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新たな計画

久々にギルドへ

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 ヴェルド様との話も終わって礼拝堂へ戻って来たタクマは、寄付をしてから孤児院へと移動して来た。庭では子供達がヴァイス達を追いかけて遊ぶ姿が見える。ヴァイス達も子供達が疲れすぎないように上手く手を抜いている様だった。

「あ!お父さんだ!」
「お父さーん!」
「タクマおじちゃんだー!」

 タクマを見つけた子供達はあっという間に近くに寄って来る。

「元気に遊んでいるな。転んでけがをしない様にな。夕方に迎えを寄越すからそれまで先生たちの言う事を聞くんだぞ。ヴァイス達と仲良く遊んでてくれな。」
「「「はーい!」」」

 タクマは子供達を撫でてから孤児院を離れていった。次は久しぶりに商業ギルドへと訪れていた。応接室へ案内されると、すぐにギルド長がやって来る。

「タクマ殿か。今日はどうしたのだ?」
「顔出しついでに、商店の事を話そうかと思いまして。」
「ふむ、どういう形態でやるかは決まったのかい?」

 タクマは自分が計画している事を話すと、少し困ったような顔をしている。

「あの屋敷を店にのう。不可能ではないだろうが、どんなものを売るつもりだ?」
「そうですね。扱う商品はこの町にはない商品を扱おうかと。それにあの屋敷は広いので、専門店を何軒か作る予定です。今の所決まっているのは女性用の美容液と、男性用の精力剤ですかね。その他にも子供向けの玩具や、庶民向けの商品を考えています。」
「複数の店舗を一軒の建物に入れるなど、聞いた事が無い。」
「許可は下りますでしょうか?」

 今までにない形態の店をやると言う事で、許可が下り辛いと考えていたのだがそんなことは無いようだ。むしろ買い物が一軒で済むならそちらの方が流行るだろうとの事だ。

「とりあえず、商品の見本は近い内に用意しますが、その時に頼みたい事があるのです。」

 タクマは商品を試すために、夜に自信が無くなっている男性と、肌に悩みを持つ女性を紹介してくれるように頼んだ。

「良いじゃろう、いつまでに集めれば良い?」
「そうですね。一週間位でどうでしょうか?」
「問題ないの。では来週に見本を用意して試すと言う事で良いか?。」

 タクマは了承しギルドを後にした。家に戻るとタクマは執務室でアークスと打ち合わせを始める。

「とりあえず屋敷で店をやる事は問題ないそうだ。とりあえず、湖の方の準備を整えつつ商品を用意しようと思う。」
「分かりました。商店をする者達にはそう伝えておきます。湖の準備の方が進みませんと、この屋敷の改装などを手配できないのですが、そちらは如何なさいますか?」
「明日、湖の方に行って準備を始めようと思っている。商品の方は見本を用意するから、家の女性陣にも試して貰うつもりだ。男性の方はどうするかな・・・。」

 アークスにとりあえず決まっている商品を話すと、必ず売れるだろうと太鼓判を押してくれた。

「では男性用の商品は私が試します。私も年ですから、夜は弱くなっていますので。」
「いいのか?一応大丈夫だと思うが、副作用が無いとも限らんし。」

 どうやら副作用に関してはタクマが同席していればどうにでもなると思っているようだ。タクマは実験の際は必ず同席すると約束し、アークスにも試して貰う事になった。

「後は子供用の玩具とかも考えているが、そっちは自分で考えてみる。」

 ザックリとした打ち合わせを終わらせたタクマは軽い昼食を済ませ、執務室でゆっくりとしていた。

(さて、店が出来れば自立が出来るようになるだろう。月々の給与は他よりも良い感じにしておけば大丈夫だろうし。引き取った子供達も色々な仕事が見れるから将来の参考にはなるだろう。)

「そう言えばヴェルド様に聞き忘れてしまったが、出会いってのはブランとレウコンの事で良かったんだよな。まあ深く考えてもしょうがないし、機会があれば聞くことにするか。」

 タクマは独り言を言いながらPCを取り出し異世界商店の変化を確認していく事にした。いつも購入しているコショウなどはMPで5000程払えば買えるようだ。家の方は1LDKの部屋だと5,000,000程の消費で買えてしまう。この世界では、最高の魔法使いでもMP200,000程が限界だと言われているので破格の消費量だ。

「なるほどな。お金をチャージするのではなく、決済の度に魔力を流すんだな。事前にチャージだと面倒だからこれは便利になったな。しかし、チャージしたはずのお金はどうなったんだろう。」

 残金の表示がなくなっている為、チャージしてあるお金の行方が気になった。

「ナビ。」
「何でしょうか?」
「異世界商店にチャージしたお金はどうなったんだ?」
「チャージしたお金はアイテムボックスに返金されています。消えたりはしていませんね。」

 その言葉に安心したタクマは子供達が帰ってくる時間になる迄、じっくりと異世界商店の品揃えを調べていくのだった。

 

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