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傭兵団改めて九頭竜の牙狩猟団
王への謁見―九頭竜の牙狩猟団―
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私はアイカさんと、ソルジャー談義で盛り上がった。何しろ現実にいたのだ。道理で人工知能にしては、感情も豊かであり学習能力もずば抜けているはずだ。街を歩く人たちも現実にいたのだ。モンスターたちも実際にいたのだから盛り上がりもする。そして、人を実際に殺してもいたのだと実感してひどく悲しい罪を背負ったとも思ってしまった。私は直接は殺してはいない。だけど、9人に命令してしまったのだから同罪だ。アイカさんは実際に殺している。手を血に染めているのだ。罪の意識は彼女の方が大きいだろう。
「でもさ、私たちがやらなかったら国はまだまだ荒れていたと思うんだ。きっと神様は私たちのいた争いの少ない日本から命を尊ぶ人を選んでゲームをさせていたのかもしれないし。私も、剣を交えた相手に家族がいるとかいろいろ想像しながら、でも国をまとめればきっと。なんて思ったんだよ。亡くなった人も家族が幸せで安全に暮らせば安心すると思う」
アイカさんも立派な志しを持っているんだ。それもひとつの大きな思いだと思う。私の思いはただ9人と一緒に世界を感じたかっただけだ。でも、結局9人は私を過保護に扱って拠点に20年も押し込めた。おかげでレベルはずっと上がらないまま。技能だけが増えていった。でも、忍者なのに忍術がないのはどうしたものか。ただ、彼らを感じられる思い出の形の一つでもあるのだ。
「すごいですね。アイカさんは。私はすごく弱いです。こんな姿をしていますが、日本では34歳ですよ。しかも半身不随でまともな活動もできませんでした。恋なんかもずっと出来ないんだななんて思ったんです。だけど、イオリが私をゲームの中だけでも最強を名乗らせてやるお前はそんな女であり、俺にはお前を守らせてくれ俺のすべてをお前にやる。だなんて言ってくれました。現実に私はイオリに惹かれていたのでしょうね逆に20年私はイオリに捧げました。尽くしました」
「あはは、私も実は20年サービス開始からずっとプレイしてたんだよね。私はもっと歳上なのよ? 34歳なんて若いわよ。それに、私はただ子どもを産めば用済み扱いよ。だから、ゲームにあけくれていたダメな大人なの。ソルジャーズオンラインでもカンストしては職業変更してまたレベル上げて繰り返してたら九頭竜の牙の横に立っていただけの廃人だよ」
「そんなことはありませんよ。アイカさんも立派な志しを持った傭兵でした。でももう国は平和です。モンスターの驚異以外は。だから狩猟団を結成しましょう。王様に許可をもらってこの拠点を大きくして狩猟団のための場所にします。世界をモンスターから守りましょう」
「それは、良いわね! 九頭竜の牙狩猟団、団長アカリ様……騎士として貴女を守りましょう」
「あわわわ?! アイカさんも団長の一人ですよ。双角の団長として、切磋琢磨しましょう」
「そう? あいつらに認めさせるには丁度良いわね! 何が職業浮気性よ! 強くなるにはいろいろ経験しないと強くなれないでしょ! って、愚痴っても仕方ないわね。よし、王様に会いに行くわよ!」
思い立ったらすぐに行動するアイカさんは、なんだか眩しく見えます。ウジウジした私とは違いますね。王様に……緊張します。
―――――――――――――――――――
お城についてしまいました。私たちは門兵に告げます。謁見を許してくださいって。そしたらアイカさんのことを厚待遇に応対しながら、王様のいる謁見の間へ連れていかれました。
「アイカ殿ではないですか。他の方々はどうされましたかな? そちらのお嬢さんもはじめましてですね」
えらく腰の低い王様に私は笑いそうになるのをこらえます。
「あぁ、こちらは稀人であり。九頭竜の牙の真の団長アカリ殿だ。イオリ殿との約束で、真の団長として認められる働きをしたら、また戻るとのこと。そこで、九頭竜の牙の拠点を狩猟団として活用してモンスターどもを駆逐することを進言する」
「ははぁ、成る程。では、人員をそちらの拠点に派遣いたしましょう。報酬は歩合制ですな、良いですよ許可をします」
――――――――――――――――――――
こうして、とんとん拍子に決まってしまいました。私はみんなの教えを実践して狩猟団を大きくしていきます。持てる技能をさらに磨き私はみんなを越えて見せますから!
見ていてください。私は最強ですから!
「でもさ、私たちがやらなかったら国はまだまだ荒れていたと思うんだ。きっと神様は私たちのいた争いの少ない日本から命を尊ぶ人を選んでゲームをさせていたのかもしれないし。私も、剣を交えた相手に家族がいるとかいろいろ想像しながら、でも国をまとめればきっと。なんて思ったんだよ。亡くなった人も家族が幸せで安全に暮らせば安心すると思う」
アイカさんも立派な志しを持っているんだ。それもひとつの大きな思いだと思う。私の思いはただ9人と一緒に世界を感じたかっただけだ。でも、結局9人は私を過保護に扱って拠点に20年も押し込めた。おかげでレベルはずっと上がらないまま。技能だけが増えていった。でも、忍者なのに忍術がないのはどうしたものか。ただ、彼らを感じられる思い出の形の一つでもあるのだ。
「すごいですね。アイカさんは。私はすごく弱いです。こんな姿をしていますが、日本では34歳ですよ。しかも半身不随でまともな活動もできませんでした。恋なんかもずっと出来ないんだななんて思ったんです。だけど、イオリが私をゲームの中だけでも最強を名乗らせてやるお前はそんな女であり、俺にはお前を守らせてくれ俺のすべてをお前にやる。だなんて言ってくれました。現実に私はイオリに惹かれていたのでしょうね逆に20年私はイオリに捧げました。尽くしました」
「あはは、私も実は20年サービス開始からずっとプレイしてたんだよね。私はもっと歳上なのよ? 34歳なんて若いわよ。それに、私はただ子どもを産めば用済み扱いよ。だから、ゲームにあけくれていたダメな大人なの。ソルジャーズオンラインでもカンストしては職業変更してまたレベル上げて繰り返してたら九頭竜の牙の横に立っていただけの廃人だよ」
「そんなことはありませんよ。アイカさんも立派な志しを持った傭兵でした。でももう国は平和です。モンスターの驚異以外は。だから狩猟団を結成しましょう。王様に許可をもらってこの拠点を大きくして狩猟団のための場所にします。世界をモンスターから守りましょう」
「それは、良いわね! 九頭竜の牙狩猟団、団長アカリ様……騎士として貴女を守りましょう」
「あわわわ?! アイカさんも団長の一人ですよ。双角の団長として、切磋琢磨しましょう」
「そう? あいつらに認めさせるには丁度良いわね! 何が職業浮気性よ! 強くなるにはいろいろ経験しないと強くなれないでしょ! って、愚痴っても仕方ないわね。よし、王様に会いに行くわよ!」
思い立ったらすぐに行動するアイカさんは、なんだか眩しく見えます。ウジウジした私とは違いますね。王様に……緊張します。
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お城についてしまいました。私たちは門兵に告げます。謁見を許してくださいって。そしたらアイカさんのことを厚待遇に応対しながら、王様のいる謁見の間へ連れていかれました。
「アイカ殿ではないですか。他の方々はどうされましたかな? そちらのお嬢さんもはじめましてですね」
えらく腰の低い王様に私は笑いそうになるのをこらえます。
「あぁ、こちらは稀人であり。九頭竜の牙の真の団長アカリ殿だ。イオリ殿との約束で、真の団長として認められる働きをしたら、また戻るとのこと。そこで、九頭竜の牙の拠点を狩猟団として活用してモンスターどもを駆逐することを進言する」
「ははぁ、成る程。では、人員をそちらの拠点に派遣いたしましょう。報酬は歩合制ですな、良いですよ許可をします」
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こうして、とんとん拍子に決まってしまいました。私はみんなの教えを実践して狩猟団を大きくしていきます。持てる技能をさらに磨き私はみんなを越えて見せますから!
見ていてください。私は最強ですから!
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