令嬢は鞭を振るが逃げられない

ロキ

文字の大きさ
18 / 85

18話

しおりを挟む
さぁ、二人の戦いが始まりましたわ。武器はお互いに剣で戦うみたいね。私の時は魔法で戦っていたからディアス様がどう攻めるのか楽しみだわ。

「はぁっ!!・・・くっ、読まれていたか!」

お父様がディアス様へ剣を打ち込むがディアス様は剣を斜めに逸らしよけた。

「次はこちらから行きます。・・・はぁっ!!」

今度はディアス様がお父様に剣を上段から打ち込んだ。

「・・・っ!!」

お父様は避けきれない。剣で受け止めたが剣圧が重いのか苦しそうだ。

やはり力量差があり過ぎるのかも知れない。お父様は剣を力一杯弾き距離を取った。

「やはり剣のみでは駄目か・・・」

まだ剣のみで戦っていたの?お父様が身体強化をして構え直した。

「初撃から身体強化無しであれだけ耐えられているのは素晴らしいですね!俺も本気を出します!」

はっ?!ディアス様が楽しそうに身体強化をして打ち込みに行ったわ!

お父様もディアス様もなんだか楽しそうだ!何回か打ち合いディアス様の斬撃がお父様の腕を切りつけていく、あれはエアカッターを剣に纏わせて放っているわね。

お父様は基本的に身体強化しか使わない。娘の私でも他の魔法を使っている所をあまり見ない。

もしかして・・・身体強化以外苦手なのかしら?

「くっ、流石ですね。私はモンスター達と戦闘する時は身体強化くらいしかしないんでね、龍王様の戦闘に対しての柔軟性は勉強になります!」

「お義父上も私の斬撃を受けて傷が浅い、その身体強化はとても固いですね!久しぶりに楽しい勝負で心が踊る・・・しかし次で決めさせていただく!!」

ディアス様が左手に魔力を集め、周囲に風が吹き始めた。お父様がそうはさせない、と剣を構えディアス様へ突撃した。

しかしディアス様はお父様の剣を片手で受け流し左手に集めた魔力をお父様に叩き込んだ!?

叩き込まれた瞬間お父様が飛んだ。見学席の壁までくの字に曲がり激突しドサリと倒れた。

・・・え?最後の攻撃は魔力を圧縮しそのまま撃ち込んだの?

はっ!?

「お父様っ?!大丈夫ですか!」

私は心配になり見学席から飛び出して駆け寄った。駆け寄ろうとするとお父様が起き上がって手で制した。

「心配無い。少し肋骨あばらぼねを数本やられただけだ」

「龍王様、私の負けだ。約束どおりリリーとの結婚を許そう!!幸せにしてやって下さい・・・」

「ありがとうございます。必ず幸せにしてみせます!」

そう言うと、ディアス様が近くに来て跪いた。

「改めて言わせてもらう。リリー・キャンベル嬢、俺と生涯ともに生きて欲しい。結婚しよう!リリー、愛してるよ」

そんな風に改めて言われると恥ずかしくなる。私の顔、今凄く赤いわね・・・。

「はい、喜んでお受けいたします!私もディアス様のことを愛してますわ!」

は、恥ずかしい!好きな人に愛していると言うのは勇気が要りますわね!?

「リリー!!ありがとう愛してる、永遠に一緒だ!!」

ディアス様が抱きしめて来た。私はディアス様の腕の中にポスンと収まり、何だかムズムズする感覚になったがそれも心地良いと感じた。

私はディアス様の腕の中から見学席を見た。見学席からは歓声と祝福の嵐が起きていて、みんなが祝福してくれているのがとても嬉しい。

私とディアス様は一旦分かれて、ディアス様とお父様は一緒に治療のため救護室で手当をしてもらい、私は自室へ戻った。

ディアス様が明日には国に向けて出発すると言ったので私は荷造りをしにライラを連れて行った。

明日にはディアス様の国に一緒に行くのね。暫くお父様やお母様に会えないのは寂しいけれど頑張るわよ!!あとお妃教育も頑張ろう!

「さあ!ライラ荷造り手伝ってね!」

「かしこまりました。リリー様」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

幸せな番が微笑みながら願うこと

矢野りと
恋愛
偉大な竜王に待望の番が見つかったのは10年前のこと。 まだ幼かった番は王宮で真綿に包まれるように大切にされ、成人になる16歳の時に竜王と婚姻を結ぶことが決まっていた。幸せな未来は確定されていたはずだった…。 だが獣人の要素が薄い番の扱いを周りは間違えてしまう。…それは大切に想うがあまりのすれ違いだった。 竜王の番の心は少しづつ追いつめられ蝕まれていく。 ※設定はゆるいです。

最愛の番に殺された獣王妃

望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。 彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。 手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。 聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。 哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて―― 突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……? 「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」 謎の人物の言葉に、私が選択したのは――

君は番じゃ無かったと言われた王宮からの帰り道、本物の番に拾われました

ゆきりん(安室 雪)
恋愛
ココはフラワーテイル王国と言います。確率は少ないけど、番に出会うと匂いで分かると言います。かく言う、私の両親は番だったみたいで、未だに甘い匂いがするって言って、ラブラブです。私もそんな両親みたいになりたいっ!と思っていたのに、私に番宣言した人からは、甘い匂いがしません。しかも、番じゃなかったなんて言い出しました。番婚約破棄?そんなの聞いた事無いわっ!! 打ちひしがれたライムは王宮からの帰り道、本物の番に出会えちゃいます。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ただの新米騎士なのに、竜王陛下から妃として所望されています

柳葉うら
恋愛
北の砦で新米騎士をしているウェンディの相棒は美しい雄の黒竜のオブシディアン。 領主のアデルバートから譲り受けたその竜はウェンディを主人として認めておらず、背中に乗せてくれない。 しかしある日、砦に現れた刺客からオブシディアンを守ったウェンディは、武器に使われていた毒で生死を彷徨う。 幸にも目覚めたウェンディの前に現れたのは――竜王を名乗る美丈夫だった。 「命をかけ、勇気を振り絞って助けてくれたあなたを妃として迎える」 「お、畏れ多いので結構です!」 「それではあなたの忠実なしもべとして仕えよう」 「もっと重い提案がきた?!」 果たしてウェンディは竜王の求婚を断れるだろうか(※断れません。溺愛されて押されます)。 さくっとお読みいただけますと嬉しいです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

忌むべき番

藍田ひびき
恋愛
「メルヴィ・ハハリ。お前との婚姻は無効とし、国外追放に処す。その忌まわしい姿を、二度と俺に見せるな」 メルヴィはザブァヒワ皇国の皇太子ヴァルラムの番だと告げられ、強引に彼の後宮へ入れられた。しかしヴァルラムは他の妃のもとへ通うばかり。さらに、真の番が見つかったからとメルヴィへ追放を言い渡す。 彼は知らなかった。それこそがメルヴィの望みだということを――。 ※ 8/4 誤字修正しました。 ※ なろうにも投稿しています。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

処理中です...