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番外編 宿屋の娘と王女
せまりくる火の粉 スキルside
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いつもアビーの傍には精霊がいて、彼女の周りを羽ばたいている。アビーが精霊と会話しても私には何を言っているか分からない。でも、出会った頃のような不安は無さそうだ。基本的に精霊は大人しい。そんな精霊の中でも精霊王のファルは、初めて会った時と変わらず威厳があり、他の精霊とはオーラも雰囲気も違う。
あともう1人、精霊のモルも他の精霊と雰囲気が違う。モルは、私とアビーが出会った時に歌うように言った精霊だ。彼は怖いもの知らずでいたずらっ子なところがある。モルはアビーの精霊なのに、モルだけで私の所へ遊びに来たりするので、ついつい私も可愛がってしまう。すると追いかけてきたアビーが「ずるいわ、私にも歌を聴かせてよ」と拗ねるので、今度はアビーの愛らしさに笑ってしまう。
「精霊王のファルが今日の曲好きだって、私も好きだわ」
今日、歌った曲は精霊と女の子が恋に落ちる曲だった。私もこの曲はとても好きだけど、アビーのその言葉を聞いて、胸の奥が少しざわついた。そんな私の元へ珍しく精霊王のファルがやって来た。耳元へ来るとぽわっと一凛の白い花を髪に飾ってくれたのだ。
「ファル!ズルいわ、私にもつけてよ。スキルとお揃いにして」
アビーがその様子を見て、少し拗ねたように言うと精霊王のファルは彼女の元へ行き、同じように花を髪に飾った。私の肩に乗っていたモルがその花の匂いを嗅いでいる。
しかし、アビーがそうして笑顔を見せるたび、私はほんの少し胸が締めつけられる感覚を覚えた。精霊王の力はあまりにも強大で、アビーが何度も戸惑いを感じている姿を見てきたからだ。今では彼女は精霊たちと話すこともでき、不安はほとんどないように見える。しかし、私は知っている。アビーはまだ、心のどこかでその強大な力を恐れていることを。
花を飾るようなやり取りができるのも、平和な日々のおかげだとわかっている。それでも、精霊王の力を本当に使うような恐ろしい出来事がいつか起こるかもしれない――そう思うたびに、アビーの心は重く沈んだ。そんなアビーの姿を見て、ふと手を伸ばし頬に触れていた。柔らかく透き通るような白い肌。アビーは私のその突然の行動に驚いたのか、白い肌がほんのりと赤く染まった。その温かさを感じながら、私は改めて、彼女を守らなければならないと強く思った。
「アビー、いつまでも傍にいるし、いつでも歌う。だから気負わないで。精霊王の力は大きいし、あなたが恐れるのも分かる。だから、その力を使わないように私があなたを護るわ」
「ふふっ、嬉しいわ、スキル。ありがとう」
2人は手を取り合って見つめ合うと微笑んだ。スキルはいつの間にかアビーと片時も離れたくない存在になっていることに気付いた。最初に会った時に見た悲しい表情などなかったかのような笑顔。大人びた表情や年相応の愛くるしい表情を見せるアビー。スキルはアビーを笑顔にさせたいと思ったし、何かあれば救いの手を差し伸べたいとスキルは思っていた。でも、まだ幼いスキルはそれが恋心だとまだ気付かなかった。
それからまた何年も一緒に過ごした。アビーも自身が王女だということを理解し、以前よりも会うことはぐっと減った。それでも、合間の時間を見計らってアビーはスキルの元へ訪れた。穏やかな気候に穏やかな人々。スキルも宿屋を手伝うようになり、あっという間に毎日が過ぎていたが、この日々が幸せというものなのだろうと身に噛みしめていた。
でも、残念なことに少し前から不穏な空気が流れていた。宿屋に来た客が言っていたのだ。近くの国によからぬ輩が集まっていると。今はただ輩が集まっているだけだけど、いずれその国は大きな力となって近隣の国を脅かすのではないかと言っていたのだ。
そして、その噂の通り、少し前までの幸せな日々は突如終わり、国の人々は恐怖に怯えた。近くの国で戦争が起きたのだ。マルア国という小さな国だが、輩や傭兵の溜まり場となっていたその国は、国王陛下の息子が、父親を殺したのだ。自身が国王陛下となったその息子には魔力があり、領土を増やそうと戦争を巻き起こした。
「アビー様、やはりこちらにいたのですね。危ないので、出歩いてはいけません」
「でも……」
「最近、マルア国が戦争を起こしました。彼らはこの国を狙っていると言われています。だから、どうか城へと戻ってください。グルファン王国に支援と救助を求めていますが、あちらも悲しい出来事が続き……」
グルファン王国に支援と救助と言うのは、過去にグルファン王国が打診してきたことがあったのだ。側室として嫁ぐか、支配下に入るか。そうすれば何かあった際に助けようと。精霊の加護がある3ヶ国は悩んだ。平和を愛し、身も心も綺麗な人々が住む国々。自然豊かで平和そのものだが、戦う力はない。
そこにルゥ国のある女性がグルファン王国へ嫁ぐと名乗り出た。その人は綺麗で精霊の加護があり、国や人を守るためならと言って1人離れた土地へと嫁いでいった。それはそこまで昔の話ではなかった。側室へと嫁いだその女性は1人の子供を産み、第二王子として育てられていたのだ。年も離れていないその第二王子はルゥ国の女性の血を色濃く継ぎ、綺麗な顔たちをしていると聞く。でも、残念なことにルゥ国から嫁いだ女性は最近亡くなってしまった。その後、嫁いだアルツナハインの側室の女性もだ。この世界はどうなってしまったのだろう……。アビーもスキルも悲しく、どんよりとした気持ちに包まれた。
あともう1人、精霊のモルも他の精霊と雰囲気が違う。モルは、私とアビーが出会った時に歌うように言った精霊だ。彼は怖いもの知らずでいたずらっ子なところがある。モルはアビーの精霊なのに、モルだけで私の所へ遊びに来たりするので、ついつい私も可愛がってしまう。すると追いかけてきたアビーが「ずるいわ、私にも歌を聴かせてよ」と拗ねるので、今度はアビーの愛らしさに笑ってしまう。
「精霊王のファルが今日の曲好きだって、私も好きだわ」
今日、歌った曲は精霊と女の子が恋に落ちる曲だった。私もこの曲はとても好きだけど、アビーのその言葉を聞いて、胸の奥が少しざわついた。そんな私の元へ珍しく精霊王のファルがやって来た。耳元へ来るとぽわっと一凛の白い花を髪に飾ってくれたのだ。
「ファル!ズルいわ、私にもつけてよ。スキルとお揃いにして」
アビーがその様子を見て、少し拗ねたように言うと精霊王のファルは彼女の元へ行き、同じように花を髪に飾った。私の肩に乗っていたモルがその花の匂いを嗅いでいる。
しかし、アビーがそうして笑顔を見せるたび、私はほんの少し胸が締めつけられる感覚を覚えた。精霊王の力はあまりにも強大で、アビーが何度も戸惑いを感じている姿を見てきたからだ。今では彼女は精霊たちと話すこともでき、不安はほとんどないように見える。しかし、私は知っている。アビーはまだ、心のどこかでその強大な力を恐れていることを。
花を飾るようなやり取りができるのも、平和な日々のおかげだとわかっている。それでも、精霊王の力を本当に使うような恐ろしい出来事がいつか起こるかもしれない――そう思うたびに、アビーの心は重く沈んだ。そんなアビーの姿を見て、ふと手を伸ばし頬に触れていた。柔らかく透き通るような白い肌。アビーは私のその突然の行動に驚いたのか、白い肌がほんのりと赤く染まった。その温かさを感じながら、私は改めて、彼女を守らなければならないと強く思った。
「アビー、いつまでも傍にいるし、いつでも歌う。だから気負わないで。精霊王の力は大きいし、あなたが恐れるのも分かる。だから、その力を使わないように私があなたを護るわ」
「ふふっ、嬉しいわ、スキル。ありがとう」
2人は手を取り合って見つめ合うと微笑んだ。スキルはいつの間にかアビーと片時も離れたくない存在になっていることに気付いた。最初に会った時に見た悲しい表情などなかったかのような笑顔。大人びた表情や年相応の愛くるしい表情を見せるアビー。スキルはアビーを笑顔にさせたいと思ったし、何かあれば救いの手を差し伸べたいとスキルは思っていた。でも、まだ幼いスキルはそれが恋心だとまだ気付かなかった。
それからまた何年も一緒に過ごした。アビーも自身が王女だということを理解し、以前よりも会うことはぐっと減った。それでも、合間の時間を見計らってアビーはスキルの元へ訪れた。穏やかな気候に穏やかな人々。スキルも宿屋を手伝うようになり、あっという間に毎日が過ぎていたが、この日々が幸せというものなのだろうと身に噛みしめていた。
でも、残念なことに少し前から不穏な空気が流れていた。宿屋に来た客が言っていたのだ。近くの国によからぬ輩が集まっていると。今はただ輩が集まっているだけだけど、いずれその国は大きな力となって近隣の国を脅かすのではないかと言っていたのだ。
そして、その噂の通り、少し前までの幸せな日々は突如終わり、国の人々は恐怖に怯えた。近くの国で戦争が起きたのだ。マルア国という小さな国だが、輩や傭兵の溜まり場となっていたその国は、国王陛下の息子が、父親を殺したのだ。自身が国王陛下となったその息子には魔力があり、領土を増やそうと戦争を巻き起こした。
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「でも……」
「最近、マルア国が戦争を起こしました。彼らはこの国を狙っていると言われています。だから、どうか城へと戻ってください。グルファン王国に支援と救助を求めていますが、あちらも悲しい出来事が続き……」
グルファン王国に支援と救助と言うのは、過去にグルファン王国が打診してきたことがあったのだ。側室として嫁ぐか、支配下に入るか。そうすれば何かあった際に助けようと。精霊の加護がある3ヶ国は悩んだ。平和を愛し、身も心も綺麗な人々が住む国々。自然豊かで平和そのものだが、戦う力はない。
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