華日録〜攫われ姫君の城内観察記〜

神崎みゆ

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姫様修行の成果

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それからは、怒涛の日々だった。
連日、右衛門佐からの
厳しい姫様修行に明け暮れ、
おはなも、どうにか…
姫様らしい立ち振る舞いを
身に着けてきた。 

「はぁ…、まことに…何故(なにゆえ)
わたくしが、このような目に
あわないといけないのでしょう…」

独り言でさえ、“おはな”であった
ときの口調とは、
まるで変わっていた程。

それ程までに、右衛門佐の
姫様修行は、凄まじいもので…
第三者からみると、
ある意味…拷問に近いのでは?
と思うほどの指導っぷりだった。

「姫様の上達ぶりに、わたくしは
感動すら覚えておりますわ。
まことに、よく頑張られました。
今の姫様ならば、上様に
お目もじなさっても大丈夫でしょう」

おはな…鶴姫の様子を見て
右衛門佐が、満足そうに頷く。


「右衛門佐、わたくしはまだ…
上様…じゃない…お父上に
お会いするには、自信がありません。
今しばらく、まことの姫様の
立ち振る舞いやお言葉遣い等
ご教授頂きとう存じます。」

鶴姫が、自信なさげに話すと

「まぁ。姫様…そのような…
今の姫様は、わたくしから見ても
まことの姫様そのものにございます。
自信をお持ちくださりませ。」

と、右衛門佐は、にこりと微笑む

「まことに…わたくしは、
まことの姫様の身代わりを
務められましょうか…」

「大丈夫でございますよ。
わたくしたちも、ついております故
ご安心なさいませ。」

右衛門佐の言葉を聞いて、
安堵の表情を浮かべる鶴姫。

「申しあげます。上様より、
一刻ほど後、鶴姫様のお見舞いに
いらっしゃるとの事にございます」

そこへ、綱吉公がお見舞いに
来るとの伝令が届く。

「承知仕りました。」

右衛門佐が返事をすると

「お父上様が…
いよいよ…ですね」

と、鶴姫。
その目は、覚悟を決めたのか
凛と輝いて見えた。
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