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飢えた狼編
鼓動
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狩夜と花夜は次の街を目指して街道を歩いていた。
表札を確認しながら目的地へと向かっていく。
今2人が目指しているのは氷の国アイシス。
しかし、そこにいくための橋は今はないため、遠回りして山越えをしなくてはならなくなっていた。
ふと花夜は昨日の狩夜の青い波紋が気になったので、聞いて見ることにした。
「狩夜お兄ちゃん、昨日狩夜お兄ちゃんが使っていた魔法のような技、あれは一体何だったのですか?」
狩夜は花夜の方を振り向いて答えてくれた。
「あれは人間の技、名前を「鼓動」という」
「鼓動?」
「鼓動は生命のエネルギーの元である心臓を使うことによって発生する、蒼き波紋と黄色い流れが生命エネルギーの色といったわけだな、鼓動は使いこなせば自身の攻撃力や防御力が何倍にもなる、非力な人間である俺が使っても昨日のオークに勝てるくらいには能力が上昇する」
淡々と説明する狩夜だが花夜にはよく伝わっていないようだった。
狩夜はわかりやすいように花夜の手を自分の胸に当てる。
ドクン!という心臓の力強い鼓動が花夜の手に伝わる。
狩夜の鼓動音を聴きながら花夜の心音にも影響が出てくる。
ドクンという花夜の心臓音は狩夜の心臓音と重なる。
「まさか....」
狩夜は驚いたように花夜の顔を見る。
そして狩夜は花夜の手を離して構える。
花夜はなぜ狩夜が構えているのかわからない。
「構えろ、俺は今からお前を本気で攻撃する」
「えっ!?」
花夜は驚きながらも自然に構えてしまった。
狩夜が花夜に近づいて拳を振り上げる。
花夜は必死に狩夜の攻撃を受け流す。
何度も受け流している間に花夜は疑問に思う、何故私が狩夜の攻撃を受け流せているのだろうと。
そのうち花夜の体から青い波紋が溢れ出る。
それに気づいた狩夜は攻撃の手を緩めた。
「才能....か.....、訓練もなしにしかもただ鼓動使いと拳を交えただけで鼓動体得したのか..、しかも人間以外の生き物がな......」
花夜は自分の体から溢れ出る青い波紋を調整していく。
少しずつ変形していく花夜の鼓動は両手に収まり、狼の爪のような形へと変形して消える。
まだ長時間の使用はできないようだが、一瞬なら発動できるようだ。
花夜は息切れをしながら狩夜の方を見て「今のは何?」と聞いてきたので狩夜は答える。
「今のが鼓動だ、俺の心音と同調して発現したようだが....、普通はかなりの特訓を積まないとそこまで到達しないんだがな....」
狩夜はそうは言いながらも少し嬉しそうな表情で花夜を見る。
鼓動が同調することなど本来相性の良いもの同士でしかならないことであったのだ。
それで試してみたのだった。
まあ、本当に鼓動を使えるようになるとは思ってもみなかったが。
「これからは毎日俺と特訓だ、お前が鼓動をちゃんと使いこなせるようになるまでな」
狩夜は花夜にそう言ったが花夜は泣いていた。
「酷いです.....、急に構えろなんて言われて本気で攻撃する何て言われて....」
狩夜は自分のしたことを反省しながら謝罪する。
「すまなかった....、俺は嬉しかったんだ花夜、お前と鼓動が同調したという事実がな...」
少し照れくさそうに言うと、花夜はケロッとして笑う。
「狩夜お兄ちゃんも嬉しいんですね!、明日から特訓頑張ります!」
嘘泣きだと分かると、してやられたと思う狩夜であった。
表札を確認しながら目的地へと向かっていく。
今2人が目指しているのは氷の国アイシス。
しかし、そこにいくための橋は今はないため、遠回りして山越えをしなくてはならなくなっていた。
ふと花夜は昨日の狩夜の青い波紋が気になったので、聞いて見ることにした。
「狩夜お兄ちゃん、昨日狩夜お兄ちゃんが使っていた魔法のような技、あれは一体何だったのですか?」
狩夜は花夜の方を振り向いて答えてくれた。
「あれは人間の技、名前を「鼓動」という」
「鼓動?」
「鼓動は生命のエネルギーの元である心臓を使うことによって発生する、蒼き波紋と黄色い流れが生命エネルギーの色といったわけだな、鼓動は使いこなせば自身の攻撃力や防御力が何倍にもなる、非力な人間である俺が使っても昨日のオークに勝てるくらいには能力が上昇する」
淡々と説明する狩夜だが花夜にはよく伝わっていないようだった。
狩夜はわかりやすいように花夜の手を自分の胸に当てる。
ドクン!という心臓の力強い鼓動が花夜の手に伝わる。
狩夜の鼓動音を聴きながら花夜の心音にも影響が出てくる。
ドクンという花夜の心臓音は狩夜の心臓音と重なる。
「まさか....」
狩夜は驚いたように花夜の顔を見る。
そして狩夜は花夜の手を離して構える。
花夜はなぜ狩夜が構えているのかわからない。
「構えろ、俺は今からお前を本気で攻撃する」
「えっ!?」
花夜は驚きながらも自然に構えてしまった。
狩夜が花夜に近づいて拳を振り上げる。
花夜は必死に狩夜の攻撃を受け流す。
何度も受け流している間に花夜は疑問に思う、何故私が狩夜の攻撃を受け流せているのだろうと。
そのうち花夜の体から青い波紋が溢れ出る。
それに気づいた狩夜は攻撃の手を緩めた。
「才能....か.....、訓練もなしにしかもただ鼓動使いと拳を交えただけで鼓動体得したのか..、しかも人間以外の生き物がな......」
花夜は自分の体から溢れ出る青い波紋を調整していく。
少しずつ変形していく花夜の鼓動は両手に収まり、狼の爪のような形へと変形して消える。
まだ長時間の使用はできないようだが、一瞬なら発動できるようだ。
花夜は息切れをしながら狩夜の方を見て「今のは何?」と聞いてきたので狩夜は答える。
「今のが鼓動だ、俺の心音と同調して発現したようだが....、普通はかなりの特訓を積まないとそこまで到達しないんだがな....」
狩夜はそうは言いながらも少し嬉しそうな表情で花夜を見る。
鼓動が同調することなど本来相性の良いもの同士でしかならないことであったのだ。
それで試してみたのだった。
まあ、本当に鼓動を使えるようになるとは思ってもみなかったが。
「これからは毎日俺と特訓だ、お前が鼓動をちゃんと使いこなせるようになるまでな」
狩夜は花夜にそう言ったが花夜は泣いていた。
「酷いです.....、急に構えろなんて言われて本気で攻撃する何て言われて....」
狩夜は自分のしたことを反省しながら謝罪する。
「すまなかった....、俺は嬉しかったんだ花夜、お前と鼓動が同調したという事実がな...」
少し照れくさそうに言うと、花夜はケロッとして笑う。
「狩夜お兄ちゃんも嬉しいんですね!、明日から特訓頑張ります!」
嘘泣きだと分かると、してやられたと思う狩夜であった。
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