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マッチングアプリ
怪しい雲行き
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インテリアショップで理人さんに買ってもらった紙袋の重さを感じながら、僕らはそれから洒落た店を数軒冷かした。僕ばかりでなくて、理人さんも手に取った商品を吟味していたから、あながち僕のためだけに店を回っているだけじゃない気がしてホッとした。
「普段時間がある様で無いから、こうやってのんびり買い物をするのは久しぶりなんだ。これも冬馬くんのお陰だね。」
大人の男の人というのはこんなにも気遣いが出来るものなのだろうか。ひと言ひと言が僕に気を遣ってくれているのが分かって、単純に嬉しい。
それでもこれからどうするのだろうと考え始めた頃、理人さんは店の外に出ながら僕に声を掛けてきた。
「さて、どこかで食事でもしようか。冬馬くんはもうお酒は飲めるんだよね?強い方?それとも…。」
「飲めます!父が強いので、僕も…。大丈夫です!」
思わず理人さんに被せる様に主張してしまったのは理由があった。ゲイのデートはお酒が基本みたいな事をネットで見たのと、自分がそこまで飲めない事を言ってしまったら、きっと理人さんは僕をお子様だと思ってますます相手にしてくれないだろう。
少しでもこの楽しい理人さんとのデートを生き長らえさせたくて、まるで酒豪の様な印象を理人さんに与えてしまった。理人さんは嬉しげに笑みを浮かべると、今度は目的を持った足取りで歩き始めた。
「ゆっくり食事もお酒も楽しめる店があるんだ。カジュアルで賑やかなのも良いけど、周囲の事を気にしなくて済む方が今日は良いかなと思って。勿論私がご馳走してあげるから、冬馬くんは色々気を回さないでね。
…ちょっとはリラックスできたかな?」
最後に理人さんに小さく囁かれながら顔を覗き込まれて、僕はコクコクと言葉も無く頷いた。不意打ちはやばい。いきなり好みのイケメンに覗き込まれたら、心臓がおかしくなるのに。
「…理人さんの手のひらで転がされてるのは良いんですけど、ちょっとだけ悔しいです。」
僕が口を尖らせて愚痴ると、僕の反応なんかお見通しとばかりに理人さんは明るく声を立てて笑った。それから不意に僕の肩をグイと引き寄せると耳元で低くて甘い声で囁いた。
「…私だって冬馬くんの可愛さにやられっぱなしだよ。」
直ぐに身体は離されたけれど、その一瞬のスキンシップに僕の心臓は止まりそうだった。一見爽やかな理人さんとは真逆のイメージの、深みのあるスパイシーな香水が感じられて、それはまるで理人さんが別の一面を持っていると教えて来る様だった。
脳にこびりつく様なその嗅いだことのない大人っぽい香りを、僕は速い鼓動と共に胸の奥へと大事にしまい込んだ。
理人さんに連れられて入った店は、空間を贅沢に使っているものの、そこまで格式張ってはいない。案内されたテーブルの側の少し離れた壁際にはコートフックもあって、僕は黒のダッフルコートを脱いだ。
待ちかねた様に理人さんが僕からコートを受け取ると、当然の様にハンガーに掛けてくれた。そのスマートさに、エスコートなどされた事のない僕は胸が文字通りキュンと音を立てる気がした。
肌触りの良いカシミア調の薄手の白いタートルネックのニットと、ニュアンスのある黒デニムのストレートパンツの組み合わせは僕のお気に入りのスタイルだ。今日は首元に長めのシルバーのネックレスもつけてきた。
品良く、けれど硬すぎないこなれ感のあるファッションは僕の得意とする所だった。
振り返った理人さんが僕をじっと見つめると、にっこりと笑みを口元に浮かべた。
「…よく似合ってるね。冬馬くんはアカウントの画像でも思ったけど、凄くお洒落だね。自分に似合うものをよく知っているみたいだ。」
理人さんみたいに素敵な大人の男性に褒められると悪い気はしない。むしろ嬉しい。口元を緩ませながら、僕は理人さんがキャメル色のロングコートを脱ぐのを見守った。
ああ、この人のオーラがどこから来ているのか分かった気がする。
恵まれた体格とバランスの良い長い手足、モデルの様な八頭身がコートを脱ぐと余計に分かる。それは性別関係なくひと目を惹く遺伝子の勝利と言うべきものなのか、実際僕は見惚れてドキドキしてしまっていた。
黒いクールネックの滑らかな素材のカットソーのトップスは、首筋から胸元にかけて盛り上がる筋肉を感じさせる。手首から覗く高級な腕時計と金のブレスレットのラグジュアリー感を、ブラックブルーのスリムデニムでカジュアルダウンさせてリラックス感を醸し出している。
僕はファッションが好きだから、余計に理人さんの着こなしは計算され尽くされている印象を受けて、彼のそつの無さを見せつけられた気がした。もう少し隙があって欲しかったと思いながら、僕は理人さんをうっとりと眺めながらぼんやり突っ立っていた。
「…気に入ってくれたみたいだね?さぁ座って。」
笑いを滲ませた表情を浮かべた理人さんにそう声を掛けられて、僕は慌てて椅子に座るとテーブルに置かれたメニューを持ち上げて顔を隠した。恥ずかしい、馬鹿みたいに見とれてしまった。
とは言えメニューに並ぶ美味しそうな写真を舐める様に見ていくうちに、僕はすっかりお腹が空いてきた。注文を済ませると、直ぐにスパークリングワインとちょっとした前菜の様なものが運ばれて来た。
僕と理人さんは軽い音を立てて細長いグラスを触れ合わせて乾杯した。喉に軽いけれど、アルコール度数は低くは無い気がする。いつも大学の友人らと飲んでいるチューハイと比べると、直ぐに酔っ払ってしまいそうだから気をつけなくては。
周囲を見回すとテーブル毎に圧迫を感じない仕切り壁が設置してあるので、他のお客さんの視線を気にしなくても良いので僕はちょっとホッとした。僕と理人さんが一緒に居たらどんな風に他人が思うのか気になったせいだ。
単純に知り合い?最悪なのは親戚とか…。明らかな年の差のある男同士の僕達は、友達にもカップルにも見えないと思う。
「…理人さんは具体的にどんな人がタイプなんですか。」
そんな事をツラツラと考えていたせいで、脈絡もなく言葉を発してしまった。理人さんは少し何を考えているのか読めない表情をしてから、小さく笑い混じりの息をついて言った。
「私のプロフィールを見たかい?可愛い人って書いてあっただろう?見た目が可愛いとか、性格が可愛いとか、可愛いには色々あるだろうけど、冬馬くんは少なくとも見た目も性格も仕草も可愛いよ。」
仲間内の中では大人っぽいと言われる事の多かった僕は、可愛いと言われた事など無かったせいで、そう理人さんに言われてじわじわ顔が熱くなるのを感じた。
「ほら、そうやって赤くなるのも凄く可愛いね。でも悪い大人は簡単に可愛いって言うから気をつけて。私もきっと悪い大人には違いないよ。」
少し痛みを感じる様な表情を浮かべた理人さんに、僕は思わず突っかかっていた。
「…僕は世間知らずかもしれませんけど、少なくとももう子供じゃありません。もう自分で何でも決められる大人です。そうやって理人さんに悪い大人ぶられたら一線を引かれてる様で悲しいです。
生意気言ってすみません。でも、恋愛は大人と子供の間では成り立たないでしょう?理人さんは今日どう言うつもりで僕と会ってくれたんですか?僕はデートのつもりですけど、理人さんは…僕を恋愛対象に見てますか?」
不味い。ここまで言うつもりは無かったのに。スパークリングワインのせいにはしたく無いけど、目を見開いて僕を見つめる理人さんがどう答えるのかもう考えたくも無かった。
「普段時間がある様で無いから、こうやってのんびり買い物をするのは久しぶりなんだ。これも冬馬くんのお陰だね。」
大人の男の人というのはこんなにも気遣いが出来るものなのだろうか。ひと言ひと言が僕に気を遣ってくれているのが分かって、単純に嬉しい。
それでもこれからどうするのだろうと考え始めた頃、理人さんは店の外に出ながら僕に声を掛けてきた。
「さて、どこかで食事でもしようか。冬馬くんはもうお酒は飲めるんだよね?強い方?それとも…。」
「飲めます!父が強いので、僕も…。大丈夫です!」
思わず理人さんに被せる様に主張してしまったのは理由があった。ゲイのデートはお酒が基本みたいな事をネットで見たのと、自分がそこまで飲めない事を言ってしまったら、きっと理人さんは僕をお子様だと思ってますます相手にしてくれないだろう。
少しでもこの楽しい理人さんとのデートを生き長らえさせたくて、まるで酒豪の様な印象を理人さんに与えてしまった。理人さんは嬉しげに笑みを浮かべると、今度は目的を持った足取りで歩き始めた。
「ゆっくり食事もお酒も楽しめる店があるんだ。カジュアルで賑やかなのも良いけど、周囲の事を気にしなくて済む方が今日は良いかなと思って。勿論私がご馳走してあげるから、冬馬くんは色々気を回さないでね。
…ちょっとはリラックスできたかな?」
最後に理人さんに小さく囁かれながら顔を覗き込まれて、僕はコクコクと言葉も無く頷いた。不意打ちはやばい。いきなり好みのイケメンに覗き込まれたら、心臓がおかしくなるのに。
「…理人さんの手のひらで転がされてるのは良いんですけど、ちょっとだけ悔しいです。」
僕が口を尖らせて愚痴ると、僕の反応なんかお見通しとばかりに理人さんは明るく声を立てて笑った。それから不意に僕の肩をグイと引き寄せると耳元で低くて甘い声で囁いた。
「…私だって冬馬くんの可愛さにやられっぱなしだよ。」
直ぐに身体は離されたけれど、その一瞬のスキンシップに僕の心臓は止まりそうだった。一見爽やかな理人さんとは真逆のイメージの、深みのあるスパイシーな香水が感じられて、それはまるで理人さんが別の一面を持っていると教えて来る様だった。
脳にこびりつく様なその嗅いだことのない大人っぽい香りを、僕は速い鼓動と共に胸の奥へと大事にしまい込んだ。
理人さんに連れられて入った店は、空間を贅沢に使っているものの、そこまで格式張ってはいない。案内されたテーブルの側の少し離れた壁際にはコートフックもあって、僕は黒のダッフルコートを脱いだ。
待ちかねた様に理人さんが僕からコートを受け取ると、当然の様にハンガーに掛けてくれた。そのスマートさに、エスコートなどされた事のない僕は胸が文字通りキュンと音を立てる気がした。
肌触りの良いカシミア調の薄手の白いタートルネックのニットと、ニュアンスのある黒デニムのストレートパンツの組み合わせは僕のお気に入りのスタイルだ。今日は首元に長めのシルバーのネックレスもつけてきた。
品良く、けれど硬すぎないこなれ感のあるファッションは僕の得意とする所だった。
振り返った理人さんが僕をじっと見つめると、にっこりと笑みを口元に浮かべた。
「…よく似合ってるね。冬馬くんはアカウントの画像でも思ったけど、凄くお洒落だね。自分に似合うものをよく知っているみたいだ。」
理人さんみたいに素敵な大人の男性に褒められると悪い気はしない。むしろ嬉しい。口元を緩ませながら、僕は理人さんがキャメル色のロングコートを脱ぐのを見守った。
ああ、この人のオーラがどこから来ているのか分かった気がする。
恵まれた体格とバランスの良い長い手足、モデルの様な八頭身がコートを脱ぐと余計に分かる。それは性別関係なくひと目を惹く遺伝子の勝利と言うべきものなのか、実際僕は見惚れてドキドキしてしまっていた。
黒いクールネックの滑らかな素材のカットソーのトップスは、首筋から胸元にかけて盛り上がる筋肉を感じさせる。手首から覗く高級な腕時計と金のブレスレットのラグジュアリー感を、ブラックブルーのスリムデニムでカジュアルダウンさせてリラックス感を醸し出している。
僕はファッションが好きだから、余計に理人さんの着こなしは計算され尽くされている印象を受けて、彼のそつの無さを見せつけられた気がした。もう少し隙があって欲しかったと思いながら、僕は理人さんをうっとりと眺めながらぼんやり突っ立っていた。
「…気に入ってくれたみたいだね?さぁ座って。」
笑いを滲ませた表情を浮かべた理人さんにそう声を掛けられて、僕は慌てて椅子に座るとテーブルに置かれたメニューを持ち上げて顔を隠した。恥ずかしい、馬鹿みたいに見とれてしまった。
とは言えメニューに並ぶ美味しそうな写真を舐める様に見ていくうちに、僕はすっかりお腹が空いてきた。注文を済ませると、直ぐにスパークリングワインとちょっとした前菜の様なものが運ばれて来た。
僕と理人さんは軽い音を立てて細長いグラスを触れ合わせて乾杯した。喉に軽いけれど、アルコール度数は低くは無い気がする。いつも大学の友人らと飲んでいるチューハイと比べると、直ぐに酔っ払ってしまいそうだから気をつけなくては。
周囲を見回すとテーブル毎に圧迫を感じない仕切り壁が設置してあるので、他のお客さんの視線を気にしなくても良いので僕はちょっとホッとした。僕と理人さんが一緒に居たらどんな風に他人が思うのか気になったせいだ。
単純に知り合い?最悪なのは親戚とか…。明らかな年の差のある男同士の僕達は、友達にもカップルにも見えないと思う。
「…理人さんは具体的にどんな人がタイプなんですか。」
そんな事をツラツラと考えていたせいで、脈絡もなく言葉を発してしまった。理人さんは少し何を考えているのか読めない表情をしてから、小さく笑い混じりの息をついて言った。
「私のプロフィールを見たかい?可愛い人って書いてあっただろう?見た目が可愛いとか、性格が可愛いとか、可愛いには色々あるだろうけど、冬馬くんは少なくとも見た目も性格も仕草も可愛いよ。」
仲間内の中では大人っぽいと言われる事の多かった僕は、可愛いと言われた事など無かったせいで、そう理人さんに言われてじわじわ顔が熱くなるのを感じた。
「ほら、そうやって赤くなるのも凄く可愛いね。でも悪い大人は簡単に可愛いって言うから気をつけて。私もきっと悪い大人には違いないよ。」
少し痛みを感じる様な表情を浮かべた理人さんに、僕は思わず突っかかっていた。
「…僕は世間知らずかもしれませんけど、少なくとももう子供じゃありません。もう自分で何でも決められる大人です。そうやって理人さんに悪い大人ぶられたら一線を引かれてる様で悲しいです。
生意気言ってすみません。でも、恋愛は大人と子供の間では成り立たないでしょう?理人さんは今日どう言うつもりで僕と会ってくれたんですか?僕はデートのつもりですけど、理人さんは…僕を恋愛対象に見てますか?」
不味い。ここまで言うつもりは無かったのに。スパークリングワインのせいにはしたく無いけど、目を見開いて僕を見つめる理人さんがどう答えるのかもう考えたくも無かった。
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