ビジネスの番なのに運命の番よりも愛してしまったからどうすればいい

子犬一 はぁて

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146 寝込みを襲う狼

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 荒々しいつむじに、まずはキスを落とす。岸本はいつも横向きに眠る。俺はそれを後ろから抱え込むようにして寝るのが常だった。

 シャンプーの香りなのか、はたまた岸本の体臭なのか、オメガの放つフェロモンが少し出てしまっているのか。

 とにかく岸本からはいい匂いがする。日向ぼっこしてる猫を抱き上げたような、そんな匂いだ。

 まだ目が覚めない岸本の体に触れる。それが朝一番にする俺の儀式だった。最初は邪な思いなんてなくて、ただ好いた男の体を触っているだけだった。でも、いつしか俺の悪戯な心が邪魔をしてきて。

「っ」

 ぴくん、と岸本が反応した。顔を覗き見るが、まだ眠っているらしい。安堵してそのまま手を動かす。着ているTシャツの上から胸を弄る。もう何度も触れているそこは、見なくてもわかるほどつん、と上を向いている。指先でかりかりといじってやれば、岸本の体が少し動く。

 こいつはわりと寝ぼけるタイプだな。

 内心笑みを浮かべながら、手を動かすのをやめない。腰回りに手を回したとき、硬いものに手が触れた。布団を持ち上げてみると、テントを張っている。

 若いな……。

 そう思って、朝から張り詰めてしまっている岸本のものに手をかける。ハーフズボンの上から撫でると、岸本が無意識に身を捩る。

 ああ。こんなに硬くして。さぞ、辛いだろう。

 それは本心だった。朝勃ちの辛さは、男にしかわからないと小鳥遊は思う。
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