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◇初めての夜
「思う通り」*優月※
しおりを挟む裸の腕に、肌に、縋るように触れると。
胸が、弾む。
はだけさせられたバスローブはもう腕に引っかかってるだけで、ほぼ全裸で、玲央の肌と密着してる。
……どうしよう、くっついてるだけで、すごく、気持ちいいんだけど……。
ぎゅ、と瞳を閉じていると。
玲央がちゅ、と頬に口づけてきた。
頬に触れてた手が首筋をなぞって、胸に滑った。する、と全体を撫でてから。先端を、かり、と爪先で引っ掻いて。
「……っ……」
驚いて、玲央を見上げると。
玲央がクス、と笑った。
「……自分で乳首、触ったことある?」
「……っ無い」
ある訳ない、なんて思いながら、見上げて答える。その間も、ずっと乳首を弄ってる玲央。
「触られてて、どう? 気持ちいい?」
「……っ……くすぐったい……? よく分かんない……」
「しばらく試させて」
すり、と頭を撫でられて、玲央が少し下に頭を下げてった。
「――――……っ?」
片方舐められて、片方は指で弄られて。
感覚は、くすぐったくて、なんか、もどかしい、感じ、なのだけれど……。
玲央が、オレの胸に居て、そんなとこをいじってるっていうこの状況が、恥ずかしすぎて。それだけでもう、体温上がっておかしくなりそうで。
「……あ!」
何、今の。
――――……急に声が、上がってしまった。
「少し噛んだけど……気持ち良かった?」
くす、と笑って、見上げてくる。
「……っ」
うん、と頷く。ていうか、そんな所から見上げられるこの視界が耐えられないのに、視線が外せない。
「もう少し、感じてて?」
楽しそうに言った玲央がまた、頭を下げてしまって。
与えられる刺激に、ぎゅ、と触れたバスローブを握り締める。
長く弄られてると、むず痒い気がしてくる。
「……ン……」
触り方が、うますぎるのか。
体の奥から、熱が呼び起こされてくみたいで。
ぎゅ、と目を閉じて耐える。
「……反応してきた」
「――――……っ」
「気持ちよくなってきただろ?……濡れてるし」
ゆるくたちあがってた中心に触れられて、緩く扱かれる。先端が濡れているのを、指先で弄られて、ぐちゅ、と音を立てられて。恥ずかしくなって、カッと耳まで熱くなる。
胸に優しく歯を立てられた瞬間、ぞくんと鋭い快感が走って、握られてるそこがびく、と震えた。
「……あ……っ?」
「……胸いじると、こっちにちゃんと響くんだな――――……」
かわいーな、と呟いて、くす、と笑う玲央にますます恥ずかしくなる。
「これ、気持ちいいって、覚えて?」
逆の乳首にも舌を這わされて。噛みしめた唇から、声がくぐもって漏れる。
「……っ……ン……」
どれくらい弄られてたか。
上も下も刺激されて、体の熱がどんどん上がっていく。
「……あ……れお……も、やめ……」
「……イッていいよ?」
「……っ」
……オレ、今日、もう、3回目……。
ていうか、日に、そんなにしたことない。てか、イけるのかな。
なんか、腰の奥が、重くなってきて、ちょっと辛い。そう、思うのに。
「――――……っ」
自分で驚くくらい、あっという間に、イかされて。
涙が、きつく閉じた目尻から、零れた。
頭が真っ白になってる間も、玲央の指は、乳首を刺激してて。
噛みしめて止めていた息が震えると、気づいた玲央が顔をあげてきた。
「――――……優月?……大丈夫か?」
クスクス笑いながら、目尻にキスされる。
なんか――――……。
玲央の思う通りに、体が変ってく気がする。
大丈夫か、なんて聞いてくれるけど……。
……全然、大丈夫じゃない。
自分の意志で、じゃなく、こんな何回も。
胸を弄られて、こんなに気持ちよくなってきてるとか、もう、全然意味が分からない。ここって、こんなにゾクゾクするものなんだ。
頭の中、なんかもう、ぐちゃぐちゃになりそうで。
摘まんで、引っ掻いて、捏ねたり。
噛まれたり。
「……れお、もう……それ、やめて」
ぞわぞわするのが半端ない。
居た堪れなくなって、そう言ったら。
ふと、玲央がまた顔を上げてきて、オレを見つめた。
「――――……可愛い顔、してンな……」
くす、と笑う玲央。
「気持ちよくて、しょーがないって顔……」
「……っ」
「――――……もっと、ヨくしたくなるし……」
玲央の手がまた、達したばかりのそれに触れる。
「や……」
「――――……ちょっと体、起こしてて」
「……っ」
後ろに手をついて、頑張って起き上がると、後ろにあった大きめの枕に背中をつかされる。
「――――……見てろよ?」
「……?」
玲央が、手で触れていたそれに顔を寄せて。
ちゅ、とキスした。
「――――……っや」
驚いて上げた声は、次の瞬間、噛みしめて飲み込むしかなかった。
玲央が、ゆっくり舌を這わせて、一気に口内に入れてしまったせいで。息もできなくなる。
「……っ……」
口を手で覆って、でも玲央から目が離せなくて。
自分のそれが、玲央の口から出入りする様に。
おかしくなりそうで。
「や……だ……っ……やめて……」
「……むり」
そんな所から、オレを見上げて、ニヤ、と笑う。
「……っっ……ん……んっ」
一気に快感を高められて、頭が真っ白になって。
このままだと、玲央の口に出ちゃうと焦って。
玲央の頭に手をかけて、引きはがそうとすると。その手を掴んで、離される。
「……手、邪魔」
「っだって……」
「いいから、出せよ」
クス、と笑った玲央に手をどけられて。
そこで喋られると、不規則に当たるから、もう、ゾワゾワ感が半端なくて。
もう、無理、と思うと、涙が溢れてくる。
玲央はもう、何も言わず。
どんどん追い立てられて。
「……や、だ」
玲央の口になんて、やだ……。
絶対やだと思って精一杯耐えるのに。
結局――――……。
「……っあ……っ……」
足ががく、と震えて。
耐えたせいなのか余計おかしくなりそうな快感が襲ってきて。
頭の中、本当に真っ白で、耳鳴りがしてきて。
少しの間真っ白な世界にいたけれど。
すぐに、ハッと、事態を飲み込んだ。
――――……無理無理無理無理無理無理……!!
いつのまにか倒れてた枕から、がば、と起き上がると。
玲央が、ぺろ、と舌をなめてるところで。
色っぽいなんて感じる様に、かあああっと、顔に熱が集まって、耳まで熱くなって。けれど。そんな事言ってる場合じゃない。
「っ……飲んじゃっ……たの……?」
「……ん」
クス、と笑いながら、玲央が頷いた。
――――……も、眩暈がする。
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