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第43話
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私が実家へ帰るのを渋るのには、もう一つ理由がある。
妹とレナード様を会わせたくない。
……可愛いナタリーを見て、レナード様がナタリーに好意を持ってしまったらどうしようと、つい不安になってしまう。
何だかんだでナタリーへのコンプレックスはまだ消えていないようだ。
「いいのか?帰らなくて」
「……はい。何かあればまた手紙が届くでしょうから」
と言っていたのだが、結局私はこの一週間後、早々に実家に戻らなくてはいけなくなってしまうのだった。
「エリン、疲れてないか?」
「はい、大丈夫です」
一時間おきに尋ねてくれるレナード様に思わず苦笑してしまう。
「それより、重くありません?」
私は自分を膝の上に抱くレナード様に確認すると、
「羽より軽い」
とレナード様は真面目な顔で答えた。
羽より軽いは言い過ぎだ。この場にバーバラが居たら、またクスクスと笑われている所だった。バーバラが違う馬車で良かったとホッとする。
三日前に実家から早馬が届き、父の意識が戻ったとの連絡があった。
レナード様はその手紙を見て直ぐ様『実家に戻れ』と言ってくれたのだが、何故かレナード様も一緒に付いて来ている。
まだお義父様が団長であるとはいえ、何だか申し訳ない。
私は一人(もちろんバーバラは一緒だが)で帰るので大丈夫だと言ったのだが、レナード様と一緒に帰る事は彼の中では既に決定事項だったようだ。
父が目覚めたのは本当に嬉しい。だけど、問題は……ナタリー。
婚約が保留になった今、癇癪を起こしていると母は言っていたが、では、ハロルドはそれについてどう思っているのだろう。母の手紙には、ナタリーについてしか書かれていなかった。実家に戻れば嫌でも荒れているナタリーと顔を合わせる事になる。
私はそれを考えると、ついため息をついてしまって、またもやレナード様に、
「エリン、やはり疲れたか?少し休むか?」
と訊かれる羽目になるのだった。
「お母様!」
私が三日をかけて実家に戻ると、母が出迎えてくれた。
「エリン!久しぶり……という程離れていないわね。でも良く戻ってきてくれたわ」
と駆け寄る私を母は抱き締めてくれた。そして、私の後ろから来ていたレナード様に、
「レナード様も、わざわざご足労いただきまして、ありがとうございます」
と挨拶をする。
何故かレナード様は私の荷物を両手に抱えている。バーバラはそれを慌てて、
「旦那様!それは私の仕事です!」
追いかけて来ていた。
妹とレナード様を会わせたくない。
……可愛いナタリーを見て、レナード様がナタリーに好意を持ってしまったらどうしようと、つい不安になってしまう。
何だかんだでナタリーへのコンプレックスはまだ消えていないようだ。
「いいのか?帰らなくて」
「……はい。何かあればまた手紙が届くでしょうから」
と言っていたのだが、結局私はこの一週間後、早々に実家に戻らなくてはいけなくなってしまうのだった。
「エリン、疲れてないか?」
「はい、大丈夫です」
一時間おきに尋ねてくれるレナード様に思わず苦笑してしまう。
「それより、重くありません?」
私は自分を膝の上に抱くレナード様に確認すると、
「羽より軽い」
とレナード様は真面目な顔で答えた。
羽より軽いは言い過ぎだ。この場にバーバラが居たら、またクスクスと笑われている所だった。バーバラが違う馬車で良かったとホッとする。
三日前に実家から早馬が届き、父の意識が戻ったとの連絡があった。
レナード様はその手紙を見て直ぐ様『実家に戻れ』と言ってくれたのだが、何故かレナード様も一緒に付いて来ている。
まだお義父様が団長であるとはいえ、何だか申し訳ない。
私は一人(もちろんバーバラは一緒だが)で帰るので大丈夫だと言ったのだが、レナード様と一緒に帰る事は彼の中では既に決定事項だったようだ。
父が目覚めたのは本当に嬉しい。だけど、問題は……ナタリー。
婚約が保留になった今、癇癪を起こしていると母は言っていたが、では、ハロルドはそれについてどう思っているのだろう。母の手紙には、ナタリーについてしか書かれていなかった。実家に戻れば嫌でも荒れているナタリーと顔を合わせる事になる。
私はそれを考えると、ついため息をついてしまって、またもやレナード様に、
「エリン、やはり疲れたか?少し休むか?」
と訊かれる羽目になるのだった。
「お母様!」
私が三日をかけて実家に戻ると、母が出迎えてくれた。
「エリン!久しぶり……という程離れていないわね。でも良く戻ってきてくれたわ」
と駆け寄る私を母は抱き締めてくれた。そして、私の後ろから来ていたレナード様に、
「レナード様も、わざわざご足労いただきまして、ありがとうございます」
と挨拶をする。
何故かレナード様は私の荷物を両手に抱えている。バーバラはそれを慌てて、
「旦那様!それは私の仕事です!」
追いかけて来ていた。
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