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第三章 愛の逃避行
満たされるお腹
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モックナ国の街をそのままさっさと通り抜け、ピカーナ国のピカナの森へと入った。トルデンが「今日はもう休みましょう」と言って木の穴蔵を探し始めた。その時、ガサガサと草むらから物音がした。
「お、おいっ、あれって……」
目の前にいたのはモクナの森にいた牛の見た目に象の鼻を持っている生き物に似ていた。前見た時は紫っぽい色だったが、目の前のは薄い黄色をしていてそこだけが違う。今、金属音は立ててないが何に反応してこちらに突進してくるか分からない。
「トモヤ、あれは大丈夫です。ピカブという大人しい生き物です。この前見たのは紫色だったでしょう?この前のはモッカブという名前の生き物で獰猛なんですが、ピカブは真反対の性格なんです。違うのは見た目の色くらいですかね」
身構えているとトルデンは安心させるように言った。その時、ピカブが「ピカゥウ」と言ってボンと横に倒れた。
「どうしたんだ?」
「毒キノコを食べたみたいですね……トモヤ、先ほど色が違うって言ったんですが、もう一つ違うところがありました。モッカブはとってもまずいんですが、ピカブはピカーナ国の名産になるくらいとっても美味しいんです」
トルデンがニコッと笑ってオレにそう言った。トルデンは、今日過ごす穴蔵を探すと何かの石を取り出した。魔法石のようには見えない。
「それはなんだ?」
「溶岩の石という火山の国で手に入る石です。少し離れていてください」
そう言われて一歩下がると、トルデンがその溶岩の石で火を起こしたが、その火元からピョンピョンと小さな石が飛び出てくる。
「あいたたた」
トルデンはオレに遠のけと言った癖に自分が逃げ遅れている。それが面白くて笑うとトルデンは恥ずかしそうにしながらもオレにつられてクスクス笑った。この新たに出てきた小さな石はまた火を起こすのに使えるらしく、溶岩の石は1つ持っていれば無限に火を起こせる。
トルデンは見た目に反して器用にピカブを捌いた後、枝で串刺しにして火の傍に置いた。肉の油が落ちるとジュゥっと良い音を立てて、香ばしい匂いが充満する。お腹減った。
ピカブの肉はよく焼かないといけないらしく、待てを食らう犬のようにそれを2人でじっと見つめた。早く食べたい。
「焼けましたよ」
そのトルデンの言葉に飛び上がる勢いで反応して、ピカブの串焼きを受け取った。トルデンも串を持って2人で大きな口でかぶりついた。口の中でとろける~!
「んまぁ~!」
「ふふっ、美味しいですね」
2人も飢えたお腹には刺激が強すぎてお腹がひっくり返る。それでも「美味しい!美味しい!」と言ってぺろりと平らげた。お腹を満たしてまどろみながら、2人で小さくなった火を見ていた。
「なぁ、あの時、国に戻るつもりはないって言ってたよな?本当にいいのか?」
「えぇ、国に戻るつもりはありません。きっとトモヤも私も利用されるだけです。私だけが利用されるなら別にいいんです。でも、トモヤを、トモヤの能力をこれ以上、使わせません。だから……だから、私があなたを守ります」
トルデンがジッとこちらを見る。瞳の奥を覗き込まれるような感覚。真の通った声で言い放つその姿はいつもの優しいトルデンではなく、有無を言わさない頑固なトルデンだった。
「そ、んなことより、これからどこに行くって言うんだよ」
「言い伝えで秘境の地・ナミルという国があるんです。でも、詳しくは知らなくて……。こんなことならロズメアにもっと詳しく聞いておけば良かったです……」
秘境の地・ナミルは、地図上には存在せず、どこにあるか分からないと言われているらしい。らしいというのは言い伝えでしか知られていないのだ。入国できる時期や出国する時期が決まっていて、入国するには審査があると言われている。
「そんなあやふやな情報でどうやって行くんだ?」
「私たちに帰る場所はないですし、気長に探してみませんか?」
「ははっ、そうだな」
「ナミルは、自然豊かで人々の優しさが詰まったような国だと聞いたことがあります。どんな所か楽しみですね」
あるかも分からないあやふやな情報なのにのんびりした口調に笑いが込み上げた。トルデンはともかく、オレはもう元の世界に戻ることは出来ないから確かに気長に探すのも良さそうだ。
「それでまずはどこに行くんだ?」
「ロズメアはルウファの図書館で今、行くのは厳しいですし……」
トルデンの口から出たロズメアという人はルウファの図書館にいる司書らしい。トルデンは少し悩んだ後、「オクアル国に行ってみますか?」と言った。オクアル国というのはロズメア出身の国で占星術ができる人が多いらしい。神託は神、占星術はスピリチュアル的なもので信用する人としない人で対応が分かれるみたいだ。また過去にマルア国がオクアル国は小さい国だからと攻めようとしたが、占星術で先回りして対策されていて返り討ちにあったという話もあるらしい。受けた報復は呪い返しのようなもので、実際に何が起きたのかは詳しくは知らないがそれ以来、マルア国は恐れ近づかなかったらしい。
マルア国……。国を一晩で一掃したとオークスは言っていた。それはマルア国のことだろうか?優しいトルデンが果たしてそんなことをしたのだろうか?
そのことについて尋ねようとしたが、そのことを思い出させて後悔させてしまうのではないかと思うと躊躇われた。それに今は眠気の方が凄い。トルデンもオレも瞼の圧力に勝てず、そのまま瞼を閉じた。
「お、おいっ、あれって……」
目の前にいたのはモクナの森にいた牛の見た目に象の鼻を持っている生き物に似ていた。前見た時は紫っぽい色だったが、目の前のは薄い黄色をしていてそこだけが違う。今、金属音は立ててないが何に反応してこちらに突進してくるか分からない。
「トモヤ、あれは大丈夫です。ピカブという大人しい生き物です。この前見たのは紫色だったでしょう?この前のはモッカブという名前の生き物で獰猛なんですが、ピカブは真反対の性格なんです。違うのは見た目の色くらいですかね」
身構えているとトルデンは安心させるように言った。その時、ピカブが「ピカゥウ」と言ってボンと横に倒れた。
「どうしたんだ?」
「毒キノコを食べたみたいですね……トモヤ、先ほど色が違うって言ったんですが、もう一つ違うところがありました。モッカブはとってもまずいんですが、ピカブはピカーナ国の名産になるくらいとっても美味しいんです」
トルデンがニコッと笑ってオレにそう言った。トルデンは、今日過ごす穴蔵を探すと何かの石を取り出した。魔法石のようには見えない。
「それはなんだ?」
「溶岩の石という火山の国で手に入る石です。少し離れていてください」
そう言われて一歩下がると、トルデンがその溶岩の石で火を起こしたが、その火元からピョンピョンと小さな石が飛び出てくる。
「あいたたた」
トルデンはオレに遠のけと言った癖に自分が逃げ遅れている。それが面白くて笑うとトルデンは恥ずかしそうにしながらもオレにつられてクスクス笑った。この新たに出てきた小さな石はまた火を起こすのに使えるらしく、溶岩の石は1つ持っていれば無限に火を起こせる。
トルデンは見た目に反して器用にピカブを捌いた後、枝で串刺しにして火の傍に置いた。肉の油が落ちるとジュゥっと良い音を立てて、香ばしい匂いが充満する。お腹減った。
ピカブの肉はよく焼かないといけないらしく、待てを食らう犬のようにそれを2人でじっと見つめた。早く食べたい。
「焼けましたよ」
そのトルデンの言葉に飛び上がる勢いで反応して、ピカブの串焼きを受け取った。トルデンも串を持って2人で大きな口でかぶりついた。口の中でとろける~!
「んまぁ~!」
「ふふっ、美味しいですね」
2人も飢えたお腹には刺激が強すぎてお腹がひっくり返る。それでも「美味しい!美味しい!」と言ってぺろりと平らげた。お腹を満たしてまどろみながら、2人で小さくなった火を見ていた。
「なぁ、あの時、国に戻るつもりはないって言ってたよな?本当にいいのか?」
「えぇ、国に戻るつもりはありません。きっとトモヤも私も利用されるだけです。私だけが利用されるなら別にいいんです。でも、トモヤを、トモヤの能力をこれ以上、使わせません。だから……だから、私があなたを守ります」
トルデンがジッとこちらを見る。瞳の奥を覗き込まれるような感覚。真の通った声で言い放つその姿はいつもの優しいトルデンではなく、有無を言わさない頑固なトルデンだった。
「そ、んなことより、これからどこに行くって言うんだよ」
「言い伝えで秘境の地・ナミルという国があるんです。でも、詳しくは知らなくて……。こんなことならロズメアにもっと詳しく聞いておけば良かったです……」
秘境の地・ナミルは、地図上には存在せず、どこにあるか分からないと言われているらしい。らしいというのは言い伝えでしか知られていないのだ。入国できる時期や出国する時期が決まっていて、入国するには審査があると言われている。
「そんなあやふやな情報でどうやって行くんだ?」
「私たちに帰る場所はないですし、気長に探してみませんか?」
「ははっ、そうだな」
「ナミルは、自然豊かで人々の優しさが詰まったような国だと聞いたことがあります。どんな所か楽しみですね」
あるかも分からないあやふやな情報なのにのんびりした口調に笑いが込み上げた。トルデンはともかく、オレはもう元の世界に戻ることは出来ないから確かに気長に探すのも良さそうだ。
「それでまずはどこに行くんだ?」
「ロズメアはルウファの図書館で今、行くのは厳しいですし……」
トルデンの口から出たロズメアという人はルウファの図書館にいる司書らしい。トルデンは少し悩んだ後、「オクアル国に行ってみますか?」と言った。オクアル国というのはロズメア出身の国で占星術ができる人が多いらしい。神託は神、占星術はスピリチュアル的なもので信用する人としない人で対応が分かれるみたいだ。また過去にマルア国がオクアル国は小さい国だからと攻めようとしたが、占星術で先回りして対策されていて返り討ちにあったという話もあるらしい。受けた報復は呪い返しのようなもので、実際に何が起きたのかは詳しくは知らないがそれ以来、マルア国は恐れ近づかなかったらしい。
マルア国……。国を一晩で一掃したとオークスは言っていた。それはマルア国のことだろうか?優しいトルデンが果たしてそんなことをしたのだろうか?
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