが良い。

 前述した、異常なまでの攻略速度。
 そしてそこら辺の女とは一線を画す、見目麗しい2人の美人。
 今バルキオンの探索者達は、クラン『静謐なる影法師』に多大なる注目をしていた。

 それこそ、最近攻略階層を更新したSランククランである俺たち、『憤怒の鎌』よりも目立っていた。

 由々しき事態だ。
 バルキオンで長く活動し、素晴らしい功績を記録し続ける俺たちよりも、周りの人間は、ぽっと出の新参者ニュービーに注目していた。

「っ……!」

 久しぶりにプライドが傷つけられた気分だった。
 この迷宮都市で最強の俺たちに挨拶も無く、好き勝手に縄張りを荒らされるのは気に食わなかった。
 気分は最高に最悪だった。

 しかし、それと同時に僥倖でもあった。

 そろそろ最終層に向けて本格的な攻略を再開するつもりだった。
 その為に新しい仲間を2人ほど募集するつもりでもいた。

 そこに丁度よく現れた、十分な実力を持った探索者2人。
 両方とも見てくれは良くて最高に唆る。

 他のクランメンバーであるFランクは雑魚も同然で、あの美女2人を仲間に引き込むことは容易いだろう。

「……良いおもちゃが手に入るかもしれないな」

 思わず緩みかけた頬を引き締める。

「行くぞお前たち」

「ああ」

「分かった」

「……」

 仲間に声を掛けて暗い部屋を出る。

 さて、調子に乗るのもここまでだ新参者ニュービー

 ・
 ・
 ・

「こちらが素材の査定額になります。ご確認ください」

「どうも」

 ニコリと営業スマイルの受付嬢から金袋を受け取る。

 素材をだいぶ溜め込んでた所為か、予想よりも金袋にはジャラジャラと金が詰まっており、ほっこりした気分になってしまう。

 やはり金はいい。
 懐が潤って、なんとも言い表せない全能感を味わわせてくれる。

「それでは、またのご利用をお待ちしております」

「……ありがとうございました」

 金袋を見てウットリしていると、受付嬢のマニュアル通りの挨拶がして、急ぎ足でカウンターを後にする。

 ″やっとスッキリしたな。もう少し影の中はこまめに整理しろ″

「へいへい」

 嗄れた爺さんの清々した声音に適当に返事をする。

 まあ爺さんの文句は最もだ。
 ここしばらく影の中を整理を怠っていたし、怒られても仕方がない。
 ここは黙って聞いてやろう。

 グチグチと聞こえてくるスカーの文句を聞き流し人混みを掻き分けて、酒場で待ってくれているであろう仲間の元へ歩を進める。

 迷宮都市バルキオンに来てから一ヶ月が経った。
 だいぶここでの生活も慣れてきた。
 特質した問題も無く、ある程度ルーティン化してきた日々をここ最近は送っていた。

 朝早くに大迷宮に潜って魔法の修練、それと同時に攻略を進める。
 日が暮れたら大迷宮から出て、飯を食って、明日の準備をして寝る。
 そんでもってたまにアイリスとイチャついて、ラーナとも戯れる。

 そんなことを繰り返していたらもう一ヶ月が経っていた。

 時が進むのは早いもんだ。
 それこそ、何かに集中していればするほど、時間の感覚が希薄になる。
 ここ一ヶ月は新しい大迷宮の攻略や、エルバートに魔法を教えたりと、暇を覚える時間が無かった。

 そんな甲斐あってか、エルバートはスカーを知覚できるようになり、大迷宮の攻略もつい先日の遠征で32階層まで攻略できた。
 今のところ、色々と順調に進んでいた。

 今日は、遠征明けと言うこともあり休息日にした。
 昼前に探協に集合して、大迷宮の攻略で手に入れたドロップアイテムの換金、その金の分配をして、その後は自由行動、
 と言った流れだ。

 ちょうど今、その換金を終わらせたところだ。

「さて、アイリス達は……」

 併設してある酒場まで来て、当たりを見渡す。

 本日も探協の酒場は多くの探索者達で賑わっている。
 ここの雰囲気にもだいぶ慣れてきた。

 数分ほど席の隙間を縫ってアイリス達の姿を探すが、上手いこと見つからない。

「……」

 おかしい。
 いつもならすぐに見つけるか、アイリスが俺を見つけて声をかけてくれるのだが、今日は上手いこと合流できない。

 昼飯時と言うこともあって人の数は常時に比べれば多いが、こんなのはいつもの事だ。
 アイリス達が見つからない理由としては少し弱い。

「無断で酒場からいなくなるはずもないしなぁ~」

 いや、もしかしたら本当に何も言わずに何処かに行ってしまったのかもしれない。
「アイツ遅いから帰ろぜ」
 的なノリで置いていかれたのかもしれない。
 マネギルたちの時はよくあった。

「あ、アニキーーーッ!!」

 なんて思い出したくないことを思い出していると、ここ最近で随分と聞きなれた声が聞こえてくる。

「おお、いたいた。全然見つからないから帰ったのかと思ったぞエルバート」

 声のした方を見遣れば、そこには赤毛の少年が鬼気迫る表情でこっちに走ってきていた。

 こらこら、こんな人がいっぱいいるところで走ったら危ないでしょ。
 他の人にぶつかって、怪我とかしたら面倒でしょ。

 エルバートはそんな俺の心配をよそに、器用に隙間を走り抜けて、何事もなくこっちにたどり着く。

「はあはあ」

 エルバートは肩で息をしながら、依然として焦っている様子だ。
 何をそんなに焦っているのか、その理由を聞いてみる。

「おいおい、そんなに急いでどうしたんだ?何かあったのか?」

「…………はいっ! アイリスとユネルが変なやつらに絡まれてるんです!!」

「変なやつら?」

 呼吸を整えて俺の質問に答えたエルバートに、首を傾げて聞き返す。

「それはつまりあれか、ナンパ的なやつか?」

「は、はい! 4人組の男たちが、アニキの居ないうちにアイリス達に声を掛けて……」

「ほほう。そうか、それはまさにナンパだな」

「な、なんでそんなに落ち着いてるんですか!? アイリス達が危険なんですよ!!」

 エルバートの説明を聞いて納得していると怒られてしまう。

 エルバートからしてみれば、アイリス達がナンパされているのは一大事らしい。
 まあまだ13歳のお子ちゃまだし、親しい人がナンパされたらテンパるか。
 俺も一昔前ならこんな感じで狼狽えていた事だろう。

 しかし、今俺は大人の余裕に満ちていた。

「まあ落ち着けエルバート。そんなに焦る必要は無いし、心配することは無い。
 むしろ俺はアイリス達に声をかけた男達が心配だよ……」

「な、なんでですか!?」

 大人の余裕でエルバートを宥めてみるが、少年は未だ興奮気味だ。
 よろしい。
 ならば理由を言ってやろう。

「アイリスはSランクの探索者だ。人見知りで、コミュニケーション能力はあまり高くないが、何か相手に乱暴なことをされそうになってもそこら辺のチンピラ程度は難なく返り討ちにできる実力がある。
 それに社交的なユネルがいれば、穏便にナンパ野郎を受け流すだろう。
 逆に聞くが、エルバートは何をそこまで焦ってるんだ?」

 むしろ、ナンパ野郎が変にアイリスたちに手を出して、手痛い反撃を喰らっていないか心配だ。
 流血事件は避けたいよ?

「絡まれた相手が面倒な奴らなんですよ!!」

「ふむ。アイリス達に絡んだヤツらはナニモンなんだ?」

「この迷宮都市バルキオンで最強と呼ばれているSランククラン、『憤怒の鎌』って奴らです!!」

「……Sランククラン?」

 エルバートの口から放たれたその言葉を反芻する。
 同時に、背中に嫌な汗が伝った。

「行くぞ!」

「は、はいッ!」

 その次には足は動き出していた。
 エルバートの案内でアイリス達の元へと急ぐ。

 アイリス達の元へは直ぐにたどり着いた。
 酒場の少し奥ばった日陰になっている席に彼女達と、件の男達がいた。

「いいだろ? 同じ高ランクの探索者同士、親睦を深めようって話だ。君たちに損はさせないよ。
 ここの金も持つし、色々と攻略に役立ついい情報を教えるからさ」

「いえ。人を待っているので結構です」

「すみませんがお引き取り下さい」

「……そう言わずにさぁ~────」

 4人組のリーダーらしき男は爽やかな笑みを浮かべて、諦めずにアイリス達に話しかけている。

 どこからどう見てもナンパの現場だ。
 しかし、よく思い浮かべるような、態度悪く言いよったり、気に食わないことがあればすぐ暴力に走るような野蛮なものではなく。
 粘り強く、フレンドリーに誘っている感じだ。

 しつこくアイリス達に声を掛けている男は、高身長でイケメンな好青年と言った感じだ。
 甘いフェイスに、くせっ毛のある茶髪、人あたりの良さそうな笑顔はそれ一つで女を落とすことが出来るだろう。
 周りの取り巻きも顔面偏差値が高く。
 まさにイケメンパラダイス。

 傍から見ればイケメン集団が美女2人を口説く、なんとも絵になる光景だ。
 まあやってることはナンパで、しかも諦め悪くしつこいから、口説かれている当の本人たちは心底鬱陶しいそうだ。

「……」

 一瞬あそこに突っ込んで行くのは場違いではなかろうかと躊躇うが、アイリスの困った顔を見た瞬間にそんな考えは振り捨てる。
 一刻も早く助けに行こう。

「あのー、すみません。俺達の仲間に何か御用でしょうか?」

「あ?」

 努めて笑顔で、紳士的にリーダー格の茶髪の男に声をかける。
 男はこっちに振り返ると、先程までの笑顔から一転して俺達を睨んでくる。

「なんだお前?」

「俺達はそこの2人の仲間です。
 ファイク・スフォルツォと申します」

「ああ。オマケの方か」

「……オマケ?」

 はて、何の話だ?

 男は俺から視線を切ると再びアイリス達の方を向く。

 こちらは名乗ったのに、名乗り返さないとは礼儀のなっていないやつだ。
 というかさっきまでと態度が違いすぎるだろ。

「雑魚のオマケは引っ込んでろ。俺達が用があるのはそこの女性2人だけだ」

「いや、どう見ても困ってるでしょ。目ん玉付いてんの?」

「はっ! 彼女たちは恥ずかしがっているだけさ。今までお前たちみたいな芋男としか喋ったことがないから、俺達を見て驚いているんだ」

「……」

 茶髪をふぁさぁ~と靡かせて、男は訳の分からないことを言い始める。
 アイリス達も思わずキョトンと困り顔だ。

「恥ずかしがってるかどうかは知りませんけど、あなた達の誘いは断られてましたよね?なら潔く諦めたらどうですか?」

「なんでお前に諦めろと言われなきゃいけないんだ!!」

 俺の言葉が癪に障ったのか、すごい剣幕で男は詰め寄ってくる。
 周りの取り巻きも「そうだそうだ!」と、自分たちがさも正しいかのように振舞っている。

 ……何言ってんだこいつら?

 そんな彼らの反応に思わず面食らう。
 なんでここまで堂々と訳の分からない主張をできるのか不思議で仕方がない。

「いや、もともと俺は彼女たちと落ち合う予定でしたし、彼女たちもそう言ってましたよね?
 正直ここでごちゃごちゃ騒がれると迷惑なんで、どこか他の人をナンパしてくれません?」

 だいぶ怒りのボルテージが溜まってきたが、まだ我慢出来る。
 ここは穏便に済ませたい。
 ……済むかなぁ?

「生意気なッ! 
 お前! 俺達が何なのか知っててそんな生意気なこと言ってんのか?」

「えーっと、Sランククランのすごい人たちですよね?」

「そうだ! 少しは自分の立場を考えてから発言をするんだな!
 高ランクの探索者がいるクランに入れてもらって、金魚のフンみたいにお零れもらってる底辺探索者が!」

「ッ……!!」

 おーっとこれまた手厳しいことを言われてしまった。
 まあ傍から見れば俺達のクランはそう見えるよな。

 実際、アイリスの探索者ランクのお陰で好き勝手大迷宮を攻略させてもらってるし、反論はしない。
 けど言葉には気をつけた方がいいぞお兄さん。
 後ろで今まで我慢してくれてたウチのお嬢さんが、今のアンタの発言の所為でもう我慢の限界に達しみたいだ。

「あはは。そうですか、金魚のフンですか──」

 ゆらゆらと亡霊のように気配なく立ち上がったアイリスを見て焦る。

 まずい。
 このままじゃあアイリスが目の前の男を殺してしまうかもしれん。
 何度も言うが流血沙汰は勘弁だ。
 タダでさえ目立っているのに、ここで怪我人なんか出したらどうなることか。

 頭をフル回転させて考える。
 ほとんど不可能だとわかっていながらも、この状況を穏便に済ませる方法を模索する。

「お前たちのような底辺と彼女たちがクランを組んでいては勿体なさすぎる!
 彼女たちには、彼女たちの相応しい居場所があるんだ!
 俺達はそれを提供することが出来る! 高ランクは高ランクどうしで、底辺は底辺どうしで馴れ合うべきなんだ!
 お前みたいな雑魚には彼女は釣り合わない!!」

「……」

 しかし、今の男の言葉で俺にも我慢の限界が来る。

 久方ぶりの感覚だ。
 こいつらと話していると昔の事を思い出す。
 主に一番クズだった時のマネギルたちのことを。

 Sランククランの探索者たちというのは全員がこんな感じで自己中の集まりなのだろうか?
 何奴も此奴も、雑魚だの底辺だの、くだらない。
 やっぱり探索者としての能力は一流でも、人格はFランクだな。

「相手の力量も見定められない雑魚が粋がるなよ?
 お前らのこの都市での立場を気にして、穏便に済ませようとさっきから下手にでてれば──」

「なんだと!?」

「もう我慢の限界だ。
 俺が誰と何をしようがお前たちにとやかく言われる筋合いは無いし、勝手だろうが。
 そんな馬鹿みたいなこと言って喚いているからナンパが成功しないんじゃないか?」

「お前ッ……死にたいのか!?」

「その言葉、そっくりそのまま返してやるよ。
 お前らなんか俺一人で十分だ」

「ッッッ……!! 表でやがれッ!!」

「ああやってやる!!」

 男と俺の怒号が探協内に響き渡る。

 酒場で飲んでいた他の探索者や、カウンターの方で手続きをしていた職員などがいっせいにこちらに視線を向ける。

「「「「うぉぉぉおおおおお!!!」」」」

 次に俺達の怒号よりも大きな歓声が探協内を埋め尽くす。

 ……ああ。やってしまった……。

 そこで頭に登っていた血がサーっと引けていく。

 やはり穏便に済ませることは出来なかった。
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