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第四章 想い
薄氷の日常
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僕は、ルイとのことがあってから、更に勉強に打ち込むようになった。
放課後も、時間が許す限り、水魔法の練習に励む。
相変わらず周囲は騒がしかったが、構ってはいられない。
僕は、黙々と日々を過ごした。
その甲斐があってか、年明けのテストで、僕は初めて首席となった。
これまで、座学の複数の教科ではなったことがあったけれど、実技も含めたすべてにおいて一位を取ったのは初めての経験だった。廊下に貼り出されたテスト結果を見て、僕は少なからず驚いた。
次席どころか10位以内にもルイの名前はなかったのだ。
一体何が起きているのかはわからないが、僕は僕の道を歩むだけだ。
プリフェクトになってしまった以上、もう実力を隠す必要はない。
隠す相手すらも、もう身近にいなくなった。
だから、自分の全力をもって、事に当たっていくことにした。
少しずつ背が伸びて、制服を新調することになり、僕は初めてプリフェクトが身に着けられるボタンに変えた。それまでは、一般の学生と変える気はなかったけれど、制服の指定店からも勧められて、それにしたのだ。
すぐに周りは気付いたようだが、理由を聞いて来る者はいなかった。
それは、周囲にとって自然の流れなのかもしれない。
むしろ、遅すぎたくらいなのだろう。
相変わらず、告白されることはあったが、一時期ほどじゃない。
しかも、呼び出された時点で断り切れるようになった。
首席となった僕が時間がないと言えば、大抵の者は引き下がる。
その意味でも、首席となったのは好都合だった。
これでいい。
勉学に勤しむために、僕はデクスター・カレッジに入ったのだから。
「君は何が楽しくて、日々を過ごしているんだい?」
ある時、食堂で1人昼食を摂っていると、ジョシュアがそう訊いてきた。
「僕は、毎日楽しいです。勉強に集中するためにカレッジに入ったので」
すると、ジョシュアは僕の肩に置いていた手を離し、まじまじと双眸を覗き込んだ。それでも僕は、狼狽えることなく、ジョシュアの紫色の瞳を見つめ返す。
「君は、変わったね」
ジョシュアは笑みを消して、ぽつりと言った。
その声は、これまでとは違って低く、落ち着いて聞こえた。
浮ついた態度は、やはり彼の演技なのだ。
そうでなければ、このカレッジの副代表が務まるわけがない。
ようやく僕という人間を、ジョシュアは認めた。
僕はそれを肌で感じた。
それからは、僕をファグに誘うことも無くなり、必要以上に構ってくることもなくなった。
僕は、何も変わっていない。
本質はそのままだ。
周りが誤解していただけだ。
僕はようやく等身大の自分を認められて、生活が落ち着いたように思えた。
だが、休日となるとまた話は別だ。
誰かしらが僕の部屋の扉をノックし、外に連れ出そうとする。
僕はその度に手を止めて戸口に立ち、相手をしなければならない。
もう、誰にも煩わされたくない。
一人になりたい。
そう思っていたところで、旧校舎が頭に浮かんだ。
あそこなら、僕を見つけることは出来ないだろう。
だから、休日には旧校舎に行くことにした。
場所は迷ったけれど、考えた末に図書室にした。
本があるのもだが、机の並びが落ち着くからだ。
嫌な記憶はあるが、その奥の部屋ならいいかもしれない。
僕は休日の朝早い時間に食事をし、ランチボックスに昼食を詰めてから旧校舎に向かった。
図書室の前を通り過ぎ、更に奥にある準備室の扉を開ける。
すると部屋の窓の傍の席に、ポツンと一人座る人物がいた。
平日ということもあってか、いつもと違って制服もガウンも身に着けていない。
白いシャツに私服のジャケットを羽織るだけの格好で、髪も撫でつけていなかった。
一瞬、誰かわかりかねたが、その特徴的なハニーブロンドを見間違えるはずがない。
フェリルだ。
ドア付近に立つ僕に向こうも気付いたようで、俯けていた顔をこちらに向けた。
「どうして、フェリル……先輩が?」
フェリルの寮は、1人部屋だと聞く。
サロンもあるし、カレッジヘッドだけが利用できるルームもある。
それなのになぜ、ここにいるのか。
僕の問いに、フェリルは淡々と答える。
「君と同じ理由だ」
たしかに、僕も1人部屋だ。だが、居場所がバレてしまっていると、訪ねてくる人も現れる。
フェリルならきっと、僕以上に誘われるはずだ。
僕は状況を理解し、頭を下げた。
「邪魔をしてしまい、申し訳ありません」
そして、部屋を出ていこうとしたところで、フェリルは言った。
「謝罪する必要はない。ここに勉強しに来たんだろう?」
「そう、ですが」
「なら、君も使うといい」
ということは、僕もここにいていいのか。
僕は逡巡した後に、フェリルから椅子5つ分ほど離れた席に腰掛けた。
ここなら邪魔にならないだろうと思い、持ってきた本を開く。
フェリルは、それきり口を開くことなく、自分の勉強に没頭しているようだった。
さらさらと書きつけるペンの音と、紙を捲る乾いた音。
たまに外から、鳥の声がするだけの部屋。
僕にとって、とても居心地がいい環境だった。
しばらくそのまま勉強を続け、椅子を引く音がして顔を上げた。
どうやら、昼の時間が来たようで、フェリルが本やペンをしまい出した。
このまま部屋を出ていく気なのだとわかり、僕は立ち上がって声を掛ける。
「明日も、ここに来ていいですか?」
明日も学校は休みで、きっと今日と同じことが予想された。
もし、フェリルがここを使うのなら、遠慮した方がいいのかもしれない。
すると、フェリルは僕を見ることなく告げた。
「私の部屋ではないからな。好きにするといい」
そして、ドア付近まで行ったところで肩越しに僕を振り返る。
「ただ、ここは安全ではない。それだけは頭に入れておけ」
「はい、ありがとうございます」
僕の返事が聞こえたかはわからない。
フェリルは今度こそ、ドアを閉めて部屋を出ていった。
僕は、ふわふわと心地良い思いを抱いたまま、ドアを見つめていた。
昼食を摂らなくてはと思うのに、何度も会話を反芻した。
失礼なことを言わなかったか。
気の利かない奴だと思われなかったか。
そして、問題がなかったことがわかったところで、詰めていた息を吐いた。
それから、僕は必ず休日は旧校舎に行った。
いつも先にフェリルが来ていて、昼食の時間になると去っていく。
その間、僕は一言もフェリルに話しかけることはしない。
そのうち、平日も放課後に覗きに行くのが日課になった。
休日とは違い、フェリルは来たり来なかったりした。
出会えると嬉しくて、来ないとわかるとがっかりした。
そうして僕は、フェリルと秘密の時間を過ごすようになった。
僕は自分に甘い。
関わらないと決め、心に誓ったというのに。
フェリルと同じ場所に居られる。
それだけで、嬉しくて仕方がない。
僕は、デクスター・カレッジに自分の居場所を見つけた。
相手からの好意はなくていい。
触れられなくたっていい。
僕はただ、傍にいられればそれだけで幸せだ。
この想いに、名前は付けたくない。
僕はそう思って、薄氷の上を歩くような淡く脆い、幸せな日々を過ごした。
放課後も、時間が許す限り、水魔法の練習に励む。
相変わらず周囲は騒がしかったが、構ってはいられない。
僕は、黙々と日々を過ごした。
その甲斐があってか、年明けのテストで、僕は初めて首席となった。
これまで、座学の複数の教科ではなったことがあったけれど、実技も含めたすべてにおいて一位を取ったのは初めての経験だった。廊下に貼り出されたテスト結果を見て、僕は少なからず驚いた。
次席どころか10位以内にもルイの名前はなかったのだ。
一体何が起きているのかはわからないが、僕は僕の道を歩むだけだ。
プリフェクトになってしまった以上、もう実力を隠す必要はない。
隠す相手すらも、もう身近にいなくなった。
だから、自分の全力をもって、事に当たっていくことにした。
少しずつ背が伸びて、制服を新調することになり、僕は初めてプリフェクトが身に着けられるボタンに変えた。それまでは、一般の学生と変える気はなかったけれど、制服の指定店からも勧められて、それにしたのだ。
すぐに周りは気付いたようだが、理由を聞いて来る者はいなかった。
それは、周囲にとって自然の流れなのかもしれない。
むしろ、遅すぎたくらいなのだろう。
相変わらず、告白されることはあったが、一時期ほどじゃない。
しかも、呼び出された時点で断り切れるようになった。
首席となった僕が時間がないと言えば、大抵の者は引き下がる。
その意味でも、首席となったのは好都合だった。
これでいい。
勉学に勤しむために、僕はデクスター・カレッジに入ったのだから。
「君は何が楽しくて、日々を過ごしているんだい?」
ある時、食堂で1人昼食を摂っていると、ジョシュアがそう訊いてきた。
「僕は、毎日楽しいです。勉強に集中するためにカレッジに入ったので」
すると、ジョシュアは僕の肩に置いていた手を離し、まじまじと双眸を覗き込んだ。それでも僕は、狼狽えることなく、ジョシュアの紫色の瞳を見つめ返す。
「君は、変わったね」
ジョシュアは笑みを消して、ぽつりと言った。
その声は、これまでとは違って低く、落ち着いて聞こえた。
浮ついた態度は、やはり彼の演技なのだ。
そうでなければ、このカレッジの副代表が務まるわけがない。
ようやく僕という人間を、ジョシュアは認めた。
僕はそれを肌で感じた。
それからは、僕をファグに誘うことも無くなり、必要以上に構ってくることもなくなった。
僕は、何も変わっていない。
本質はそのままだ。
周りが誤解していただけだ。
僕はようやく等身大の自分を認められて、生活が落ち着いたように思えた。
だが、休日となるとまた話は別だ。
誰かしらが僕の部屋の扉をノックし、外に連れ出そうとする。
僕はその度に手を止めて戸口に立ち、相手をしなければならない。
もう、誰にも煩わされたくない。
一人になりたい。
そう思っていたところで、旧校舎が頭に浮かんだ。
あそこなら、僕を見つけることは出来ないだろう。
だから、休日には旧校舎に行くことにした。
場所は迷ったけれど、考えた末に図書室にした。
本があるのもだが、机の並びが落ち着くからだ。
嫌な記憶はあるが、その奥の部屋ならいいかもしれない。
僕は休日の朝早い時間に食事をし、ランチボックスに昼食を詰めてから旧校舎に向かった。
図書室の前を通り過ぎ、更に奥にある準備室の扉を開ける。
すると部屋の窓の傍の席に、ポツンと一人座る人物がいた。
平日ということもあってか、いつもと違って制服もガウンも身に着けていない。
白いシャツに私服のジャケットを羽織るだけの格好で、髪も撫でつけていなかった。
一瞬、誰かわかりかねたが、その特徴的なハニーブロンドを見間違えるはずがない。
フェリルだ。
ドア付近に立つ僕に向こうも気付いたようで、俯けていた顔をこちらに向けた。
「どうして、フェリル……先輩が?」
フェリルの寮は、1人部屋だと聞く。
サロンもあるし、カレッジヘッドだけが利用できるルームもある。
それなのになぜ、ここにいるのか。
僕の問いに、フェリルは淡々と答える。
「君と同じ理由だ」
たしかに、僕も1人部屋だ。だが、居場所がバレてしまっていると、訪ねてくる人も現れる。
フェリルならきっと、僕以上に誘われるはずだ。
僕は状況を理解し、頭を下げた。
「邪魔をしてしまい、申し訳ありません」
そして、部屋を出ていこうとしたところで、フェリルは言った。
「謝罪する必要はない。ここに勉強しに来たんだろう?」
「そう、ですが」
「なら、君も使うといい」
ということは、僕もここにいていいのか。
僕は逡巡した後に、フェリルから椅子5つ分ほど離れた席に腰掛けた。
ここなら邪魔にならないだろうと思い、持ってきた本を開く。
フェリルは、それきり口を開くことなく、自分の勉強に没頭しているようだった。
さらさらと書きつけるペンの音と、紙を捲る乾いた音。
たまに外から、鳥の声がするだけの部屋。
僕にとって、とても居心地がいい環境だった。
しばらくそのまま勉強を続け、椅子を引く音がして顔を上げた。
どうやら、昼の時間が来たようで、フェリルが本やペンをしまい出した。
このまま部屋を出ていく気なのだとわかり、僕は立ち上がって声を掛ける。
「明日も、ここに来ていいですか?」
明日も学校は休みで、きっと今日と同じことが予想された。
もし、フェリルがここを使うのなら、遠慮した方がいいのかもしれない。
すると、フェリルは僕を見ることなく告げた。
「私の部屋ではないからな。好きにするといい」
そして、ドア付近まで行ったところで肩越しに僕を振り返る。
「ただ、ここは安全ではない。それだけは頭に入れておけ」
「はい、ありがとうございます」
僕の返事が聞こえたかはわからない。
フェリルは今度こそ、ドアを閉めて部屋を出ていった。
僕は、ふわふわと心地良い思いを抱いたまま、ドアを見つめていた。
昼食を摂らなくてはと思うのに、何度も会話を反芻した。
失礼なことを言わなかったか。
気の利かない奴だと思われなかったか。
そして、問題がなかったことがわかったところで、詰めていた息を吐いた。
それから、僕は必ず休日は旧校舎に行った。
いつも先にフェリルが来ていて、昼食の時間になると去っていく。
その間、僕は一言もフェリルに話しかけることはしない。
そのうち、平日も放課後に覗きに行くのが日課になった。
休日とは違い、フェリルは来たり来なかったりした。
出会えると嬉しくて、来ないとわかるとがっかりした。
そうして僕は、フェリルと秘密の時間を過ごすようになった。
僕は自分に甘い。
関わらないと決め、心に誓ったというのに。
フェリルと同じ場所に居られる。
それだけで、嬉しくて仕方がない。
僕は、デクスター・カレッジに自分の居場所を見つけた。
相手からの好意はなくていい。
触れられなくたっていい。
僕はただ、傍にいられればそれだけで幸せだ。
この想いに、名前は付けたくない。
僕はそう思って、薄氷の上を歩くような淡く脆い、幸せな日々を過ごした。
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