黄泉ノ彼岸葬儀店

TERRA

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EP.7幕が下りる時Curtain Call

8

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精神世界の舞台は、現実の劇場を超えた豪華さを纏っていた。  

煌びやかな装飾が施されたステージの奥には、三途の川が静かに流れている。  
その川は、彼岸への道を示すかのように、淡い光を放っていた。  

舞台の上には、柴崎妃の姿があった。  

彼女は堂々と立ち、赤いドレスの裾を揺らしながら、客席を見渡している。  
その表情には、満足感と安らぎが滲んでいた。  

黄泉と棺は客席に立ち、彼女を静かに見守っていた。  

「これで、最後の舞台が終わったわ。」  

妃がふっと微笑む。  
その声は、舞台の隅々まで響き渡り、空間を優しく包み込んだ。  

「最高の演技だった。」  

黄泉が軽く頷きながら言う。  
その言葉には、飾り気のない真実が込められていた。  

棺は彼女の姿をじっと見つめながら、何かを言いかけたが、結局口を閉じた。  
彼女の満足そうな表情を見て、言葉は必要ないと感じたのだ。  

妃はゆっくりとステージの奥へと歩みを進める。  
その足元には、三途の川の光が柔らかく広がっている。  

「ありがとう。」  

彼女が最後に振り返り、静かに言葉を紡ぐ。  
その声は、黄泉と棺に向けられたものだった。  

そして、彼女は川の向こうへと消えていく。  

舞台の幕がゆっくりと降り始める。  
その動きは、まるで彼女の旅立ちを象徴するかのようだった。  

黄泉は軽く肩をすくめ、棺に目を向ける。  

「さて、俺らも行くか。」  

棺はその言葉に何も頷き、舞台に背を向ける。  

幕が完全に降りた時、劇場は静寂に包まれた。  

それは、彼岸への旅立ちを祝福するような、穏やかな静けさだった。
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