39 / 48
39 誤解
しおりを挟む
「フローリア? どうしてそんなに泣いて……」
「ジルの嘘つき……」
「!?」
フローリアははらはらと泣きながら、ダルディエ公爵に小さく抗議した。すでにフローリアは倒れる寸前のような顔色である。
私のせいで、ダルディエ公爵夫妻の危機に、パニックになりながら私は説明した。
自分のことと素直に言えなくて、友達の話として、ルークに愛人がいるという話をしたこと。私が友達のことと言ってしまったために、フローリアがその友達が自分のことと思い、ダルディエ公爵に愛人がいると思ってしまったことなどを説明した。
私も泣きながらの説明になり、かなり分かりづらかったはずだが、夫たちには伝わったらしい。
「ルーク、お前愛人がいたのか」
「いないいない! なんでそんな話に!?」
「私もそう思うが、これを機に誤解はすべて解け」
「誤解って、俺も何が何だか……ジル、顔が怖いぞ、そう怒るな……」
「あとで説明はしてもらうぞ。お前が全面的に悪いはずだから、夫人に謝るのだな」
「わ、分かった」
ダルディエ公爵は夫人を抱えて、別室に移動した。
ルークはソファーの私の隣に座り、肩を抱き寄せた。
「アリス、どうして俺に愛人がいる、なんて話になったんだ? 俺に愛人はいないよ」
「……ごめんなさい。わたくしが相談しようとしたばかりに、みんなに旦那様に愛人がいることが露呈してしまって……」
「だから、愛人はいないよ。妻がいるのに、愛人を作る必要がない」
「でも、愛人が先でしょう?」
「先?」
「旦那様には、愛人か恋人がいて、わたくしが後から妻になったのです」
「……うん?」
ここまでの状態になってしまったから、こっそり愛人を探せ作戦は失敗だ。もう全部吐き出してしまおうと、ルークを見た。
「旦那様、わたくし、愛人の管理もちゃんとできます。旦那様や愛人が嫌と思うようなことはしません。わたくしはちゃんと弁えることができます。旦那様がわたくしよりも、愛人と一緒にいたいなら……っ」
嫌だ嫌だ、どうしてルークを愛人に渡さなくてはならない。でも、ここで本音を言ってしまえば、私なんていらないと言われるかもしれない。
泣きたくないのに、意思に判してポタポタと涙が流れるけれど、無視して私は続けた。
「旦那様がわたくしよりも、愛人と一緒にいたいなら、一緒にいて下さってかまいません。わたくしのところに、時々でいいから、帰ってきてくださるなら……っ」
ルークは私を抱きしめた。
「俺はアリスのところにしか帰らない」
「……愛人とは、別れたのですか?」
「俺に愛人なんて、一度もいたことはない」
私から体を離すと、ルークは私の涙を拭いながら口を開いた。
「誰がそんな嘘をアリスに吹きこんだ? 帝都には、思考が捻じれていて妄想と願望を混ぜた話をするおかしな女性が多い。そういうご婦人方に何か言われたか?」
「い、いいえ」
「じゃあ、使用人か? 使用人は総入れ替えしたはずだったが、あいつの息がかかった奴がまだいたか」
「ち、違いますわ。使用人はみんな良い方ばかりで」
「じゃあ誰だ? アリス、遠慮せずに言っていい。そんな嘘を言って、アリスを泣かせた奴は、俺が徹底的に後悔させてやる」
怒りを露わにしているルークは、本当に自分に愛人がいるとは思っていない様子で、あれ? と私も少し冷静になってきた。
「お兄様がおっしゃられていました。旦那様には、結婚前から愛人か恋人がいると。だからベッドの住人だったわたくしと結婚するのだと」
「……バリー伯爵が?」
「だから、わたくしは最初から旦那様にそういう方がいるのだと思って、元気になったら、いずれは愛人管理か、離縁が待っていると思っていました」
「離縁!? しないからな!?」
離縁をしない、というルークの言葉に、少しほっとする。
「何でバリー伯爵はそんなことを言ったんだ。アリス、俺には本当に愛人も恋人もいない。アリスだけだ」
「……」
「何で、そんな疑わしい目をする!?」
「旦那様が言ったのですよ。好きな方いらっしゃると」
「は? いつ?」
「西部騎士団の城にわたくしが通っていた頃、その、キスをしそうになった時に……」
ルークは考える顔をして、はっとした。
「ほら、やっぱりいらっしゃるのではないですか」
「違う! 誤解だ!」
ルークは焦った声を出した。
「あれは、その……」
気まずそうな声を出したルークは、盛大に溜め息をついた。
「やっぱり、悪かったのは俺だな……。アリス、怒らないで聞いてほしいんだが」
ルークは私の手を握りながら、口を開いた。
「西部騎士団の城に来たアリスを、俺は妻だとは知らなかったんだ」
「……?」
「妻の侍女アリーだと聞いて、ただ単に侍女が来たのだと思った」
「わたくしの顔を見られたでしょう?」
「それを言われると辛いんだが、アリスとは初顔合わせで一度会ったきりだっただろう。痩せたアリスと、元気いっぱいのアリスが、まったく結びつかなかった。だから顔を見ても、アリスとは思わなかったんだ」
なんということだ。であれば、私はルークに対して話をして、ルークは侍女に対して話をしていたことになる。
「で、でも、イーライがわたくしのことを伝えてくれていたのでしょう? わたくし、色んなお願いをイーライ経由で旦那様にしていましたわ。わたくしのことは、イーライが伝えてくれていると聞いていました」
「それも俺が手間を省いてしまったんだ。俺は騎士団の城と政務館を行ったり来たりしていて、アリスのお願いを聞いて許可するまでに時間がかかる。それなら、イーライに権限を渡して、俺の代わりに許可を出してもらっていた。アリスがどれくらい回復したかについても、アリスを見て回復には二年はかかるだろうと思っていたから、アリスをあまり急かすのはよくないと思って、経過も聞かずにいた」
そんなことになっているとは知らなかった。
「だから、あの時、好きな人がいる、と言ったのは、妻にではなく、侍女アリーに対して言ったつもりだったんだ」
「そうだったのですね。では、その好きな方、というのは誰なのですか?」
「いや、だから……アリスのことが好きということで」
「旦那様があの時点でわたくしを認識していなかったのでしょう。初めて会ったとき以外、妻の私を見ていないのですから、わたくしを好きというのはおかしいと思うのですが」
「違うんだ……侍女アリーとキスしそうになって、俺には妻がいるから、そういう行いはダメだと思って、キスをしなかったんだ。そしたら、アリーが好きな人がいるのか、というから、妻のことを思い浮かべて、そうだと言ったんだ」
「……」
なんだ、それは。ややこしい。
「つまり、旦那様は本当は侍女アリーとキスしたかったと」
「ま、まぁ、そういうことに」
「そして、旦那様は侍女アリーが好きだということですね。妻アリスではなく」
「うん。いや、そうなんだが、そうではなくて、侍女アリーは妻アリスだろう!? だから俺が好きなのはアリスなんだ」
やっと色々つながった。私もルークもいろいろと勘違いばかりしていた。
再びじわじわと涙が溢れる私に、ルークがわたわたとした。
「侍女と妻を勘違いしていたことを、途中で気づいたのに、アリスには言わなくて悪かった! 俺が悪かったから、もう泣くな。俺はアリスが泣くと、どうすればいいか分からない」
「旦那様はひどい人です」
「本当にな。俺は反省した。これからは、包み隠さず、アリスに言う」
「それは、わたくしとずっと一緒にいるということですか?」
「あたりまえだ! 絶対に離縁なんてしないからな!?」
「わたくしも、ずっと旦那様と一緒にいたいです」
ルークは困惑の顔で私の涙を拭っている。本当に泣かれると弱いようだ。
「さっき、わたくしを好きと言ったのは本当ですか?」
「本当に決まっている。いつも言ってるだろう、俺はアリスが好きで…………、……まさか、俺は今まで好きって言っていない?」
「言っていませんわ」
一度だって好きだなんて言われたことはない。だから、私から好きなんて言えるはずがなかった。
「……俺はいろいろ足りなさすぎだな。アリスが可愛くて、構うのが楽しくなって、好きだと言っているつもりになっていた」
ルークは私を抱えて、膝に乗せた。
「好きだよ、アリス。俺にはアリスだけだ。これからは、今までの分以上に、アリスに好きだと伝えるよ」
「……わたくしも、旦那様が好きです」
私はルークに抱き付いた。
私には分不相応で手に入らないものだと思っていたルークの愛が、まさか私に与えられたのだと、嬉しくて嬉しくて再び泣いてしまうのだった。
「ジルの嘘つき……」
「!?」
フローリアははらはらと泣きながら、ダルディエ公爵に小さく抗議した。すでにフローリアは倒れる寸前のような顔色である。
私のせいで、ダルディエ公爵夫妻の危機に、パニックになりながら私は説明した。
自分のことと素直に言えなくて、友達の話として、ルークに愛人がいるという話をしたこと。私が友達のことと言ってしまったために、フローリアがその友達が自分のことと思い、ダルディエ公爵に愛人がいると思ってしまったことなどを説明した。
私も泣きながらの説明になり、かなり分かりづらかったはずだが、夫たちには伝わったらしい。
「ルーク、お前愛人がいたのか」
「いないいない! なんでそんな話に!?」
「私もそう思うが、これを機に誤解はすべて解け」
「誤解って、俺も何が何だか……ジル、顔が怖いぞ、そう怒るな……」
「あとで説明はしてもらうぞ。お前が全面的に悪いはずだから、夫人に謝るのだな」
「わ、分かった」
ダルディエ公爵は夫人を抱えて、別室に移動した。
ルークはソファーの私の隣に座り、肩を抱き寄せた。
「アリス、どうして俺に愛人がいる、なんて話になったんだ? 俺に愛人はいないよ」
「……ごめんなさい。わたくしが相談しようとしたばかりに、みんなに旦那様に愛人がいることが露呈してしまって……」
「だから、愛人はいないよ。妻がいるのに、愛人を作る必要がない」
「でも、愛人が先でしょう?」
「先?」
「旦那様には、愛人か恋人がいて、わたくしが後から妻になったのです」
「……うん?」
ここまでの状態になってしまったから、こっそり愛人を探せ作戦は失敗だ。もう全部吐き出してしまおうと、ルークを見た。
「旦那様、わたくし、愛人の管理もちゃんとできます。旦那様や愛人が嫌と思うようなことはしません。わたくしはちゃんと弁えることができます。旦那様がわたくしよりも、愛人と一緒にいたいなら……っ」
嫌だ嫌だ、どうしてルークを愛人に渡さなくてはならない。でも、ここで本音を言ってしまえば、私なんていらないと言われるかもしれない。
泣きたくないのに、意思に判してポタポタと涙が流れるけれど、無視して私は続けた。
「旦那様がわたくしよりも、愛人と一緒にいたいなら、一緒にいて下さってかまいません。わたくしのところに、時々でいいから、帰ってきてくださるなら……っ」
ルークは私を抱きしめた。
「俺はアリスのところにしか帰らない」
「……愛人とは、別れたのですか?」
「俺に愛人なんて、一度もいたことはない」
私から体を離すと、ルークは私の涙を拭いながら口を開いた。
「誰がそんな嘘をアリスに吹きこんだ? 帝都には、思考が捻じれていて妄想と願望を混ぜた話をするおかしな女性が多い。そういうご婦人方に何か言われたか?」
「い、いいえ」
「じゃあ、使用人か? 使用人は総入れ替えしたはずだったが、あいつの息がかかった奴がまだいたか」
「ち、違いますわ。使用人はみんな良い方ばかりで」
「じゃあ誰だ? アリス、遠慮せずに言っていい。そんな嘘を言って、アリスを泣かせた奴は、俺が徹底的に後悔させてやる」
怒りを露わにしているルークは、本当に自分に愛人がいるとは思っていない様子で、あれ? と私も少し冷静になってきた。
「お兄様がおっしゃられていました。旦那様には、結婚前から愛人か恋人がいると。だからベッドの住人だったわたくしと結婚するのだと」
「……バリー伯爵が?」
「だから、わたくしは最初から旦那様にそういう方がいるのだと思って、元気になったら、いずれは愛人管理か、離縁が待っていると思っていました」
「離縁!? しないからな!?」
離縁をしない、というルークの言葉に、少しほっとする。
「何でバリー伯爵はそんなことを言ったんだ。アリス、俺には本当に愛人も恋人もいない。アリスだけだ」
「……」
「何で、そんな疑わしい目をする!?」
「旦那様が言ったのですよ。好きな方いらっしゃると」
「は? いつ?」
「西部騎士団の城にわたくしが通っていた頃、その、キスをしそうになった時に……」
ルークは考える顔をして、はっとした。
「ほら、やっぱりいらっしゃるのではないですか」
「違う! 誤解だ!」
ルークは焦った声を出した。
「あれは、その……」
気まずそうな声を出したルークは、盛大に溜め息をついた。
「やっぱり、悪かったのは俺だな……。アリス、怒らないで聞いてほしいんだが」
ルークは私の手を握りながら、口を開いた。
「西部騎士団の城に来たアリスを、俺は妻だとは知らなかったんだ」
「……?」
「妻の侍女アリーだと聞いて、ただ単に侍女が来たのだと思った」
「わたくしの顔を見られたでしょう?」
「それを言われると辛いんだが、アリスとは初顔合わせで一度会ったきりだっただろう。痩せたアリスと、元気いっぱいのアリスが、まったく結びつかなかった。だから顔を見ても、アリスとは思わなかったんだ」
なんということだ。であれば、私はルークに対して話をして、ルークは侍女に対して話をしていたことになる。
「で、でも、イーライがわたくしのことを伝えてくれていたのでしょう? わたくし、色んなお願いをイーライ経由で旦那様にしていましたわ。わたくしのことは、イーライが伝えてくれていると聞いていました」
「それも俺が手間を省いてしまったんだ。俺は騎士団の城と政務館を行ったり来たりしていて、アリスのお願いを聞いて許可するまでに時間がかかる。それなら、イーライに権限を渡して、俺の代わりに許可を出してもらっていた。アリスがどれくらい回復したかについても、アリスを見て回復には二年はかかるだろうと思っていたから、アリスをあまり急かすのはよくないと思って、経過も聞かずにいた」
そんなことになっているとは知らなかった。
「だから、あの時、好きな人がいる、と言ったのは、妻にではなく、侍女アリーに対して言ったつもりだったんだ」
「そうだったのですね。では、その好きな方、というのは誰なのですか?」
「いや、だから……アリスのことが好きということで」
「旦那様があの時点でわたくしを認識していなかったのでしょう。初めて会ったとき以外、妻の私を見ていないのですから、わたくしを好きというのはおかしいと思うのですが」
「違うんだ……侍女アリーとキスしそうになって、俺には妻がいるから、そういう行いはダメだと思って、キスをしなかったんだ。そしたら、アリーが好きな人がいるのか、というから、妻のことを思い浮かべて、そうだと言ったんだ」
「……」
なんだ、それは。ややこしい。
「つまり、旦那様は本当は侍女アリーとキスしたかったと」
「ま、まぁ、そういうことに」
「そして、旦那様は侍女アリーが好きだということですね。妻アリスではなく」
「うん。いや、そうなんだが、そうではなくて、侍女アリーは妻アリスだろう!? だから俺が好きなのはアリスなんだ」
やっと色々つながった。私もルークもいろいろと勘違いばかりしていた。
再びじわじわと涙が溢れる私に、ルークがわたわたとした。
「侍女と妻を勘違いしていたことを、途中で気づいたのに、アリスには言わなくて悪かった! 俺が悪かったから、もう泣くな。俺はアリスが泣くと、どうすればいいか分からない」
「旦那様はひどい人です」
「本当にな。俺は反省した。これからは、包み隠さず、アリスに言う」
「それは、わたくしとずっと一緒にいるということですか?」
「あたりまえだ! 絶対に離縁なんてしないからな!?」
「わたくしも、ずっと旦那様と一緒にいたいです」
ルークは困惑の顔で私の涙を拭っている。本当に泣かれると弱いようだ。
「さっき、わたくしを好きと言ったのは本当ですか?」
「本当に決まっている。いつも言ってるだろう、俺はアリスが好きで…………、……まさか、俺は今まで好きって言っていない?」
「言っていませんわ」
一度だって好きだなんて言われたことはない。だから、私から好きなんて言えるはずがなかった。
「……俺はいろいろ足りなさすぎだな。アリスが可愛くて、構うのが楽しくなって、好きだと言っているつもりになっていた」
ルークは私を抱えて、膝に乗せた。
「好きだよ、アリス。俺にはアリスだけだ。これからは、今までの分以上に、アリスに好きだと伝えるよ」
「……わたくしも、旦那様が好きです」
私はルークに抱き付いた。
私には分不相応で手に入らないものだと思っていたルークの愛が、まさか私に与えられたのだと、嬉しくて嬉しくて再び泣いてしまうのだった。
1,273
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
【完結】騎士団長の旦那様は小さくて年下な私がお好みではないようです
大森 樹
恋愛
貧乏令嬢のヴィヴィアンヌと公爵家の嫡男で騎士団長のランドルフは、お互いの親の思惑によって結婚が決まった。
「俺は子どもみたいな女は好きではない」
ヴィヴィアンヌは十八歳で、ランドルフは三十歳。
ヴィヴィアンヌは背が低く、ランドルフは背が高い。
ヴィヴィアンヌは貧乏で、ランドルフは金持ち。
何もかもが違う二人。彼の好みの女性とは真逆のヴィヴィアンヌだったが、お金の恩があるためなんとか彼の妻になろうと奮闘する。そんな中ランドルフはぶっきらぼうで冷たいが、とろこどころに優しさを見せてきて……!?
貧乏令嬢×不器用な騎士の年の差ラブストーリーです。必ずハッピーエンドにします。
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
はじめまして、旦那様。離婚はいつになさいます?
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
「はじめてお目にかかります。……旦那様」
「……あぁ、君がアグリア、か」
「それで……、離縁はいつになさいます?」
領地の未来を守るため、同じく子爵家の次男で軍人のシオンと期間限定の契約婚をした貧乏貴族令嬢アグリア。
両家の顔合わせなし、婚礼なし、一切の付き合いもなし。それどころかシオン本人とすら一度も顔を合わせることなく結婚したアグリアだったが、長らく戦地へと行っていたシオンと初対面することになった。
帰ってきたその日、アグリアは約束通り離縁を申し出たのだが――。
形だけの結婚をしたはずのふたりは、愛で結ばれた本物の夫婦になれるのか。
★HOTランキング最高2位をいただきました! ありがとうございます!
※書き上げ済みなので完結保証。他サイトでも掲載中です。
忘れられた幼な妻は泣くことを止めました
帆々
恋愛
アリスは十五歳。王国で高家と呼ばれるう高貴な家の姫だった。しかし、家は貧しく日々の暮らしにも困窮していた。
そんな時、アリスの父に非常に有利な融資をする人物が現れた。その代理人のフーは巧みに父を騙して、莫大な借金を負わせてしまう。
もちろん返済する目処もない。
「アリス姫と我が主人との婚姻で借財を帳消しにしましょう」
フーの言葉に父は頷いた。アリスもそれを責められなかった。家を守るのは父の責務だと信じたから。
嫁いだドリトルン家は悪徳金貸しとして有名で、アリスは邸の厳しいルールに従うことになる。フーは彼女を監視し自由を許さない。そんな中、夫の愛人が邸に迎え入れることを知る。彼女は庭の隅の離れ住まいを強いられているのに。アリスは嘆き悲しむが、フーに強く諌められてうなだれて受け入れた。
「ご実家への援助はご心配なく。ここでの悪くないお暮らしも保証しましょう」
そういう経緯を仲良しのはとこに打ち明けた。晩餐に招かれ、久しぶりに心の落ち着く時間を過ごした。その席にははとこ夫妻の友人のロエルもいて、彼女に彼の掘った珍しい鉱石を見せてくれた。しかし迎えに現れたフーが、和やかな夜をぶち壊してしまう。彼女を庇うはとこを咎め、フーの無礼を責めたロエルにまで痛烈な侮蔑を吐き捨てた。
厳しい婚家のルールに縛られ、アリスは外出もままならない。
それから五年の月日が流れ、ひょんなことからロエルに再会することになった。金髪の端正な紳士の彼は、彼女に問いかけた。
「お幸せですか?」
アリスはそれに答えられずにそのまま別れた。しかし、その言葉が彼の優しかった印象と共に尾を引いて、彼女の中に残っていく_______。
世間知らずの高貴な姫とやや強引な公爵家の子息のじれじれなラブストーリーです。
古風な恋愛物語をお好きな方にお読みいただけますと幸いです。
ハッピーエンドを心がけております。読後感のいい物語を努めます。
※小説家になろう様にも投稿させていただいております。
【完結】大好き、と告白するのはこれを最後にします!
高瀬船
恋愛
侯爵家の嫡男、レオン・アルファストと伯爵家のミュラー・ハドソンは建国から続く由緒ある家柄である。
7歳年上のレオンが大好きで、ミュラーは幼い頃から彼にべったり。ことある事に大好き!と伝え、少女へと成長してからも顔を合わせる度に結婚して!ともはや挨拶のように熱烈に求婚していた。
だけど、いつもいつもレオンはありがとう、と言うだけで承諾も拒絶もしない。
成人を控えたある日、ミュラーはこれを最後の告白にしよう、と決心しいつものようにはぐらかされたら大人しく彼を諦めよう、と決めていた。
そして、彼を諦め真剣に結婚相手を探そうと夜会に行った事をレオンに知られたミュラーは初めて彼の重いほどの愛情を知る
【お互い、モブとの絡み発生します、苦手な方はご遠慮下さい】
【完結】何故こうなったのでしょう? きれいな姉を押しのけブスな私が王子様の婚約者!!!
りまり
恋愛
きれいなお姉さまが最優先される実家で、ひっそりと別宅で生活していた。
食事も自分で用意しなければならないぐらい私は差別されていたのだ。
だから毎日アルバイトしてお金を稼いだ。
食べるものや着る物を買うために……パン屋さんで働かせてもらった。
パン屋さんは家の事情を知っていて、毎日余ったパンをくれたのでそれは感謝している。
そんな時お姉さまはこの国の第一王子さまに恋をしてしまった。
王子さまに自分を売り込むために、私は王子付きの侍女にされてしまったのだ。
そんなの自分でしろ!!!!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる