白玉稲荷の怪異サマ-桜と少女が降る夜に-

──自殺を謀った私が墜落した先は、お狐様の尻尾の上でした


妖を視る瞳『見鬼』を持つ夢守千佳子(ゆめもり・ちかこ)は、唯一の理解者であった祖母の死に耐え切れず、桜が綺麗に咲き誇る新月の夜、飛び降り自殺を謀る。
謀った、のだが……

「……おや、これは異(こと)なこと」

運がいいのか悪いのか、千佳子が墜落した先は、稲荷神社への勧請道中を歩く白毛九尾の美青年のモッフモフの尻尾の上で……!?

「私の命を助けちゃった責任、取ってよっ!! せっかく死のうとしたのになんってことしてくれんのよっ!!」

死ねなかったことに逆上した千佳子は、今日も白毛九尾の新米御稲荷様・玉藻(たまも)のお社に押しかける。
全ては玉藻に呪い殺してもらうため。
しかし『玉藻狐族の地位向上』を野望としてかかげる玉藻は、千佳子を呪い殺すどころか『拾った命の有効活用』として千佳子に加護を与える始末。
そのせいで千佳子はなし崩し的に玉藻へ加護を願う人々の抱える事件に巻き込まれていってしまう。

「わしは、後どれだけわしでいられる?」

おまけにこの玉藻様、どうやら千佳子には口にできない『事情』を抱えているようで……?

「……千佳子、ここひと月近く毎回このやり取りをしておるような気がするが、それでもあえて言おうか。……主、何が言いたい?」
「玉ちゃんも玉藻前みたいに私のことを祟ればいいと思うの! ほら! レッツトライ!! 伝説の玉藻前みたいに私もサックリ呪い落としてよ!」

訳アリ新米御稲荷様 × 自殺志願の女子高生が紡ぐ現代怪異譚、はじまりはじまり☆
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