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第三章
34 涙とネズミ
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窓を開けると途端に鳥たちの喧しい声が雪崩れ込んでくる。
思わずため息を吐き、ルブリアンは視線を落とした。
不意に森の入り口あたりを見下ろすと、視界に見知らぬ青年が入る。
「……?」
ルブリアンは眉根を寄せた。
男の格好が実に怪しかったからだ。
騎士団や魔法使いではない。使用人の類とも違う服装だ……何か板を手にして俯いている。
いきなり彼が顔を上げた。
黒髪の青年が、ルブリアンを見上げている。
距離が遠くて顔ははっきりしないが、青年が気まずそうな笑みを作ったような気がした。
「何だ?」
と思わず声を洩らすと同時、ルブリアンは再度やかましくなった鳥たちを見上げる。
それからまた視線を下ろすも既にあの男はいない。奇妙な感覚だった。懐かしいような恐ろしいような。
ひとまず鳥たちには「先に行け」と告げて、ルブリアンは踵を返し、シロファスの眠る部屋へ急いだ。
やはり寝室にシロファスの姿はなかった。ルブリアンは堪えきれず舌打ちをしてコートを羽織った。
録音石を手の内側で転がし、屋敷を闊歩する。使用人たちはルブリアンの顔を見ると、バケモノでも見たかのように表情を強張らせた。
自分が今どれだけ恐ろしい顔をしているか把握など不可能。屋敷を出ると頭上に鳥たちが渦巻き、彼らの影がルブリアンに落ちる。
第二演習場へ向かうと、鳥の密告通り、奴らがいた。
サビーヌの甲高い声が空に響き、鳥が天へ羽ばたく。
「――さっさと答えなさいよ! どうやってルブリアンにお前の場所を教えたの!」
「お前みてぇな魔塔の悪魔は死んじまえばよかったんだ」
追従するようにアルマンもあざ笑った。奴の下衆な笑みが容易に頭に浮かぶ。
人垣で覆われているが、その中心にいる人物など初めから分かっている。
少し先の声でも全く関係なく、何もかもはっきりと、ルブリアンの耳には聞こえてくる。
「何で帰ってきやがったんだよ……」
「団長が知ったらまずいんじゃないか?」
「ネズミなんか手にして汚らしいな」
サビーヌとアルマンの高笑いが響く。
「そのネズミのように狂ってしまえばいいのよ!」
「たかがネズミにお前は何を絶望してるんだ? たまたまそこら辺にいたネズミにアレを食わせてみてよかったなぁ」
人垣の向こうからちら、と見えたシロファスは、その場に蹲っているようだった。
なぜだ? どうしてシロファスがそこにいる。
昨晩に見下ろした気持ちよさそうな寝顔が脳裏を過った。あれほど穏やかだった夜と一転して、雲ひとつない空に照らされたシロファスは罵倒を浴びせられている。
一体誰がシロファスをここへ連れ出したのか。そしてなぜシロファスはそこで微動だにしないのか。
彼は並の騎士団よりも腕が立つ。それなのに降伏するような姿勢を見せているのが分からない。この場で暴れるほどシロファスが考えなしとは思わないが、こうして、地面に蹲っている理由などないはず。
「――おい」
ルブリアンの声に空気が一変する。
その場にいた誰もが口を閉ざした。
シロファスを貶す騎士であろうとそうでなかろうと、彼らはルブリアンを目にすると、すぐさま退くのだ。
「何が起きている。アルマン、説明しろ」
人垣は厳かに割れて、ルブリアンは演習場の中央……シロファスの隣にやってきた。
座り込んだシロファスは顔を上げない。
「……お、お兄様……っ」
「兄さん、これは、その」
先ほどまで威勢よくシロファスを罵倒していた双子は、ルブリアンを前にすると途端に脂汗を滲ませる。
あまりの醜さに反吐が出る。それよりも、シロファスだ。
「どうしたシロファス」
「……」
答えはない。
シロファスは何かを胸に抱えて蹲っている。
「お兄様! こいつが怪しい飴玉を持っていたのよ!」
「そ、そうだ! 俺たちをそれを取り上げようとしたんだ!」
シロファス?
彼は顔を上げない。
アルマンの言う通り、心から絶望しているみたいに。
「こいつが麻薬を、エーテルリーフを使って、シャルロット様を毒殺しようとしているの!」
「ああサビーヌの言う通りだ! ハンスもこいつのせいで撹乱して森で行方不明になったに違いない!」
「夜中にその悪魔とシャルロット様が会話しているところを見かけたメイドもいるの。あのお方を殺そうとしているのよ。処刑よ! 殺すべきだわ!」
「そこの魔法使い」
ルブリアンは人垣の端で右往左往する魔法使いに呼びかけた。
突然指名された魔法使いは狼狽えつつも人垣をかき分けてやってきた。ルブリアンは振り返らずに録音石を投げ渡し、「拡声して再生しろ」と命ずる。
もはや双子の無様な罪の隠蔽と擦り付けなど聞くに値しなかった。
そうして演習場一杯に、双子の醜悪な罪が響き渡る。
――『エーテルリーフよ。貴方が触ることもできない美しい花。それを含んだ飴は毒があるわ』
――『……奥様はどうなるのですか?』
――『さーあ? いつか死ぬんじゃなーい?』
「シロファス、何が起きた?」
醜悪な罪の声の再生と双子の悲鳴に近い声の中、ルブリアンは呼びかけた。
屋根裏部屋の地獄のような部屋でも笑顔を見せていたシロファスが、何かを手にして表情を失くしている。
ルブリアンは膝をつき、シロファスの背中に腕を回した。栄養失調気味なのか、骨ばった体にゾッとするも、シロファスは反応せずかすかに息をするだけだ。
よく見ると震えるように小さく首を振っている。意味するものが何かは直ぐには分からない。シロファスは目を見開いて瞬きすらしていない。その視線は手の中の……ぐったりとしたネズミに向けられていた。
「シロファス?」
「――違うのよお兄様!」
「こんなの捏造だ!」
ルブリアンは立ち上がり、魔法使いに命じた。
「こいつらを拘束しろ」
「は、はい」
「何言ってるのおにいさ、キャアア」
「兄さん! 違うんだ!」
「なぁ」
ルブリアンは、魔法で拘束されたアルマンの頭を蹴飛ばした。
地面に倒れ込んだアルマンの喉を、躊躇いなく蹴り上げる。喉の潰れたアルマンが、「カハッ、カハ」と吐き出しながら悶絶する。
騒然としていた演習場が水を打ったように静まり返った。
ルブリアンは告げた。
「頼むから静かにしていてくれ。……シロファス、それはネズミか?」
そうしてようやく、シロファスが顔を上げた。
頭上の陽光が彼の翠の目に差し込んで、一際輝いた。
「……ネズミくんが、目を覚まさない……」
けれどその輝きは、シロファスの目に浮かんだ涙のせいだったようだ。
「ネズミくん?」
「俺の力をどれだけ使っても……全然反応がなくて、昨日いっぱい使ったからだ……ネズミくんが死んじゃう……」
とうとう涙が溢れ落ちる。ルブリアンは息を止めていた。シロファスの涙を見て、頭を強く殴られるような衝撃を味わっていた。
シロファスがしゃくりあげて、ハッと我にかえり、ルブリアンは立ち上がった。
ネズミを両手にするシロファスごと腕に抱える。魔法使いに治癒師でもある「ドルジャンはどこだ」と詰め寄ると、彼は動転しつつも人差し指を向こうへ指す。
「お、おそらく宿舎に」
「そうか。お前はここでこの二人を見張っていろ。いいか!」
怒声を張り上げると、騎士たちが揃って体を震わせた。
演習場にルブリアンの低い声が轟いた。
「誰一人ここから動くな。逃げようなど思うなよ」
満遍なく睨みつけると、複数の騎士たちの顔色が血を抜かれたように真っ青になっていく。
ルブリアンはシロファスを抱えて宿舎へと向かった。
思わずため息を吐き、ルブリアンは視線を落とした。
不意に森の入り口あたりを見下ろすと、視界に見知らぬ青年が入る。
「……?」
ルブリアンは眉根を寄せた。
男の格好が実に怪しかったからだ。
騎士団や魔法使いではない。使用人の類とも違う服装だ……何か板を手にして俯いている。
いきなり彼が顔を上げた。
黒髪の青年が、ルブリアンを見上げている。
距離が遠くて顔ははっきりしないが、青年が気まずそうな笑みを作ったような気がした。
「何だ?」
と思わず声を洩らすと同時、ルブリアンは再度やかましくなった鳥たちを見上げる。
それからまた視線を下ろすも既にあの男はいない。奇妙な感覚だった。懐かしいような恐ろしいような。
ひとまず鳥たちには「先に行け」と告げて、ルブリアンは踵を返し、シロファスの眠る部屋へ急いだ。
やはり寝室にシロファスの姿はなかった。ルブリアンは堪えきれず舌打ちをしてコートを羽織った。
録音石を手の内側で転がし、屋敷を闊歩する。使用人たちはルブリアンの顔を見ると、バケモノでも見たかのように表情を強張らせた。
自分が今どれだけ恐ろしい顔をしているか把握など不可能。屋敷を出ると頭上に鳥たちが渦巻き、彼らの影がルブリアンに落ちる。
第二演習場へ向かうと、鳥の密告通り、奴らがいた。
サビーヌの甲高い声が空に響き、鳥が天へ羽ばたく。
「――さっさと答えなさいよ! どうやってルブリアンにお前の場所を教えたの!」
「お前みてぇな魔塔の悪魔は死んじまえばよかったんだ」
追従するようにアルマンもあざ笑った。奴の下衆な笑みが容易に頭に浮かぶ。
人垣で覆われているが、その中心にいる人物など初めから分かっている。
少し先の声でも全く関係なく、何もかもはっきりと、ルブリアンの耳には聞こえてくる。
「何で帰ってきやがったんだよ……」
「団長が知ったらまずいんじゃないか?」
「ネズミなんか手にして汚らしいな」
サビーヌとアルマンの高笑いが響く。
「そのネズミのように狂ってしまえばいいのよ!」
「たかがネズミにお前は何を絶望してるんだ? たまたまそこら辺にいたネズミにアレを食わせてみてよかったなぁ」
人垣の向こうからちら、と見えたシロファスは、その場に蹲っているようだった。
なぜだ? どうしてシロファスがそこにいる。
昨晩に見下ろした気持ちよさそうな寝顔が脳裏を過った。あれほど穏やかだった夜と一転して、雲ひとつない空に照らされたシロファスは罵倒を浴びせられている。
一体誰がシロファスをここへ連れ出したのか。そしてなぜシロファスはそこで微動だにしないのか。
彼は並の騎士団よりも腕が立つ。それなのに降伏するような姿勢を見せているのが分からない。この場で暴れるほどシロファスが考えなしとは思わないが、こうして、地面に蹲っている理由などないはず。
「――おい」
ルブリアンの声に空気が一変する。
その場にいた誰もが口を閉ざした。
シロファスを貶す騎士であろうとそうでなかろうと、彼らはルブリアンを目にすると、すぐさま退くのだ。
「何が起きている。アルマン、説明しろ」
人垣は厳かに割れて、ルブリアンは演習場の中央……シロファスの隣にやってきた。
座り込んだシロファスは顔を上げない。
「……お、お兄様……っ」
「兄さん、これは、その」
先ほどまで威勢よくシロファスを罵倒していた双子は、ルブリアンを前にすると途端に脂汗を滲ませる。
あまりの醜さに反吐が出る。それよりも、シロファスだ。
「どうしたシロファス」
「……」
答えはない。
シロファスは何かを胸に抱えて蹲っている。
「お兄様! こいつが怪しい飴玉を持っていたのよ!」
「そ、そうだ! 俺たちをそれを取り上げようとしたんだ!」
シロファス?
彼は顔を上げない。
アルマンの言う通り、心から絶望しているみたいに。
「こいつが麻薬を、エーテルリーフを使って、シャルロット様を毒殺しようとしているの!」
「ああサビーヌの言う通りだ! ハンスもこいつのせいで撹乱して森で行方不明になったに違いない!」
「夜中にその悪魔とシャルロット様が会話しているところを見かけたメイドもいるの。あのお方を殺そうとしているのよ。処刑よ! 殺すべきだわ!」
「そこの魔法使い」
ルブリアンは人垣の端で右往左往する魔法使いに呼びかけた。
突然指名された魔法使いは狼狽えつつも人垣をかき分けてやってきた。ルブリアンは振り返らずに録音石を投げ渡し、「拡声して再生しろ」と命ずる。
もはや双子の無様な罪の隠蔽と擦り付けなど聞くに値しなかった。
そうして演習場一杯に、双子の醜悪な罪が響き渡る。
――『エーテルリーフよ。貴方が触ることもできない美しい花。それを含んだ飴は毒があるわ』
――『……奥様はどうなるのですか?』
――『さーあ? いつか死ぬんじゃなーい?』
「シロファス、何が起きた?」
醜悪な罪の声の再生と双子の悲鳴に近い声の中、ルブリアンは呼びかけた。
屋根裏部屋の地獄のような部屋でも笑顔を見せていたシロファスが、何かを手にして表情を失くしている。
ルブリアンは膝をつき、シロファスの背中に腕を回した。栄養失調気味なのか、骨ばった体にゾッとするも、シロファスは反応せずかすかに息をするだけだ。
よく見ると震えるように小さく首を振っている。意味するものが何かは直ぐには分からない。シロファスは目を見開いて瞬きすらしていない。その視線は手の中の……ぐったりとしたネズミに向けられていた。
「シロファス?」
「――違うのよお兄様!」
「こんなの捏造だ!」
ルブリアンは立ち上がり、魔法使いに命じた。
「こいつらを拘束しろ」
「は、はい」
「何言ってるのおにいさ、キャアア」
「兄さん! 違うんだ!」
「なぁ」
ルブリアンは、魔法で拘束されたアルマンの頭を蹴飛ばした。
地面に倒れ込んだアルマンの喉を、躊躇いなく蹴り上げる。喉の潰れたアルマンが、「カハッ、カハ」と吐き出しながら悶絶する。
騒然としていた演習場が水を打ったように静まり返った。
ルブリアンは告げた。
「頼むから静かにしていてくれ。……シロファス、それはネズミか?」
そうしてようやく、シロファスが顔を上げた。
頭上の陽光が彼の翠の目に差し込んで、一際輝いた。
「……ネズミくんが、目を覚まさない……」
けれどその輝きは、シロファスの目に浮かんだ涙のせいだったようだ。
「ネズミくん?」
「俺の力をどれだけ使っても……全然反応がなくて、昨日いっぱい使ったからだ……ネズミくんが死んじゃう……」
とうとう涙が溢れ落ちる。ルブリアンは息を止めていた。シロファスの涙を見て、頭を強く殴られるような衝撃を味わっていた。
シロファスがしゃくりあげて、ハッと我にかえり、ルブリアンは立ち上がった。
ネズミを両手にするシロファスごと腕に抱える。魔法使いに治癒師でもある「ドルジャンはどこだ」と詰め寄ると、彼は動転しつつも人差し指を向こうへ指す。
「お、おそらく宿舎に」
「そうか。お前はここでこの二人を見張っていろ。いいか!」
怒声を張り上げると、騎士たちが揃って体を震わせた。
演習場にルブリアンの低い声が轟いた。
「誰一人ここから動くな。逃げようなど思うなよ」
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