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後編 次期魔王復活の日
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その世界の北の最果て、そこに残された魔王が居た場所に素手の勇者は居た。
この世界でも魔王を除けば最強と言われる魔物達を鍛え尽くした拳一つで撃破した素手の勇者は幹部と思われる魔物の言葉に驚きを隠せなかった。
「本当なのか?」
「くくく・・・お前がいくら強かったとしても魔王様は最強となって復活する。既にその時は間近と迫っているのだ」
胸倉を掴んで持ち上げていた魔物を放り捨て素手の勇者は走り出した。
自分を召喚した王女、クレアの元を目指して・・・
そして、時を同じくして槍の勇者は自室のベットにクレア王女を押し倒していた。
まるで全てを諦めたような表情で目の前の男を見るクレアに槍の勇者は他の女で培った愛撫を駆使する。
「濡れないわけじゃないんですね・・・」
「えぇ・・・」
槍の勇者はベットの上ではだけたクレア王女の前で自身のリミッターを解除する。
魔物を相手にする場合、通常の人間の身体能力ではまるで歯が立たない。
そのレベルの生物を相手にする程の身体能力を保持する事が出来る者は自身にリミッターをかけてその力を抑制して生活を送るものである。
つまり女性と性行為を行なう際に解除するなんてのは本来ありえないのである。
「それじゃ、いきますよ」
「いつでも・・・いいですよ」
クレアの体に覆いかぶさり槍の勇者はその体を一気に押し進めた!
しかし、結果は同じであった・・・
「ぐっぐぅぅぅぅううう・・・」
「やはり無理でしたか・・・」
自らの股間を押さえて蹲る槍の勇者、その前に立ち悲しそうに俯くクレア王女。
槍の勇者は情けない姿勢のまま先程のクレアの言葉を思い起こしていた。
クレア王女、その正体は過去に魔王を倒した鉄壁の戦乙女と呼ばれる英雄だったのだ。
史上最強の防御力を保持した彼女は魔王の全力攻撃ですら僅かな擦り傷を付けるのが限界な程硬かった。
クレアはその防御力を頼りに時間を掛けて魔王を削り倒したのだ。
そして、魔王は最後に・・・
『我が肉体は滅びるが次なる魔王はお前の体内に宿らせてやる!』
『なっ?!』
『本来であれば最強の隠匿術を持つ魔物の体内で次期魔王は育てられるのだがお前ならばその必要も無いだろう。なにより生まれてくる次期魔王はお前のステータスを受け継いで最強の守備力を保持して生まれてくるであろう』
そう告げ呪いの様な魔法を駆使してクレアの体内に次期魔王を送り込んだのであった。
数年にも及ぶ研究の結果、クレアの体内に宿る次期魔王は彼女の子宮内に存在していた。
そこへ攻撃を仕掛ける事が出来れば生まれる前の魔王は非常に弱くそのまま倒す事が可能なのであるが一つ問題があった・・・
そう、彼女の全ての攻撃を防ぐ防御力である。
研究の結果、クレアの処女膜を破る事が出来れば次期魔王を倒す事が出来る事が分かっているにも関わらず、それが今まで不可能とされていたのだ。
そして、数年前に魔王対策として受け継がれてきた勇者を異世界から召喚しその力を借りると言う伝承を紐解きクレアは最後の賭けに出ていたのだ。
呼び出された4人の勇者、その中でも最も力が強い斧の勇者が最初に選ばれたが結果は言うまでもないだろう。
次に選ばれたのが補助魔法を使える剣の勇者であった。だが結果は斧の勇者と同じく彼女の防御力の前に・・・
そして、最後に貫く事に関して最も適していると思われる槍を使う勇者を選んだのであるが・・・
結果は見ての通りだったのだ。
「申し訳ありませんでした。元の世界に帰られるのでしたら最初にお伝えした通り記憶と時間は戻した状態で帰れますので・・・」
腰を曲げたまま股間を押さえる槍の勇者にそう言い残してクレアは部屋を出て行く・・・
最後の素手の勇者に期待した所で彼のステータスは4人の中で最弱、希望は無いだろうとクレアは自室に戻るのであった・・・
その日の夜更け、城へ帰りついた素手の勇者はその禍々しい気配を感じ取り王女の寝室を目指して城内を駆け抜けていた。
勿論城内に居る兵士は素手の勇者の存在に直ぐに気が付くがクレア自身から彼等の場合は必ず通すように厳命されていたので素通りである。
そして、王女の部屋の扉を開いたと同時に部屋内部から恐ろしいほどの瘴気が噴出していた!
「なっ?!これは?!」
その部屋の中央でネグリジェ姿のクレアは自身の腹部を抑えて苦しんでいた。
そして、部屋を開けた時に城内に噴出した瘴気に驚いて飛び起きた剣の勇者と槍の勇者が駆けつける。
「素手の勇者?!」
「お前なんでこんな所に?!」
「いまはそれどころじゃないみたいだ」
そう告げる素手の勇者の視線の先を追うと王女クレアが腹部を押さえて苦しんでいる。
二人はそれを見て直ぐに理解した、クレア自身から聞かされていたからである。
つまり、魔王が復活する・・・
「素手の勇者!お前ならもしかしたら・・・」
「王女の腹の中には次期魔王が宿らされているんだ!」
「そうか・・・腹の中か・・・」
そう言って素手の勇者は王女の方へ近寄る。
一体何をするつもりなのかと二人の勇者が見詰める前で素手の勇者はクレア王女に対してスキルを使用した。
『金剛力』
それは自身と触れている対象の体を気の力で強化して防御力を上げるスキル。
少々前屈みになっている槍の勇者を見た素手の勇者はクレア王女を救う為にこの手段を選んだのである。
「こ・・・これは?!」
「一時的に守備力を1.2倍にしました」
素手の勇者は世界を巡った時に様々な情報を得ていた。
その中には勿論鉄壁の戦乙女の情報も沢山在った。
魔王と戦った時に彼女の守備力は高すぎて魔王の攻撃でかすり傷しか付けられなかったと知っていたのである。
そして、その守備力は槍の勇者の突破力でも歯が立たなかったのを理解して考えた素手の勇者。
その結果、思いついた方法とは押して駄目なら引いてみろである!
「お腹が・・・楽になった・・・」
先程まで中から魔王が突き破って出てきそうになっていた腹部は徐々に小さく戻っていっていた。
そして、クレア王女の下腹部から噴出していた瘴気が徐々に弱々しくなっていき・・・遂に消え去った。
「俺達の勝利だ!」
誰もがポカーンとする中に素手の勇者の宣言が響き渡る。
この瞬間、次期魔王は子孫を残す事無く消滅しこの世界から魔王が消失したのであった・・・
その死因は鉄壁の乙女の体から誕生する筈が逆に防御力に圧殺されて死んだと言うことはこの場に居る者達だけの秘密とされるのであった・・・
この世界でも魔王を除けば最強と言われる魔物達を鍛え尽くした拳一つで撃破した素手の勇者は幹部と思われる魔物の言葉に驚きを隠せなかった。
「本当なのか?」
「くくく・・・お前がいくら強かったとしても魔王様は最強となって復活する。既にその時は間近と迫っているのだ」
胸倉を掴んで持ち上げていた魔物を放り捨て素手の勇者は走り出した。
自分を召喚した王女、クレアの元を目指して・・・
そして、時を同じくして槍の勇者は自室のベットにクレア王女を押し倒していた。
まるで全てを諦めたような表情で目の前の男を見るクレアに槍の勇者は他の女で培った愛撫を駆使する。
「濡れないわけじゃないんですね・・・」
「えぇ・・・」
槍の勇者はベットの上ではだけたクレア王女の前で自身のリミッターを解除する。
魔物を相手にする場合、通常の人間の身体能力ではまるで歯が立たない。
そのレベルの生物を相手にする程の身体能力を保持する事が出来る者は自身にリミッターをかけてその力を抑制して生活を送るものである。
つまり女性と性行為を行なう際に解除するなんてのは本来ありえないのである。
「それじゃ、いきますよ」
「いつでも・・・いいですよ」
クレアの体に覆いかぶさり槍の勇者はその体を一気に押し進めた!
しかし、結果は同じであった・・・
「ぐっぐぅぅぅぅううう・・・」
「やはり無理でしたか・・・」
自らの股間を押さえて蹲る槍の勇者、その前に立ち悲しそうに俯くクレア王女。
槍の勇者は情けない姿勢のまま先程のクレアの言葉を思い起こしていた。
クレア王女、その正体は過去に魔王を倒した鉄壁の戦乙女と呼ばれる英雄だったのだ。
史上最強の防御力を保持した彼女は魔王の全力攻撃ですら僅かな擦り傷を付けるのが限界な程硬かった。
クレアはその防御力を頼りに時間を掛けて魔王を削り倒したのだ。
そして、魔王は最後に・・・
『我が肉体は滅びるが次なる魔王はお前の体内に宿らせてやる!』
『なっ?!』
『本来であれば最強の隠匿術を持つ魔物の体内で次期魔王は育てられるのだがお前ならばその必要も無いだろう。なにより生まれてくる次期魔王はお前のステータスを受け継いで最強の守備力を保持して生まれてくるであろう』
そう告げ呪いの様な魔法を駆使してクレアの体内に次期魔王を送り込んだのであった。
数年にも及ぶ研究の結果、クレアの体内に宿る次期魔王は彼女の子宮内に存在していた。
そこへ攻撃を仕掛ける事が出来れば生まれる前の魔王は非常に弱くそのまま倒す事が可能なのであるが一つ問題があった・・・
そう、彼女の全ての攻撃を防ぐ防御力である。
研究の結果、クレアの処女膜を破る事が出来れば次期魔王を倒す事が出来る事が分かっているにも関わらず、それが今まで不可能とされていたのだ。
そして、数年前に魔王対策として受け継がれてきた勇者を異世界から召喚しその力を借りると言う伝承を紐解きクレアは最後の賭けに出ていたのだ。
呼び出された4人の勇者、その中でも最も力が強い斧の勇者が最初に選ばれたが結果は言うまでもないだろう。
次に選ばれたのが補助魔法を使える剣の勇者であった。だが結果は斧の勇者と同じく彼女の防御力の前に・・・
そして、最後に貫く事に関して最も適していると思われる槍を使う勇者を選んだのであるが・・・
結果は見ての通りだったのだ。
「申し訳ありませんでした。元の世界に帰られるのでしたら最初にお伝えした通り記憶と時間は戻した状態で帰れますので・・・」
腰を曲げたまま股間を押さえる槍の勇者にそう言い残してクレアは部屋を出て行く・・・
最後の素手の勇者に期待した所で彼のステータスは4人の中で最弱、希望は無いだろうとクレアは自室に戻るのであった・・・
その日の夜更け、城へ帰りついた素手の勇者はその禍々しい気配を感じ取り王女の寝室を目指して城内を駆け抜けていた。
勿論城内に居る兵士は素手の勇者の存在に直ぐに気が付くがクレア自身から彼等の場合は必ず通すように厳命されていたので素通りである。
そして、王女の部屋の扉を開いたと同時に部屋内部から恐ろしいほどの瘴気が噴出していた!
「なっ?!これは?!」
その部屋の中央でネグリジェ姿のクレアは自身の腹部を抑えて苦しんでいた。
そして、部屋を開けた時に城内に噴出した瘴気に驚いて飛び起きた剣の勇者と槍の勇者が駆けつける。
「素手の勇者?!」
「お前なんでこんな所に?!」
「いまはそれどころじゃないみたいだ」
そう告げる素手の勇者の視線の先を追うと王女クレアが腹部を押さえて苦しんでいる。
二人はそれを見て直ぐに理解した、クレア自身から聞かされていたからである。
つまり、魔王が復活する・・・
「素手の勇者!お前ならもしかしたら・・・」
「王女の腹の中には次期魔王が宿らされているんだ!」
「そうか・・・腹の中か・・・」
そう言って素手の勇者は王女の方へ近寄る。
一体何をするつもりなのかと二人の勇者が見詰める前で素手の勇者はクレア王女に対してスキルを使用した。
『金剛力』
それは自身と触れている対象の体を気の力で強化して防御力を上げるスキル。
少々前屈みになっている槍の勇者を見た素手の勇者はクレア王女を救う為にこの手段を選んだのである。
「こ・・・これは?!」
「一時的に守備力を1.2倍にしました」
素手の勇者は世界を巡った時に様々な情報を得ていた。
その中には勿論鉄壁の戦乙女の情報も沢山在った。
魔王と戦った時に彼女の守備力は高すぎて魔王の攻撃でかすり傷しか付けられなかったと知っていたのである。
そして、その守備力は槍の勇者の突破力でも歯が立たなかったのを理解して考えた素手の勇者。
その結果、思いついた方法とは押して駄目なら引いてみろである!
「お腹が・・・楽になった・・・」
先程まで中から魔王が突き破って出てきそうになっていた腹部は徐々に小さく戻っていっていた。
そして、クレア王女の下腹部から噴出していた瘴気が徐々に弱々しくなっていき・・・遂に消え去った。
「俺達の勝利だ!」
誰もがポカーンとする中に素手の勇者の宣言が響き渡る。
この瞬間、次期魔王は子孫を残す事無く消滅しこの世界から魔王が消失したのであった・・・
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