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chapter5
chapter5-6
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「……嫌いじゃない」
「じゃあ、俺が戻ってからも恋人でいてくれる?」
明日にしようと先延ばしにしていたが、待ってはくれないみたいだった。
和幸は慎文の気配がする方を見ることが出来ずに強く目を瞑った。
奴が待っているのは、気持ちに応える肯定の言葉だろう。
和幸の本心を話してしまえば奴がどんな顔をするかは想像ができる。
だからと言って情けで付き合っていいものじゃない。
「すまないけど、それは無理だ」
「どうして?今日は凄く楽しかったのに……。カズくんは楽しくなかった?」
和幸の返事を聞き、勢いよく起き上がった慎文が隣で正座をして左腕を掴んできた。
握られた手の震えから慎文の動揺を感じる。
「俺も今日一日お前と色々な場所に行けて楽しかったよ。でも、それとこれとは別の話だ。俺はお前のことを恋人としての好意で感情を持つことはない……」
「やっぱり一昨日に抱き着いたのがダメだった?カズくん嫌だって言わなかったから、てっきり……。どうしたらカズくんに俺のこと好きになってもらえる?もっと料理頑張って方がいい?」
「期待させてごめん……。少しでも恋人期間中だけはお前に楽しんでもらいたくて……」
「そんなっ……」
小さく唸る声が聴こえ、上体を起こして振り返ると慎文が頭を抱えて布団に突っ伏していた。
「カズくん、少しでも俺のこと考えてくれてた?」
慎文が思い立ったように顔をあげて問うてくる。
和幸は身体を起こすと、口を結んで今にも泣きそうな慎文を横目にしながら腿の上で手の指を組み合わせた。
「ああ、お前とは幼馴染以外なんでもないことは俺の中ではずっと変わらない。だから俺のことは諦めてほしい」
「そ、そんなの嫌だっ。まだカズくんのこと好きでいたい……。カズくんが好きじゃなくてもいいから、カズくんが嫌なら手も繋げなくてもいいよ。今度はちゃんと我慢するから……。だから、俺が来たときは嘘でもいいから恋人みたいにまたデートして?カズくんに会えなくなる方が辛い」
縋るように提案してくる慎文の懇願が和幸の胸を痛ませる。
もし慎文の願いを受け入れてしまえば、今よりもっと奴を期待させて苦しめる。
次の恋愛にすら進めなくて一生慎文が幸せになれない。
「お前なあ……。そこまで俺のことを好きになってくれていることは嬉しいよ。だけど、俺に彼女ができたらどうすんだ?そうなったらお前がこっちに来たとしても、俺に好意がある以上はお前に会うことはできない。お前を泊めてやることもできないし、全部彼女を優先する。お前の望むようなことはしてやれない……」
顔を俯けたまま何も返事をしない慎文から、暗闇で表情は分からずとも酷く落ち込んでいることは明確だった。
「こんなこと続けていてもお前が苦しくなるだけだ。これからは幼馴染としてお前が困った時は助けてやるからさ、今日は休め。明日は一応、恋人期間は最後だからお前の望むようにしてやるからさ」
和幸は敢えて慎文の方は見ずに乱れた布団を持ち直して肩まで掛け直すと、奴に背を向けて横になる。
途端に奴に勢いよく背中から押し倒され、うつ伏せになってしまった。
「じゃあ、俺が戻ってからも恋人でいてくれる?」
明日にしようと先延ばしにしていたが、待ってはくれないみたいだった。
和幸は慎文の気配がする方を見ることが出来ずに強く目を瞑った。
奴が待っているのは、気持ちに応える肯定の言葉だろう。
和幸の本心を話してしまえば奴がどんな顔をするかは想像ができる。
だからと言って情けで付き合っていいものじゃない。
「すまないけど、それは無理だ」
「どうして?今日は凄く楽しかったのに……。カズくんは楽しくなかった?」
和幸の返事を聞き、勢いよく起き上がった慎文が隣で正座をして左腕を掴んできた。
握られた手の震えから慎文の動揺を感じる。
「俺も今日一日お前と色々な場所に行けて楽しかったよ。でも、それとこれとは別の話だ。俺はお前のことを恋人としての好意で感情を持つことはない……」
「やっぱり一昨日に抱き着いたのがダメだった?カズくん嫌だって言わなかったから、てっきり……。どうしたらカズくんに俺のこと好きになってもらえる?もっと料理頑張って方がいい?」
「期待させてごめん……。少しでも恋人期間中だけはお前に楽しんでもらいたくて……」
「そんなっ……」
小さく唸る声が聴こえ、上体を起こして振り返ると慎文が頭を抱えて布団に突っ伏していた。
「カズくん、少しでも俺のこと考えてくれてた?」
慎文が思い立ったように顔をあげて問うてくる。
和幸は身体を起こすと、口を結んで今にも泣きそうな慎文を横目にしながら腿の上で手の指を組み合わせた。
「ああ、お前とは幼馴染以外なんでもないことは俺の中ではずっと変わらない。だから俺のことは諦めてほしい」
「そ、そんなの嫌だっ。まだカズくんのこと好きでいたい……。カズくんが好きじゃなくてもいいから、カズくんが嫌なら手も繋げなくてもいいよ。今度はちゃんと我慢するから……。だから、俺が来たときは嘘でもいいから恋人みたいにまたデートして?カズくんに会えなくなる方が辛い」
縋るように提案してくる慎文の懇願が和幸の胸を痛ませる。
もし慎文の願いを受け入れてしまえば、今よりもっと奴を期待させて苦しめる。
次の恋愛にすら進めなくて一生慎文が幸せになれない。
「お前なあ……。そこまで俺のことを好きになってくれていることは嬉しいよ。だけど、俺に彼女ができたらどうすんだ?そうなったらお前がこっちに来たとしても、俺に好意がある以上はお前に会うことはできない。お前を泊めてやることもできないし、全部彼女を優先する。お前の望むようなことはしてやれない……」
顔を俯けたまま何も返事をしない慎文から、暗闇で表情は分からずとも酷く落ち込んでいることは明確だった。
「こんなこと続けていてもお前が苦しくなるだけだ。これからは幼馴染としてお前が困った時は助けてやるからさ、今日は休め。明日は一応、恋人期間は最後だからお前の望むようにしてやるからさ」
和幸は敢えて慎文の方は見ずに乱れた布団を持ち直して肩まで掛け直すと、奴に背を向けて横になる。
途端に奴に勢いよく背中から押し倒され、うつ伏せになってしまった。
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