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第11話 黒龍戦後の勇者
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目が覚めるとそこは見知らぬ山の中。
いや、見慣れないだけで来たことがある。
「そうか。俺は確か、山で黒龍と戦って、それで……」
どうなったんだ? 途中から無我夢中でよく覚えていない。
生きてるってことは黒龍を倒したってことなのか?
なんだか別人の声が聞こえたような気がしたが、気のせいか?
なんだろう。頭がガンガンする。
「よかったです。目が覚めたです」
「カーテット。当たり前だろ。俺は勇者だ。って、いてて」
「無理は良くないですわ」
「済まない」
俺の周りには黒竜に囚われていた女性たちもいた。
どうやらパーティメンバーだけでなく、囚われていた女性たちも俺の看病をしてくれたらしい。
そして、俺の仲間は装備を破壊されたものの、代わりの衣服をもらった様子だ。
しかし、どれだけ見回してもその中にはアルカの姿はない。
これだけの傷を負っても目的を達成できないってのか?
「くそ!」
「ベルトレット様は悪くありません。相手が悪かっただけです」
「ああ。それもあるかもしれない。だが」
「だが?」
自分が気づいていることに嫌気がさす。だが、言葉にしなければこのイライラは収まらない。
なぜなら、事実だから。
「俺たちのパーティにおけるラウルとアルカの役割、それはあくまで偵察。敵の力を推し量ることだけだったはずだ。それが、これじゃなんだ? 俺たちは二人のお膳立てがないと、まともに戦えない弱小パーティみたいじゃないか」
コボルドの時にしてもそうだ。毎度の戦闘でこんなに疲弊していてはテンポが遅くなってしまう。
先に進むのだっていつまでも待ってくれるわけじゃない。
魔王が静かなのもいつまでも続くとは限らない。
それなのに、今の状態では強かったのは、ラウルとアルカの二人だけだったみたいじゃないか。
「黒龍には勝ったです。それでよくないです?」
純粋なカーテットは不思議そうだ。
そうだよな。勝ちは勝ち。パーティとして人数が減っているだけで質が落ちているわけじゃないってことか。
それに、アルカが出てこないことについては何か理由があるかもしれない。
それについて聞けたから、みんながそのことを黙っている可能性もある。
「この場は勝ちでよしとするか。それでアルカについては何か聞けたか?」
「いいえ。誰も何も知りませんでしたわ。申し訳ありません」
「いや、みんなが気にすることじゃない。ということは黒龍は白だったってことか」
俺は転がっている黒龍の死体を見た。こいつがアルカをさらっていないとすると、アルカは今どこにいるんだ?
そもそも、俺の手に全く手応えが残っていない。
もっと倒した時の感覚は思い出せるものだが、今回はそれがない。
実は自滅技を耐えたとかそういうことはないよな。うん。それはない。切断面は俺のものだとわかる。それくらいはわかる。
「考えすぎか。おっとっと」
立ち上がろうとしたが、一人でまともに立つことすらできなかった。
「お支えします?」
「ありがとうペクター」
みんなに支えてもらわないとまともに立てないなんて、相当疲れているらしい。
全力を出すのが久しぶりだったからかもしれない。
「ひとまず報告に行くとするか。後のことはそれから考えよう。囚われていた皆さんはついてきてください!」
俺は女性たちを引き連れ街に戻った。
街に戻ると女性たちは自分の家の方へと帰っていった。
案外住み心地がよかったのか、感謝してくれる人はほとんどいなかった。いや、一人もいなかったかもしれない。
街の人は見つけてくれたと思ったかもしれないが、囚われていた人たちの感想は違うかもしれない。
看病こそしてくれたものの、俺のことをよく思っていなかった気がする。もしかしたら、冒険者を攻撃していたのも何か別の脅威から守るためで、守れなかったから死傷者が出ていたって話だったりするのか?
いや、さすがにそれは考えすぎか。アルカ探しで頭も疲れているのかもしれない。
「おう。ボケーっとしてんじゃねぇぞクソ勇者」
「あ、ああ」
ギルドのドアを開けただけだが、冒険者に睨まれてしまった。
やはり俺の方は嫌われ者らしい。
「オンボロだな? 勇者様。どうだい黒龍は?」
「倒してきたぞ」
「そうか、倒してきたか。は?」
「本当ですか?」
受付嬢の目が輝いている。
さぞ面倒な相手だったのだろう。この顔を見るからに、俺の考えはただの心配に過ぎなかったと言っていいだろう。
やはり俺は頭もキレる勇者だからな。
それはさておき。
「ああ。ほれ見ろ」
「なんだただの黒い鱗じゃないか。は! そうか、黒龍間違いなんだな?」
「おっとっと。こっちだったな」
先に出したのは戦利品だった。
ただの戦利品だった。
「これは!」
俺のギルドカードを見ると受付嬢はさらに表情を明るくした。
倒したモンスターの欄には黒龍が登録されていることを全員が確認したようだ。俺の顔とギルドカードをしきりに見比べている。
討伐モンスターを記録するのはカードにかかった魔法によるものだから、偽装はできない。
無駄に高位の魔法が使われてるからな。
以前、魔王を倒したことにしようとしたが、俺たち勇者パーティの魔法力ですら無理だった。おそらく現代の魔法とは全く別の魔法が使われているのだと思う。
「本当に倒されたんですね」
「マジかよ」
「当たり前だ」
「報酬は」
「その話は後でいい。今日はこれで帰らせてもらう」
「わかりました」
もっと褒められるかと思ったが、案外淡白だった。
くそ。
なんだかどうにも調子が乗らない。もっと長居すれば褒められたのかもしれないが、体もだるいしなんだか視界がフラフラする。
「大丈夫です? 今にも倒れそうです」
「ん? ああ。大丈夫だ。ただ、拠点に戻るまで、みんなで支えてくれないか?」
全員頷いてくれた。
やはり、過酷な困難を乗り越えた仲間たちだ。
アルカと再開できれば、ここにアルカが加わるかと思うと胸が高鳴る。
やはり早く探さなくては。
しかしそのためにも体を休めないとな。
「全員が回復するまでしばらく大人しくしていよう。俺たち勇者パーティのやることは元から骨が折れる。今の状態で向かうのは無謀だからな」
「わかりましたわ」
「しかし、ペクターの回復ですら治らないなんて、黒龍。厄介なやつだった」
「すぐに回復すればよかったのですが」
「いいって。ペクターが気にすることじゃない。だが、次に行くまでどれだけの時間がかかるか」
少しずつ治っている気はするが、どうにもまだまだ治っていない感じだ。
今は情報収集の期間でもあるし気長に待つとするか。
いや、見慣れないだけで来たことがある。
「そうか。俺は確か、山で黒龍と戦って、それで……」
どうなったんだ? 途中から無我夢中でよく覚えていない。
生きてるってことは黒龍を倒したってことなのか?
なんだか別人の声が聞こえたような気がしたが、気のせいか?
なんだろう。頭がガンガンする。
「よかったです。目が覚めたです」
「カーテット。当たり前だろ。俺は勇者だ。って、いてて」
「無理は良くないですわ」
「済まない」
俺の周りには黒竜に囚われていた女性たちもいた。
どうやらパーティメンバーだけでなく、囚われていた女性たちも俺の看病をしてくれたらしい。
そして、俺の仲間は装備を破壊されたものの、代わりの衣服をもらった様子だ。
しかし、どれだけ見回してもその中にはアルカの姿はない。
これだけの傷を負っても目的を達成できないってのか?
「くそ!」
「ベルトレット様は悪くありません。相手が悪かっただけです」
「ああ。それもあるかもしれない。だが」
「だが?」
自分が気づいていることに嫌気がさす。だが、言葉にしなければこのイライラは収まらない。
なぜなら、事実だから。
「俺たちのパーティにおけるラウルとアルカの役割、それはあくまで偵察。敵の力を推し量ることだけだったはずだ。それが、これじゃなんだ? 俺たちは二人のお膳立てがないと、まともに戦えない弱小パーティみたいじゃないか」
コボルドの時にしてもそうだ。毎度の戦闘でこんなに疲弊していてはテンポが遅くなってしまう。
先に進むのだっていつまでも待ってくれるわけじゃない。
魔王が静かなのもいつまでも続くとは限らない。
それなのに、今の状態では強かったのは、ラウルとアルカの二人だけだったみたいじゃないか。
「黒龍には勝ったです。それでよくないです?」
純粋なカーテットは不思議そうだ。
そうだよな。勝ちは勝ち。パーティとして人数が減っているだけで質が落ちているわけじゃないってことか。
それに、アルカが出てこないことについては何か理由があるかもしれない。
それについて聞けたから、みんながそのことを黙っている可能性もある。
「この場は勝ちでよしとするか。それでアルカについては何か聞けたか?」
「いいえ。誰も何も知りませんでしたわ。申し訳ありません」
「いや、みんなが気にすることじゃない。ということは黒龍は白だったってことか」
俺は転がっている黒龍の死体を見た。こいつがアルカをさらっていないとすると、アルカは今どこにいるんだ?
そもそも、俺の手に全く手応えが残っていない。
もっと倒した時の感覚は思い出せるものだが、今回はそれがない。
実は自滅技を耐えたとかそういうことはないよな。うん。それはない。切断面は俺のものだとわかる。それくらいはわかる。
「考えすぎか。おっとっと」
立ち上がろうとしたが、一人でまともに立つことすらできなかった。
「お支えします?」
「ありがとうペクター」
みんなに支えてもらわないとまともに立てないなんて、相当疲れているらしい。
全力を出すのが久しぶりだったからかもしれない。
「ひとまず報告に行くとするか。後のことはそれから考えよう。囚われていた皆さんはついてきてください!」
俺は女性たちを引き連れ街に戻った。
街に戻ると女性たちは自分の家の方へと帰っていった。
案外住み心地がよかったのか、感謝してくれる人はほとんどいなかった。いや、一人もいなかったかもしれない。
街の人は見つけてくれたと思ったかもしれないが、囚われていた人たちの感想は違うかもしれない。
看病こそしてくれたものの、俺のことをよく思っていなかった気がする。もしかしたら、冒険者を攻撃していたのも何か別の脅威から守るためで、守れなかったから死傷者が出ていたって話だったりするのか?
いや、さすがにそれは考えすぎか。アルカ探しで頭も疲れているのかもしれない。
「おう。ボケーっとしてんじゃねぇぞクソ勇者」
「あ、ああ」
ギルドのドアを開けただけだが、冒険者に睨まれてしまった。
やはり俺の方は嫌われ者らしい。
「オンボロだな? 勇者様。どうだい黒龍は?」
「倒してきたぞ」
「そうか、倒してきたか。は?」
「本当ですか?」
受付嬢の目が輝いている。
さぞ面倒な相手だったのだろう。この顔を見るからに、俺の考えはただの心配に過ぎなかったと言っていいだろう。
やはり俺は頭もキレる勇者だからな。
それはさておき。
「ああ。ほれ見ろ」
「なんだただの黒い鱗じゃないか。は! そうか、黒龍間違いなんだな?」
「おっとっと。こっちだったな」
先に出したのは戦利品だった。
ただの戦利品だった。
「これは!」
俺のギルドカードを見ると受付嬢はさらに表情を明るくした。
倒したモンスターの欄には黒龍が登録されていることを全員が確認したようだ。俺の顔とギルドカードをしきりに見比べている。
討伐モンスターを記録するのはカードにかかった魔法によるものだから、偽装はできない。
無駄に高位の魔法が使われてるからな。
以前、魔王を倒したことにしようとしたが、俺たち勇者パーティの魔法力ですら無理だった。おそらく現代の魔法とは全く別の魔法が使われているのだと思う。
「本当に倒されたんですね」
「マジかよ」
「当たり前だ」
「報酬は」
「その話は後でいい。今日はこれで帰らせてもらう」
「わかりました」
もっと褒められるかと思ったが、案外淡白だった。
くそ。
なんだかどうにも調子が乗らない。もっと長居すれば褒められたのかもしれないが、体もだるいしなんだか視界がフラフラする。
「大丈夫です? 今にも倒れそうです」
「ん? ああ。大丈夫だ。ただ、拠点に戻るまで、みんなで支えてくれないか?」
全員頷いてくれた。
やはり、過酷な困難を乗り越えた仲間たちだ。
アルカと再開できれば、ここにアルカが加わるかと思うと胸が高鳴る。
やはり早く探さなくては。
しかしそのためにも体を休めないとな。
「全員が回復するまでしばらく大人しくしていよう。俺たち勇者パーティのやることは元から骨が折れる。今の状態で向かうのは無謀だからな」
「わかりましたわ」
「しかし、ペクターの回復ですら治らないなんて、黒龍。厄介なやつだった」
「すぐに回復すればよかったのですが」
「いいって。ペクターが気にすることじゃない。だが、次に行くまでどれだけの時間がかかるか」
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