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少年期
#32 調べ物
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「ん~と……魔術回路変換理論……んん?どこにあるんだ?」
俺は魔術回路を使った道具に新しく機能を追加する方法の載った本を探し、俺は放課後の図書館内を歩き回る。
なぜ、それが必要なのかはあとでのお楽しみだ。
そして、棚を隅から隅まで探していると、ある一冊の古本に目が止まった。
その本は年季が入っており、表紙の革の表面はボロボロに剥がれ落ちていた。
そのため、本の題名はわからず、どのような内容かは表紙だけではわからなかった。
一度、本棚に戻そうとしたが、なぜかどうしても内容が気になり戻せず、俺は自然に貸出の手続きを済ませ、寮でその本を読んでいた。
「これは……」
単刀直入に言おう、この本は“この世界にあってはいけない物”だった。
もちろん如何わしいものでは全くない、なぜなら魔導書だからだ。
……しかし……そこに書いてある内容が、いけなかった、その内容とはこの世界で禁止されている、秘術の発動方法だった。
その秘術とは、過去を改変する魔法……[再構成]というもの。
なぜそんなもの記された魔導書が学校にあり、放置されているのか深い理由は良くわからないが、とりあえずはあまり触れず図書館に戻しておくのが先決だろう、と考え、とりあえず部屋の机に魔導書を置き、俺は工房へと向かった。
____________________________________
今日も鍛冶の鍛錬を終え、寮へ一直線に帰る。
今日はしっかりと時計を見て帰り支度を始めたため、余裕がある、晩御飯を食べる前に部屋へ戻り、水浴びをしてからでも、問題ないだろう。
そう思い、俺は部屋のドアを開く。
すると、そこには、「おかえり」と俺を横目に見ながら机に乗せていたはずの魔導書を読んでいるターシャが居た。
「……それ、読んでんのか」
「ん?うん、あ、ダメだった?」
「正直に言ってダメの部類ではある」
「へ~」
そう適当に相槌をうち、ターシャはまたページをめくる。
その行動に俺は声を上げる。
「あの?お嬢さん、俺の話を聞いておられましたかね?それはダメの部類ではある、と俺は言いましたが?」
「ん~」
え、返事それだけ?ってか、またページめくった。
そんなに集中してんのか?
……って、眺めてる場合じゃねぇ!
「ちょっと!?ターシャさん!?それ禁術の魔導書!だから無言でページめくらないで!?」
「なんでよ~別にいいじゃん、レイくんも読んだんでしょ?」
「うっ……まぁ、そうだけど」
実際そうなため、そう言われてはなんとも反論し難い。
「なら良いよね」
「……さいですか」
どうやらターシャ様はどうしても読みたいようですね。
……ターシャの馬鹿!もう、ターシャなんか知らない!と俺は心の中で叫ぶ、気分はジブリのヒロインだ。
そんなこともありながらも俺とターシャは各々で生活する。
この後、この[再構成]という魔法が大きく自分たちの旅路に干渉することを知らずに……。
俺は魔術回路を使った道具に新しく機能を追加する方法の載った本を探し、俺は放課後の図書館内を歩き回る。
なぜ、それが必要なのかはあとでのお楽しみだ。
そして、棚を隅から隅まで探していると、ある一冊の古本に目が止まった。
その本は年季が入っており、表紙の革の表面はボロボロに剥がれ落ちていた。
そのため、本の題名はわからず、どのような内容かは表紙だけではわからなかった。
一度、本棚に戻そうとしたが、なぜかどうしても内容が気になり戻せず、俺は自然に貸出の手続きを済ませ、寮でその本を読んでいた。
「これは……」
単刀直入に言おう、この本は“この世界にあってはいけない物”だった。
もちろん如何わしいものでは全くない、なぜなら魔導書だからだ。
……しかし……そこに書いてある内容が、いけなかった、その内容とはこの世界で禁止されている、秘術の発動方法だった。
その秘術とは、過去を改変する魔法……[再構成]というもの。
なぜそんなもの記された魔導書が学校にあり、放置されているのか深い理由は良くわからないが、とりあえずはあまり触れず図書館に戻しておくのが先決だろう、と考え、とりあえず部屋の机に魔導書を置き、俺は工房へと向かった。
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今日も鍛冶の鍛錬を終え、寮へ一直線に帰る。
今日はしっかりと時計を見て帰り支度を始めたため、余裕がある、晩御飯を食べる前に部屋へ戻り、水浴びをしてからでも、問題ないだろう。
そう思い、俺は部屋のドアを開く。
すると、そこには、「おかえり」と俺を横目に見ながら机に乗せていたはずの魔導書を読んでいるターシャが居た。
「……それ、読んでんのか」
「ん?うん、あ、ダメだった?」
「正直に言ってダメの部類ではある」
「へ~」
そう適当に相槌をうち、ターシャはまたページをめくる。
その行動に俺は声を上げる。
「あの?お嬢さん、俺の話を聞いておられましたかね?それはダメの部類ではある、と俺は言いましたが?」
「ん~」
え、返事それだけ?ってか、またページめくった。
そんなに集中してんのか?
……って、眺めてる場合じゃねぇ!
「ちょっと!?ターシャさん!?それ禁術の魔導書!だから無言でページめくらないで!?」
「なんでよ~別にいいじゃん、レイくんも読んだんでしょ?」
「うっ……まぁ、そうだけど」
実際そうなため、そう言われてはなんとも反論し難い。
「なら良いよね」
「……さいですか」
どうやらターシャ様はどうしても読みたいようですね。
……ターシャの馬鹿!もう、ターシャなんか知らない!と俺は心の中で叫ぶ、気分はジブリのヒロインだ。
そんなこともありながらも俺とターシャは各々で生活する。
この後、この[再構成]という魔法が大きく自分たちの旅路に干渉することを知らずに……。
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